レポートの書き方

     兵庫教育大学 成田 滋



論文の書き方のページ レビュー(論評)の書き方

 通常、皆さんに課せられるレポートとは、「position paper」のことを指します。position paperとは、与えられた資料や課題に関して、自分の考え方や立場を論述するもののことです。新聞や雑誌にある書評などは、その一例です。書評を読むとなんらかのスタイルがあることに気が付きます。position paperにもなんらかのスタイルはあります。

 しかし、レポートの書き方には「これでなければならない」といった形式はありません。ですが良いレポートというのは、読者がそれを読んだときに、なにか印象に残るものがあります。論旨がはっきりしているとか、文体がなめらかであるとか、語彙が豊富であるとか、起承転結が明確であるとか、いろいろあります。良いレポートを書くためのこつは、ただ一つ。大いに文章を読んで、自分の印象に残るものがあったらそのスタイルを真似ることです。

 次ぎにposition paperの書き方の例を述べます。以下「●」で記述する部分は例です。

1. レポート資料について要旨や概要を短く述べます。このイントロは、レポート資料を読んでいない読者にもわかってもらうのに役立ちます。その分量は数行から10行くらいまでです。

2. 次ぎにレポート資料について自分の考えや立場を表明します。

3. 次ぎに自分の考え方や立場を裏付ける研究、報告、統計資料、関連資料、あるいは実際の姿、たとえば学校の実情などに言及し、自分の主張を擁護、強化します。ここでは、異なる立場の意見や考え方を紹介しても構いません。異なった視点を入れることは、筆者の視野の広さを読者に訴えることに役立ちます。

4. 続いて自分の立場を論述します。この部分は、3の部分と一緒になる場合があります。論述する場合は、例えば次のような要素を考慮に入れながら論旨を展開します。つまり実現性、費用対効果、人的資源、現在の制度やシステム、倫理、可能性、先駆性などです。

5. 最後に結論を述べます。ここでは2の部分の自分の考えや立場を再度述べます。そして一般化する文章で結んでも良いと思います。


6. その他、留意すること。


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(c)Shigeru Narita, Ph.D. Updated May 17, 1996