障害者とコンピュータ利用教育研究会

1999年7月会報 NO. 108  Mac Education Society(MES) 編集 成田 滋 西谷淳 猶原秀明 丹羽登 村川佳子

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成田研究室

〒673-1421兵庫県加東郡社町山国2007
  兵庫教育大学 学校教育研究センター
  naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
  Fax 0795-40-2203

■ 目次 ■

5月例会レポート&7月例会案内

「MES関東7月例会」のお知らせ

POEM99

第7回アメリカ合衆国障害児教育/テクノロジ活用の研修報告

インターネット大学(視覚障害者への情報教育実習、視察報告)

学習障害児に対する指導について(報告概要)

自作教材の紹介

市販製品の紹介

上月振興教育財団研究助成の発表

皆さんからのお便り

■5月例会レポート&7月例会案内

 林 正直 鎌倉養護学校 PFA01176@nifty.ne.jp
 まずは、、、レポートが遅くなりましたこと、お詫びいたします。さる5月8日(土)、永田先生、宮本先生をはじめ、大塚養護の先生方には大変お世話になりました。例会が始まろうとするとき、なんと兵庫教育大学の成田先生もお見えになり、いっそうにぎやかな会となりました。
 自己紹介のあと、「G3」のお披露目をしていただきました。印象は、、、(専用線128でインターネットにつながっていて)さすがに早い!の一言でした。紹介のコーナーのトップバッターは、大塚養護の宮本先生。生徒さんの現場(職場)実習先を開拓するために、インターネットを活用されている事例紹介していただきました。実際に画面上で「フロムA」のホームページを見せていただきながら、業種、職種の中から「清掃」「体を動かす」などを選択したり、最寄り駅から絞り込んだりと検索をして、これは!と思うものがあれば、あとは一件、一件電話をかけて交渉をされるとのことでした。
 そして、大塚養護期待の新人のお一人、宇佐美先生からは「CITI BANKインターネットバンキング」について紹介していただきました。成田先生の銀行口座の情報照会をしたり、外貨の取引をするにはどうするのかなど、実際に画面に出していただきながらお話していただきました。今(5月)ならドルで預けておくと金利が3%くらいつくそうです。もうすぐ他銀行への振込もできるようになるそうです。会場からは「ホント、便利になりますね。」という声が、、、。
 続いておんちゃんこと笹野さんから「電子砂時計」の紹介をお願いしました。黒いプラケース(お弁当箱大)に高輝度発光LEDが12コついていて、背面のスイッチで砂時計の時間を設定(1〜60分)できるようになっています。もちろん、内部のBASIC STAMPのプログラムを変更すればこの時間設定も変更できるそうです。時間をLEDの発光している量(数)によって、目に見えるようにしてわかりやすく提示できる「優れ物」です。
 千葉聾の宮下先生からは「教材作製ウイザード」というソフトを紹介していただきました。ホームページが情報源(ダウンロード可)となるそうです。国語の漢字読み学習、社会の歴史年号学習、英語のクロスワードパズル学習、、、などドリル学習っぽいスタックというメージでした。興味感心をっ引きつけるような工夫もいろいろと感じらるものでした。  最後に柏養護の熊谷先生からは「Virtual PC (Win95)」(お値段は2万9千円くらい?)の紹介していただきました。「一太郎(V9)」の罫線機能などは「やはり使いやすい!」とのことでした。Winのソフトも使えるというのは便利だなと思いました。例会後は例によって懇親会も、、、。(私は参加できず、うーん、残念。)

■「MES関東7月例会」のお知らせ

 初めての方も大歓迎です。お気軽においで下さい。
日時 1999年7月10日 (土) PM 2:00-5:00
会場 横浜市立共進中学校 通級指導教室
    神奈川県横浜市南区東蒔田 1-5 045-711-0823(直通)
お世話役 共進中学校教諭 舞薗恭子先生
交通
 横浜市営地下鉄「吉野町」駅で下車し、3番出口に出ます。出たら左へ。鎌倉街道沿いを2分ほど歩くと吉野橋があり、渡るとスカイラークがあります。その左に校庭のネットが見えます。川沿いを進んでいただくと、共進中の校門があります。車で来られる方は,校庭のフェンスに沿って裏側の西門からお入りください。通級指導教室は門から奥の方ですが、校門までいらしていただければ、あとはわかるように案内が出ています。
内容
・自作・市販ソフト、機器の紹介
・活用事例の発表など
・Q & Aコーナー、その他

■POEM99

 POEM99の概要が届きましたのでお知らせします。
[日程]
<メインホール(視聴覚センター講堂)>
8月6日
  9:00 スタッフ集合・打ち合わせ〜準備
 11:00 (昼食)
 11:30 受付
変更あり 
 12:00 オープニング
 12:10 玉川学園小原学長挨拶10分
12:30 事例発表(国際理解)玉川学園
     中学部....................大谷千恵先生(玉川学園全人教育研究所研究員)30分
「中学部英語授業における異文化理解とOn-line授業の取り組み」
  小学部.....................渡瀬恵一先生(玉川学園小学部教諭)20分
   「ネットワークの活用と総合的学習(玉川学園小学部の実践)」
 14:00 事例発表(コミュニケーション)同志社国際高校 40分
 14:50 CMタイム(各教室の案内)
 15:30 基調講演1
     「新指導要領と情報教育(仮)」
      山極 隆先生(富山大学教育学部・教授,元文部省初等中等局主任視学官)
 16:30 質議応答・諸連絡
 17:00 終了
8月7日
  9:00 スタッフ集合・打ち合わせ
  9:30 受付開始
 10:00 プレゼンテーションタイム
     ・MES
     ・MESshiga
・滋賀大学教育学部附属養護学校
     ・ACE関西
     ・玉川学園高等部.....................臼井夏美先生(玉川学園高等部教諭) 20分
   「プレゼンテーションソフトを用いた情報教育の試み」
 12:30 パネルディスカッション
      「コーディネーター集合!」(Think Quest,NECA-J,他)
(13:00〜昼食)
 13:30 事例発表
     ・KIDLINK
     ・玉川学園女子短期大学.........照屋さゆり先生(女子短大専任講師)20分
      「Lotusラーニングスペースを利用したコラボレーション授業のとりくみ」
 14:30 基調講演2
     「感性・心の教育(仮) 」
      高橋 史朗先生(明星大学教授/玉川大学大学院非常勤講師)
     質議応答・諸連絡
 15:30 エンディングイベント
 16:00 撤収開始
 18:00 懇親会(ホールからすぐの「りんどう食堂」にて)
<教室会場=3階,4教室>
   A・「環境教育を考えよう」(ACE関東)
   B・「ユニバーサルデザイン」(ACE関西,MES)
   C・「インターネット探偵団&インターネット探検隊」
                 (ACE北海道+九州+上越+関東)
   D・「未来の教室を考えよう」(Think Quest,KIDLINK)
    「企業発表」(IBM,アスキー,島津理化他)
<その他>
E・エデュースの森(=ホール前ロビーおよび1階通路)
     ACEと協力関係にある研究団体や協賛企業のブースを展開します。
F・玉川学園小学部ツアー
       1日に数回ツアーコンダクターによるツアーを予定しています。
 G・こどもの陣地=3階廊下
      子どもたちが遊び,学ぶことができる子どもが主役の場を提供します。
  H・玉川学園の購買部のコーナー=ホワイエ
   玉川で有名なはちみつ、アイスクリームの発送や教育関連書籍の販売を行います。

■第7回アメリカ合衆国障害児教育/テクノロジ活用の研修報告

兵庫教育大学の院生らと駆け足の研修をしてきました。写真をご覧ください。
  7月10日(土) 出発 (関西) ワシントンDC着
  7月11日(日) モールの見学とマウントバーノンで異文化理解学習
  7月12日(月) 連邦教育省主催の障害児教育とテクノロジー会議
  7月13日(火) 障害児教育とテクノロジー会議
  7月14日(水) メリーランド大学テクノロジーセンターアメリカ特殊教育児童協会(CEC)での研修、Dr. Nacy Safer事務局長と懇談
  7月15日(木) ハーバード大学図書館見学
  7月16日(金) CASTテクノロジーセンター | ケネディ発達遅滞研究センター
  7月17日(土) プリマスのメイフラワー号や清教徒の初期の農場
http://mac35ceser.ceser.hyogo-u.ac.jp/users/naritas/us_visit99/us_visit99.html

 

■インターネット大学(視覚障害者への情報教育実習、視察報告)

先日、筑波技術短期大学を訪問し、視覚障害者への情報処理教育を見学さぜていただきました。情報技術に携わるものとして大変、興味深い経験をしましたの、インターネット大学の議論のテーマとしてみなさんにご報告させていただきます。ご意見をお寄せください。
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視覚障害者への情報教育実習、視察報告
訪問先:国立3年制 筑波技術短期大学 情報処理学科 白田助教授
日時:6月22日10:00~13:00
 訪問先は、視覚障害者への情報技術教育を日本で唯一実施している大学であり、インターネットを活用した特徴ある教育をおこなっている。今回、福祉における情報ネットワークの活用の好事例として視察し、大学の概要についてのプレゼンテーションと実習の見学をさせてもらった。
1. 当大学は聴覚障害者、視覚障害者を対象として、大学教育を提供している。平成2年、聴覚障害関係学科、3年に視覚障害関係学科が開学した。
2. 視覚障害関係学科は情報処理学科10名、理学療法学科10名、鍼灸学科10名
3. 全寮制(自炊)。
4. 情報処理学科では、コンピュータシステム概論、経営学総論、会計学、ソフトウェア工学、管理工学などの講義科目、およびプログラミング言語、演習などの実習科目から構成されている。
5. 情報機器の操作のみならず、情報活用のツールとして利用することによって、高い教育効果をえられるようカリキュラムが設計されている。
6. 実習室、演習室にはUNIXワークステーション、パソコンなどが設置され学生が自由に利用できる。
7. 情報機器の利用は、点字のみならず音声出力を用いて、対話型に利用している。たとえば、ホームページはボイスリーダーソフトを利用すればコンピュータの音声で文章を読み上げてくれる。その時の速さは、我々が通常話すときの5倍くらいの速さで聞き取れているので、健常者に比べて、理解度のハンディがあるようにはまったく見えなかった。
8. ワープロ入力は、漢字変換ソフトの音声版が用意され、ローマ字で入力すると最初、アルファベットが読み上げられ、その後、変換された漢字が読み上げられた。また、変換キーを押すと、次の候補漢字が読み上げられるが、漢字の読みだけでは、該当漢字が判別できので、説明がなされる。たとえば、森は、「木が3本の森」と読み上げられる。一見、冗長に感じられるが、実際に,この処理が、かなりの速さの読み上げがなされるため、我々からみて、普通にタイプできているように感じられた。
9. 演習では、インターネットを活用し、さまざまな情報を自主的に収集し、レポートを作成している様子が見学できた。図書館などで文献から情報を収集するのに比べて、比較的容易に情報収集できるインターネットのインターネットの価値を体得しているように感じられた。白田助教授も、インターネットによって格段に情報収集能力が向上したと説明してくれ、演習室のパソコンなどの機器のセットアップ、ネットワークへの接続など必要な作業は学生たちが自主的に、ほとんど教員の支援もなく実施できている。
感想:
1. 当学は、日本では唯一の大学であり、ここでの試みが、幅広く認知される必要があると感じた。
2. 情報ネットワーク、とりわけインターネットが、障害者をスポイルするのではなく、むしろ、障害者の情報収集アプローチの多様化、コミュニケーション手法の拡大をもたらしていることがわかり、非常に感銘を受けた.。
  松島桂樹  岐阜経済大学 matsu@gifu-keizai.ac.jp

■学習障害児に対する指導について(報告概要)

 1999年7月2日 文部省発表
 7月1日夜、文部省が報道機関発表(プレス)用に配布した資料からの引用です。

学習障害児に対する指導について(報告概要)
学習障害及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒の指導方法に関する調査研究協力 者会議(主査 山口 薫東京学芸大学名誉教授)は、学習障害児に対する指導について、平成7年3月に中間報告を公表したが、その後、平成9年12月に審議を再開し、このたび、中間報告でさらに検討が必要とされた事項等について、報告を取りまとめた。

その概要は次のとおり。
1.学習障害の定義の明確化
中間報告で学習障害を定義したが、次のとおり明確化を図った。学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

2.学習障害の診断・実態把握基準
学習障害の診断・実態把握の基準、留意事項等についての検討結果を試案として取りまとめ今後、これを参考として、学習障害児か否かが的確に判断されることを期待。

3.学習障害児に対する指導方法
* 学習障害児に対する指導は、特定の能力の困難に起因する教科学習の遅れを補う教科指導が中心。
* 学習障害児に対する指導は、学習障害以外の理由により教科学習に遅れが見られる児童生徒に対する 指導内容・方法と重複する部分も少なくないが、児童生徒の認知能力の特性に着目した指導方法を工夫することが有効。
* 今後、国立特殊教育総合研究所において、内外の研究の成果を取りまとめ、具体的な指導方法を体系化していくことが望まれるところ。

4.学習障害児に対する指導の形態と場
* 学習障害児の多くは通常の学級に在籍していることから、通常の学級における指導が基本であるが、担任が配慮して指導するほか、ティームティーチングの活用が大きな力を発揮することから、ティームティーチングの幅広い活用の中で、学習障害児の指導にも十分配慮することが望まれるところ。
* 学習障害児に対する指導の場として、「通級による指導」に類似した指導の場等を設けることについては、様々な未解決の課題があり、引き続き研究を進めることが適当。
* 学習障害に関する専門家が、教員に対して、学習障害児への指導方法等を直接指導する機会を広げるため、専門家による巡回指導を充実することが必要。

■自作教材の紹介

以下ハイパーカードによって作られた作品を紹介します。
「いみふたつことば」
 この教材は、ひらがなの表記上では,同じであっても,ふたつの意味がある名詞をそれぞれ対比させることによって,日本語(ひらがな)のもつ面白さと,そのアクセントの違いに気づかせることをねっています。いずれかの絵をクリックしたら,説明画面に移動し,できるだけわかりやすくその説明を文字と音声で行います。さらに,その絵も画面上では,できるだけその名詞に応じた動きをするよう工夫しています。(例,雨が空から降る,亀がゆっくり歩く,等)

「さかさことば」
 これは、2音節の名詞の中で上から読んだ時と,下から読んだ時では全く違った意味になる名詞を探して,日本語(ひらがな)のもつ面白さに気づかせることを目的としています。児童や生徒がマウスでクリックする箇所(『さかさ』,『つぎ』,『もどる』の3つ)はカラーにしてわかりやすくしています。ただし,絵と文字の箇所は見えにくくなるのでカラーにしていません。

「清音と濁音Ver.2」 
 2音節の名詞の中で清音に濁点がつくと,全く違った意味になる名詞を探し,日本語(ひらがな)のもつ面白さに気づかせます。また,濁点にも注意を向けさせることを意図しています。児童・生徒がマウスでクリックする箇所(『てんてんをつける』,『てんてんをとる』,『つぎ』,『もどる』の4つ)はカラーにしてわかりやすくしています。
 また、清音に濁点をつけたり,とったりする様子を画面上にわかりやすく示すとともに,表示する絵と文字の2つをうまく連動させます。また,音声でもその連動を説明します。さらに,濁点(てんてん)を意識させるために,その動きを強調しています。

○作成者
  富山県高岡市立こまどり養護学校(肢体不自由)
  盤若一樹  作成協力者 炭谷晴佳(絵,音声)

■市販製品の紹介

○IBMとアップル、ViaVoice for Macintoshを公開
--ルーティンワークを支援する音声認識ソフトウェアがMacintosh上で動作−-
 IBM社とアップルコンピュータ社(本社:カリフォルニア州クパティーノ)は1999年7月21日、 連続的な話し言葉を認識するソフトウェアとしてMacintoshプラットフォーム上で動作する初の製品「ViaVoice」(ビアボイス)を公開しました。
 数々の賞に輝くIBMの音声テクノロジーを基にしたViaVoice for Macintoshは、電子メールの作成や文書の編集といった数多くの日常的なコンピュータでの仕事に対し、直観的で使いやすいインタフェースを提供します。
 「IBM社が、ワールドクラスの音声認識ソフトウェアをMacintoshプラットフォームにもたらすことを、非常に喜んでいます」とアップルコンピュータ社の暫定CEO(最高経営責任者)スティーブ・ジョブズは述べています。「ViaVoiceによって、Macユーザは、話すという最も自然な方法でソフトウェアアプリケーションを操作できるようになります」  http://www.apple.co.jp/news/1999/jul/22ibm.htmlより引用

■上月振興教育財団研究助成の発表

上月振興教育財団からの研究助成の案内がきています。2つの懸賞ジャンルがありま す。ふるってご参加を。
1 上月情報教育研究助成 対象となるもの
 情報教育に関する実践的な研究で、その目的、計画がすぐれており、教育現場への 適応性が高く、助成期間内に成果が期待できるもの
応募資格 小中高、特殊教育書学校の教員、教育委員会の指導主事によって構成されるグループ 、学校単位、団体、機関
助成期間 2年間
応募資料の請求 8月1日
提出期間 11月1日-12月15日
助成金 100万円、50万円、30万円
審査結果の発表 平成12年3月上旬

2 上月情報教育賞
対象となるもの  
情報きょういくに関する研究を継続的に実践してきた研究成果に対し顕彰する。た だし、受賞後もさらに発展できると期待されるもの。
 最優秀賞 100万円  優秀賞   50万円  優良賞   30万円  
審査結果の発表 平成12年8月下旬
問い合わせ  上月振興教育財団  650-0004 神戸市中央区中山手 4-3-5 all@kozuki.or.jp  http://www.kozuki.or.jp  
telephone 078-271-1212  
fax 078-271-1313

■皆さんからのお便り 

NKKからのMacを使っています。  
筱 更治 奈良工業高等学校 shino@ceser.hyogo-u.ac.jp>
 5000円を切る中古のディスプレイと、コネクタを購入して接続したところ、大変良好に動作しています。インターネットへの接続も問題ありません。ブラウザは、Netscape3.0がインストールされていて、すぐに使えました。ただ、私どもの環境では、すべてのパケットをWindowsNTのプロキシを介しているため、電子メールが利用できません。PC-UNIXを購入する経費がなく、当分マックユーザーは、不便をしています。OSが、MacOS 8.0で、大変快適です。CPUは、どうもPowerPCのようですね。これで図書館では、生徒さんが利用できるマシンがまた増えて、4台となります。生徒が大変喜びます。ありがとうございました。 

講演をお聞きして  
石川清一 丸亀市 ishikawa@niji.or.jp
 石川と申します。実は、香川聾とは香川大学の中邑先生からの紹介で、ポケベル、PHS、携帯電話の利用促進の関係でここ2年ほど出入りさせていただいております。私としましては、商売上のことも少しはありますが、このような仕事をさせていただいている今の状況の中で、何とか障害者のみなさんが普通の方々とも簡単にコミュニケーションをとれるような時代になれば良いなという気持ちで協力させていただいてきました。
 私としましては、聾学校のような教育機関よりも地域に根ざした学校で色々な子供たちと勉強、遊び、全てに一緒に育つことの中に一個人としての成長があり人間としての尊厳も与えられると共に生きる力もつくものと信じております。もちろん学校と地域全てが、障害者のみならず色々に問題のある子供たちに個別の指導を保護者の希望にあわせて計画し推進することが本当に必要なことであると思います。ただ現実には私共の3女もそうですが、特別な指導計画をもって教育を受けているということは今日の日本にはないのです。ただ、色々の配慮は必要ですが一緒に全ての行動を共にすることに、私たちは大きな価値を見いだしていますので計画がないからだめだとか、あるいは特別の指導を受けれると誘いをかけていただいているような特別な教育環境に入れる気は毛頭ないのが現状です。
 幸いなことに今の小学校の校長先生がとても理解を示してくれておりまして、学校全体の先生方が積極的ではないにせよ、気にしていただいているように思っております。理想的なインクルージョンの教育環境とはやはり色々な専門的なスキルを持った先生方が地域の学校に集まりその能力を障害の有無に関係なく日常の普通の生活の中で子供たちに提供していくということでなければ困難と思えます。そのような考え方はどうも外圧でしか実現しそうにないというのが、先生も言われるように日本の状況のように思えます。どんどんと、国連などから勧告を出していただきたいものです。いずれにいたしましても、先生のお考えにはうなずけることが多く、また参考になることも多くありました。私の家内が「障害児を普通学校へ・全国連絡会 香川県支部」という活動をしております。また機会がございましたらお話をさせていただけましたら幸いです。

近況  
渡辺正夫 千葉市 w.nabe@ma4.justnet.ne.jp
  教頭ということで現場に11年ぶりに復帰しましたが,こんなにも毎日が忙しいとは思ってもみませんでした。次から次にくる文書の山。業者との応対。もっとあるのが保護者との面談。その間に職員との対話。本当に休む時間もなく動き回っている感じがします。でも,久しぶりの現場に満足をしています。子供たちとの触れ合い,職員との対話など,行政とは違った雰囲気でコミュニケーションができるからです。これから本校(知的障害養護学校)の夏まつりに向けて,また,一踏ん張りしようと思います。
 いつも会報を読ませていただきありがたく思っております。忙しい毎日を送っていると新しい情報が入りにくくなってきます。自分から情報を求めていかなければならないところもありますが,なかなか求める時間がなくて困っているのが現状です。ですから,この会報は私にとって重要な情報であるのです。

印象に残るところ  
田村真一 高槻市立養護学校  明後日23日から、1泊で洛西ふれあい会館(京都市)宿泊訓練にいきます。ここの施設は、障害者用の宿泊施設で、洋室は、介護用ベット。風呂までの段差はスロープをつけてくれるし、食事も、普通食、きざみ食、ミキサー食と作ってくれるし、かた粥や食材も考えてくれます。養護学校でいくには、全般にいい施設って感じ。それでも支配人は、喫茶室の入り口が、車椅子利用では狭いし、と欠けている点を述べられています。我校も3年目の利用。ここを利用すると思うのが、そんな施設ってなかなかない ですよねってこと。
 7月に一泊でいく、S-KNKセンターも長年のお付き合いなので、いろいろと配慮して頂いていますが、やっぱり見劣りしますね。きざみ食は刻んだだけ、おかゆなどをさめて出してという要求は、板場さんとの関係もあってなかなか通らない。食事で良かったのは、東条湖ランドの前のホテル。きざみ食といわれなければ気づかないぐらい、きれいに調理されて出てきます。食事で無理が通りやすいのが、淡路サービスエリアに併設しているハイウェイオアシスのシェフ。昨年度利用した時、何でもいって下さい、といって下さいました。
 また、夏の宿泊行事の下見にいった時見た名神の桂サービスエリア(下り)の障害者用トイレは、簡易ベットのようなベンチがあり、便座も二重便座。さすが新しいと感激してきました。
 養護学校で宿泊行事にいく時、気になるのが、宿泊施設、食事、途中の休憩場所やトイレなんですよね。もう一つ言えば、緊急対応ができる道中の病院。我校は、気管切開の子どもはもちろん、体調が許せば、保護者の希望や主治医・校医の同意があれば、宿泊行事に参加しますので、病院は特に気になります。目的地近くの病院には、下見段階で依頼にいくのですが、道中までは、分かりません。
 昨年、バス会社にそういう資料はないか、また、なければ作ってみませんかと聞くと、ないので観光バス協会の集まりで提案してみますとの返事はもらいましたが、それから聞いていません。 そんな、旅行や宿泊行事の時に必要というか参考になる情報って、どこかに集約されていませんかね。

 

では来月の会報をお楽しみに。