障害者とコンピュータ利用教育研究会

1999年6月会報 NO. 107  Mac Education Society(MES)

編集 成田 滋 西谷淳 猶原秀明 丹羽登 村川佳子

PDF版の会報(128K)はこちらです。お読みになるにはAcrobatReader日本語版が必要です。どうかダウンロードしてください。また、コンピュータ関連の雑誌についているCD-ROMには、無料のAcrobatReader日本語版がついています。これをハードディスクにインストールすることをお勧めします。


   
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成田研究室

 

〒673-1421兵庫県加東郡社町山国2007
  兵庫教育大学 学校教育研究センター
  naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
  Fax 0795-40-2203

■ 目次 ■

MacXServerサーバ講習会の報告

ViaVoice 98 日本語版 FriendlySpeak

Eスクエア(e2)・プロジェクトの開始について

論文

市販製品の紹介

インターネットハイスクール「風(Kaze)」の紹介

皆さんからのお便り

■MacXServerサーバ講習会の報告

 西谷 淳 甲西町立三雲小学校 a-nishi@jungle.or.jp
 6月12日オペラシティータワー48FでのMAC OS X SERVERの講習会に参加しました。その概要を報告します。さすがに、新しいサーバ製品の発売開始直後であっただけに会場は満員でした。申込者も先着順で締め切られてしまい、入れなかった人も多かったようです。当初の販売目標として大学や英語塾などを想定しているようですが小学校の先生も割に来られていて注目度は高いようです。MAC OS X SEAVERはUNIXベースのOSで、見かけはMAC OSですが中身や操作はUNIXそのものです。その特徴は、プロテクトメモリの採用、BSD4に100%対応ということです。アップルはサーバとして堅牢であることを強調していました。次に標準装備された機能の説明をします。

----Apache----
 これは、Unixで一般的なWebサーバサービスです。このApacheが標準で装備され、また簡単にセットアップできます。

----WebObjects----
 Webサーバ構築を支援するためのアプリケーションです。僕の印象ではPageMillやクラリスHomepageのようなアプリケーションでした。

----NetBoot----
 これは、AtEaseのサーバ版という感じです。クライアントのデスクトップや起動できるアプリケーションを管理できます。ネットワーク上のマックでシステムフォルダやアプリケーションが共有できます。その分ライセンスの管理が問題になりそうです。1教室にマックが20台程度の学校では有効に使えそうです。しかし、スイッチングハブ等、ネットワークがかなりしっかりしたものでないと起動に相当時間がかかり、負荷も高いように感じました。現在クライアントのOSは8.5.1に限られています。

----ファイル共有----
 AppleTalkまたはTCP/IPによる一般的な共有です。

----QuickTimeストリーミングサーバ----
 ストリーミングビデオのサーバが標準装備されています。クライアントにQuickTime 4.0が必要です。またストリーミングビデオファイルの作成にはQuickTime 4.0 proが必要です。実際の作成は、デジタルビデオカメラで撮影して、ファイヤーワイヤーを通してビデオ信号をデジタルのまま取り込みクイックタイムでストリーミング形式で保存します。ブラウザで見るときには、http://ではなくrstp://でアドレスを指定します。この方法ではかなりきれいな映像が作成できます。実際にストリーミングで映像を見ましたが、映像も音声も十分なレベルでした。しかし、同時アクセスの台数が増えたり、価格の安いハブを使ったりすると、急に状態が悪くなるようです。会場では5台が同時にストリーミングにアクセスしましたがこれは、無事動いていました。http://www.apple.co.jp/macosx/server

■ViaVoice 98 日本語版 FriendlySpeak

 ViaVoice98 日本語版は、IBMの30年近くにわたる音声認識の研究に基づいた日本語の音声認識プログラムです。喋った言葉をそのままテキスト文章として口述筆記すること(ディクテーション機能)ができたり、声でプログラムの起動や操作をしたり(ナビゲーション機能)することができます。認識率もViaVoice Goldに比べて向上し、より使いやすくなりました。
  「ViaVoice 98 日本語版 Friendly Speak」は、「ViaVoice 98 日本語版」のボーナスパックとマイクロフォンを新たにしたリフレッシュ・リリース製品です。

○便利な機能満載のボーナスパック
-手軽に声でインターネットを楽しむ「声で簡単インターネット」パッケージ
-Intel** Pentium** III プロセッサに対応したViaVoice 98 Pentium III アップグレード・キット
-お手持ちのATOK12に音声機能をプラスするVoiceATOKエクステンション
-顔文字も音声で入力できる顔文字サポート
-Speech for Javaを利用したサンプル・デモアプレット

○問い合わせ先 日本IBM http://www.ibm.co.jp/

■Eスクエア(e2)・プロジェクトの開始について

 文部省/通商産業省
 文部省及び通商産業省は約100校の学校により先導的に教育の情報化に取り組んできた「新100校プロジェクト」平成11年3月に終了し、本年度から新しい段階として、これまでのプロジェクトの成果の普及を図るとともに、すべてのインターネット接続校がより効果的に学習を行うための共同学習等の支援などを行う「Eスクエア(e 2)・プロジェクト」を平成11年5月17日から実施する。
  http://www.edu.ipa.go.jp/E-square/

1.背景
 文部省及び通商産業省は、約100校の学校をインターネットに接続し「100校プロジェクト」(平成6〜8年度)及び「新100校プロジェクト」(平成9〜10年度)を実施し、学校教育におけるインターネットの可能性、有効性を複数校による共同研究等の様々な取組により実証してきた。これらとともに、文部省においては、学校のインターネットの利用に関する研究開発等の事業や「こねっと・プラン」等のインターネットを利用したプロジェクトが行われている。世界各国でも将来の高度情報通信社会への布石として2000年前後を目標に教育の情報化を急速に推進しており、我が国でも、全国の公立学校を2001年度末までにインターネットに接続する計画を進めているところである。

2.内容
 本プロジェクトは、「100校プロジェクトのノウハウの提供・展開」、「教育関係者が参加し相互に貢献し、高めあえる場の提供」及び「情報技術を活用した先進的な教育手法の実証」の3点を柱として、インターネット上の教育関係者の広場である「学校ネットワーク支援プロジェクト」、将来への実証研究の場としての「先進的情報技術活用プロジェクト」を実施する。

3.推進方法
 プロジェクトの事務局は、国立教育会館の支援を得て情報処理振興事業協会(IPA)と文部省・通商産業省共管 の財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)が行うが、参加者を中心とした参加型のプロジェクトとしていく予定であり、これまで「100校プロジェクト」で行ってきた全国酸性雨調査等の既存のプロジェクトへの参加を呼びかけるとともに、6月初旬には共同学習テーマの公募を行い全国規模の共同学習等を展開していく。
 プロジェクトの当面の実施期間は、学校におけるインターネットへの接続計画が完了する2001年までとする。なお、本プロジェクトは、民間の学校支援プロジェクトである「こねっと・プラン」「メディアキッズ」等とも連携を図るとともに、平成10年度補正予算で実施中の教育関連各プロジェクトや既に学校支援等を実施している各教育機関とも連携・協力を図りながら推進していく。

○用語解説
「平成10年度補正予算」
全国レベルのサポートシステム、校内学習システム、新しい学習形態の研究まで「教育の情報化」をテーマに63プロジェクトを実施するとともに、教育情報衛星通信ネットワークの整備、光ファイバーによるインターネット活用研究事業、先進的教育用ネットワーク事業を実施している。

○本件問い合わせ先
文部省初等中等教育局中学校課情報教育室  亀田、太田(知啓)
 03-3581-4211(内線2038)
通商産業省機械情報産業局情報処理振興課  萩原、平本
 03-3501-1511(内線3331)
情報処理振興事業協会技術応用事業部    大倉、佐藤
 03-5978-7504
(財)コンピュータ教育開発センター    澤井、井上
 03-3593-1804

■市販教材の紹介

●「こわくてこわくてもうたいへん」
「こわいもの見たさ」という言葉があります。この教材は、「こわいもの」は、見たくないんだけど見てしまうという人間の心理をうまくついたCD-ROMです。人は、「こわいもの」を見たときのドキドキする気持ちを知らず知らずのうちに求めているのかもしれませんね。このCD-ROMの狙いは、「こわいもの」を考えるとき、人は最大限に「創造力」を発揮できるのではないかということです。それでは、内容を説明しましょう。この教材には、14種類の「こわいもの」が登場します。例えば、魔女、人食い、雪男、サメなどです。それぞれの言葉は、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の5か国語で楽しむことができます。「こわいもの」は、オリジナルの音楽、ゲーム、アニメーション、クイズで遊びながら、画面を見ることができるようになっています。対象年齢は、3歳〜大人まで幅広く、大人も子どもも一緒に楽しめるように構成されています。次に、映像についても触れてみましょう。サメなどの映像は、リアルな感じが伝わるように工夫されており、見ているだけでゾクゾクしますよ。おおかみは、エッチング(銅板画)まで用いてコンピュータ構成されています。映像の立体感や存在感を大切にした工夫が施されています。みんなで、スリルを味わいながら遊んでみませんか?1人でやると、泣いてしまう可能性があるのでご注意を。
(小林仁美 b96015c@students.hyogo-u.ac.jp)
開発元 メディアファクトリー 03-5720-7230

●Reader Rabbit's ベイビー
 このソフトは、子どもの知覚発達をうながすものです。子ども達は好奇心のかたまりで、いつでも何かに興味をいだいています。特に0〜3歳の頃はぐるぐる動き回る物や、かわった音のする物などから目を離そうとしません。そして、この時期が最も発達が著しいときでもあります。陽気で親切なリーダーラビットや、かわいいマットと一緒に歌ったり、パズルをしたり、数を数えたりすることによって、思考力や認識力を養うことができます。また、それと共にコンピューターに自然に慣れることができます。
 開発元 ラ−ニング カンパニー株式会社
 03-5275-6955 4,000円 
 

■論文

●教師が習得すべき情報テクノロジー活用の知識と技能
     成田 滋 兵庫教育大学 naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
 教師が有するべき資質や能力は、時代とともに変容する。変化と人の考え方について一つの譬えから始めることにする。あるところに修行僧がいた。大きな河のほとりに達してはたと困った。いかにして渡れるかを考えていると、丸太が流れてきた。それを組んで、筏を組むことにした。ようやくのことで渡れたので、修行の間、その筏を後生大事に担いで歩いていた。どこにいっても人々は奇異の目でその僧侶を眺めていたというのである。今日のような変化の激しい社会にあっては、教育に携わる者はもしかしてこの僧侶の姿に似ているかもしれない。固定した考え方や古い指導方法をいつまでも引きずっていては、生徒に適切に対応することは困難である。要は、新しい葡萄酒には新しい革袋が必要なのである。
今や情報教育が旬の話題である。1997年に「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」は、情報教育は次のように定義した。すなわち、子どもたち全員に次のような資質を育成するというのである。
 1. 情報活用の実践力
 2. 情報の科学的な理解
 3. 情報社会へ参画する態度

1. 情報活用の実践力
 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集、判断表現、処理、創造し、受けての状況などを踏まえて発信伝達できる能力

2. 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり自らの情報活用を評価、改善するたための基礎的な理論や方法の理解

3. 社会生活の中で、情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

 総合的な学習の方法を、従来の教科中心の学習方法で説明することが困難である。この新しい学習には、情報教育が必須の位置を占めることが新しい学習指導要領で示されている。単なる新しい教科ではない。その狙いは、それぞれの学校が創意工夫しながら、横断的で総合的な学習を考えること、生徒の興味や関心に基づく学習を考えること、それをとおして自ら課題を見つけ、自ら考え、自ら学び、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること、問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成すること、自己の生き方について自覚を深めること、とされる。そのためには、個々の学校が地域に根ざして創意工夫を発揮して展開することが要求されている。
 総合的な学習は、情報活用の実践力を身につけることに他ならない。総合的な学習では、情報社会に参画するためのネットワーク活用能力の育成のための課題解決学習ことのほか強調される。そこで教師は、生徒の総合的な学習をどのように支援するのかが焦眉の課題となる。この課題に取り組む第一歩として、情報テクノロジーの活用において教師に要求される基本的な知識と技能を明確にしておかねばならない。ここでは、生徒を次のような学年に分けて、その段階で修得すべき情報テクノロジーの目標を立てることにする。その目標に応じて教師の必要とされる知識と技能を明確にするという方法である。

I.  幼稚園から小学校3年生までの情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
II. 小学校4年生から6年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標<
III. 中学1年生から3年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
IV. 高校1年生から3年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標

I. 幼稚園から小学校3年生までの情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
[習得上の指標]
 すべての教師は、幼稚園から3学年の生徒が次のような事柄を習得し活用するための知識と技能を習得すべきである。 なお、それぞれの習得の指標の後にある括弧内の数字は、その習得が、以下のような1から6までの習得基準のカテゴリーに対応していることを示している。

  [習得基準のカテゴリー]
 1. 基本的な概念の理解と機器の操作
 2. 社会的、倫理的、人権的な問題の理解
 3. 表現手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 4. コミュニケーションのためのテクノロジー・ツールの理解
 5. 調査手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 6. 問題解決と意思決定のためのテクノロジー・ツールの理解

教師が習得すべき基本的、かつ応用的な知識と技能は、次のような事柄である。
   1. コンピュータ、ネットワーク、ビデオ、オーディオテープ、その他の技術を適切に利用でき、マウス、キーボード、リモコンなどの入力装置を使える。また、モニタ、プリンタなどの出力装置も使える。 (1)
 2. いろいろなメディアとテクノロジーの資源を、さまざまな学習活動に沿って適切に使える。 (1,3)
 3. 専門用語を適切かつ正確に、しかもわかりやすく使いながら、テクノロジーについてコミュニケーションがはかれる。 (1,4)
 4. 生徒の学習支援のために、適切なインタラクティブ絵本や教育用ソフトウエア、マルチメディア教材を選択し活用できる。 (1)
 5. 基本的なマルチメディア百科事典や総合的な索引を適切に使える。 (1)
 6. 学校や学級内でテクノロジーを使うときは、仲間の教師や家族、あるいは教育に関連する人と共同して仕事ができる。 (2)
 7. テクノロジーを積極的に使うときは、倫理的な判断に基づき行動できる。 (2)
 8. テクノロジーシステムやソフトウエアを使うときは責任を持って実践できる。  (2)
 9. 同僚の教師、家族、さらに周りの支援により、適切なマルチメディア作品を制作できる。 (3)
 10. 問題解決、コミュニケーション、思考・アイデア・物語のイメージ化のためにテクノロジー資源、例えば表現ツール、イラストやデザイン、デジタル機器、作図などのツールを適切に使える。 (3,4,5,6)
 11. 同僚の教師や家族、さらに友達の支援を受けて遠隔通信を使い、関連情報の収集や他者との意思の疎通をはかれる。 (4)

II.  小学校4年生から6年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
[習得上の指標]
 すべての教師は、4年生から6年生の生徒が次のような事柄を習得し活用するための知識と技能を習得すべきである。 なお、それぞれの習得の指標の後にある括弧内の数字は、その習得が、以下のような1から6までの習得基準のカテゴリーに対応しているかを示している。

  [習得基準のカテゴリー]
 1. 基本的な概念の理解と操作
 2. 社会的、倫理的、人権的問題の理解
 3. 表現手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 4. コミュニケーションのためのテクノロジー・ツールの理解
 5. 調査手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 6. 問題解決と意思決定のためのテクノロジー・ツールの理解

 教師が習得すべき基本的、かつ応用的な知識と技能は、次のような事柄である。
 1. キーボード、共通の入力や出力、生徒の必要に応じた周辺機器を含む機器を適切かつ有効に使用できる。 (1)
 2. 日常生活の中で共通に使うテクノロジーや、それらを使うことによる有益な点、あるいは問題点について論議できる。 (1,2)
 3. テクノロジーと情報を活用する際の自己の責任、不適切な使用、個人にもたらす影響や結果などの問題を論議できる。 (2)
 4. 広く教授学習を広げるツールや、個々の生徒の学習を促し、あるいは個々の生徒の障害を補い、カリキュラムを通して学習を容易にする周辺装置を使える。(3)
 5. クラスの内外に向かって知識を創造し発信するために、テクノロジーツール、たとでばマルチメディア対応のオーサリングツール、Webツール、デジタルカメラ、スキャナなどを使って相互的に表現したり、コミュニケーションをはかれる。(3,4)
 6. 遠隔地の情報にアクセスしたり、遠距離にいる人と直接コミュニケーションし、一人で学習するのを助けたり、個人的な興味を追求するために遠隔通信技術を有効に使える。(4)
 7. クラス内外の人と問題解決や生産を発展させることを目的として、共同して問題解決活動に参加するために、遠隔通信やオンライン資源である電子メール、オンライン会議、Web環境などを使える。(4,5)
 8. 問題解決や自己学習、その他関連した学習活動のために、テクノロジー資源(計算機、データ集積装置、ビデオ、教育ソフトウェアなど)を使える。(5,6)
 9. テクノロジーがどのような場合に役立つか判断でき、適切なツールやテクノロジー資源を多様な課題や問題にあわせて選択できる。(5,6)
 10. 電子情報資源の正確さ、関連性、妥当性、影響、偏見を評価できる。

III.  中学1年生から3年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
[習得上の指標]
 すべての教師は、生徒が次のような事柄を習得し活用するための知識と技能を得るべきである。それぞれの習得の指標の後にある括弧内の数字は、その習得がどの基準のカテゴリーにリンクしているかを示している。

  [習得基準のカテゴリー]
 1. 基本的な概念の理解と操作
 2. 社会的、倫理的、人権的問題の理解
 3. 表現手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 4. コミュニケーションのためのテクノロジー・ツールの理解
 5. 調査手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 6. 問題解決と意思決定のためのテクノロジー・ツールの理解

 中学の終了の前に生徒が習得しておくべき重要な知識は、次のようなことである。
 1. 普段使っている時によく起こるハードやソフト上の問題の確認と解決方法がわかる。 (1)
 2. 情報技術の最新の動向や、職場や社会で起こっている変化に伴う影響について説明できる。 (2)
 3. 情報とテクノロジーを活用する時の合法的で倫理的な行動を明確化し、悪用の問題点について議論できる。 (2)
 4. 内蔵された特別なツールやソフト、さらに学習や調査を支援するためのシミュレーションなどを使える。例えば、環境調査、計算結果のグラフ化、調査のための環境、Webのツールなどである。 (3、5)
 5. 個人的な制作、共同研究、そしてあらゆるカリキュラム上での学習を支援するために、マルチメディアツールと周辺機器を使える。 (3、6)
 6. テクノロジーによる資源を使って企画したり、企画したことを発展させ、公開し、Webのページ上やビデオテープで結果を提示できる。さらに、教室の内外の人たちにカリキュラムの構想を伝えたり、説明することができる。 (4、5、6)
 7. 専門家とその他の人達が、遠距離通信やカリキュラムに関連した問題点、情報を調査するための共同研究のツールや教室内外の人たちに成果を示すツールを使って、お互いに協力し合える。  (4、5)
 8. 様々な課題と取り組み問題を解決するために、適切なツールとテクノロジー資源を選択し使用できる 。(5、6)
 9. 基本的なハードウェア、ソフトウェア、それらが連動していることについて、また学習と問題解決のための実用的なアプリケーションソフトについて理解していることを説明できる。 (1、6)
 10. 実社会の問題に関する電子情報源の正確さ、関連性、妥当性、影響、偏見について調査し評価ができる。 (2、5、6)

IV.  高校1年生から3年生の情報テクノロジー活用のために必要な教師の習得目標
[習得上の指標]
 すべての教師は、高校生が次のような事柄を習得し活用するための知識と技能を得るべきである。 それぞれの習得の指標の後にある括弧内の数字は、その習得がどの基準のカテゴリーにリンクしているかを示している。

[習得基準のカテゴリー]
 1. 基本的な概念の理解と操作
 2. 社会的、倫理的、人権的問題の理解
 3. 表現手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 4. コミュニケーションのためのテクノロジー・ツールの理解
 5. 調査手段としてのテクノロジー・ツールの理解
 6. 問題解決と意思決定のためのテクノロジー・ツールの理解

 高校の生徒が卒業までに習得しておくべき重要な知識とは、次のようなことである。
   1. 現代のテクノロジー資源の限界を知りながら、テクノロジーを使った生涯学習や職場での学習システムや教育サービスを評価できる。 (2)
 2. テクノロジーシステム、資源、サービスを適切に選択できる。 (1、2)
 3. 職場や社会全体でのテクノロジーへの信頼感を育て、普及したテクノロジーの活用に関する長所や短所を分析できる。  (2)
 4. 同僚間、家族間、社会間でのテクノロジーと情報の使用について合法的で倫理的に望ましい態度を涵養し、それに基づいて行動したり自分を主張できる。 (2)
 5. 個人的な情報や職業的情報を扱い、コミュニケーションのためのテクノロジーのツールと資源を用いることができる。例えば、財政、スケジューリング、住所、購買、通信などである。 (3、 4)
 6. データベースを選択したり、遠隔教育や放送教育などによって学習し、それを評価できる。  (5)
 7. 共同作業、研究、出版、コミュニケーション、制作において、必要な場面で日常的にかつ能率的にオンライン情報の資源を用いることができる。  (4、 5、 6)
 8. 学習内容に関する調査、情報分析、問題解決、決定のためにテクノロジーのツールを選びそれを応用できる。  (4、 5)
 9. 日常生活の中でエキスパートシステムや知的エージェント、シュミレーションなどを理解し、それを一定程度で利用できる。  (3、 5、 6)
 10. 情報を創造したり、収集し組み立ててそれを広めるために、テクノロジーの内容に関わる知識ベースを構築し、その作業にあたっては同僚や専門家らと協力できる。 (4、 5、 6)

参考  このテキストは、以下のwebサイトを参考にしている。
 http://cnets.iste.org/sfors.htm
 http://at21edu.edu.hyogo-u.ac.jp/~naohara/technology.html

■インターネットハイスクール「風(Kaze)」の紹介

 このたび下記の会社を設立致しました。ケイネット常勤取締役在職中はご厚情を賜り、誠にありがとうございました。5年間の在職中は、コストセンターであったパソコンスクール事業をプロフィット化したこと、在宅勤務および遊軍部隊である80名のケイメイトの組織化を出来たこと、英語ビジネス難民を救う日本初の完全Web-Based Training教材「奇跡のTOEIC テスト」開発、販売で実績を上げたこと、そして何と言っても一番のスマッシュヒットは全国に10万人から20万人と言われる不登校生を 救う世界初のインターネット上の高校、「インターネットハイスクール「(Kaze)」」を開校、2年で採算ベースに乗せたことです。シリアスなニーズの存在するマーケットに身を置くきっかけを与えて下さった皆様のお陰だと感謝致しております。またくじけそうになる私を支えてくれたたくさんの社内外のスタッフのお陰だと感謝致しております。引き続き学習機会を喪失したたくさんの生徒、学生、カウンセリングを必要とする学習者の良きアシスト役として革新的な学校事業を進めてまいる所存です。引き続きご支援を賜れれば幸いです。

「教育」は権威主義、学校中心主義時代の言葉である。だから私たちは学習者主体の学校をつくろう。「教育」はレッテルを重んじる時代の言葉である。だから私たちは創造を中心にした学校をつくろう。「教育」は国家主義の時代の言葉である。だから私たちは国際主義の学校をつくろう。アットマーク・ラーニングの思想は学習者の良き伴走者、支援者の思想である。わが社は「教育」を死語にし、メディアやテクノロジーを道具に使い、人間が学ぶことの原点に忠実に立ち戻る活動をたった今始める

株式会社アットマーク・ラーニング 代表取締役 日野公三
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-11-2 佐藤実業恵比寿ビル3F
TEL.03-5423-2812 FAX.03-5423-2813
   kozo.hino@nifty.ne.jp

■皆さんからのお便り

●哲也飯を炊く
 前田俊幸 龍野市 PXE00631@nifty.ne.jp
 今朝方起きてきましたら、女房のすっとんきょうな声が聞こえます。「哲也がご飯を炊いている!」実は昨日からのご飯の残りがあるので今朝はチャーハンでも作ろうと、用意をしていなかったのです。ところが炊飯器が動いている、と言うわけです。1週間ほど前に、「晩ご飯、晩ご飯」とうるさいので「自分で仕掛けさせてはどうか」と言うことになり、米の計り方、洗い方を教えたところでした。出来具合ですが、うちはマンナンライスとかいうこんにゃく粒を混ぜて炊いています。4:1位で混ぜるのですが、どうもこれが反対になっていたようで、食感は少し変でした。「まあ、今晩のカレーにはつかえるやろ」「ようやった」掃除、洗濯、ご飯炊きの一角を攻略できそうな、うれしい朝でありました。ただし流しにはかなり米粒がこぼれておりまして、収率100%とはいかなかったようです。

●ViaVoiceを使って
 西脇市 小南浩二  conann@lares.dti.ne.jp
 この前は、ご指導どうもありがとうございました。あれから家に帰ってからいろいろやってみてかなりの確率で自分の思ったように変換してくれるようになりました。このメールもViaVoiceを使って書いています。ただ完璧に自分の思ったとおりにはならないので、どうしても音声だけですべての操作をするのは難しいと思います。文字の入力はマイクから入力して編集はキーボードで行うのがベストだと思います。また機会があれば呼んでください。

●保護者のためのパソコン研修
 大前 神戸市立友生養護学校 omae@geocities.co.jp
神戸市の友生養護学校(肢体)の大前です。この4月に転勤してきたばかりです。本日、本校のPTAのパソコン研修というのにサポート役で参加させていただきました。こういう企画を保護者の方が中心になって毎年、継続的にやってらっしゃるというのに少しおどろき、また感心しました。前任校ではこういう企画は、なかったです。場所は本校の パソコン教室。研修時間は1時間程度。(パソコン教室が授業で使われていない時間を利用)参加者はお母さん方 10名弱。みな希望して参加されているとのことです。講師は本校児童のお母さんの一人です。講師のお母さんの計画で、第1回目の今日はマックでクラリスワークスのワープロ機能の使い方という内容でした。マックは人数分あるのでこの研修では、一人で一台を自由に使えるという環境です。お母さん方の質問に講師の方のサポート役として私も対応するという進行形式です。  私は高等部所属ですが参加されたお母さん方は、幼稚部や小学部の幼児児童のお母さん方ですので、平常あまり面識のないお母さん方ばかりです。世代が若いからか、すごく上達が早い。しかも奨めたわけでもないのに全員ローマ字入力をなんとかこなしていました。こうしたコンピュータに精通しつつあるお母さん方のお子さんが高等部に来られた時は、さぞかし、学校に対するおこさんの教育への機器利用の要望が高いのだろうな・・・・とも思いました。もちろん小学部の授業でもコンピュータはよく活用されています。

●哲也のお手伝い
 前田俊幸 龍野市 PXE00631@nifty.ne.jp
 前田です。自動販売機から売上金を回収し、レジに打ち込む日課があります。たまたま、事務机で哲也が紙を広げ、いつものように落書きをしていました。売上金は当然小銭が多いです。数えることはできますので、「十枚ずつ10円玉を重ねていきなさい」と指示しますと、やり始めました。ところが、数えた物を置くところがわからないので、20枚まで手に握ろうとしています。すかさず彼が落書きしていた紙に丸を数個描き、中に十円と書きましたら、そこに10枚ずつ置きました。しめしめ、50円玉も100円玉も数えさせようと、続けて丸を描きました。 そのとたん、急に怒りだし、逃げていってしまいました。よく見れば、彼の作品の上に私が丸を描いてしまったからのようです。見事失敗しました。大いにプライドを傷つけたようです。しかし数えた枚数はきちんとしていましたので、もう少しやらせてみようと思っています。月曜日からは通所施設の実習が始まります。彼ももう高等部卒業が近づいています。

●みなさま、お元気でお過ごしでしょうか
 渡部親司 島根県立出雲養護学校 m97332h@students.hyogo-u.ac.jp
 出雲養護学校の渡部です。先週県内の勉強会に呼ばれ、アメリカのIEPの現状と、障害児教育のコンピュータ利用についてプレゼンをしてきました。夏休みには、市の研究会や県内の肢体不自由養護学校からの発表や講師依頼が3つきています。島根の先生方の予想以上の反応に少し戸惑っていますが、それだけ障害児教育にとって大切な研究、研修が兵庫の2年間にできたということだと思い、改めて感謝しております。  先週の勉強会では、MESのCDをばらまいてきました。教育センターと島根大学付属小、中の養護学級にもCDを配りました。また松下の受賞式の際、鳥取県の小学校の校長先生を抱き込んで米子市内の養護学級に対して秋のMES山陰(仮称)例会のお知らせをお願いしました。MES山陰(仮称)例会の折には、本をたくさん売りましょう、、、というのは半分冗談ですが、山陰に新しい風が少しでも吹けばいいなあと思っています。

では来月の会報をお楽しみに。