第42回関東教育学会 1994年11月5-6日  群馬大学教育学部 アメリカ合衆国の特殊教育に関わる教員免許制度の特徴 成田 滋 国立特殊教育総合研究所 アメリカ合衆国における障害児教育の教員養成には、おおまかにいえば次の3つの 課題がある。第一は教師としての資質や技能の向上という課題、第二はいかにして 若い人口を教員に導くかという課題、第三は待遇の改善という課題である(Kennedy, 1992)。こうした課題と密接に関連しているのが「アメリカ2000」(U.S. Department of Education, 1991; Doyle, 1991)の教育改革である。この教育 改革の一つの柱は、全国的な統一的なカリキュラムの作成と、生徒の習熟度にあら われる教育成果の評価ということにある。教員養成も、こうした教育成果の重視と いう流れに呼応して教員の資質や指導上の技能の向上が叫ばれている。本稿は、最 近の合衆国に見られる障害児教育に関わる教員養成の特徴を、主として教員免許認 定機関や特殊教育に関わる民間団体が果たす役割から考察する。