1997年9月の会報です。


障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ



目次

第85回関東例会のお知らせ
第85回関西例会のお知らせ
パソコンバンクのコーナー
新刊書の紹介
市販教材の紹介
皆さんからのお便り
1997年度自作教材集CD_ROM'97刊行のお知らせ
POEMアルバム

673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター
0795-40-2205 phone
Email:成田 滋
Web上の会報URL:MES会報

第85回関東例会のお知らせ

 初参加の方も大歓迎です。どうぞお気軽にいらして下さい。
◎日時: 1997年9月13日(土)2:00--5:00PM
◎会場: 東京都失明者更生館 (新宿区河田町10-10 03-3353-1277)
     2F 調理室(とても明るくてきれいです。)
◎お世話役: 失明者更生館主任指導専門職 深沢茂氏
◎交通:
新宿西口小田急ハルク前から都営バス「抜弁天経由 東京女子医科大学」行きに乗り「河田町」でおります。
進行方向へ20m歩くと左手に青春出版があります。その向かい側に無人の交番があり、その隣に東京都失明者更生館があります。新宿から、バスで15分、徒歩1分です。
◎内容:
自作スタック・ソフト紹介
市販ソフトの紹介
Q & Aコーナー
その他
○「第83回関東例会の様子」

第85回関西例会のお知らせ

 いつものことですが、初参加の方も大歓迎です。どうぞお気軽にいらして下さい。
○日時:9月27日(土) 2:00-4:30pm
○会場:大阪教育大学附属養護学校 平野区喜連 4-8-71 電話 06-708-2580
○交通:地下鉄谷町線「喜連瓜破」で下車。左に折れ徒歩2分のところに学校があります。
  初心者や親子連れの参加を歓迎しています。
○プログラム
・ワンスイッチソフトの紹介
・いろいろな自作教材の紹介
・Q & Aコーナー
・インターネット上の障害児教育の新しいページの紹介

パソコンバンクのコーナー

●熱中ソフト実例報告のお願い
 山平 喜一郎 明石市 k-yamahr@psn.or.jp

 重度の知的障害がある子供達も、その子の発達レベルに合致した魅力的なソフトにめぐりあえば、夢中で取り組む姿が見られます。「寝食を忘れて」という表現がぴったりの、ほんとうに熱中した状態になります。このような状態になりますと、その子の内部にあるエネルギーが溢れ出て、障害を克服し、新たな認識や機能を獲得することができます。例えば、文字や数字が理解できたり言葉が話せるようになる場合があります。このような状態を「熱中状態」、そこで使用されたソフトを「熱中ソフト」と呼ぶことにします。
 パソコンバンクの目的は、障害のある子供達がパソコンと熱中ソフトを使うことによって、自らの能力を高めて行くのを手助けすることです。しかしながら現時点では、どのような種類のどの程度の障害にどのソフトが効果的なのかが明確になっておりません。この問題点を解決するために、熱中ソフトの実例を集めて整理していこうと考えています。同様の経験をされた方は、以下の例に示します様式に合わせて報告をお願いします。
 また、MESの会報で、この1年間に紹介があったソフトの一覧を示しますので、熱中ソフトを捜している方はご参考下さい。

○熱中ソフト実例集
1. Tちゃん(16才、発達遅滞、療育手帳A判定)

・「キッドピクススタジオ」:販売 インタープログ
多動で一つのことに集中して取り組めないと思っていた子が、真剣なまなざしで何時間もパソコンに向かっている姿は、信じられない出来事でした。
・「シンキン・シングス」:開発 EDMARK社、販売 システムソフト
・「タイニーパーク」:制作・販売 サンリオ、3800円、tel 03-3779-8097
・「らすたぁちゃんとあそぼ」:開発・販売 ホンダキャラックス

2. O君(6才、自閉症、療育手帳A判定) ・「迷子」
「一人ではなく誰かと一緒にする方がもっと楽しいんだよ」ということを分からせるのにもってこいのソフト
・「らすたぁちゃんとあそぼ」:開発・販売 ホンダキャラックス
・「ことばとあそぼ!モグドンのぼうけん」:開発 東京書籍
・「ポンキッキーズ」1〜4
・「ちびっこくらぶ」:販売 がくげい,tel 06-365-5315、fax 06-365-5316
・「カルロとたんけん”どうぶつ”」:製作 日本IBM
・「カルロとたんけん”うみのなかま”」:製作 日本IBM

3. S君(8才)
・「よーいどん」:販売 テイチク
 はじめは自分の出来る範囲の部屋から遊んでいましたが、徐々に興味を広げて、苦手だった部屋にも自ら喜々として挑戦を繰り返し、気がついたら全てマスターしておりました。
・「マックスとまりーかいものにいく」:ジャストシステム、tel 03-5412-3939、06-886-9300、0886-55-8300
・「オルゴット」”赤ちゃんの部屋”

4. I君(5才、自閉的傾向)
・「ちびっこくらぶ」:販売 がくげい,tel 06-365-5315、fax 06-365-5316 お金の種類と使い方、交通ルール、トイレの男女マークの違いなどいろいろと楽しみながら覚えていきました。

MESの会報に出てくる市販ソフトの紹介(過去1年分)
1.「カウントダウン」:販売 ボイジャー、fax 03-5466-7328 (96/9)
2.「マッペトとABC」:製作 Brighter Child、販売 システムソフト、8000円 (96/9)
3.「トルーディのちりとじかんのおうち」他、:製作 EDMARK、販売 システムソフト 9000円、092-752-5264 (96/9,96/12)
4.「ランドセル小学4年生」:開発 がくげい (96/10)
5.「カルロにおまかせ123」:日本IBM (96/10)
6.「カルロといっしょにあいうえお」:日本IBM、3才〜 (96/10)
7.「カルロこんにちは」:日本IBM (96/11)
8.「Oregon Trail 」:販売 Media Vision 12,800円 (96/11)
9.「図鑑おもしろ博士 昆虫1」:開発 NECインターチャネル 4,800円 (96/11)
10.「キッドピクス3.0J」:発売 インタープログ、03-3288-1363 5,800円 (96/12,97/2)
11.「ノリノリのりちゃん」:開発 シーミュージック 03-3402-1254 6,800円 (97/1)
12.「日本地理チャレンジャーズ」:開発 がくげい 06-363-5315 5000円 (97/2)
13.「ムグドンのぼうけん・・ことばとあそぼ!」:開発 東京書籍 03-5390-7577 6,800円 (97/2)
14.「カルロといこう世界のくにぐに」:開発 日本IBM (97/7)
15.「グレン・ドーマンのビッツの世界」:開発 テラソフト 06-375-5012 5,600円(97/8)
16.「ハローキティーのきおくはかせ」:製作・販売 サンリオ 3才から
  tel 03-3779-8097、fax 03-3779-8183 5,700円
○パソコンバンクを説明する山平さん。

●熱中ソフト実例集その2
 前田俊幸 龍野市 PXE00631@niftyserve.or.jp

   熱中ソフトですが、何せ素朴な時代のものですので、御存知無いものが多いのではないでしょうか。

1. マンホール
 当時は有名だったのですが、Cyan,inc.の製造で今どうなっているかは分かりません。画面の色々なところをクリックするとさまざまにストーリーが進んでいきます。 哲也にとってはコンピュータは自分の操作通りに何かを見せてくれるものだということを理解したスタックでした。音がでる場面が特に好きで、火山の噴火シーン、泡のでるシーンでよく遊んでいました。

2. ひらがなおけいこ
 成田先生特製の逸品です。特定の字を出してきて、読み方、かき順、使用例(例えば「あり」の「あ」で、蟻の絵がでてくる)等のボタンがセットして有ります。 白紙のところに色々な字が描かれるので気に入っていました。当時の先生のお話では留学生が漢字の練習スタックを作っていたのを参考にされたということでした。 ただ、当時まだQuickTimeはなく、マックンという発音ソフトしかなかったので 発音の面では問題がありました。

3.ロケット
   3-2-1のカウントダウンでテレビに映ったロケットがテレビから飛び出していく、というスタックです。作者不詳です。奇想天外なところが気に入ったようです。音もでませんが、ぱらぱら漫画の作風で、よく遊んでいました。

4.カントリークリスマス
 発想はマンホールと同じようなものです。田舎のクリスマスを題材に、乳搾りに牛舎に行ったり、クッキーを作ったり、木を切りに行ってうさぎを追っかけたり、楽しいものです。雪だるまを作ったり、雪合戦のシーンもあります。これも、音を楽しんでいました。

5.迷子になっちゃった
 これが私の一押しです。迷子になった子供のおばけのお母さんを女の子が探してやるゲームです。色々なキャラクタがでてきて、ものの名前を覚えるのに役立ちました。ビデオゲームによくある、攻撃性やタイミングを計るものとまるで無縁なソフトです。最近の速いマシンでは、多少違和感がないでもありません。「ばいきんまん」と哲也がニックネームをつけた、記念すべきスタックです。

6.トランポリン
 成田先生の作品です。枠の中に書いた図形が音とともに上下に移動するもので、枠の中に書いた部分しか動作に反映されません。「内、外」と言う概念の形成に役立ちました。ノートのますの中に字を書かせる際、「ジャンプできるように書きなさい」と言う指示が通ったスタックです。ただ、バージョンが古いせいか、新しいマシンではエラーを起こします。新しいバージョンで同じスクリプトを書いたら正常に動いた不思議なソフトです。

7. KidsTime
 GreatWave software社の製品です。点線をつないで図形を作ったり、図形のマッチングを行います。音楽ソフトもあり、ユーザが問題を登録することもできます。    これらはすべてFDのバックアップがとってあります。いつでも供給できます。難点はすでに市場から消えてしまった機種を対象に作ってあるため、今では古いマシンとともに提供する必要があるのではないか、ということです。また、いくつかはMESのCDにも収録されています。

 ついでながら、当時この報告を雑誌の懸賞論文に投稿したところ、入選してしまいました。賞品にPageMakerを頂きました。たまに引っぱり出して読み直しますと、当時の必死だったことを思い出してしまいます。その時に文に残した「障害児の親たちの助け合いネットワーク」が、今パソコンバンクとして実現したことは、感無量の思いです。

●「智仁とマックとの出会い(現在智仁は6歳小学校1年生)」
 渡部敏成 枚方市 toshi@mcgroup.or.jp

 智仁が3歳から現在の6歳までに使用したソフトは、以下の通りでして、今回はマックの導入と最初のソフト「みんなであそぼ」について報告します。
・みんなであそぼ (有)インフィニシス
・スヌーピー ピーナッツ
・おばちゃんとぼくと (株)BNN
・ゲーム「シムシティ」 イマジニア(株)
・ポンキッキーズシリーズ もじもじワープロ・かぞえてポン・ならべてマウス・どっきんリズム (株)ジャストシステム
・MESの95年版と96年版
・ザークジャングル探検 (有)インフィニシス
・リトルモンスターがっこへいく (株)インタープログ
・さんすうゲーム 株)インタープログ
・きかんしゃトーマス 株)バンダイ・デジタル・エンターテイメント
・キッドピックス (株)インタープログ

 智仁は、1歳ぐらいからパソコンには興味があったようです。その当時の私は、NEC98ノートで仕事をしていました。そのとき横からのぞいてキーをカチャカチャたたこうとしていたのを今でも覚えています。それからしばらくしてパソコンを手放した状態が続き、平成6年4月19日智仁3歳の時に以前からどうしてもほしかったLC575を買いました。一緒に買ったソフトは、「みんなであそぼ」買ったその日は、電源を入れるといきなり音が鳴る変な機械に、智仁は一日近づこうとしませんでした。智仁のためにと買ったマックをなんとか慣れさせようと、無理にマックのそばに連れていきますが、「みんなであそぼ」のタイトルが始まるのっけからの音楽にどうしてもなじめず、泣きながら逃げてしまいました。

 ところが二日目以降、いじけた私が一人でマックをさわって「うわーすごい」と言っていると、それを横から見ているのです。今では私も十分に理解できるのですが、自閉症の子は情報量が多いとそれ自体がパニックの引き金となってしまいます。好奇心はあるのですが、恐怖心も人一倍あり自分をコントロールできないのでしょう。焦らず、親自信が楽しんでソフトを使うことが大切です。親がパソコンをしないのに子供に無理に押しつけることは出来ないと思います。のんきな親で状況も考えずただ楽しんでいたので、智仁は興味を持ったのかも知れません。

 はっきり言って「みんなであそぼ」は智仁とパソコンソフトとの出会いの始まりであり、これを気に入ることでその後いろいろなソフトに興味を持つことが出来たと思えますみんなで遊ぼうのソフトの内容は次の通りです。

1  絵カード
 絵カードとその名前のカードを下から選んでマウスであわせるもの 絵カードの名前を知らなくても、絵カードと名前カードが対の羽目絵になっているのでマウスで何個かカードを選び直せば、合わせることが出来ます。もちろん、その絵カードをクリックすれば名前を言ってくれます。智仁は、これでかなりのものの名前を覚えたと思います。「智仁、帽子を取ってきて」といえばさすがに自閉症児なので 、この当時は決して取って来てくれることはなかったのですが、どれが帽子かは理解していました。

2 線で結んで絵を完成させる遊び
 数字を線でつないで絵を完成させると、それがちゃんとしたリンゴになったりとか、アヒルになったりします。数字をクリックする度にその数字を発音してくれますし、数の順番を間違えると音が変わって間違えていることを教えてくれます。数字の字体と発音をこれで覚えました。当然数の概念は理解できていないのですが、それから3年後の現在、小学校1年生の授業でタイルの枚数と数字が見事に智仁の頭の中で結びつき、今では一桁の足し算ができます。(授業では数字をタイルの枚数で理解させます。)

3  絵をクリックすれば絵が動き出す。
 リビングブックシリーズの絵本ソフトのように、画面上の登場人物?(熊さん)をマウスでクリックすれば、動きだすというもの。画面いっぱいにあるいろいろな仕掛けを楽しむということは、やはり好きなのでしょう。その絵をクリックすればどんな動きをするのかも、ちゃんと覚えますし、リビングブックシリーズの「おばあちゃんとぼくと」「がっこうにいく」を購入しようと思ったきっかけの遊びです。

4  神経衰弱
 トランプのカードの代わりに絵カードで神経衰弱をするもの自閉症児は特に神経衰弱やパズルが大好きだと思います。普段でも積み木や車をひたすら並べたり(まっすぐに、または並列に)、特に機関車の連結が好きだったりする傾向があるのですが、神経衰弱はそのカードの位置を確実に覚えます。わたしが智仁と競っても、確実にわたしが負けるでしょうね。

5、 塗り絵
 キャンパスを筆で自由に塗っていくというよりはむしろ、その絵の枠の色を筆で指定していく単純な塗り絵色がはみ出ることもないですし、色の種類も少ないので、塗り絵初心者には最適。最近気づいたのですが、弟(2歳)がこの塗り絵をすると同系色ですべて塗ってしまうのですが、現在の智仁は空は青く塗りますし、地面は茶色か緑(芝生)に塗っていきます。当時は弟と同じ状況だったと思うのですが…

6、 迷路遊び
 いろいろな迷路の中を子供の熊さんをスタート地点からゴール地点までマウスで誘導する遊び先ほどの神経衰弱と同じように、こういった認識力は非常に優れていて難なくこなしてしまいます。以上が「みんなであそぼ」の機能です。書き残したことがあるかも知れませんが、とにかくこのソフトのはまってしまって、以後いろいろとソフトを買うようになりました。人の言うことをただでさえ聞かない子なのに、マックの前ではもう一つ聞きません。自分勝手にさわってしまい、一時は真剣にマックを取り上げようと思いましたが、集中力・好奇心は磨かれたと思います。日常生活のすべてがマックなわけではないですし、特に自閉症児の場合は、好きなことを見つけることが先決と思います。次ではスヌーピーの紹介をしたいと思います。

●障害者の心のふるさと
 突然のメールお許しください。こちらは福井県三国町あります車椅子の方も泊まれる皆様のお宿まるとよ苑と申します。この度 インターネットを始めました。
ホームページのアドレスは、URL http://www.surfboard.co.jp/yado/marutoyo/index.htmlですので、お暇な時間によろしければご覧下さいませ。またHPのご意見・ご感想などをお寄せいただければ幸いです。心よりおまちしております。もし リンクを張ってもいいというお気持ちのある方がおられましたらあつかましいお願いですがご連絡下さい4年目ですがまだまだいたらない未熟な旅館です。どうか今後ともまるとよ苑をよろしくお願い申し上げます。

障害者の心のふるさと
 車椅子の方も泊まれる皆様のお宿 まるとよ苑
913 福井県坂井郡三国町池上115字2−2
TEL  0776-82-3678 FAX 0776-82-8270
E-mail: marutoyo@quartz.ocn.ne.jp
http://www.surfboard.co.jp/yado/marutoyo/index.html

新刊書の紹介

●「Has Technology Been Considered? A Guide for IEP Teams」IEPを作成するうえでのテクノロジー活用の配慮
 この50ページの小冊子は、アメリカ障害児教育協会(Council for Exceptional Children)のテクノロジーとメディア部会(Technology and Media Division)が編集したIEP(個別教育計画)を作成するうえでのテクノロジー活用に関するガイドラインをQ&A示したものです。わかりやすく書けています。ご希望の方は事務局までどうぞ。
目次:
・代替テクノロジーってなに?
・予算の問題ではないのでは?
・誰が購入するの?
・どうしたら購入できるか?
・子どもの学ぶ権利を知る
・子どもに適切な代替テクノロジーとはなにか、それを誰が決めるのか?
・代替補助装置を買ったが、家族が更新を望んでいるが、、
・連邦公法はIEPの作成を義務づけているが、IEPチームは代替テクノロジーについて知らない、、、一体どうする?
・教育委員会が誰も代替テクノロジーを知らないとして、だれが適切な代替テクノロジーを選択するのか?
・代替テクノロジーが必要と診断されたら次はどうする?
・代替テクノロジーの使い方をしるためにはどうする?
・子どもは代替補助具を家に持ち帰り使える?
・IEPを作成する際に代替テクノロジーの利用をどのように強調すればよいか?
・もし親が代替テクノロジーに不満のときはどう対応するか?
○「Has Technology Been Considered? A Guide for IEP Teams」の表紙

市販教材の紹介

●「脳の鏡」
 これはペイントソフトですが、絵を綺麗に描いたり簡単に描くツールではありません。「自分の絵にこだわりをもつ」ということのようです。何度も何度も納得のいくまで作り直すことができます。絵の制作過程をふりかえることもできます。色の混ぜ合わせができるのも面白いところです。絵筆のサイズ、筆先、ぼかしを自由に組み合わせれます。また、パレットなどの道具も必要最低限度に抑えられているので、インターフェイスが簡単になっていて、使いよいのも特徴です。
開発 三谷商事 Fax 043-296-0288 ymoriuch@mitani-corp.co.jp
○「脳の鏡」の画面

●「長くつしたのピッピ」
 おなじみスエーデンのJOKUS社が制作した小さな子ども用の絵本。ごたごた荘という荒れた田舎の家が絵本の舞台でピッピ、トミーとアニカが主人公です。絵本はどのページからも始めれます。またスイッチでページがめくれるインターフェイスがついていますので肢体不自由の子どもも絵本を楽しめます。12か国語で楽しめるというおまけつきです。日本語の台詞もちゃんと入っています。
JOKUS社
http://www.multimedia.se
○「長くつしたのピッピ」の画面

皆さんからのお便り

●POEMから飛翔
 大前洋介 神戸市立垂水養護学校 omae@wsml.kyokyo-u.ac.jp

 兵教大での研修いかがでしょうか4か月前の4月にMESの教材のことで突然メールさせていただいて、MESの会に参加させていただいて以来、あれよあれよという間にPOEMへ何から何まで初体験。不思議な経過でした。ところ続編の社(やしろ)での研修会いかがでしょうか。知らなかったとはいえ、うかつにも日程を重ねてしまった神戸では4日、東灘区の友生養護学校で昨日のPOEMを振り返りながら、ハイパーカードやOMOでの教材づくりの研修会をしました。神戸の2つの肢体不自由養護学校の他、西宮、加古川といった近隣の肢体不自由養護学校の方も交えて素材の集め方やオーサリングを研修しています。
 ネットワークの時代としてはもう少しブラウザに対応した教材とかホームページづくりとかそうしたコンテンツをつくるべきなのでしょうが、設備投資の遅い現場(神戸の場合防災ネットは防災目的以外使えません、もちろん教育利用するなどできないというなんとも皮肉な状況が続いています。)ではまだまだこうしたローカルで対応する開発環境での教材づくりがメインのテーマになってしまいますね。明日は現場の困っている小学校の先生から預かっている課題、在日の日本語の拙い外国籍の小学生を事例にマックを使って、いい日本語習得の適したソフトづくりに大石先生他みんなで挑戦してみたいと考えています。何か、いい知恵がありましたら教えて下さい。また兵教大での研修の概要などもメールまたは、ホームページ上で教えていただいたら今後の研修の参考になりますのでお願いします。

●北欧の旅雑感
 根立 博 横浜国大附属養護学校 fuyou@yougo.ynu.ac.jp

 北欧の旅から帰って、昨日は時差ボケの頭で研究会に行って来ました。発表者には全く申し訳ないのですが、最初の5分くらいは意識はありましたが、みごとその後は夢の中でした。

◎みんなが平等に人生を楽しんでいる。
 今年の北欧は猛暑でした。みんなが、Tシャツ、半ズボン姿で街を歩いていました。もちろん私です。成田先生の忠告で、私はフリーズの上着とコートをスーツケースのに忍ばせていたのですが、全く一度も使う機会に恵まれませんでした。女房にはその分みやげ物が買えなかったなどと嫌みを言われましたが...。

 街のなかでは車椅子で一人でいる障害者の方をよく見かけました。オスロの市電や地下鉄では、エレベーターなどの整備もまだ十分ではありませんし、まだ障害者にとっては行き届いた環境ではありません。しかし、電車が止まり、その人たちが乗り込もうとするとどこからともなく手がさしのべられます。そして、当事者はそれがごく当たり前のように(もちろん感謝の気持ちはあるのでしょうが)振る舞っているようにも見えました。また、同宿したホテルには、おそらく一人で旅をしているだろうと思われる車椅子の一人の女性がいました。日本では車椅子で一人で旅行する人はまだあまりいないのではないでしょうか?私が見たのは朝食の場面ですが、ごく自然にホテルのウェートレスの方が注文をきき、彼女の注文した物をテーブルに運んでいました。それが全く自然に行われていたのが印象的でした。

 「旅」という人間の一つの楽しみは誰にでも享受されなければならないものです。これは障害にかかわらず、皆平等に与えられているものです。しかし、障害が障害となり、自分だけの力ではその権利が実現できない場合が多くあります。人の助けが必要な方も多くいると思います。「みんなが平等に人生を楽しむ」という全く当たり前の平等の原理がここで実践されているのに、驚かされました。船のデッキで、美しいフィヨルドの景色を、傍らにいる家族と車椅子に座っている一人の女性とが一緒に堪能できる喜びが、今回の北欧の旅で体験できました。

1997年度自作教材集CD_ROM'97刊行のお知らせ

 このたび「MES自作教材集CD_ROM」97年版ができあがりました。今回のはハイブリッド版でMacintoshとWindowsのパソコンの両方で使えます。Windows3.1でもOKです。97年版は96年版、95年版と同様に教育目的のために非売品となりますが、送料などの実費はユーザーからいただき、これを基金とし増版や次作の教材制作に使いたいと考えております。どうか「MES自作教材集CD_ROM'97」をご利用ください。

●教材の対象: 幼児から高等部の生徒
●教材の開発ツール: MacromediaDirector, HyperCard, GREEN, SupoerCard, Oracle Media Object, VIsualBasic, Delphi, Authorwareなど
●動作環境:
Macintosh: 白黒、256色、32000色、漢字Talk7.5.3、QuickTime2.5を推奨 Windows95,3.1でも動作します。
●申し込み先:
〒673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
兵庫教育大学学校教育研究センター
成田 滋
Email: naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp NiftySERVE: MGH00175
障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ:
http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/mes/mes.html

申込書------------

氏名:
送付先住所:

電話:
電子メール:
CD_ROM:  年版  枚数:

○CD-ROM'97の内容

POEMアルバム

 さる8月2日(土)、3日の二日間にわたり、大阪市住之江区にあるATCで行われたPOEM'97の様子をアルバムしてお伝えします。

○立派な会場のATC

○CD-ROMの売り込みに必死な様子 その1

○CD-ROMの売り込みに必死な様子 その2


では来月の会報をお楽しみに。

●制作:成田 滋

●編集:成田 研究室