1996年10月の会報です。

障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ




目次

第75回関西例会のお知らせ 第75回関東例会のお知らせ 第74回関東例会の報告 MES自作教材集CD_ROM97の刊行と教材の募集 1997年アメリカ合衆国障害児教育とマルチメディア/ネットワーク活用の視察 インターネット研修会の報告 自閉症児 を連れてアメリカへ イベント情報です。 平成8年度100校プロジェクト活用研究会開催のお知らせ。 第23回国際福祉機器展 近畿マックユ-ザ-グル-プコンファレンスについて 市販教材の紹介 入力装置の紹介 皆さんからのお便り 事務局から

673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター 0795-40-2205 phone Email:成田 滋
Web上の会報URL:MES会報

第75回関西例会のお知らせ

○日時:10月26日(土) 2:00-4:30pm
○会場:大阪教育大学附属養護学校 平野区喜連 4-8-71 電話 06-708-2580
  幹事 中島康明氏
○交通:地下鉄谷町線「喜連瓜破」で下車。左に折れ徒歩2分のところに学校があります。初心者や親子連れの参加を特に歓迎しています。
○プログラム
・ワンスイッチソフトの紹介
・「カルロとげんきにこんにちは」などの新しい市販教材の紹介
・いろいろな自作教材の紹介
・インターネット上の障害児教育の新しいページの紹介
・その他

第75回関東例会のお知らせ

日時 1996年10月12日(土)2:00--5:00PM
会場 東京都失明者更生館 (新宿区河田町10-10 03-3353-1277)
お世話役 失明者更生館主任指導専門職  深沢 茂氏
◎交通:新宿西口小田急ハルク前から都営バス抜弁天経由「東京女子医科大学行き」に乗り「河田町」でおります。進行方向へ50m歩くと左手に青春出版があります。その向かい側に無人の交番があり、その隣に都失明者更生館があります。バスで15分、徒歩1分です。どなたでも参加を歓迎しています。お気軽にお出かけください。

第74回関東例会の報告

 佐原恒一郎 千葉県立市川養護学校 teketeke@mb.infoweb.or.jp
 今回は小雨の降る中、横浜市立鴨居小学校を会場に例会を行いました。茶菓子をたくさん用意して待っていて下さった荻野泰弘先生ありがとうございました。今回は教員関係、施設関係の方、障害を持つお子さんの親御さんと都合10名の参加となりました。
 荻野先生からは「平成6・7年度横浜市障害児教育実践研究報告 コンピュータ利用による障害児の学習指導」という鴨居小の冊子(カラープリンタのページもある荻野先生手作りの力作)をいただきました。LC520が1台でも教師の力量次第でこれだけのことができるという見本のような内容です。なお、期待の荻野先生の新作スタックは「現在、今まで作ったスタックをOMO版に変えているのに手一杯で作ってません」とのこと。でも近いうちに荻野スタックがWin機でも見られるわけだから我慢しましょう。
 神奈川県立鎌倉養護の林正直先生と栃木県立今市養護の宮田宜浩先生からは8月の22-24日に兵庫教育大で行われたインターネット研修会で作ったホームページを.紹介してもらいました。ブラウザにNetScapeNavigator Ver.3を使ったそうで鴨居小(荻野先生の私物のCentris650)NetScapeNavigator Ver.2ではブリンクの方法が違うなどの説明がありました。この研修会は定員20名のところに25名集まったため、一部は成田先生のうちに泊まったそうです。
 千葉県立千葉聾学校の宮下恵子先生からは「キッズパズル」を使っての実践事例の紹介がありました。ある生徒さん(文章の理解はそこそこあるけれど数の対応などは難しい)の全体像をパズルにして、それを自分で組み立てるというものです。千円札の分割パズルというのもありました。キッズパズルはギフト形式という本体がなくても単独動作可能なファイル形式があるので、予算の点からもありがたいということです。その生徒さんのお父さんからは漢字Talk7.5のアクセサリの世界地図のパズルのようにして欲しいという希望を承っているそうです。会場からは生徒さんの写真の周りが黒枠なので変えた方がいい、千円札には一応「みほん」と書いてあった方がいいといった意見がありました。
 次は林先生からユーザーグループに届いた「AppleAnswers」のビデオの紹介がありました。内容は近未来のコンピュータの築く日常世界といったところでMACLIFEの10月号の付録CD-ROMに収録されているようです。
 お次は私より「もずらいとスタック」の紹介。Nifty-ServeのFEDHAN12番会議室でハイパーカードの初心者講座というのが盛り上がりまして、7月の例会で紹介したものを改変したもので初心者でも簡単にスタックを作ろうということをやったのです。7月例会の参加者がほとんど参加していたので「ここが変わりました」と言うたびに歓声というかどよめきというか...があがりました。
 またまた林先生からは、AppleMessagePad130の紹介です。いわゆるニュートンというあれです。「ザ○ルスは手書きの癖は覚えないがこれは覚えます」「授業中に思いついたことをこれに書き込んでいると同僚から不審な目で見られます」という実践に即した?話を交えてひととおりの性能を紹介してくれました。アップル社の製品らしい機能として、OGINOという人が住所録にあれば、手書きで「Call OGINO」とすれば電話をかけるのだそうです。
 最後は、○菱電機にお勤めの亀田さんからInternetExpoでもらったという朝日新聞主催・NEC協賛・文部省等後援する「School Page作品募集」の紹介がありました。学校のホームページのコンテストのようです。ただ、優勝したら何かもらえるのかどうかといったことがさっぱりかかれていない、不思議なコンテストです。
 最後は、BigText、Crittersといった有名シェアウェアをさらりと紹介して終わりました。懇親会ではNifty-ServeのFEDHAN4番会議室で盛り上がっている話題でやはり盛り上がりました。次回は、おなじみ失明者更生館です。

MES自作教材集CD_ROM97の刊行と教材の募集

「障害者とコンピュータ利用教育研究会-Mac Education Society--MES」が結成されて7年経ちますが、その間学習上に困難を示す子どもや大人がMacintoshを使って学習したり、余暇を楽しんだり、仕事に役立てたりすることを支援してまいりました。その活動の一環として教育教材の開発と普及に力を入れ、ワークショップやカンファレンスを開催し、これまで滋賀大学教育学部附属養護学校と協力して2種類の「MES自作教材集CD_ROM」制作してきました。
このCD_ROMに収録した教材を開発した人は主に小中学校の教員や親で、教材作品に流れるコンセプトは、遊びを通して学習のレディネスの育成、表出活動による創造性の育成、調べや探索・学習シュミレーション学習の支援、教科別の予習や復習の支援などとなっています。
おかげさまで自作教材集CD_ROMは好評で、いろいろな雑誌や新聞、親の会などの機関誌で取り上げられ、学校や家庭で使っていただいております。このたび97年版を製作することになりました。96年版と同様に97年版も教育目的のために非売品となりますが、送料などの実費はユーザーからいただき、これを基金とし増版や次作の教材制作に使いたいと考えております。教材を共有することに賛同される方は、どうか周りの方々にお声をかけてくださり、このCD_ROMに教材作品を収録さるれるようお勧めください。
●教材募集期間: 1996年9月1日-1997年1月31日
 一次締め切りは12月23日のMES関西例会です。ここで、作品の紹介と検討を行います。すでに作られている作品は12月15日ごろまでに送って下さると嬉しいです。作品は、著作権の検討でかなり時間がかかります。
●刊行予定: 1997年4月
 自作教材が早く集まると、2月21-23日のMacExpoに間に合うかも知れません。 ●開発環境: HyperCard2.0以上、Oracle Media Object、Expand Book、Action、Macromedia Directorその他
●教材の著作権: 教材開発者に帰属します。
●貯蔵媒体:128-230MO、リムーバルハードディスクなど
●媒体の送り先:
 〒520 滋賀県大津市際川3丁目9-1
 滋賀大学教育学部附属養護学校
 大杉成喜
 Email: osugi@sue.shiga-u.ac.jp
 NiftySERVE: HGA01651
●問い合わせ先:
 〒673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
 兵庫教育大学学校教育研究センター
 成田 滋
 直通 0795-40-2205
 Email:naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp NiftySERVE: MGH00175
 障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ:

1997年アメリカ合衆国障害児教育とマルチメディア/ネットワーク活用の視察

視察案内のページ
●日時 1997年2月8日-16日
●視察箇所 カリフォルニア州サニーベール/サンホゼ/クーパーチーノ市学校区
●行程
  2月8日(土) 出発 (関西、成田) カリフォルニア州サンフランシスコ市着
  2月9日(日) 休養カーメル、モンテレーへのドライブ)
  2月10日(月) サニーベール市学校区視察 
  2月11日(火) サンホゼ市学習センター視察、サンホゼ州立大学
  2月12日(水) クーパーチーノ市学校視察、アップルコンピュータ社視察
  2月13日(木) テクノロジーメディア年次会議出席
  2月14日(金) テクノロジーメディア年次会議出席
  2月15日(土) サンフランシスコ出発
  2月16日(日) 帰国 (関西、成田) 
●費用
  往復旅費       65,000円 (ノースウエスト航空)
  滞在費 @7,000*7 49,000円 (2人部屋は半額となります)
  雑費  レンタカー他 20,000円
  計         約130,000円程度
●滞在ホテル
 ・サンフランシスコ市 Holiday Inn Chinatown
 ・サンホゼ市 Red Lion Hotel
●その他 
 ・ アメリカ特殊教育児童協会(CEC)-テクノロジーメディア年次会議-にも参加いたします。
  会議名: Council for Exceptional Children (CEC) Technology and Media Conference '97
 ・サンホゼ市とクーパーチーノ市内の学校、テクノロジー博物館などを見学する予定です。
 ・アップル社を訪ね、最新の技術を体験します。
 ・生徒指導とガイダンス・カウンセラーの役割を視察します。
 ・一体化教育(inclusion/integration)も視察します。
 ・現場教師との研究協議も予定しています。
◎お問い合わせ
 成田 滋 naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp niftyserve: MGH00175

インターネット研修会の報告

 林 正直 鎌倉養護学校 PFA01176
 8月22日〜24日(2泊3日間)、兵教大学校教育センターで行われたインターネット講習会が開かれました。関西MESで活躍されている大杉さん、太田さん、中島さんをはじめ、大阪、奈良、滋賀、愛知、高知、神奈川、栃木と各方面から参加者は25名ほどで大盛況でした。会場・機器などの手配では成田先生をはじめセンターの方々に大変お世話になり、ありがとうございました。私が筑波大付属大塚養護学校の永田先生と車で9時間かかって、会場に着いたときにはすでに先に到着されていた方々が、Erthernetで接続されているところでした。そして、準備ができた人から自然に講習に入りました。わからないことをたずねるとすぐに答えてくれる人がそばにいて下さり、初対面の方ともすぐに話がはずみ、和気あいあいの雰囲気でした。
 高知からいらした柚村さんと佐竹さんは、チュータのMark Taylorさんを協力者として黙々と?ホームページ作りに励まれていました。大阪大学大学院の巖淵さんは、こちらがアイデアを出すと「そんならいっぺん、つくってみましょうか。あんまり使こうたことがないけど」と言って、Directorで教材作りにチャレンジされていました。もちろん、大杉さんが協力して下さり、あっと言う間にプロトタイプができてしまいました(す、すごい!)。また、太田さんには自作の教材をデモしながらOMO(Oracle Media Objects)について講師をしていただきました。修学旅行事前事後学習用のソフトでムービーがとても綺麗に再生されていました。
 HyperTalkに似た言葉で、カラー、Movie環境が手に入れることがき、Directorよりもお値段が安いというのが魅力だと思いました。夜10時近くに、栃木から沼尻さんと宮田さんが到着され、宿舎の方で2次研修が始まりました。2日目の午前中はホームページ作りが本格化し、マニュアル片手に背景色をつけてみたり、テキストのサイズを変えてみたり、音データ、ムービーデータをつけてみたりといろいろ試してみる方や午後、別の研修?に出かけられる方がいらしたりとマイペースで研修がすすめられました。
 3日目は、ホームページの仕上げをし、この3日間で作ったみんなのホームページを発表しあいました。学校、児童生徒、お城、山、自分、家族などいろんな個性あふれる作品ページができていました。自然に恵まれた環境の中でインターネットの講習会に参加することができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。お世話になりました皆さま、有り難うございました。また、来年の夏にも計画されるとのことです。まだの方も2回目、3回目の方も今からご準備を。えっ、私?私はもちろん、、、、。

自閉症児 を連れてアメリカへ

 佐藤 裕  ysato@execpc.com Web上のページ
マット(認知障害専門の教師・テピの担任)の講義
 「あなたが、学校に来ることをいつでも歓迎しますよ。」とマットに言ってもらえ、聞きたいことも2、3あったので、私は冬休み前の最終日に学校に出かけた。先生は忙しいだろうから、手短かに済まそうと思っていた私だったが、1時間半にわたるマットの講義を聞くことになったのだった。私の英語力では少々ハードな内容であり、マットもそれは解ってくれて、筆談がかなりの割合を占めた。くたくたに疲れた私だったが、内容は新鮮でおもしろく、嬉しいものだった。 その一部を紹介しようと思うが、うまく伝えられるか、ちょっと不安。
1. 指導法はロバース法が基礎になっている
 マットはこのようなことを言っていた。「テピの指導はロバース法を基盤とした”Discrele Trial Format”と呼ばれるものである。なぜテピが気を散らさないよう狭い場所で、1対1の学習をするかという理由はここにある。」  「私たちがテピの指導の最初にしたことの一つに、絵を指ささせることがあるが、絵を見る(look)、そして指さすことが、本当にテピがものをしっかり見させること(理解させること)の基礎になる。”see”ではなく”look”がテピが学ぶことを助けてくれる。」(私も英語の”hear”ならできるが”listen”はできない。と言うと同意してくれた)。
 「ケビン(助手)がテピとしている学習は視覚判断力を覚醒させ、見る(学ぶ)ことを助ける。一年後にはテピは簡単なコミュニケーションシステムを使って私たちにたくさん話しかけてくれることを信じている。」
 「テピが私たちと学び、コミュニケーションをとるための一番いい方法を形作るために今一生懸命工夫している。テピが日本に帰ってからも役立つようにと、大学の特殊教育科の先生とも相談しながら色々考えていきたい。」
 「今、校長先生はテピの通訳を捜しているところだ。一月ぐらいから来てもらえるかもしれない。テピが発する言葉の意味を知っていたほうがいいという理由で、長期間必要だとは思っていない。」通訳に、独特の話し方をするテピの言葉を聞き分けられるだろうか?という疑問は残るが、そのことは承知の上でのことなのでおまかせすることにした。
2. 家族の幸せが私のゴール
 これもUSの教員教育の成果だろうか。「私のゴールはあなたやあなたの家族の幸せです。」とはっきり言っていた。だから家族の要求度の高いものから取り組んでいきたい、と言ってくれるので何でも言いやすい。まだまだ解決していない、体調不良の伝達方法と時間の概念を育てる方法を尋ねてみた。体調不良については、「学校では至って元気なので指導しようがない。」というので「もちろん私のホームワークになることは承知の上です。アイディアだけでいいのです。」と言うと、色々な感情を表す絵を使うことを提案してくれた。
 今日と明日の区別すらつかないテピで、そのために機嫌をそこねることがある。これはやはりカレンダーの活用を提案してくれた。
3. 21歳まで「教育を受ける権利」が保証されている
 マディソンではテピのような子どもは、どのような教育課程を経て大人になっていくのかということを尋ねてみた。小学校が1年生〜5年生中学校が6年生〜8年生高校が9年生〜12年生職業訓練校が2年間、人によってはそれ以上。  その後は(Sheltered Workshops)や(Community Employment)というサポートされた地域雇用制度により、仕事につくことができる。突っ込んだ質問ができず、状況がよく掴めないままの私だが、帰国する頃までにのんびり理解していこうと思っている。
 また、本人と親が望めばグループホームで生活できる。ただグループホームはウェイティングリストがあって、今テピの年齢で登録しておけば大人になったころは入れるはずだという。普通の子ども達は小学校〜高校まで(18歳)で義務教育(法的に教育を受ける権利が与えられる期間)は終わるが、障害児の場合はその後の訓練校の2年(21歳)が加わるそうだ。日本の私たちが住む地域の事を考えると(障害が重いと15歳で在宅を強いられることがまだまだある)、本当に羨ましい限りである。
 高校の4年間はVocational Skills(職業訓練)が中心になり、テピの校区であるウエスト・ハイスクールのVocational Skillsは素晴らしいと言う。IEP作成の際、お世話になったCD suport teacherのベスは、Vocational teacherとして14年間勤めたのだそうだ。テピが現在指導を受けているるアカデミックな課題は、全てPre-vocational(職業前課題)の意味を持つのだそうだ。
4. マットのピアスは輝く
 その他、薬について聞かれた。テピには必要性を感じないと答えると、マットも同意した。超多動なジョナサンについては、違った意見を持っていた。実際使っている教材やジョナサンの学習風景を見せてもらい、家で応用できそうなことはないか聞かれた。
 なぞり書きの教材に関しては日本語(ひらがな)に変えてもらうことにした。そのための教材作りは手伝うことになる。「休み明けにもう一度ディスカッションしましょう。」と言ってくれたマットに、「あなたはとても忙しいのでしょうね。」と(先生=忙しい)という図式ができている私はつい、言ってしまった。するとマットは「生徒とその家族を援助するのが私の仕事であって、そのためには、決して忙しいということはない!」と"NEVER"を強調して言った。この時、マットの左耳のピアスがひときわ輝いて見えたのであった。
5. インターナショナル・ウィーク
 ショウウッドヒルズスクールの年間最大の行事がインターナショナルウィークである。世界から集まった大学関係者が多く住むインターナショナルなこの地域を巻き込み、2月から準備が始まり、3月第3週目に行われたの民族衣装パレード、各国のパフォーマンス、フードフェアと賑やかに幕を閉じた。
 各クラスは自分たちのテーマとする国を決め、あらゆる方法でその国のことを勉強していく。そのために惜しげもなく時間と労力を費やす学校の姿勢に私はある種の驚きを感じた。日本でいったら”ゆとり”或いは”無駄”と捉える人もいるに違いない行事にどれだけの時間を子供達が費やしているかを、日本をテーマに選んだ2クラスの様子を記すことでわかっていただけるだろう。
 日本をテーマに選んだのは1年生のコールウェル先生、と3年生のペイトン先生の2クラスだった。この2クラスのこの行事に取り組む様子をかいま見ることができたのは、私がふたりの日本人(双方長年米国に住み完璧な英語を話す)と一緒に、習字と折り紙とちぎり絵を子供達に教えに行ったからである。各教室は3月に入るのも待たずに、テーマの国に合った飾り付けや展示をしていた。私もこのために、日本から持ってきていた浴衣やげた、浮世絵、あやとりや学習書やマンガなどの子供向けの本を貸し出していた。
習字
 最初はペイトン先生のクラスのお習字だった。クラスに訪れた日本人のおばさん達に子供達は「こんにちは!」と日本語でにこやかに声をかけてきた。教室の壁には”HAIKU”と書かれた大きな文字のまわりに子供達が作った俳句と一緒に、墨絵のつもりだろうか、白黒の濃淡で描かれた子供達の絵が展示されていた。
 私は日本から持ってきた筆と墨汁を使って、先生のリクエストである”平和”の文字を黒板に貼られた紙に大きく書いて子供達に見せた。私の傍らでTさんが解説をいれる。
 Tさんの解説は私が聞いても面白いもので、習字の歴史から、漢字の日本と中国との違いまで上手に説明していた。折り紙の解説を聞いたときもそうであった。外国に来て自国の文化をさらに深く知るとは、変な話だが、よく聞く話でもある。
 書き順などを丁寧に説明して聞かせ、それから子供達はそれぞれ自分の作品に取りかかった。子供達は黒い絵の具に水彩用の筆で画用紙にどんどん書き出した。えーっ、今の説明どういう風に聞いてたのよー。と思わず叫びたくなるような惨状が目の前に広がっていく。書き順めちゃくちゃ、文字のバランスがた崩れ、線をペタペタ何回も塗りたくる、余計な飾りを付ける子もいる。中国人と韓国人の子なら少しは.......と思って見に行ったが、他とほとんど変わらない。
 でも子供達は本当に楽しそうな表情で書いている。私達3人は子ども達のテーブルを回り、ちょっと手直しをしてあげたり、質問を受けたりした。筆順を教えようともしたが、それは意味のないことだとすぐに分かったのでやめた。習字はこの子達にとって、楽しいアートでいいのだ。”平和”を描く記号でいいのだ。そう思った。それでも何枚も書いているうちに段々と形はさまになっていった。名前を書く時、カタカナで自分の名前を書ける子が何人かいて、日本語の勉強もしていたことを想像できた。新たに覚えたい子には、その子の名前の発音に近いカタカナを選んで教えた。後に子供達の元気な作品は、教室の天井から万国旗のように吊るされ、しばらく教室を賑わしていたのだった。
ちぎり絵
 ”ちぎり絵”と聞いて、どんなものかピンとくる日本人はどのくらいいるだろうか?日本でも、あまり普及していないこのアートを子供達に教えることになったのは、たまたま私の母が”ちぎり絵”を趣味としていたことが発端だった。  私はこの行事の全てが初体験で珍しかったが、TさんとNさんは毎年同じ事を教えるのに飽き飽きしていた。「子供達にさせて楽しめるようなもの何か思いつかない?」と言うTさんの問いかけに私は軽い気持ちで、母の趣味であるちぎり絵のことを話した。それを聞いたTさんは「私自身も楽しめそう!ぜひやりましょう!」と乗り気になったのだった。
 ”ちぎり絵”は手漉きの和紙を手でちぎり、糊で貼り重ねていくことで独特の色彩と陰影のある絵画を作りあげるものである。
 母の作品はたくさん見てきてはいるが、実際にやったことの無い私は、このために母から送ってもらった本を読みながら、練習をしなければならなくなった。「和紙に触れているだけで、楽しく穏やかな気持ちになっていくのよ。」と以前、母が言っていたことを思い出した。悪戦苦闘しながらも和紙の強く長い繊維のふんわりした美しさに触れてみると、そのことが分かるような気がした。
 先ずは、ペイトン先生のクラスでの講義だ。Nさんが図書館で調べてきてくれて、パピルスから始まる紙の歴史から、製法や生産地、最後の和紙についての説明をしてくれた。そして、私が実際に小さな作品を作って見せながら、皆に手順など説明する。
 英語で解説することに自信が持てなかった私だが、「ここの小学校の子供達は変な英語に慣れているからだいじょうぶよー。自分でやってごらんなさい。」とTさんとNさんに変な励まし方をされてその気になったのだった。彼女達が言ったように、子供達は私の変な英語を熱心に聞いてくれた(いい子達だねー)。解説の最後に「何か質問ありますか?」と付け加えると、いつも必ず数人は手を挙げる。これが恐怖で、子供の話す英語はわかりにくい上に、答えようがないような飛んだ内容だっだりする。こういう時はTさんが、私の代わりにさりげなく上手に答えてくれるので助かった。校長先生や美術の先生も見学に来て、ちょと緊張した1時間だった。このアートの呼び方について聞かれたが英語に直訳するとあまりにも味気なくなるので、”CHIGIRIE ART”と名付け、そう教えた。こう呼んでアメリカに伝えたのは私達が最初かもしれないと思うと胸が躍る。1年生と3年生の2クラスで教えたのだが、子供達の作った自由な作品は思った以上に、面白く楽しいものだった。
折り紙
 折り紙は米国では結構ポピュラーなものになっているように感じる。私達が住むコミュニティーのセンターハウスのシンボルが折り紙の鶴だったり、カルチャースクールの講座のひとつに”ORIGAMI”という欄があったり、本屋さんに行けば折り紙やその本も売っている。一度市内最大の本屋へ行った時、幾何学図形の複雑な折り紙(というより切り紙)の本を見つけた折り紙大好き少年の次男は、それを欲しがった。買い与え、家に帰ってよく見るとその本は made in Japan だった。ある植物園で行われたアートフェアに出かけた時、たくさんのアートが並ぶ一角に、きれいな和紙でオーナメントとして作られた折り鶴が1個6ドルで売られていた。その高額さに驚いた私だったが、一緒に展示されていた広島の平和公園の千羽鶴の写真と解説文を目にすると、鶴に込められたた想いの重さがじわじわと胸を締め付けてきて、なんとなく納得してしまったのだった。
 コールウェル先生のクラスでは、折り紙の風船と三角帽子の折り方を教えた。Tさんは元数学の先生だったということも関係しているように思えてならないが、折り紙には精通しており、自分で作ったたくさんの大作を持って来て見せてくれた。子供達と一緒に紙を折り始めて、紙を折るという感覚が、折り紙に馴染みのない子供たちにとっては本当に大変なことなのだと、私はこの時初めて分かった。角と角を合わせる、指の腹で隅から隅まで折りすすむ、それが難なくこなせる子がいれば、感覚として理解できないようで、うちのテピに教えるように手を取ってゆっくり教える必要がある子供もいた。出来上ると皆嬉しそうに三角帽子をかぶり、風船をぽんぽんついて遊んでいた。
 予め折り紙で折ったキャンディーボックスに雛菓子(雛霰や金平糖など日本から送られてきたもの)を入れて、子供達ひとり一人にあげた。きれいな干菓子など雛祭りや春の和菓子は重箱に入れて、和紙で作ったお雛様と一緒に”見るだけ”ということで教室に展示した。アメリカでは出会うことのないような繊細な形と色彩のこの和菓子に子供達はとても興味を示していた。
 私が関わった以外には、「かぐや姫」や「かさ地蔵」の紙芝居(もちろん英語で)、日本を紹介するビデオ鑑賞、日本の学校についての解説と質疑応答、俳句、簡単な日本語等に取り組んだようだった。
 ドレスパレードはヨピが青い絣のウールのアンサンブルの着物と、私の赤いはなおのげた(適当なのがなかったし、誰も気にする人はいない)を履いて出た。もう一人の日本人はアメリカ人との混血のアニカちゃんというとてもかわいい3年生の女の子で、きれいな振り袖がとても似合っていた。控え室でのこの子の帯結びは皆の注目の的だった。”着物=美しい=高価”という観念は米国では一般的に定着しているようだ。この華やかでかわいらしいパレードを目にすることで、たくさんの国から子供達が来ていることが一目瞭然だった。(約50カ国の内19カ国が参加)。ドレスパレードに続き、国ごとの子供達によるパフォーマンスがあった(今年度日本は参加しなかった)。この日のドレスパレードとパフォーマンスはテレビで何度もで放送されたそうだ。
 締めくくりがフードフェアだ。15カ国が参加し様々な料理が並んだ。私は巻き寿司を作ってだしたが、作った人の名前と材料(アレルギーや宗教など食物制限のある人のために)は料理と共に明記しているので、何日もしてから「あなたの作った”スシ”おいしかったわよ。」と言ってくれる人が何人もいて嬉しかった。  この行事が終わってから、約一週間後にコールウェル先生(一年生)とペイトン先生(三年生)のクラスの子供達からたくさんの御礼状が届いた。一年生はまだ文字を習っていないので、先生の書いた感謝の言葉の回りに一人ひとり自分の名前の寄せ書きがあった。三年生は一人ひとり手作りのカードにきれいな文字で立派な文章が綴られていた。時間をかけて一生懸命書いたことが想像できるカードだった。子供達の感想はひとり一人少しづつ違っていて、ちぎり絵が一番楽しかったという子、お習字が良かったという子、日本は素晴らしい国だ、興味深い国だ、美しい国だという子、また、たくさんの子が雛菓子のことに触れ美味しかったという(やっぱり子供だね)、そしてぜひ日本に行ってみたいと。
 ぜひまたクラスに来て欲しい、私はあなたの友達です、とか決まり文句なのだろうけれど暖かい言葉の連続のカードを次々と読み進んでいくうちに、私は胸が一杯になった。日本の伝統的な家を作っているのは木と紙。その中で発展していった日本の文化を見直すいい機会を得られたことと、子ども達との楽しいふれあいは、私にとっていい思い出となったのだった。(この原稿は佐藤氏の許諾を得て毎回掲載しています。)

イベント情報です。

●「96 ATACカンファレンス」
(Assitive Technology and Augmentative Communication)
「障害を持つ人々の心と自立を求めて」
主催: ATACカンファレンス実行委員会 
共催:AAC研究会・こころリソースプック編集会
期間:11月9日(土)〜11月10日(日)
会場:香川県高松市西宝町「ミユーズホール」
   手話適訳と託児(有料)あり。
参加費:l万2000円(資料込み)※だだし8月末日までに申し込みの場台はl万円
    9日午後予定の公開講演会のみ参加の場合は2000円
参加定員:300名
間い合わせ先:ATAC力ンフアレンス事務局
〒760 香川県高松市幸町1‐l
香川大学教育学部 中邑研究室内 0878-36-1772(Phne & Fax)

●アップルディスアビリティセンター東京講習会のお知らせ
◎日時:10月12日土曜日 10:00-16:30   
◎場所 :アップルディスアビリティセンター東京
対象:障害を持つ方へのコンピュータ利用の指導にあたられている方。また、今後考えている方。
(障害を持つ方が試してみるためのセミナーではありません。ご自分が使用するための体験を希望される方は、別途お問い合わせください。)
参加ご希望の方は、同封の申込用紙に必要事項をご記入の上、大阪の白石までお申し込みください。締切りは9月末日。受講票を10月7日までに郵送いたしますので届かない場合はご連絡ください。
◎申し込み:03-3964-9649 06-536-5594
 CXK05352@niftyserve.or.jp
◎プログラム:
9:30-10:30 マッキントッシュ入門 
                マッキントッシュの基本操作、基本用語を体験します。クリック、ダブルクリック、画面操作、アプリケーションの起動方法などご存じでない方は、必ずご参加ください。
◎参加費:2,000円(テキスト料金込)
--10:30-12:30 りんごちゃんの一日
ある障害を持った女の子がキネックスを使って遊んだり、気持を伝えたり、大活躍します。実際にキネックスのセットアップを設定・作成を行い、キネックスの可能性を知っていただく内容です。講習中ご自分で制作されたセットアップはお持ち帰りできるようフロッピーディスクをご用意いたします。
参加費:6,000円(テキスト料金込)  
--13:30-15:00 姿勢保持と電動車椅子
快適に生活するための姿勢保持のシステム”JAYシステム”の紹介とワンスイッチによる操作が可能な電動車椅子をご覧いただきます。参加費:無料  ご自由にお越しください。
--15:00-16:30 キネックスセットアップを作ろう!!
〜ポンキッキーズ編〜ステップアップセミナーを待っていらっしゃった方、お待たせ致しました。人気のあるポンキッキーズのソフトのワンスイッチ入力のセットアップを作りましょう。この部に関しましてはキネックスの入門講座を受けられた方に限ります。
参加費:8,000円(ソフト&テキスト料金込)ソフトをお持ちの方は4,000円です。

平成8年度100校プロジェクト活用研究会開催のお知らせ。

活用研究会は、100校プロジェクトで体験した教育実践事例を主とする研究を目的に開催しております。本年度は、ネットワークを活用した学習のカリキュラムへの導入実践事例に加え、新たにネットワークの教育利用を検討されている一般の教員、自治体、教育委員会、教育関係団体、企業等の方々を対象に, 既に自治体等で取り組んでいるインターネット接続事例の研究を行います。本年度の活用研究会は、開催地の教育委員会、教育関係団体、企業等の協力により、全国6地域での開催を予定しております。
*************************
関東地域の開催を以下の通りご案内申し上げます。なお、他の5地域については、開催予定日:10月から12月、開催予定地:北海道、石川県、兵庫県、高知県、佐賀県を予定しておりますが日程、会場については現在調整中であり、決まり次第ご案内致します。

◎お問い合わせ先
財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)
ネットワーク利用促進部  中曽根
Fax 03-3593-1806
E-mail nakasone@cec-jf.or.jp
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以下、関東地域の活用研究会開催内容です。本研究会は、情報化月間併設行事として、東京全日空ホテルにて特別に開催致します。多数の関係者に参加して頂きたく、転載をお願いします。 =================================

●100校プロジェクト活用研究会(関東地域)開催概要
1.名称
 100校プロジェクト
 「インターネット教育利用実践事例発表会」(仮称)
2.開催日時
 平成8年10月1日(火)
 午後1時〜午後4時30分
3.会場
 東京全日空ホテル
 住所:東京都港区赤坂1丁目12番33号
 電話:03ー3505ー1111
 最寄り駅:
  ・地下鉄千代田線 国会議事堂前駅 出口5)より徒歩8分
  ・地下鉄銀座線 虎ノ門駅 出口3)より徒歩10分
  ・JR新橋駅 汐留口より[都01]都バス渋谷駅行きにて15分 赤坂アークヒルズ前下車
  ・JR渋谷駅 東口より[都01]都バス新橋駅行きにて20分 赤坂アークヒルズ前下車
  ・地下鉄日比谷線六本木駅 出口3)より徒歩12分
4.主催
  情報処理振興事業協会
 (財)コンピュータ教育開発センター
5.テーマ
 「学校教育におけるインターネット利用の新しい展開」(仮題)
6.内容
 (1)自治体主導によるインターネット接続実践事例の発表
 (2)インターネットを活用した授業実践事例の発表
7.定員
 150人
8.対象者
 (1)小・中・高校等の教育関係者
 (2)自治体の関係者
 (3)企業等の関係者
9.その他
 参加費は無料

●プログラム:
12:30 受付開始
13:00 開会挨拶
13:05 最新動向
13:05〜13:35 米国の状況
  「米国の州におけるインターネット教育利用の最新情報」
  (仮題)宮沢賀津雄氏(川崎市立川崎総合科学高等学校)予定
13:35〜14:05 自治体によるネットワークの構築事例
   「京都府綴喜郡田辺町の小中学校インターネット接続事業について」(仮題)
   中島唯介氏(田辺町教育委員会)予定
14:05 休憩(10分) 14:15 100校プロジェクトの授業実践事例
14:15〜14:45 小学校事例
   「教室に世界の窓を開く」(仮題)
   石原一彦氏(大津市立平野小学校)予定
14:45〜15:15 中学校事例
   「教科の部屋」の授業実践記録(仮題)
   渡部昌邦氏(葛尾村立葛尾中学校)予定
15:15〜15:45 「情報の多様な表現をもとにした授業をめざして」
   藤井修二氏(富山県立大門高等学校)予定
15:45〜16:15 特殊教育諸学校事例
  「活力を与える授業実践」(仮題)
   伊藤 守氏(東京都立光明養護学校)予定
16:15〜16:25 質疑応答
16:00 閉会挨拶

第23回国際福祉機器展

今年のInternational Home Care & Rehabilitation Exhibition '96(HCR)会場を晴海から有明の新東京国際展示場・東京ビッグサイトに移して9月18-20日に開かれ、出展申込は、予定を大幅に上回る過去最大の11カ国410社(国内290社、海外10カ国120社)となりました。製品検索ページと企業検索ページなどがWeb上にあります。
http://www.hcr.or.jp

近畿マックユ-ザ-グル-プコンファレンスについて

 斎藤浩一 兵庫県加古郡稲美中学校 saitok@apic.or.jp
 9月1日(日)大阪は日本橋の上新電気--J&Pテクノランド5階を会場にして近畿地方のMacユ-ザ-グル-プのコンファレンスが行なわれました。参加した面々はおなじみの大阪大学の魚井先生、アップル社、元MacPress編集長の神田さん、MacFan編集長の滝口さんや大阪などで活動しているユ-ザ-グル-プの面々が集いました。私も昨年は私事で欠席しましたが今年は私の所属するマイナ-なUGの一員として、UGの友人と参加しました。
 Macを取り巻く状況は厳しいものがあるにせよ、日本橋の電気街でのMacは以前よりもあきらかにメジャ-な存在になり各店に所狭しと並んでおり、以前の店の隅っこにあったころとは大変な違いです。今年のコンファレンスは例年通り、11時開会、6時すぎに閉会といったもので講演会と各UGブ-スでのデモなどが混在したものでした。講演の中ではMacFan滝口編集長さんが、来秋に大阪でExpoのようなものを開催する計画があるといわれたり、神田さんのビ-トルズナンバ-のライブがあったりいつもながらのパタ-ンでしたが楽しいものでした。ただ以前の会にくらべると会社関係のPRやデモがほとんどなく、UMAXのデモがブ-スで行なわれていたぐらいでした。私もMacと付き合いだして何年かがたちましたが、こうした時代の変化というものも感じた今年の会でした。

市販教材の紹介

 コネチカット州にあるSimtechというソフトハウスから、スイッチで楽しめ学べる12種類の教材が発売されています。マウスのボタンかDon Johnstonから出ているスイッチインターフェイスに接続したスイッチでパズルを作ったり、絵をかいたり、マッチングゲームを楽しんだりできます。この教材の特徴は、簡単で安くとっても楽しいという印象を受けます。
なお、事務局で12種類の教材を用意していますの、試したい方は2週間お貸しします。

シングルスイッチを使った教材のいくつか。
・Picasso for Little Kids: スイッチをおすといろいろな絵が出来上がっていきます。
・Scan & Match: 見本の絵に合うのを3つの選択肢の絵からスキャンで選びます。
・New Frog & Fly: ハエが飛んでくるのをカエルが待ち受けていてスイッチで捕まえます。
・Switch/Puzzles: ボタンをおすと、パズルがでてきて絵を作ります。
・Switch Arcade: スイッチをおして風船をわったり、ダートで的あてゲームを楽しみます。
なお、教材はそれぞれ1枚のディスクで発売されており、各25ドルとなっています。
開発元
134 East St.
Litchfield, CT 06759, USA
203-567-1173 Email: switchedon@aol.com
Web:http://www.hsj.com

●「ランドセル小学4年」
 これまで小学1-3年生までのシリーズに続くもので、小学4年の全教科を網羅した学習教材です。CD_ROM一枚にたくさんの学習画面が収録されています。教科書の副教材として家庭や教室で個別学習の機会に使うことをお勧めします。 開発元 有限会社がくげい

●「カルロにおまかせ123」
 この教材は、数字の基本を学べるもので、不思議キャットのカルロが案内役で子ども達を学習に導きます。以下の内容で構成されています。
「はじめのいっぽ」:1〜10のアラビア数字を覚えます。 「100までかぞえよう」:1〜100のアラビア数字を覚えます。
「くらべてみよう」:楽しいクイズで、数の大小比較に挑戦しましょう。
「かずかずいくつ」:楽しいクイズで、足し算、引き算の練習をしましょう。
開発元 日本IBM  価格 2,800円

「カルロといっしょにあいうえお」
 このソフトは、日本語の基本を学べるものです。正確な50音の発音、ひらがなの読み書き、文字の書き順などを学びます。以下の内容で構成されています。
「よんでみよう」:ひらがな107音の形や発音を覚えます。
「かいてみよう」:ひらがな46音の書き方を覚えます。
「これなあに?」:楽しいクイズで、ひらがなを復習しましょう。
「しりとりめいろ」:おなじみのしりとりルールで、文字の迷路に挑戦しましょう。
開発元 日本IBM  価格 2,800円

入力装置の紹介

●「TrackMan」
 マウスを遠隔操縦する入力装置です。通常キーボードに接続したマウスを使わねばなりませんが、このTrackManは、画面から10メートル離れたところでカーソルやボタン操作ができる便利なものです。トラックボールと3つのボタンがついており、それぞれのボタンに機能を割り当てることができます。この装置は、小グループや講義などプレゼンテーションの場で使うと性能が発揮されます。
開発元 Logitec Inc.
Fremont, CA
phone 510-795-8500 18,000円

皆さんからのお便り

●大潟村から
 今野茂樹 秋田県大潟村 PBA02573
 いつも会報をお送りいただき、ありがとうございます。だいぶ時期が過ぎてしまいましたが、6月の会報の中で、MES自作教材集CD-ROMのお話がありました。もしまだ残りがあるようでしたら是非お送りいただけませんでしょうか?できましたら95年96年版とも、よろしくお願いいたします。  当地(秋田県大潟村)の教育研究所にMacが入りました。メディアキッズにも入会し、子ども達もようやく書き込みができるまでになりました。まもなく2台目も入る予定で10月の学校祭の企画もインターネットを中心に考えております。

●聴覚障害をもった児童を担任して
 太田典子 大阪府立寝屋川養護学校 PXX07114
 本校の山上弘之先生からIDを伺いメ−ル送らせていただいています。私は今年聴覚障害をもった児童を担任しています。私にとっては初めての経験です。彼女とのコミュニケ−ションをいかに作るかに苦労しています。彼女の遊びの広がりを求めて、パソコンを使ってみたところ、非常に興味をしめしてくれました。彼女のために何かソフトがないかと思い、市立聾学校の多田先生に相談したところ、先生が研究会を開いておられるので、それに参加してはどうかといわれました。研究会のことを教えていただけたらありがたいのですが。よろしくお願いいたします。

●MESについておうかがいします
 室木義治 京都府立中丹養護学校 CQA06770
 私は京都の北、福知山にあります京都府立中丹養護学校に勤務しております室木義治と申します。ニフティ上で伊藤可主也先生にパソコン研究会の御質問をしたところ、先生がMESを主催されていることをしりました。月例の研究会ももたれているとか。もしお許しいただけるなら、勉強させていただければと思い、失礼を顧みず連絡をさせていただいた次第です。そうした案内もフォーラム上ですでにされているのでしょうが、パソコンも通信も初心者でみつけられませんでした。
 学校には98が何台かあります。しかし、軽度の児童生徒のワープロのみに使用されているのが現状です。より重度の子の、例えば概念学習の導入により有効にえるのでは、と思っているのですが、初心者の私では道は遠いです。それにはマックなので周囲に質問できる人がいないのが現状です。お教えを。

●丹波篠山城もついでに見学して
 大川真一 名古屋市立高針小学校 CZN00547 
 夏のインターネット研修会はありがとうございました。通信やネットワークの経験がなかった私には、準備の段階でモデムやイーサーネット用のトランシーバーなどを購入するのに一苦労でしたが、研修会場へ行くと、さっそく大杉さんにインターネットにつないでいただき、Taylorさんにホームページの作り方を教えていただき、一日で世界が変わりました。二日目は、太田さんにOMOで作った東京ディズニーランドのすばらしソフトを見せていただき、午後からは、立杭焼、清水寺、東条温泉で場所をかえて研修しました。三日目は、ホームページの発表会をして研修会は終了、私は丹波篠山城を見学して、名古屋へ帰りました。家へ帰ってからOMOを注文したので、何か作ってみたいと思います。年内にはインターネットにもつなぎたいと思います。

●会報の回想
 松本正休 大阪府立八尾養護学校 GAF01706
 いつも、いつも会報を送っていただきありがとうございます。毎回、楽しみにしております。毎回の例会の様子がよくわかり、新しい話題がいつも提供されているようで関心しています。また、会員の方々の近況報告が楽しく、まだ、顔も知らない方々でありますが、それぞれの場所で、積極的なパソコン利用をされているな活動されているなと、なんとなくその方の顔なり体格なり想像しながら、読んでいます。関西での例会は大阪でも多くあり、参加しようと思いながら、なかなか参加できないでいます。しかし、これからも楽しみにしておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

●10月に高知で
 横井啓介 高知県立山田養護学校  GGC03573
 インターネットの研修会ご苦労さまでした。初めて高速道路を通って車で参加することができました。帰りは、夕方の5時に無事着きました。4時間で行けるのでびっくりです。参加者の佐竹、柚村さんらの女性も大変勉強になったと思います。また、マーク・テーラーさんや鈴木講師には基礎から教えてもらったそうです。10月には高知でも例会を予定しています。

●インターネット研修会に参加して
 加藤圭子 大阪府立岸和田養護学校  JCD01100
 8月22日から24日まで、兵庫教育大学で行われました「インターネット研修会」に参加しました。HTMLでホームページを作成しました。HTMLは全く初めてでしたが、皆さんや筱先生の暖かいご指導のもと、2日間でマイホームページを作成することができました。ひとりで本を見ながら作るのは、なんとなくおっくうで、今まで手をつけられずにいました。機械を前にして、具体的な操作とともに教えて頂き、そういうおっくうさを飛び越えることが出来ました。また、HTMLを要領良く書くコツ、他のところからとってくる、も教えて頂き、Mac自体の操作のコツ(ショートカットやアプリケーションの起動のさせ方など)も学べ、随分スキルが向上したように思います。MacやWindowsなどGUIは、やはり見て、操作して、感覚的に覚えることが早くて確実な学習方法だなと再実感しました。他の研修室では、OMOやDirectorの研修も行われていました。今回はHTMLで精一杯で、そちらの方へは行けませんでしたが、また機会がありましたら参加したいと思っています。
 研修会の中日、立杭焼きと東条温泉に連れていって頂きました。立杭焼きは、はじくと澄んだ音がしそうなくらい素地が硬く、素朴な濃い色あいの素地に自然な色のゆう薬がかかっています。兵教大から車で1時間ばかり山の方へ行くと窯元が十数件ありました。素朴であたたかみがあり、かつ現代風にアレンジされた器を思わずいくつか買い求め、早速家でビールを入れたり、コーヒーを入れたりして使っています。東条温泉では、のんびりとゆぶねにつかり、すっかり旅行気分でした。
 研修会を通じていろいろな方々と出会え、お話しできたのも、とても楽しい思い出です。いろいろお世話になりました先生方、皆様方ありがとうございました。また、いつかどこかでお目にかかれますことを楽しみにいたしております。 参加者が作ったページ:http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/mes/kenshu96/kenshu.html

●カナダ、アメリカ...
 矢野純子 松山市立身体障害者センター VYB03657  
 秋風がさわやかな季節になりましたね。いつも会報をありがとうございます。今度の会報に、来年のアメリカ視察旅行のことが出ていて、行きたいな〜と思わずつぶやいてしまいました。とっても充実した内容ですよね。そのうえ、自己研修時間もあって...。9月末に、前川先生のいるカナダに行きたいと思っています。「研修も兼ねて」と職場には言っていますが、どうなることやら。
 今日はインターネットカフェでカナダ関係のホームページを見てきました。アメリカ視察旅行のことも見て、ますます行きたくなっています。カナダで信用を得たら、アメリカも許してくれるかもしれません。ガンバラナクテハ!
 

事務局から

皆さんからのご意見、提案、手紙などをいつでも歓迎しています。NiftyなどのIDをお持ちの方はそれおを添えて下さい。私信の場合はその旨お書き下さい。編集の手間を少なくするために、数字やローマ字は半角を是非お使いください。カタカナの半角がありますと、送信できませんので使わないで下さい。

   以上10月の会報でした。次号をお楽しみに。