障害者とコンピュータ利用教育研究会

                         11月会報 NO. 88

MES
ホームページ
1997年10月号 1997年9月号 1997年8月号 成田研究室

〒673-14 兵庫県加東郡社町山国2007
  兵庫教育大学 学校教育研究センター Phone 0795-40-2205
  Fax 0795-40-2203

■ 目 次 ■

第87回関東例会のお知らせ
第87回関西例会のお知らせ
大阪養護教育コンピュータ研究会例会のお知らせ
第85回関西MES例会の報告
第86回MES関東例会報告
MESの今後の予定です
Minnesota州Mounds View学校区でのホーム・スクール見学訪問
自作教材の紹介
パソコンバンクのコーナー
皆さんからのお便り
神奈川県立武山養護学校の伊藤太郎教諭より以下のような質問を受けましたのでお答えします。
1997年度 ATAC(エイタック)カンファレンスのお知らせ
東京都立光明養護学校での取り組み

第87回関東例会のお知らせ

日 時  11月8日(土) PM 2:00-5:00
会 場  横浜市立鴨居小学校  お世話役:荻野泰弘氏
     横浜市緑区鴨居 4-7-15  電話045-931-2073 
交 通
 JR横浜線 「鴨居(かもい)」駅下車
 バス乗り場方面の改札口をでて道路を渡ると正面に郵便局があります。
 その右脇の坂道を昇って2分で右手に学校があります。
 改札口より3分の便利なところにあります。
内 容
 インターネット利用状況のお話
 インターネット体験
 自作教材の紹介
  Q&Aコーナー
 その他

メニューに戻る 

第87回関東例会のお知らせ

今回ははじめて神戸で例会を行います。平日ですが、時間の都合のつくかたはどうかお越しください。兵教大から大勢参加の予定です。

日 時  11月13日(木) PM 2:30-5:00
会 場  のじぎく療育センター  お世話役:梶 正義氏
      神戸市西区北山台2-566 電話078-994-0196
交 通
のじぎく療育センターへの道筋です。西脇方面から−国道175号を明石方面に南進、小野・三木をぬけ神戸西区へ入ります。老ノ口信号を左折、約5分後最初の西盛北信号を左折、すぐ信号右折し踏切をわたって直進、約3分後左に養護学校、療育センターがあります。神戸方面からは、第2神明玉津インターおりて国道175を北進、神出町の老ノ口信号を右折。後は上記に同じです。

プログラム
 Speaking Dynamicallyの紹介
 Edutainmentソフトの紹介
 子ども用の自作教材の紹介
 Q&Aコーナー
 その他

メニューに戻る

大阪養護教育コンピュータ研究会例会のお知らせ

日 時  11月1日(土) 2:30-5:00PM
会 場  ホテルアウイーナ大阪
      大阪市天王寺区石ケ辻町 19-12 電話06-772-1441
交 通
 近鉄 上本町下車 南へ3分
 地下鉄 谷町線 谷町9丁目下車 東南へ8分
内 容
 府下養護学校においてのISDN回線の利用と情報交換
 府下養護学校のインターネットホームページ作成の事例報告

メニューに戻る 

第85回関西MES例会の報告

 9月27日(土),大阪教育大学附属養護学校を会場に第85回関西MES例会が行われました。今回は,アメリカの教育省のレイ・マイヤーさんをお迎えして行われました。氏は今年の11月まで兵庫教育大学の外国人研究員です。また,ことば共育センターの鈴木静先生が目の手術も無事終了し,元気な姿を見せてくれました。

 まず,市販CD-ROMの紹介で,「ハローキティのいろとかたち」「カルロといっしょにあいうえお」「オルゴット」等のデモがありました。また,養護学校の機械にペン・ダイレクト(HELLO SYSTEMS)の装置が接続されていましたので,その紹介も行われました。現在は市販されていないようで成田先生が1台所有しておりますのでお問い合わせください。

 垂水養護学校の大前先生からディレクタで作成した自作ソフト紹介がありました。マウスをクリックすると風船が膨らみ,あまり膨らませると破裂してしまうソフト,かくれんぼのソフト,迷路のソフトがありました。いずれも1MB以下の大きさでフロッピーで配布可能なものでした。また,家族で参加された「りきや君」もシングルスイッチでソフトを楽しみました。

 ことば共育センターの鈴木先生から,「101のわんちゃん」のCD-ROMの紹介がありました。実際の話とは内容が違いますが神経衰弱のゲーム等ができます。久しぶりに静節(しずかぶし)が聞けました。

 今回は,地元の養護学校の先生や大手前整肢学園,作業療法士の辻先生の紹介でご家族で参加されたり,総勢17人の賑やかな会でした。また,モバイルギアでのダイアルアップ接続や自作ソフトの開発の工夫等,それぞれの要求に応じて会が進められました。

(報告 兵庫教育大学院生 曽根秀樹 sohideki@edu.hyogo-u.ac.jp

○関西MES例会の様子 その1
○関西MES例会の様子 その2
○関西MES例会の様子 その3

メニューに戻る 

第86回MES関東例会報告

 今回は久々に、筑波大学附属大塚養護学校を会場に行われました。校庭の向こうにビッグエッグが見え、ジェットコースターが見え隠れするというなかなかサイバーな学校です。

 会場校の先生で、関東の重鎮、永田先生をはじめ千葉・栃木の常連と大塚養護に通うお子さんたちが3組参加してくださいました。また、よその講義を済ませて大塚養護の野村先生が、特殊教育学会を済ませて飛行機で熊本からはせ参じた筑波大学の東原先生も加わって、久々に20人規模の例会となりました。

 自己紹介中に、大塚養護の小学部6年生のNくんの母からVOCA・ChatBox・MassageMateの実践に基づく紹介がありました。これらの機器を使うことで「わが子がこれだけこちらの話がわかるというのが分かった」そうです。ChatBoxは4スイッチあって、それぞれで録音した声を使い分けられるので、学校バージョンと家庭バージョンを使い分けているそうです。フル充電で8時間持つ。兄弟のピアノの先生の「さようなら」に反応したとか。MassageMateの方が頑強にできていてChatBoxは華奢との作りの違いも指摘されていました。

 子供の声の方が威圧感がないというので母の声から子どもの声に変えたそうです。ChatBoxを使ってからの養護学校の授業での変化を永田先生が語ってくださったところによると、1対1対応をするようになった・漢字がかけないと思ったらかけたということで、今まではしゃべれないので知らないと思って指導がなされていたとのことでした。また、大抵の親御さんは「しゃべれない子をしゃべらせてくれ」という要望が多いのだが、「ChatBoxをやらせたい」という親御さんの決断がすごいという感想も参加者からありました。

 他の参加者からは「サイン言語の良いところを取り入れているので良いと思う。言いたいことが通じないとフラストレーションがたまる」という話もありました。ただ、教員の方でも「機械に頼ると言葉を出さなくなるから...」という話はあり、消極的な方もいる現実はあるとのことでした。
以下、通常のソフトウェアなどの紹介です。

○「とんでまっと」コンビ株式会社 VeEPプロジェクト(熊谷)
 元々はppin用でしたが最近ハンドマットがついてハイブリッド(Win/Mac)版になった。「さかなをとりにいこう」のデモ版を紹介。体重制限30kgだが75kgの職員がやっても壊れない。市販価格は1万8千円くらい。マットが4色に塗り分けられていて、要は大きな4点スイッチ。ADBポートを利用している。ただ、コンビは現時点では、これをスイッチ用としてのコントロールパネルなどを別に配給する予定はないとのこと。

○大塚養護の実践から(永田)
   サンダーバードのオープニングをQickTimeMovieで何度も繰り返しているうちに子供が興味を持って使いだしたら、すかさずキッドピクズを起動する。「くまちゃん」と呼んでいる「FattyBEAR'S」をやっている。回転などちょっとむずかしいがやっている。弘前大学附属養護の中村先生の「アンパンマン」。これはDirectorで作られている。「これなーに」は図形だったり、十字路を車が通過したりというもので、HyperCardで作られている。ShapeMania図形の大小弁別のソフト。韓国の方が作った。だから音声と表記が韓国語。Directorで作られている。異なった図形を組み合わせるモードもある。重ねていくモードもある。モンテッソリー風。「いくつでしょう」6〜20の数唱の問題が100問ある。似たようなものに「かずならべ1〜10」「MACランドセル1年」がある。

○インターアクティブ人体百科「ヒューマンボディ」 DDPデジタルパブリッシング(林)<
 人体の機能・形態・器官などをインタラクティブに解説してくれる。音声解説付き。むーびーも付いている。スクリーン・ショットで画面を撮って教材としている。ただし授業以外に使うと著作権法に触れるので教材以外に使わないように。「人体の器官」で「胃のしくみ」をデモする。

○インターアクティブ人体百科「サイエンス」 DDPデジタルパブリッシング(林)
 他にも「もののしくみ」とかがこのシリーズにはある。数学・物理学・化学・生命科学の4カテゴリーで、身近なものをとりあげている。科学者辞典もある。テストモードもある。磁石を取り上げ解説する。何でこれを使うかというと理科の教員じゃないのに理科を教えないといけないから。スピーカーのボタンを押すと音声で解説する。

○VISISOUNDER(NEC)Win版のみ。(東原)
 1万2円だがキャンペーン価格で9千円くらい。評価版がインターネットで落とせる。MIDIがあるといいのだがなければキーで割り当てで再生できる。鍵盤を押すと蛙が飛んだりいろいろ動きがある。自動演奏モードもある。花が人の顔を変形したので咲いたり、キーを押した分だけ茎が延びるというのもある。マリオネットはスイッチを動かすとマリオネットが5体同じ動きをする。画像でもよく、「課長さん」と課長が5人動くサンプルもある。最初のカテゴリーが15ある。

 後半は、久々に質問コーナーで締めくくりました。このあと懇親会を近くのサテライトホテルというところのバイキングで(安くておいしかった)行いました。東原さんが参加するときは何故かバイキングに縁があるようです。

報告者:佐原恒一郎(千葉県立市川養護学校 GEC02532)

メニューに戻る 

■MESの今後の予定です。

1997年
10月15日(水) 伊丹市立笹原小学校見学予定
  26日(日)  ACE関西例会
        MES関西例会とバンドリング(MacFanExpoの内容を検討)

11月13日(金) MES関西例会(於:兵庫県立のじぎく療育園)
   16日(日) SASおよびLinux講座 (講師:筱 更治)
   17日(月) SASおよびLinux講座 (講師:筱 更治)

12月12日(金) MacFanExpo(於:大阪ドーム)
   13日(土) MacFanExpo(於:大阪ドーム)MES例会合宿(担当:山上)
   14日(日) MacFanExpo(於:大阪ドーム)

1998年
1月24日(土) MES関西例会・大コン合同研究会(合宿)
  25日(日) MES関西例会・大コン合同研究会

2月中旬   MacExpo in 幕張
  28日(土) MES関西例会(於:滋賀大学教育学部附属養護学校:合宿)
  29日(日) MES関西例会

3月22日(日) 〜29日(日) 海外研修ツアー(カナダ・オンタリオ州)

メニューに戻る   

■Minnesota州Mounds View学校区でのホーム・スクール見学訪問

 Minnesota州Mounds View学校区でのClosing The Gapというテクノロジーを利用した障害者の自立を支援する会議に参加してきました。 そのときインタビューをしました。おこさんは二人で、7年生のMatthew君と4年生のBethanyさんが学んでいます。 以下インタビューの記録です。(渡部親司、成田 滋)


Q; なぜ、ホーム・スクールを始めたのか。

A;  学校教育に不満があったわけではなく、子供たちが学校よりも家で勉強をしたいという希望があったから。 学校は学校でとてもいい環境だと思っている。読み書きの指導も家で行ったほうが、子供に合った教え方ができる。


Q; どのような資格を持っているか。

A; ホーム・スクールの要件は特にない。大学の学位がある場合、州に対してレポートする必要はない。 大学の学位を持っていない場合、州に対して毎年レポートが義務づけられている。 また、大学の学位を持っている場合、自分の子供および近隣の子供をホーム・スクールの対象とすることができる。


Q; 通常の小学校や中学校では、3年生、5年生、8年生、12年生で、スタンダードテスト、習熟度テストを行うが、ホーム・スクールの場合はどうか。

A; 毎年スタンダードテスト、習熟度テストを受けている。そして、その成績が当該学年全体のの30%以下の場合は、州に対して特別の手当てを要求をすることができる。たとえば教師の派遣など。


Q; ホーム・スクールを行う際、州から補助金は支給されるのか。

A; Mounds VIew学校区では、ホーム・スクールを受ける生徒一人当たり年間45ドルの教育援助費が州から支給される。学校側としては、生徒数が多いとそれだけ州からの教育援助費が多くなるので、ホーム・スクールはあまり歓迎されていない。州では学校に通学する生徒一人当たり8000ドルの経費がかかっている。


Q; どのようなカリキュラムを組んでいるのか。

A; ホーム・スクールを実践しているグループが、ホーム・スクールカリキュラムのフォームを作成しているので、そのカリキュラムをもとにスタートした。このカリキュラムは、いろいろなサンプルが用意されているので、その中から選択して用いることができる。


Q; ホーム・スクールを実施する場合、子供の社会性の発達には問題はないか。

A; 集団の活動の機会は、ホーム・スクールのグループ(コーポ)同士の関わりや異年齢の友達との関わり、地域の生涯学習としてのスポーツの関わり等、集団の活動の機会はたくさんある。また、家庭の中だからこそできる社会性を育てる教育が可能である。大人に対する接し方の指導などがそのいい例ではないか。


Q; 何人くらいの子供がホーム・スクールを受けているのか。

A; Mounds VIew学校区としては把握していないが、州全体では約1万1千人くらいの子供がホーム・スクールを受けている。


Q; ホーム・スクールを受けている子供たちの中に、障害児は含まれているのか。

A; 私の知っている人の中にダウン症の子供がいるが、全体としては多くないだろう。公教育では不十分な教育しか受けられないという不満を持っている場合がある。そして、保護者が子供を十分に教育することが可能な場合はホーム・スクールを実施する場合がある。


Q; ホーム・スクールを実施する上で、問題と感じるところはないか。

A; 子供が大きくなると、体育や物理等の施設備品が学校のようにはそろわないので、その点は困る。


Q; 親として教師の役割をすることは難しくないか。

A; よく受ける質問だが、カリキュラムガイドがあるので自分としても切り替えながら行っている。子供自身も、カリキュラムを使って指導しているときは「教師」、そうでないときは「お母さん」として、つきあってくれるのでやりやすい。夫も援助してくれる。したがって、子供によっては、ホーム・スクールはふさわしい場合と、ふさわしくない場合がある。


この他にも以下のようなことを教えていただいた。

・ホーム・スクールを受けている子供の学力は非常に高く、平均すると全生徒の上位88%以内に含まれている。また、ホーム・スクールをはじめて一年後くらいから成績が伸びる傾向がある。

・ホーム・スクールでは、中学卒業までは、卒業認定はない。また、高校卒業の認定も大学受験の際にあまり必要ではない場合が多い。アメリカの場合、大学受験の際、SAT(Standard Achivement Test)もしくはACT(American College Testing)を受けさえすればよい大学が多い。また、高校をドロップアウトした場合なども、GED:General Equallency Deploma)を受けることで高校卒業資格を取ることができる。ただし、就職の際には高校卒業の資格がないと就職が難しい ことがある。卒業証を得る方法としては、一年間だけ高校に通う、もしくは通信教育で取得する方法もある。

・高校レベルの学習は地域の大学で、サイエンスなど専門的に学ぶことができる。

・必ずしもホーム・スクールがベストというわけではなく、あくまでも子供一人一人のニーズによってふさわしい場合とふさわしくない場合がある。

・ホーム・スクールはもともと宗教的な理由ではじめられたが、最近はいろいろな理由でホーム・スクールを実施している。

・障害児のホーム・スクールが少ないのは、州の教育省が障害児に対するホーム・スクールは適切ではないと考えているためである。

ミネソタ研修旅行からの帰国

 栢木隆太郎 VZZ06370@niftyserve.or.jp

 研修旅行の機会を与えてくださいましてありがとうございました。江田さん、渡部さん、梶さんお世話になりました。あっという間の1週間でした。言葉の壁はありましたが、アメリカの教育の多様性を実感しました。改めて、自分が関与している大阪の教育を見つめてみたいと思います。学会での各セッションでは英語の洪水に頭が真っ白でしたが、良い経験をしたと思っています。お世話になった、ミネソタの先生方にもお礼のメッセージを届ける予定です。

○Closing The Gapの様子

メニューに戻る 

自作教材の紹介

「大前洋介さんのソフトについて」

 加藤圭子 大阪府立岸和田養護学校 JCD01100@niftyserve.or.jp

 以下、9月27に行われた関西例会で、現在京都教育大学に内地留学中の大前洋介さんが、自作されたソフトをご紹介下さいました。

 「かくれんぼ」 は、かわいい動物が跳ねてきてボールの後ろに隠れます。 さて、どのボールの後ろに隠れたのかな?・・・を当てるソフトです。 ボールの数は2つ、3つ、4つと3パターンがあります。マウスでボールを選んでクリックすると、 答え合わせをしてくれます。キャラクターも魅力的で音もこどもの興味をひきつけることでしょう。 注視や追視が難しい子供たちや注意の集中が難しい子供たちに、それらの能力を伸ばすことを目的に、 楽しみながら使えそうなソフトウェアだなと思いました。

 ジクザクは、ボールが道を転がっていきます。交差点にくると、進む方向を選択します。右、左、前の3方向を選択することができます。 途中水溜りや障害物にぶつかりながら、ゴールをめざします。選択方法は、逐次選択(1・2・3のキーで)、ステップスキャン、オートスキャンの3パターンがあります。  絵がすっきりとして見やすく、障害物に出会った時の動きや音も痛快です。 スイッチインターフェイスを用いると運動障害のある子たちにも使いやすいソフトウェアです。ジョイスティックと組み合わせる工夫をすれば、電動車椅子を動かす練習にもなりそうです。

 「バン」は、マウスクリックで風船がどんどん膨らんでいくソフトです。少しずつ膨らんでいく風船を、わくわくハラハラしながら見守ると・・・やはり最後は割れてしまいます。押したり離したりのスイッチ操作の練習(導入)に最適です。誰が風船を割るか?!のゲームにも使えそうです。

 どのソフトもフロッピー1枚で収まるサイズを目指されたとか。シンプルでかつポイントはつかんでる!というのが使わせていただいての感想です。

メニューに戻る 

パソコンバンクのコーナー

パソコンが届きました
 湯浅知利 福岡県立若草養護学校 BYU04004@niftyserve.or.jp

 今日、パソコンが届きました。ホントに有り難うございます。メモリ代と寄付のほうは、明日は郵便局が休みの為来週にでも、お送りさせて頂きます。梱包を開けてみると、思っていたよりもきれいで、ちゃんと起動しましたので、びっくりしました。早速、自分のクラスの子供たちを昼休みに連れてきて動かしてみました。

 子供たちは、新しいパソコンをみて、おそるおそる触っていました。しかし、大変気に入った様子で、声を出して喜んでいました。これからが、でも大変だと思います。何もないところからのスタートですので、いろんな周辺機器を買ったりソフト関係を揃えたりしないといけません。今年、パソコンが実際に手に入るとは、思いませんでしたので予算も全く無い状態です。限られた予算の中から事務と相談しながら、他の部署の多少余っていそうなところにお願いをして、予算を回してもらいながらの運用になると思います。今後も色々と相談にのって頂けると嬉しいのですがよろしくお願いします。

いろいろとお世話になりました。
 湯浅知利 福岡県立若草養護学校 BYU04004@niftyserve.or.jp

 我が校にパソコンを寄付して頂き、大変感謝しています。さて、パソコンが学校に来てからは、何時の間にかパソコン担当になってしまいました。今年、入るとは予想してない状態でしたので、今は、大変混乱しています。まずやったのが、パソコンをどこに設置するかで、大慌て、養訓の倉庫になっていたところを片づけて、そこにコンセントを引っ張ってきて、やっと準備が出来ました。本来なら、ちゃんとしたパソコン室を確保して、空調をしっかりとやって利用したいところなんですが、とにかく、福岡市は、福祉の面では遅れていてクーラーさえ事務室と保健室しかない状態です。

 一般の教室は、クーラーなしのサウナ状態です。学校長に相談して、なんとかパソコン室にクーラーをつけてもらうようにはしました。パソコンの方は、取りあえず、お昼休み等で中、高等部の生徒を中心にゲームをしたり、いろんなソフトを利用しています。我が校のパソコン利用は始まったばかりです。これから、基本になるシステム作りからスタートしていきたいと思っています。良いアドバイスがありましたら、お願いします。

あじさい学級
 都留 晋 PXU04615@niftyserve.or.jpweb
 

 あじさい学級(障害児学級)にパソコンが来て以来、休み時間は、予想したとおり取り合いです。MESのCD-ROM97の中からいくつかをインストールし、子どもたちには特に使い方の説明はせずに、自由に使わせています。使い方を知っている植濃君が他の友達に教えたりして、子どもたちどおしで結構使いこなしているようです。「この子にはちょっとむずかしいんちゃうかなあ」と思っていた子どもでも、マウスを使ってゲームを進めていて、びっくりしました。先入観で物事を見てはいけませんね。どんなことでもまず試してみることを改めて思いました。

 さて、神戸市小学校の障害児学級担任が、月1回区毎に集まって研修会をしています。先日の西区の会で、パソコン利用について話が盛り上がりました。そのなかで、パソコンバンクのことを私が紹介したところ、3つの学校から連絡先や資料を欲しいといわれました。各校からパソコンバンクのwebページを見ることはできるのですが、パソコンは全くの初めてだけど取り入れてみたいという方もいらっしゃったので、パソコンバンクのことが載っている新聞の記事の切り抜きと、パソコンバンクのwebページのテキスト部分を載せた私の学級便りをお渡ししました。

「Thinking Things」に夢中
 岡本美佳 神戸市

 パソコンバンク設立に際し、「迷子」のソフト送っていただきました。結構気に入っており、私と一緒に楽しませていただいております。ありがとうございました。実は私の兄がインターネットを初め、先日はMESのホームページを見せてもらいました。情報量の多さにびっくりいたしました。自作教材集を私の子どもにもやらせてようと思います。96-97年版を分けていただけたらと思います。

 今息子は療育手帳Aで7才の小一になり、EDMARK社の「Thinking Things」に夢中で一時間でも画面に向かっています。内容は子どもにとりましてかなりハイレベルで、たんにフリップルがジャンプするのが面白いようです。いろいろな特徴を同時に合わせて持つ物を選び出すということはとても出来ません。ポッキキの「ならべてマウス」の中に「ころころりん」というのがあり、赤い物や△の物、食べる物というように選ぶのですが、はじめの質問が「赤い物が欲しい」と言われても赤い物はいくつかあり、次ぎの質問、例えば「食べれる物が欲しい」と聞いてからでないと答えがわかりません。はじめのしつもんで赤い物をクリックしているのに、「違います、違います」と言われ、子どもは困惑気味です。もう少し簡単なのがないかと思います。

 私は今までパソコンには無縁の生活を送っておりましたので、これから勉強して私の家にインターネットが出来るように準備したいと考えております。どうぞこれかもよろしくご指導くださいませ。

メニューに戻る 

皆さんからのお便り

CU一SeeMeを使っての交流を
 小林重之 長野県三水村立第一小学校 samizuda@avisnet.or.jp
 三水第一小学校 E‐mail  samizuda@avisnet.or.jp

 毎月障害者とコンピュータ利用教育研究会”の通信をいただいております。以前、ハイパーカードについてご指導いただきました。現在の職場でもマックは現役で動いております。主に特殊学級の児童の学習専用機となっています。これにインターネットがつながっております。3年生のダウン症の児童はとてもパソコンの学習が好きです。毎週パソコンの時間を楽しみにパソコンルームヘやってきています。しかし特殊学級の在籍児童はもう1人l年生と2人だけです。授業の中での友達の関わりは少なくなりがちです。そこでインターネットなどを通じてお互いに交流できないものかと考えております。CU一SeeMeを使い、カメラで画像を双方向で送受信することからの交流の可能性をさぐりたいと考えています。インターネット上ですので長野県の枠にとらわれず日本の中で、もしそんなことで同じくらいの特殊学級あるいは養護学校などのダウン症児との交流ができたらと思い先生にご相談方々お願い申しあげた次第です。突然のお願いをお許し下さい。同じようなことをお考えの先生がおりましたらお知らせいただければ幸いです。以上宜しくお願い申しあげます。

 長野県上水内郡三水村普光寺179 tel 026−253−2004
 三水第一小学校 教論 小林重之

シンポジウムに関係された先生方
 武富志郎 宮崎県立清武養護学校 taketomi@mnet.ne.jp

 成田先生をはじめとして、大杉先生、曽根先生、小宮先生、その他多くの先生方には、発表までのニュースや連絡メール、当日の機器のセッティング等で大変お世話になりました。また、棟方先生、上谷先生、貴重なご意見をありがとうございました。厚くお礼申し上げます。

 それぞれの先生方のネットワークにかける思いが、せまい会場いっぱいに広がり、フロンティアとしての責任と自負をもっていらっしゃることがよく伝わってきました。理解を得るためには、すぐれた実践が必要だと考えています。先生方の実践は、先進的であり、また先導的でもあります。今後、ますます研究を深められ、また次の機会に教えていただければと思います。ネットワークに限らず、情報教育一般に対して、特に地方においてはなかなか理解されない状況にあると思います。小野先生のご意見ももっともだと思います。私は、これは布教活動に近い行為であると考えております。先生方のそれぞれの布教活動が、困難を乗り越えてやがて広まることをこころよりお祈り申し上げます。

親としての視点から
 原田惠吉 熊本市 fc3k-hrd@infobears.or.jp

 第35回特殊教育学会での自主シンポジュームが大成功に終わりまして誠におめでとうございます。養護教育現場ばかりでなく普通校におきましても、ネットワークの構築や有効な活用方法につきまして、実践例を通して、たいへん参考となるご提言があったと思います。また、わたしのような障害を持つ子の親同士の、さらに、親と教師間とのネットワークの必要性も感じました。今後は、親としての視点から、ネットワークの有効利用を見つけたいと思います。ところで、いままで、わたしは、InterNetを通して、先生たちのご活動を拝見しておりました。すなわち、みなさまのHomePageで勉強したり、また、関連サイトで、障害教育とパソコンの利用について勉強していました。今後とも、どうぞよろしくご指導お願いいたします。

「おつかいにいこう」佳境へ
加藤浩之 大山小学校 hirokato@apionet.or.jp
http://www.apionet.or.jp/~hirokato/

生活単元の学習「おつかいにいこう」が10月1日の実施日を目前に佳境に迫ってきました。先日には校内授業研究会も当「なかよし学級」で開き、寄贈していただいたコンピュータを核に授業を組み立て、みなさんから絶賛の評をいただきました。今日は最近の授業展開についてご報告いたします。

○おみせをしらべよう

デパートや商店街で撮ってきた写真(製品陳列など細かな情報があるものは拡大カラーコピーします)を見てお店の様子を学習しました。商工会からもらってきた商店街地図をみて、行ってみたい商店に色を塗りました。

HyperCardとインターネット(ブラウザー)を統合して使ってみました。(HyperCardからブラウザーにリンクさせ、インターネットに接続しただけですが・・・。)アクセス先は私のプロバイダーサーバのディレクトリです。実際のweb上にあるデータ・素材と私が用意した素材であらかじめページを作っておきました。モデムをくっつけて、校内の電話線につなげました。

○商店街のページ

○米子ビブレのページ

○鉄道のページ

予想通り、子ども達はネットワークを全く意識せずに、スタンドアロンと同じ感覚で使いました。でも、障害者にも簡単にネットワーク体験ができたことはすばらしいことだと思います。

○のりものにのってみよう

 本校近くの駅は無人駅です。(ローカル!!)従って切符は電車に乗り込んでから車掌さんに支払います。その支払いの練習=シュミレーションをしました。パソコンで電車を運転するシュミレーションをしました。このソフトは雑誌の付録・体験版です。制限があり、1区間で終わってしまうのですが,長々とするよりこのほうが集中して取り組めていいと感じました。もちろんなによりお金がかかっていないことが最良です。(このパソコン自体もそうです)その後、段ボールで作った車両を使い、運転手、車掌さん、客の役に分かれながら練習=シュミレーションをしました。仮想体験と現実的な?体験との融合です。子ども達はもちろん生き生きとしています。この後はしおりを作ったり、今までの学習の発表をしたり、3学級合同で買い物のシュミレーションをしたりして買い物本番に向かいます。この学習は11月はじめの学習発表会で発表していきます。

○学習の様子 その1
○学習の様子 その2
○学習の様子 その3

静岡障害児コンピューター講習会の報告
 前田卿子 静岡医療福祉センター sifc@fuji-mt.or.jp

 10月11日に静岡医療福祉センターで、4回目の障害児コンピューター講習会を開催しました。今回は始めて、【しずおかパソボラねっと】との共催にし、しずおかパソボラねっとの活動紹介、伊豆医療福祉センターのこども達のコンピューター使用の様子、障害者用入力装置のデモを伊豆医療福祉センターの板垣さんにして頂きました。当センターからは障害児用のコンピューター教材の紹介をしました。障害児の親子、静岡南部、北、中央養護学校の先生方も連休中日にもかかわらず大勢集まって下さって、しずおかパソボラねっとのみなさんと交流が持て、コンピューター情報を得ることが出来、満足して頂けたと思います。障害者用入力装置の色々、音声入力装置、トラックボール、ジョイスティック、ゲームマウス、イージーボール、ワンタッチスイッチ、キネックス、タッチパネル等の紹介は参考になりました。来年早々、また次の講習会を企画していきたいと思います。次回は外から講師をお呼びしたいと思っています。今後もしずおかパソボラねっと、静岡医療福祉センター、養護学校の先生の持ち回りで2〜3カ月に1回、障害児コンピューター講習会を続けていきたいと思います。

メニューに戻る 

神奈川県立武山養護学校の伊藤太郎教諭より以下のようなM-TeamやIEPの作成などに関する質問を受けましたのでお答えします。(成田)


Q; M-Teamには、担任教師あるいはCordinator(CD) Teacherも加わるのですか。

A;:  通常は、担任教師もcordinatorもM-teamに加わります。担任教師が参加しない場合もあります。


Q;もし加わらないとしたら、担任教師は、もらったプログラムを実行する人、ということで、計画立案者と実行者は違う人ということなのでしょうか。

A;: 計画立案者と実行者は異なる場合があります。毎年IEPは評価されますので、新しい計画づくりに担任教師がかかわります。ですから計画立案者と実行者は、初期の段階では加わらない場合がありますが、その後はそうしたことはなくなります。


Q; 担任教師のほかにアシスタントがいるようですが、担任とアシスタントは一緒に指導にあたるのでしょうか、それとも、この時間は担任、この時間はアシスタンというようになっているのでしょうか。

A;: アシスタントというのは免許がない介助、講師のような存在です。介助教師は担任の指示に従って指導を手伝います。個別教育が中心ですので、「この時間は担任、この時間はアシスタント」ということは殆どありません。むしろ、個々の生徒をアシスタントがかかわることが殆どです。


Q; Cordinator teacherという人は、授業に加わるというより、担任教師にアドバイスするという役割なのでしょうか。

A; Cordinatorは担任に対していろいろな指示をだします。アドバイスしたり、評価したりするところもあります。我が国の教務主任のような存在とは大変異なります。責任も大きく、役割がはっきりしています。


Q; たとえば自閉症の子どもの場合、テピくんの例のように、自閉症の専門家が加わるようですが、この人も、実際の指導にあたるというよりは、幾人かのケースをもっていて、担任を指導するというような役割でしょうか。

A; 専門家はテピくんを直接指導します。また、自分がいないときなどの場合に備えて、担任に対して指示をだします。


Q; そうするとアメリカの場合、CD−担任−アシスタントというような階層があるということでしょうか。

A; CD−担任−アシスタントは、指導上についてはきちんとした階層があります。専門性がそうします。


Q; M-teamというのは学校区ごとに設けられるのでしょうか。その際の責任者が「行政官」ということになりますか。

A; そのとおりです。「行政官」とは教職経験があり、最低は修士号を持っています。博士号も持っている場合も珍しくありません。彼は単なる行政官ではありません。


Q; 学校区というのは人口何人くらいを単位とするのでしょうか。

A; 生徒数でいえば2,000人くらいから、学校数でいえば6つくらいで構成される場合もあります。これは小さいほうです。田舎の場合は、近隣の市町村をまとめる郡が学校区を一緒に作ることも多々あります。


メニューに戻る 

1997年度 ATAC(エイタック)カンファレンスのお知らせ

Assistive Technology and Augmentative Communication Conference 1997

「障害を持つ人々の心の自立を求めて」
主催:
ATACカンファレンス実行委員会
共催:こころリソースブック編集会
後援:高松コンベンション・ビューロー

 コミュニケーション、書字、通信、移動、環境制御、学習活動、おもちゃ遊び等様々な領域でテクノロジーが利用され、障害を持つ人達の生活を変えつつあります。

 しかし、テクノロジーを利用すれば便利だと思いながらも、どんな機器やソフトウェアがあるのか分からない、使い方が分からないといった声を聞きます。ATACは、これらのテクノロジーを、実際に見て、聞いて、手にとって、理解するといった形式のカンファレンスです。

 障害が重いために、まだ、これらのテクノロジーを利用できない人もおられるでしょう。我々は、日常生活の自立が困難であっても、自己決定し、他者にその意思を伝えることが出来ればこころの自立が可能だと考えています。着替えや食事について考えてみると、食べる動作よりも何を食べるかの方が、服の袖に手を通したりボタンを止めたりする動作よりも、どんな服を今着ているかの方がもっと大切であることに気付くはずです。そこで、ATACは、障害を持つ人々が自立する上で重要なコミュニケーションの技術(AAC)と工学的支援(Assistive Technology)、そこにテクノロジーを利用する思想・哲学といった背景についても同時に学べる場になりたいと考えています。海外研究者の招待講演の他、工学・教育・医療現場で活躍しておられる人々を講師に、ローテクから最新のハイテクまで、知的障害、視覚障害、聴覚言語障害、自閉症、肢体不自由、重複障害等、様々な障害を持つ人達の生活やコミュニケーションについて約25の講座(講義、デモ、実践報告)を開講します。また、企業の協力により、展示会を同時に開催いたします。誰にでも、わかりやすい楽しいセミナーにできればと考えていますので、みなさんお気軽にご参加ください。このセミナーが重い障害を持つ人々の潜在能力を引き出す一助になればと思います。

<プログラム> 期日:平成9年11月28日(金)〜11月30日(日)
会場:香川県社会福祉総合センター
〒760 香川県高松市番町1丁目10-35(JR高松駅より徒歩約20分)
参加費 :12,000円 + <資料代> 2,000円 
             一日参加の場合;4,000円(資料なし)
   29日の公開講演会のみの場合;2,000円(資料なし)
資料のみの場合;2,000円
参加定員:300名
問い合せ先:ATACカンファレンス事務局
〒760 香川県高松市幸町1-1 香川大学教育学部 中邑研究室内
Tel & Fax 0878-36-1772

第1日目:11月28日(金)
9時30分 受け付け開始 10時〜
<基調講演>
人と人の掛け橋としてのAAC (横浜市総合リハセンター畠山卓朗)
11時〜
コミュニケーションってなに?-AACと自立- (香川大学教育学部中邑賢龍)
12時〜 昼食13時〜
身近な電子機器のユニバーサルデザイン (神奈川県総合リハセンター伊藤英一)
14時30分〜 休憩15時〜
高齢者とテクノロジー (老テク研究会 大島真理子)
16時30分 終了
19時〜 懇親会
(講師の先生、企業の方々、参加者による懇親会を別会場にて行います。参加ご希望の方は、参加費として別途6,000円いただきます。なお、手続きの都合上、参加予約と共にお申し込みいただけますようお願い申し上げます。)

第2日目:11月29日(土)
9時〜 受付
9時30分〜
<企業セミナー>
10時30分〜 休憩 11時〜
重障児へのスイッチのフイッティング -シンプルテクノロジーを使ったAACアプローチ- (富山県高志通園センター 船木道)
AACにおけるシンボルコミュニケーション
(信州大学教育学部 小島哲也)
視覚障害疑似体験ツアー 展示機器の使いやすさ等を視覚障害の立場で体験しよう&盲導犬体験-
慶応義塾大学 経済学部 中野泰志)
(日本ライトセンター 中村 透)
12時〜 昼食 13時〜
電動車椅子と暮らす(東京都福祉機器総合センター 市川洌)
●パソコン(Macintosh)をコミュニケーションエイドとして使おう〜図形シンボル用会話エイドソフトウェアPICOT Ver.2.0)の紹介〜(長野市立浅川小学校 青木高光)
●盲ろう者とコミュニケーション -通訳介助者利用の可能性-(東京盲ろう者友の会 矢田礼人)
14時〜 休憩 16時〜
姿勢保持とコミュニケーション(北九州市立総合療育センター繁成剛)
●知的障害児教育におけるVOCA・シンボルの利用(香川大学附属養護学校 坂井聡・岡潔) ●視覚障害者のコミュニケーション手段-拡大や音声で使うインターネット・パソコン通信-(珪山学園 加藤晴喜)
15時30分〜 休憩16時〜
<公開講演会>
〜AACユーザーによる特別講演会〜
16時〜16時30分
「コンピュータはぼくの声」
神辺康祐(香川県立高松養護学校 高等部1年)

 四肢麻痺があり、車椅子での生活を送っている。発話は出来ないが、「口を開く」、「舌を出す」ことで、YES-NOのコミュニケーションを取っている。舌を随意的に動かすことが可能なため、センサースイッチを使用することで、コンピュータを利用している。 16時30分〜17時 ●「コンピュータ利用による障害者の環境整備」 大田将主(宇都宮大学 教育学部4年)
   進行性筋ジストロフィーにより人工呼吸器を使用している。発話は可能であるが、任意に動かせる身体部位は手足の指先に限られているため、1スイッチ入力によるマウスエミュレータを介してコンピュータを利用、コミュニケーション環境整備に役立てている。

〜海外招待講演会〜

17時〜18時30分 ●「音声認識が変える障害を持つ人々の生活(仮題)」
J.B.Galan (Stanford University) / Neil Scott(Stanford University)

 Galan氏はC4レベルの頚髄損傷を持ちながら,研究者としてスタンフォード大学に勤務,ヘッドマスターと音声認識装置をTAS(Total Access System)というシステムでコンピュータに接続しインターネットの研究を行っている。Scott氏はこのTASの生みの親で、プロジェクトのチーフでもある。Galan氏には自分の操作環境とインターネット・アクセシビリティについて,Scott氏にはプロジェクト全般とTASについて語ってもらう。

第3日目:11月30日(日)
9時〜 受付 9時30分〜
<企業セミナー>
10時30分〜 休憩 11時〜
ALSとコミュニケーション関連用具(都立府中病院 田中勇次郎)
子どもの電動遊具 (高松養護学校 松本康弘)
コミュニケーションへのインリアルアプローチ (大阪府立大学社会福祉学部 里見恵子)
12時〜 昼食 13時30分〜
障害児へのAACアプローチ (信州大学大学院/香川大学大学院井沢誠・稲田勤)
特殊教育とパソコン通信 (徳島県ひのみね養護学校 島治伸)
視線コミュニケーションとローテクコミュニケーション(姫路市総合福祉通園センター 岩根章夫)
14時30分〜 休憩 15時〜
ハイテクコミュニケーションエイドの理論と実践(香川大学教育学部  高原淳一・中邑賢龍)
言葉の遅れのある子どもとコンピュータ  (香川県身体障害者総合リハセンター/讃陽堂松原病院 鈴木啓・中村智子)
学校/家庭でのシンプルテクノロジーの利用(福岡市立南福岡養護学校 福島勇)

<機器展示>
期日:29日(土)・30日(日) 9時〜16時
国内外約15社による展示を行います。ご自由にご覧下さい。

(Mayer-Johnson/NTT PCコミュニケーションズ/アクセスインターナショナル/アップルディスアビリティセンター/キヤノン/こころ工房/日本アイ・ビー・エム/パシフィックサプライ/富士通/他)

<コミュニケーションおよびエイドに関する相談会>
期日:
29日(土)・30日(日)
場所:展示会場にて行います。
畠山卓郎(横浜市総合リハビリセンター)
小島哲也(信州大学)
中邑賢龍(香川大学)
伊藤英一(神奈川県総合リハビリセンター) 中野泰志(慶応義塾大学)

<参加費> 12,000円 + <資料代> 2,000円 一日参加=4,000円(資料なし) 29日 公開講演会のみ=2,000円(資料なし) 資料のみ=2,000円 28日 懇親会=6,000円

参加申し込み方法 ・必要事項をカンファレンス申し込み用紙にご記入の上、FAXで事務局までお申し込み下さい(ご都合の悪い場合は、郵便でも結構です)。
・参加申し込みを確認後、事務局より郵便 にて請求書・案内等をお送り致します。なお、当日は、案内に同封いたしました「参加番号」にて受付を行います。ご持参いただけますようお願い申し上げます。
・郵便振込にてご入金下さい。(案内到着後、2週間以内にご入金いただけますようお願い申し上げます。)
(注)一旦納入された参加費は返却いたしません。ご都合が悪くなった場合には、代理の方がご受講ください。

問い合せ先:ATACカンファレンス事務局
〒760 香川県高松市幸町1-1 香川大学教育学部中邑研究室内
TEL&FAX 0878-36-1772

参加費振込先:郵便振込 記号:16390  番号:247581 普通
加入者名:ATACカンファレンス事務局
塩田 佳子(シオタヨシコ)

メニューに戻る

東京都立光明養護学校での取り組み

東京都立光明養護学校教諭:伊藤・佐野・金森・本多・有吉
 mamoito@anet.ne.jp
 <はじめに>

 東京都立光明養護学校は,肢体不自由児を対象とした養護学校である。肢体不自由児を対象とする養護学校では,従来から,肢体不自由児の移動の困難という社会的ハンディキャップを補う手段として,あるいは,児童生徒のコミュニケーションの表出手段として,パソコン通信などの情報処理機器の積極的な活用がなされてきた。インターネットでは,パソコン通信に比較して画像とか音声が容易に扱えるという利点がある。本校は95年の夏に,100校プロジェクトの一つに選ばれ,インターネットに接続した。(注1)

<子ども達のインターネット利用状況>
 以下,最近の高等部教科学習グループの生徒達のインターネットの利用状況について紹介することにする。

・情報の収集のために
 本校に在籍する生徒の多くは,移動のために日常的に車椅子やクラッチ(杖の一種)を使用している。また,言語障害によって電話でのコミュニケーションに限界がある生徒もいる。さらに,ほとんどの生徒が多かれ少なかれ体力・健康面で不安をかかえており,人混みの中への外出が難しいのが現状である。

 これらの理由により,家庭と学校の往復以外の外出の機会が限られており,例えば図書館や書店を利用しての情報の収集は難しく,電話による問い合わせもできないこともある。情報化社会といわれるなかで,ある面では健常者以上に情報を必要としていながら,本校に在籍する生徒をはじめとする身体障害者は,十分な情報にアクセスできずにいる場合が少なくない。

 こうした観点からすると,学校や家庭に居ながらにして,世界中から,迅速に,ばく大な情報を得ることが出来るインターネットの持つ可能性はきわめて大きなものがあるといえる。従来情報にアクセスするために行わなければならなかった身体の移動や言語によるコミュニケーションなどの問題がクリアできるだけではなく,情報収集に至るまでにこなさなければならない対人関係やさまざまな折衝に伴う気疲れ,気後れといったことからも解放される意味は大きい。

 今年度に入ってから,本校では,例えば校外学習や宿泊行事の事前学習にインターネットを情報収集のための道具として利用してきた。恵比寿ガーデンプレイスと東京写真美術館を訪問した教科グループの校外学習では,しおり作りにそれぞれの施設のホームページがきわめて有効だった。移動のためにエレベーターはあるのか,利用料金はいくらなのか,食事が出来るレストランはどこにあるのか,これらの情報を書籍や電話などインターネット以外の手段で得ることは,上記のような理由から,肢体不自由養護学校に在籍する生徒にとっては大変な仕事である。数年前まではアメリカなどに比べて大きく立ち後れていた日本のインターネット環境ではあるが,ここ1年あまりの充実ぶりはすさまじく,まさに障害者にとって必須の情報源となっている,といって過言ではない。

・情報発信のために
 本校が100校プロジェクトの参加当初から制作してきたホームページは,生徒にとって掛け替えのない発表の場であった。授業で制作した絵やパズルなどの作品が掲載され,校外の思いがけないほど多くの人から反響を頂いたことで,さらに制作意欲が高まるなどのめざましい効果が見られている。

 また,生徒個人を紹介するページでは,生徒自身が作成して自分の趣味や個人的な悩みなどを載せているものがある。養護学校の小学部入学以来,外部の世界との接点がきわめて限られた中で成長したために,インターネットを通じて大きく世界が開け,はじめてリアルに外部の社会を意識し始める生徒もいる。こうした生徒の場合,閉ざされた環境の中で,曖昧なまま膨らみ続けてきた不安や悩みが,外部の人に見られることを前提としたホームページを制作する作業の中で客観視され,明確に意識されるケースがあった。同世代の,同じように思春期を生きている子ども達と接する機会が少なく,かりにそうした機会があったとしても,気後れしたりするなどして,十分なコミュニケーションがとりにくい生徒たちにとって,インターネットを介して間接的にせよ,外部の世界にに自己を開示できることは,精神的な成長のために望ましいことではないかと考えている。

・コミュニケーションツールとして
 ホームページ以外に,電子メールもまた,生徒たちにとって必要不可欠なツールとなりつつある。ネットサーフィンで知った遠く離れた学校の生徒に電子メールを送り,返事をもらった経験は,生徒たちの多くに,新しい出会いの可能性を印象づけた。また,夏休みなど,担任や,離れている生徒同士が連絡を取るためにも,電子メールは便利である。なによりも,生徒各自の都合やペースにあわせて,コミュニケーション出来るところが優れている。広い学区域に散在し,暑いなかで,外出もままならない生徒たちにとって,電子メールはお互いを確認しあう貴重な手段である。

 家庭にインターネットと接続できるパソコンが十分に普及していない現状では当然限られた範囲ではあるが,すでにコミュニケーションツールとしてのインターネットは,後戻りできないでに生徒の生活にとって密着したものになりつつある。

 さらに,将来的には,健康の問題などから登校することすら困難で訪問学級に在籍していた生徒たちの家庭とネットで結ぶことで,テレビ会議システム等を応用しながら,通学生と一体化した授業の展開なども可能になるかもしれない。孤立していた少数者を結んで社会参加の道を開く手段として,ネットワークに勝る現実的な手段は少ないだろう。

 以上,ごく概略だけを記したが,インターネットが障害児教育に果たす役割は,きわめて大きなものがあると考える。

<チャレンジキッズとの「出会い」>
 最初は,ホームページ上で,生徒の作品・授業の様子などを報告する事などから始めたが,もう少し児童生徒どうしのつっこんだ交流が出来ないだろうかと模索していたところ,滋賀大学教育学部付属養護学校内に設置された,インターネット経由で接続できるパソコン通信のネット局=チャレンジキッズの募集に出会った。

 このネットは,

・インターネットのホームページが,基本的に公開されたものであるのに対して,会員制なので,児童生徒のプライバシーが保ちやすい。

・ファーストクラスというGUI(Graphical Useres Interface)環境のソフトを利用しているため,児童生徒にとっても操作がわかりやすい。(注2)

・インターネット経由で接続が可能であるため,遠距離電話をする必要がなく電話代を気にしないで安心して利用することが可能である。などの利点があり,インターネット上に設けられた障害児教育のためのイントラネット=パソコン通信とインターネット,それぞれの利点をいかした広域ネットと言うことが出来る。

 96年度になると,国立特殊教育総合研究所での長期研修を終えた金森が職場に復帰した事もあって,環境整備を今まで以上にすすめる事が出来た。(注3)

 インターネット環境として100校プロジェクト事務局から貸与されているのは,サーバーとクライアントマシン各一台・専用回線・ルータ・ハブなどであるが,これに,これまではスタンド・アロンとして使ってきた何台かのMacintosh・Windowsマシwsマシンをつないだ。結果として,「インターネットに接続しているマシンが生徒二人に一台」という環境を構築することが出来,比較的スムーズに授業が出来るようになった。

 チャレンジキッズを使った授業の内容としては,ネットワークとは(IDとパスワードなど)・ネットワークで出来ること(メール・BBS・作品の公開&鑑賞・テレビ会議など)を解説しながらの授業となった。

 ホームページが基本的に公開の場(誰が見るか分からない)であるのに対して,このネットは会員制であり,「お互いの顔が見える」というメリットがあるので,生徒たちも教員も,安心してネットの利用を楽しむことが出来ている。障害児教育におけるコミュニケーションの特殊性を考えても,今後もこのような利用形態の検討もすすめていく必要があると思われる。

<保護者・地域との連携:公開講座の開設>
 障害児教育における情報教育を推進していく上で,児童生徒の保護者・地域の人々の理解もかかせない。光明養護学校では,95年度から,佐野・金森が中心になって,保護者のためのワープロ・パソコン講座/重度障害者のためのコミュニケーション技法指導者養成講座を行っている。これは,東京都の学校開放施策の一環として行われている公開講座の一つとして行っているもので,対象は,児童生徒の保護者・地域住民の方・光明養護の教員などであり,講師には,光明養護の卒業生・地域とか他の学校などで先進的な取り組みをされておられる方・研究者・コミュニケーション機器を取り扱っておられる業者の方などにお願いし,佐野・金森などが助手をつとめている。(注4)

注1:伊藤「特殊教育におけるインターネットの活用」
(「100校プロジェクト成果発表会・共同企画部会」における発表レジメ)
http://www.koumei-sfh.setagaya.tokyo.jp/~koumei/kenkyuu/seika9737.html

注2:おしむらくは,マウス操作が基本になっているため,マウスが使えない生徒は,自分では操作できない。一部のブラウザに装備されているようなキーボード・ナビゲーション機能が使えると,肢体不自由の子どもも,自分一人でも操作が可能になる。ユニバーサル・デザインの視点からも,是非,実現させたい機能である。
http://www.nise.go.jp/research/kogaku/hiro/uni_design/uni_design.html http://www.microsoft.com/ie/most/howto/access.htm

注3:金森:平成7年度国立特殊教育総合研究所長期研修成果報告書
「肢体不自由教育におけるコンピュータ等の利用について−コミュニケーションとコンピュータ利用の系列化の試み−」
http://www.koumei-sfh.setagaya.tokyo.jp/~koumei/kenkyuu/kenshuu.html

注4:保護者のためのワープロ・パソコン講座1997年度公開講座・重度障害者のためのコミュニケーション技法指導者養成講座
http://www.koumei-sfh.setagaya.tokyo.jp/~koumei/shoukai.html


        それではまた来月号をお楽しみに。

メニューに戻る