■目次■「MES自作教材集CD-ROM'96」を配布しています 第70回関東例会のお知らせ 第70回関西例会のお知らせ 第69回関東例会の報告 第68回関東例会の報告 The Magical Toy Box から QuickTime Conferencingの実験 天狼 & ディル in Madison 「皆さんからのお便り 自作教材の紹介 市販教材の紹介 書籍の紹介 埼玉の障害児教育とコンピュータ利用を考える会(障コン会) 国立特殊教育総合研究所での研修報告 事務局よりのお願い
673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター 0795-40-2205 phone 0795-40-2203 fax naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp nifty serve: MGH00175 Web上の会報URL: http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/mes/mes.html
おかげさまで「MES自作教材集CD-ROM'95」は好評で、いろいろな方々に使っていただいております。「No.2を出してほしい」という声が多かったので、このたび第二弾の「MES自作教材集CD-ROM'96」を製作しました。
教材を作った人は小中学校の教員が主で、作品に流れるコンセプトは、遊びを通して学習のレディネスの育成、表出活動による創造性の育成、調べや探索・学習シュミレーション学習の支援、教科別の予習や復習の支援などとなっています。
95年版と同様に96年版も教育目的のために非売品となり、MESの研究紀要的性格を持ったものになっています。これまでと同様、送料などの実費はユーザーからいただき、これを基金とし増版や次作のCD_ROM制作に使いたいと考えております。いずれのCD_ROMもマキントッシュコンピュータで動きます。
お申し込みは、ハガキか封書、あるいは電子メールでお願いします。折り返しCD-ROM'96と郵便振り替え用紙を同封いたします。なおCD-ROM'95版版も若干残部がありますので、必要な方はその旨お書きください。
●送料実費 2,000円 (95年・96年版とも1枚につき)
●申し込み・問い合わせ先
〒520 滋賀県大津市際川3丁目9-1
滋賀大学附属養護学校 大杉成喜
Email: osugi@sue.shiga-u.ac.jp Nifty: HGA01651
または、
〒673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
兵庫教育大学学校教育研究センター 成田 滋
0795-40-2205
Email: naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp Nifty: MGH00175
I. テピの拒絶と適応--マディソン到着直後
1.拒絶
ユニバーシティ・ハウスでの新たな生活が始まりました。ここショウウッド・ヒルは、湖の近くに位置し、なだらかな丘の上の林に囲まれた住宅地です。歩いているとリスやキツツキの仲間に頻繁に出会えます。もうすっかり冬景色で、木々は葉を落とし、湖にはうっすらと氷が張り始めました。テピの大好きな自然に恵まれているというのに、テピはこの環境を受け入れません。「散歩行こうか?」いつもならこの一言で大喜びするのに、今ではこの一言がかんしゃくの原因になってしまいます。
テピの安定剤として日本から予め送っておいたCDラジカセで聞くテープが、多少は彼の心を慰めてくれているようですが、効薬にはなりません。また、この家に入居したその日にテピのために直ぐに買ったビデオデッキ内蔵型テレビで見るテピの定番ビデオも、ないよりはましという程度の効果しかありませんでした。
「おうち、かえろうね」
テピはしつこいくらいこの言葉を繰り返します。
「うん、帰ろうね」
と答えてあげればしばらく落ちついていますが、嘘でその場しのぎをしてよいものだろうかと思い悩みます。最近の彼は思いこみが激しくなっているので、その思いこみを強化するような言動は慎むべきではないかと思うのです。「(心の中で「来年」)帰ろうね」というと、まるでこちらの心を見すかしたように、「あした、かえろうね、ほっかいどう、いこうね」と言い返します。ここでこちらが否定の言葉を返そうものなら、かんしゃくが始まります。彼の拒絶がいつまで続くのか、私たちには全く予測がつかないのでした。
2.適応の兆し
マディソンに来て6日目の朝、テピはアメリカに来て初めて、「くまちゃん」に「くまちゃーん」と言いながら抱きつきました。「くまちゃん」というのは熊を形取った寝袋で、テピが生まれたときにお祝いにいただいたものです。日本にいる時は、このくまちゃんとゴリ君(ゴリラのぬいぐるみ)がテピの親友みたいなもので、安定剤として大きな役割を果たしていました。
ユニバーシティ・ハウスに入居したとき、「くまちゃん」は既に届いており、テピはいつでもくまちゃんに抱きつくことはできたのですが、自分からは接しようとはしませんでした。私たちが「ほら、くまちゃんだよ」と言って渡すと、黙って受け取りますがこれで不機嫌が解消するわけではありませんでした。
ところが、この日の朝は違いました。自分から「くまちゃーん」といいながら抱きついたのです。不機嫌とかんしゃくだけだったテピに初めてやわらかな笑顔を見ることができました。落ちついて考えてみると、兆しは前日からあったような気がします。前々日からレンタカーを借りており、買い物に出かけることが多くなっていたのですが、テピはかんしゃくを起こさなくなっていました。相変わらず「おうち、かえろうね」を車の中でも店の中でも連発してましたが。
前行った時にパニックになった巨大な日用品店でも安定してました。札幌にいるときによく行っていた店「○○ホーマ」を思い出すのか、「○○ホーマ、来たねー」とつぶいやいてました。新しい環境をすべて拒絶していた彼が、自分なりに世界を再構築し始めているのかなと思うと、不安でいっぱいだった私たちに、一条の光が差し込んできたような気がしました。
3.適応
マディソンに来て6日目にくまちゃんに抱きついたテピはその日以降、
「おうち、かえろうね。」
と言わなくなりました。彼の中でどういうふうに変化したのか分かりませんが、全く言わなくなりました。
「散歩に行こうか?」
今度はテピは大喜びでコートを着て靴を履きました(テピは玄関で必ず靴を脱ぎます。したがって家の中では靴を履いていません。ヨピは面白がって靴のまま家の中を歩き回ります。最近はテピを見習ってうちではみんな靴を脱ぐことにしました)。アメリカに来て初めての散歩です。外は凍えるほど寒いのですが、ショウウッド・ヒルの自然はテピの気にいったようでした。コミュニティ・センターの近くにある遊び場にブランコがありました。テピとヨピはアメリカ式のブランコに乗って長いこと楽しみました。十分にブランコを楽しんだ後、テピは言いました。
「おうち、かえろうね。」
おうちはユニバーシティ・ハウスをさしていることが、テピの和やかな表情から明らかでした。
こうしてテピは完全に適応しました。現在はユニバーシティ・ハウスでの生活を楽しんでいます。ゴリラのぬいぐるみもマディソンのマーケットで買いました(買った日の夜は嬉しさのあまり眠れなくなって、夜通し「ゴリ君!」といいながら抱きしめてました)。大好きなくまちゃん、CD、カセットテープ、ビデオテープに囲まれた生活は快適そのものなんでしょう。家は暖かくて広いし、階段もあるし。
ステイト・キャピタル(州議事堂)に見物に行ったときに、巨大なクリスマスツリーを囲んでたまたま開催されていた「クリスマス聖歌」音楽会も最初から最後まで大人しく聞くことができました。帰り道、夕暮れに染まるマディソンの街のあちこちで輝くクリスマス用のイルミネーションを見て、テピは「クリスマス!クリスマス見たねー。」とはしゃいでいました。たしかにはしゃぎたくなるほど、美しい光景でした。
II. M-Team Evaluation
1.我が家で行われたM-Team Evaluation
学校や教育委員会の記録は全て親が見る権利がある・・・・・・。ウィスコンシン州の特殊教育に於ける親と子どもの権利をうたった書簡を、ミーティングのたびに手渡される。そして、特殊教育委員会と行き来している書類の写しが必ず私の元に届く。これを取りにわざわざ学校に出向かなければならないこともあった。
M-Team Evaluationの通知に目を通すと、疑われる障害の一覧にはCognitive disability(認知発達障害)と Autismにチェックがしてあった。そこでわが家に哲平の詳しい評価をしに訪れたのは、自閉症のスペシャリストであるジョエルとCognitive Disability (CD) Program Support Teacherのベスだった。彼女達はたくさんの教材の入った大きな鞄を抱えて吹雪きの中を雪だらけになって現れた。
2.教材を使っての関わり
彼女達が現れた時、テピは窓の外の雪をひたすら眺め続け、彼女達を無視していた。教材を使って何がどれだけできるか正確に見たいという彼女達の誘いに乗る気配は全くなかった。そこで先ず、私が教材を使ってテピと関わり、徐々にジョエルへとバトンタッチしていく方法をとることにした。ジョエルが持ってきてくれた教材はテピのレベルに合っていて、私もテピも迷うことはなかったし、前回の私の報告をよく把握してくれたことがよく分かった。
この方法はうまくいき、15分間学習を続ける事ができたことをジョエルは喜んでいた。ジョエルは時々シャボン玉を吹いて見せることでテピの視線を自分に向けさせていた。一度、ご褒美?気を引く?ためのお菓子(セサミクラッカー)をもらって食べるが、テピはその目的をくむ様子は見られなかった。
3.コミュニケーションカード
家で使っているカードを実際どう使っているのか見せ、それを具体的にどう変えるか話し合う。まず、ジョエルが加えて欲しいという言葉の絵カードを増やすことにする。新しい言葉の絵は、コンピューターに入力してある絵を参考にしながら、私が書くことになった。そしてカードの上端には英語、下端にはローマ字を添えた日本語を明示する。テピが理解しにくいと思われる言葉には写真を撮って貼る。「おやつ」の絵は学校で用意できるものに限定すること。「ごはん」の絵も学校のホットランチに変えることなども付け加わった。カード作成作業は全面的に私に任された。ジョエルに合う度に作ってほしいという言葉が増え、結局は40枚余りのカードを作ることになった。
4.テピの好きな物
テピの気持ちを落ち着かせられる物、やる気にさせられるものについて、前回に続いて具体的に試しながら話し合う。音楽、ビデオ、運動、食べ物、接し方などあげる。実際、好きな音楽を聞いて足踏みしながら笑うテピを見て、ジョエルもテピの手を取ってにこやかに一緒にリズムをとっていた。テピの好きなジャパニーズティー(ほうじ茶)も試飲してもらう。子どもを誉める動作は、日米ともそう変わらないことも分かった。そして、ジョエルの提案の、テピの好きなカセットテープの入ったウォークマンと、ほうじ茶の入った携帯用ポットを毎日学校に持っていかせることに同意した。
5.その他
ベスがテピの学習能力の細かいことを私に聞き、記録をとる。約2時間にわたるのわが家でのミーティングは、4日後に学校に於いてIEP作成のためのミーティングの約束をして締めくくられた。この時、テピがホームスクールに通えることと、そこには専門の先生が
いることを知ることができた。3日後に郵送られてきた、行政官のサインいりのM-team Findingの通知には7ページに埋めれれたテピの評価と、勧めたい教育やサービスの内容、親の評価まであった。
●近況報告やらです。
筑波大学附属大塚養護学校 永田和子 HGC02524
4月1日より、筑波大学附属大塚養護学校へ転勤しました。私は、当分、逗子の家から通勤します。幸い横須賀線は始発車、あるいは増結車ですから一時間座って東京まで行けます。さらに、東京駅では一番近いコースの乗り換えで丸ノ内線に乗り、五つ目の後楽園駅下車なので、一時間半強というところなのです。むしろ、身体はその一時間の休みで楽になると思っています。21年間、久里浜養護学校に勤務しての転勤なので、まるで他所の国にいるような感じです。
児童・生徒が久里浜と異なることでは、何ら戸惑いはないのですが、やはり、組織体制の違いには戸惑いを感じます。しかし、何といっても心強いのは、老齢の私に対する片岡校長先生の暖かい励まし、また、同じ中学部にMESの会員、野村勝彦先生それに正木隆先生というMACユーザーの大先輩がいて下さることです。お陰様で快適に過ごしています。
新入生の中学生の担当になりますが、とても可愛く、また、保護者の方々もたいへん信頼して下さっているので、久里浜のときから引き続き、よい保護者に恵まれて幸せです。大塚養護学校には、昨年度、野村先生のご苦心でMACが導入されていますので、完全納品を待ち職員へのお披露目を済ませた後、生徒たちに使用してもらえる環境作りの仕事があります。生徒たちの喜ぶ姿が見えてくるようです。
●福岡の小宮です。
小宮幸三 福岡県立筑後養護学校 k-komiya@jms09.jeton.or.jp
この春の人事で筑後養護学校に移動しました。今まではなんとなく一人聾学校といった感じでしたが、今度からは今まで以上に他の学校の先生方とも話題が共通していいのではないかと思っています。
さて、MESの福岡例会(6/30)の件ですが、内容をそろそろ考えてアナウンスをしなければと思っています。私自身が考えていることは、対象としては特殊教育諸学校及び特殊学級の先生方、それに保護者と思っています。また、初めての九州での例会と言うことで長崎、熊本あたりからもこられるのではないかと思っています。
内容として、基本的には顔合わせ程度で終わってもいいと思っています。Macが学校にありながらも使い方がわからず、ほこりをかぶっているのが現状ですから、ヒューマンネットワークを築くきっかけになってくれればと思っています。といってもなにかしないといけないでしょうから、MESの96年版教材CDからいくつかを紹介したり、市販されている教材を紹介したりしたらと思っています。
それと、一般の発表(中央養護学校の長谷川先生に打診中)も募集したいと思っています。さらに、キーネックスのデモをできればと思っています。福岡市の発達教育センターには一式そろっているので、使える人さえいればデモすることができます。九州あたりで使いこなしている人をどなたかご存じでしょうか?もし、いないようであれば、アップルのデイスアビリセンターもしくは成田先生、関西地区の養護学校の先生方に援助していただけたらと思っています。
そして、もう一つにインターネットの体験、いろいろな特殊教育諸学校のホームページを見たり障害児教育に関するホームページをご紹介できればなと思っています。できれば、実際にモデムを使ってアクセスしたいと思っているのですが、発達教育センターの電話回線が使用できるか現在調査中です。もし、むつかしいようであれば会場を中央養護学校(隣)にしようかなとも思っています。
勤務校は変わったものの、住まいは福岡市にまだあるために片道2時間の通勤をしており、なかなかメールを読む時間が持てません。6月の初めくらいには引っ越しをする予定なのでそれまでの辛抱です。6月30日に予定しているこちらでの例会ですが、発達教育センターは、交換機を入れているためにそのままでは使用できないようです。交換機の設定を変更すればできるのか、それとも別回線で引いてあるFax回線を会場まで引っ張って使用しようか、いろいろと検討中です。それから、高知の横井さんにもキーネックスの利用の仕方についてさっそく連絡を取ってみたいと思います。
筑後養護は、マウスとキーボードだけで特別な入力機器はいっさいありません。5月にもらう懸賞金でタッチウィンドかキーネックスを買ってみようかと思っているのですが、安く買えるところをどなたかご紹介いただけませんか?
●ページを見ました
東京都北区立障害者福祉センター 福澄節夫 JCH00214
setu@aqu.bekkoame.or.jp
早速、WWWページを見てみました。会報のページに載るだけだと思っていたのですが、、、事前に見せて頂き喜んでいます。私もWWwページを作ってみたいと「Arachnid185」というソフトをパソコンに入れてみましたが、いまだに良く使い方が分からないでいます。北区のホームページを兵教大のサーバーに置いて頂く件はできるだけ早く職員、および使用者で検討したいと思います。また、現在光明養護学校の伊藤先生にedhandのメーリングリストを教えて頂き、東北大学の小林さんや日本障害者雇用促進協会の丹さんからは、末広ハウスというところのマックサロンの責任者の小菅さんと連絡をとることを進められています。どういう展開になるか自分自身も分かりませんが、今後ともよろしくお願いします。
●キネックス3.5を読み込むと爆弾
広島県立教育センター 竹林地 毅 TCC00140
本日はまだインターネットの講習会をされているのではないかと思います。いつも,会報を送っていただきありがとうございます。本日の人事発表で,引き続き県教育センターに勤務することになりました。文部省肝煎りのソフトウェアライブラリーの準備も順調に進んでおります。障害児教育用としていくつかの学習ソフトやキネックス等の入力関連の機器等もそろえることができました。引き続き,充実を図っていきたいと思います。今後もよろしくお願いします。最近は,やっとハイパーカードを使ってスタックづくりに時間を割けるようになりました。CD-ROM96を楽しみにしています。4月から一年間研修に来られる方がマックを使った研修を希望されているようなので,二人でぼちぼちやっていきたいと思います。ご指導ください。インターネットの講習会もし次回がありましたら,なんとか参加させていただきたいと考えています。いつもお願いばかりで申しわけありませんが,よろしくお願いします。
ところで,私の630や550Cはキネックス3.5を読み込むと爆弾がでてきます。アップデイトファイルを送ってもらいましたが,セットアップを変えているとフリーズしています。ラムダブラーをはずしたり,色々していますが今のところ全くの不調です。近所に脳性まひの青年がおり,彼に使ってもらいたいと思いながら,うまくいっておりません。センターの5220では,全く問題なく動いています。何か解決方法はないでしょうか。何か情報がありましたらお願いいたします。
●高等部に転進
愛媛県立今治養護学校 越智敬子 VZD06026
今年は、高等部に行けといわれて、高等部1年生の担任です。小学部の1年生から急に大きな子を相手にしないといけなくなったのですが、全くイメージがわきません。それも、今年から新設された産業科というクラスの子たちで、将来確実に就職できるくらいお利口な子たちを教えることになりました。あまりのギャップに頭の切り替えができずに困っています。何からしたらいいのでしょう。ということで、せっかく子どもにマックを触らせることができるようになっていたのに、また当分はお預けです。
話は変って、本校の教諭が今度国総研の教育工学研修コースに参加しますので、少しだけ話をしました。N社の機械しか使ったことがないということなので、行く前にマックも触ってみたらどうですかと言っときました。もう少ししたら遊びに来ると思います。皆さんからもマックのおもしろさをどんどん宣伝してくださいね。幸い新学期になってマックを使っている先生が2名転勤してきました。一人だけじゃないというのはいいものですね。
●2スイッチのひらがな入力ソフト
府立岸和田養護学校 加藤圭子 JCD01100
3月下旬に、国立特殊教育総合研究所にある心身障害児教育財団から特殊教育学習ソフトウェアコンクールの佳作の通知と賞金の郵便為替を頂きました。昨年度一年間内地留学させて頂ていたので、何か成果をもって帰らねばと常々思っていましたので、こういう評価をいただいたことで、ちょっと肩の荷が楽になったというのが正直な気持ちです(成果を生かすか否かはこれからが正念場なのですが・・)。
ソフトは、windows上で動く、2スイッチのひらがな入力ソフトです。重度のアテトーゼタイプの四肢マヒをもつ小学校5年生の児童のために作りました。ひらがなは知っているのですが、ポインティングや視線でのコミュニケーションも難しいこどもです。なんとか意思を相手にわかりやすく、かつ自由に豊かに表現できることをねらって作成しました。文字選択部と文章表示部から画面を構成しています。1つのスイッチでひらがなの走査、1つのスイッチでひらがなの確定をします。確定した段階で単音発声し、文章をまとまりとして読ませることが出来ます。クリップボードに取り込み、他のソフトに持っていくことが出来ます。スイッチはキーパッドの数字キーに割り当てています。実践ではキーボードエミュレータでジョイスティック信号に替えてスイッチを取り付けました。まだ実践が浅いので本児が使いこなせるまでには至っていませんが、2つのスイッチの区別を覚え、楽しんで操作してくれています。機能説明のアクセントが大阪弁のところが本児にウケました。ちょっとした遊びの部分が生徒のやる気を左右するみたいでした。
●スコットランドだより
香川大学 中邑賢龍 kenryu@ed.kagawa-u.ac.jp
いかがお過ごしでしょうか?スコットランドに着て10日が過ぎました。キナード村と言う人口80人の村の丘の上にある家を借りて住んでいます。周りは典型的なスコットランドの光景です。9月中旬まで滞在しますので,こちらにおいでになる機会がありましたら,是非御連絡下さい。ダンディ大学マイクロセンターまでは車で20分ほどの所です。AAC研究の方はこれからです。研究所のスタッフも親切で,少しずつ準備を進めています。E-mailの方ですが,こちらから香川大学のメールサーバーを読めることが分かりましたので,引き続き以下のアドレスにメールを送って下されば,連絡がつきます。帰りましたら11月にATAC(Assistive Technology and Augmentative Communication)カンファレンスを開催する準備を進めています。実行委員会からまた案内をお送りするとは思いますが,よろしくお願いします。尚,自宅と研究所の住所と電話は以下の通りです。ダンディ大学の研究室にて。
○自宅:
Kinnaird Castle, Kinnaird, Inchiture, Perthshire, PH14 9QY
U.K.
Tel & Fax: +44-1828-686361
○研究所:
MicroCentre, University of Dundee, Dundee, DD1 4HN, UK
Tel +44-1382-344145 Fax +44-1382-345509
◎「カレンダー」
2年生のはるくんは、鉛筆やクレパスで、絵を描くのが好きである。なかなかほほえましい絵を描くが、色を付けると、雑になってしまうことが多い。
そこで、絵日記や発見カードなど鉛筆で描いた絵を、イメージスキャナーで取り込み、「アドビ・フォトショップ」で色を付けました。2色を選び、その色を次第に変化させることができるグラデーション機能を中心に使って色づけをしました。簡単な操作できれいな色が塗れるのは、パソコンならではの機能です。
満足のいく出来上がりで、家に飾ったり校長室や職員室に飾ってもらったり、先生たちにプレゼントしたり、友だちにほめられたりで、なかなかやる気になっています。
使用ハード
・POWER MAC 6100 AV
・カラーイメージスキャナー EPSON GT-9
使用ソフト
・アドビ・フォトショップ スキャナーから取り込んだ絵にいろを付ける
滋賀大付属養護の大杉先生にページを順に追ってカレンダーを見られるようにしていただきました。
愛知県豊田市立野見小学校こだま学級担任 安部治幸
振込先 横浜銀行野比出張所
普通口座 0754310
名義 障害者とコンピュータ利用教育研究会
4. 4月より勤務先が変わり、会報の送付先の変更を希望されるかたは住所変更をお知らせください。
5月の会報は以上です。来月号をお楽しみに。