■発達支援センターが始動しました

 西谷 淳  滋賀県甲西町立三雲小学校 a-nishi@jungle.or.jp

 三雲小学校の西谷です。先日の滋賀大附属養護学校でのご講演ありがとうございました。イントラネットや米国 IEP をはじめ、発達検査や LD・ADHD のことなどゼミで学習していたことが、役に立っていることが多く現職教員への大学院教育の価値を実感しています。
 さて、4 月 1 日付けで発達支援センターが正式に発足いたしました。その概要について説明いたします。発達支援センターは、4 月 1 日に発足した発達支援室が司令塔となります。この発達支援室は甲西町役場民生部福祉課内にあります。その室長は藤井茂樹氏です。発達支援センターは三雲小学校の新校舎内の 2F と 3F にあります。3F がことばの教室になっており、2 つのプレイルーム、6 つの個別指導室、保護者控え室、教材室、指導員室、倉庫等を持っています。
 ことばの教室には、通級始動教室担当の私の他に、幼児教育の専門家や ST など常勤の指導員が 5 人勤務します。また 2F は療育施設が入っています。2F には発達相談員が常駐し、週に 2 回は親子教室のために保健師 1 人と保育士 4 人が勤務されます。ここにもプレイルームや個別指導室等が設置されています。また 2F と 3F の両方で障害者用トイレやシャワールーム、エレベータなどがあり、全ての部屋にエアコンが完備されています。また、いくつかの部屋には情報コンセントがあり校内 LAN と接続されていますので、光ファイバーで外部とつながります。これは、公立の一般の小学校としては、知っている限りでは初めての取り組みです。独立した棟ではなく、三雲小学校の校舎内にこれだけの施設が入っています。
 また、4 月から甲西町教育委員会の定める個別指導計画要項が施行されます。これは、町内の公立の保育園幼稚園、小学校中学校に、特別支援対象児に対して IEP の作成を義務づけるものです。教育委員会要項ではありますが、関係各課の承認を得ていますので実質上、就学前など義務教育以外にも効力があります。文部科学省の「個別の指導計画」を発展させ、具体的な手続きや引き継ぎの方法や期限が明記されています。発達支援室には、学校教育課の小西指導主事が兼務で入っています。小西指導主事は、各学校の障害児学級の IEP の管理や作成の全体を計画・運用されます。
 発達支援センターのイントラネットは正式運用に向けてのテストに入っています。修士論文で書いたネットワークがもとになり、発展した形でスタートすることになります。このネットワークの特徴は何よりも、自治体が正式に事業としているところにあります。学校教育課、福祉課、保健介護課、人権教育課、観光商工課の関係者の業務用ノートパソコンには、全てクライアントをインストールしました。また、公立の 7 つの保育園幼稚園の保育士の先生方の全ての業務用ノートパソコン約 60 台にもインストールを完了しました。これらは、現在、庁舎内のサーバに専用回線の光ファイバーでつながっています。また保健センターでは保健婦さんの業務用ノートパソコン 2 台も同じ状態になっています。
 このネットワークのねらいは、支援サービスの向上のための連携の強化と教育相談の積み上げです。その教育相談の内容は、全て該当の保護者には開示されます。現在、関係の発達支援室をはじめ保健婦さん、保育士の先生方、ことばの教室などで合同会議や研修会が開かれたり、準備されたりしていて、大変忙しい毎日です。もし、近くに来られましたら施設等、ご案内いたしますので是非お立ち寄りください。

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