1997年3月の会報です。

障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ





目次

第80回関東例会のお知らせ 第80回関西例会のお知らせ 都肢研 ワープロ・パソコン部会 研究会のお知らせ 第78回関西例会の報告「MES in 北陸」 第78回関西例会の報告「MES in 北陸(例会報告・・・続編)」 パソコンバンク設立の提案 自閉症児 を連れてアメリカへ 合衆国研修に参加して 皆さんからのお便り 1997年度自作教材集CD_ROMの製作と教材募集のお知らせ 673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター 0795-40-2205 phone Email:成田 滋
Web上の会報URL:MES会報

第80回関東例会のお知らせ

 初参加の方も大歓迎です。ご家族連れでどうぞお気軽にいらして下さい。
◎日時: 1997年3月8日(土)2:00--5:00PM
◎会場: 東京都失明者更生館 (新宿区河田町10-10 03-3353-1277)
     2F 調理室(明るくてきれいです。)
◎お世話役: 失明者更生館主任指導専門職 深沢茂氏
◎交通:
 新宿西口小田急ハルク前から都営バス「抜弁天経由 東京女子医科大学」行きに乗り「河田町」でおります。進行方向へ20m歩くと左手に青春出版があります。その向かい側に無人の交番があり、その隣に東京都失明者更生館があります。新宿から、バスで15分、徒歩1分です。
◎内容:
 MacExpoの報告
 MES CD '97
 自作スタック紹介
 Kai's Power GOOの紹介
 Q & Aコーナー
 その他(Newton←→Mac日本語のやりとり)

第80回関西例会のお知らせ

 一泊の研修会です。初参加の方も大歓迎です。お気軽にいらして下さい。
◎日時: 1997年3月22-23日(土-日)1:00PM
◎会場: 滋賀大学附属養護学校 研修館「虹の家」 (大津市際川 3-9-1
     0775-22-6569)
◎お世話役: 滋賀大学附属養護学校 大杉、太田氏
◎交通:JR湖西線唐崎駅下車 徒歩6分
◎内容:
 MacExpoの報告
 MES CD '97
 自作スタック紹介
 ネットワークの作り方、インターネットの接続の仕方
 Q & Aコーナー なんでも聞いて帰ってください。

都肢研 ワープロ・パソコン部会 研究会のお知らせ

 以下のような予定で、今年度最後の研究会を開くこととなりました。春休み中の研究会となりますので、皆様ご都合をつけて参加していただきたいと思います。また、他県の方、ワープロ・パソコン部会以外の方の参加も歓迎いたしますので、紹介のほどよろしくお願いいたします。
○日時 1997年3月27日(木)午前9時半から
○場所 東京都立府中養護学校(府中市朝日町3-780-2  0423-67-2511京王線飛田給駅下車 徒歩20分)
○内容 ・簡単なスイッチを使った教材作成実習(ボイスメモ、リモコンスイッチ、おもちゃの加工など)
・実践報告
・来年度体制の報告
○主催 東京都肢体不自由教育研究会ワープロ・パソコン部会
 部長 金森克浩(都立光明養護学校)
*当日参加でかまいませんが、参加希望の方は事前に金森まで連絡していただけれ幸いです。
03-3323-8423(都立光明養護学校 金森,伊藤)まで
kanamori@koumei-sfh.setagaya.tokyo.jp

第78回関西例会の報告「MES in 北陸」

 今回の例会は、去る1月25日に石川県の七尾養護学校で「MES in 北陸」に合流して開かれました。参加者は68名で北陸三県の養護教育関係者や羽昨市の福祉団体「わたぼうしの会」のメンバー、親子などの参加があり、たいそう賑やかで和気あいあいの集いとなりました。東京都の光明養護学校の伊藤さんが最も遠路からの参加者でした。プログラムですが七尾養護学校からは、養護学校20校を結ぶネットワークの紹介があり、他にアップルディサビリティセンターからのいろいろな入力装置のデモや、高速無線LANを使ったメディアキッズという生徒間のネットワークを使ったコミュニケーションの紹介など盛りだくさんのプログラムでした。会が終わってからの和倉温泉での懇親会では、学校間のネットワークの活用に関する課題や見通しの話し合いや、教材作りの講習などが行われました。食事のあとの二次会では、いきのよい刺身の盛りつけやカニが並べられ、たらふく賞味してから温泉につかって参加者一同大満足で帰りました。この例会のために会場を提供して下さった七尾養護学校の西村校長先生はじめ、例会を企画してくれた地元の小塚、前、久保さんらの努力に感謝します。なお、来年の例会も1月の第4週末に開かれます。 (^^;)

真剣な眼差しで研修しています。
新製品の紹介です。
アップルディスアビリティセンターの白石さんによるキネックスの紹介。

七尾養護学校の先生方のメーリングリストです。
mamoru@mxz.meshnet.or.jp
anayama@edu.toyama-u.ac.jp
mituwaka@esms.cs.toyama-u.ac.jp
CXE00072 神佐
MGH03151 苗代
CYP02167 中田
VZF13066 徳野
hassaki@nsknet.or.jp 八崎
QZF06322 細川
watabosi@po2.nsknet.or.jp
HQH01377 久保

第78回関西例会の報告「MES in 北陸(例会報告・・・続編)」

 前 正人 石川県立七尾養護学校 nno-yogo@kidsmail.jeims.co.jp
 「MESの例会を是非北陸で・・・」という声にお答えいたしまして、1月25日(土)、七尾養護学校および和倉温泉で関西・北陸合同の例会が開催されました。 当日はめ関西MESの方々や富山・福井で活躍中の皆さんが多数参加されました。また、石川県羽咋市の福祉団体「わたぼうし会」のグループの方々や七尾養護学校のパソコンワープロ部の親子も参加されました。所せましと設置されたマシンと参加者で会場はとてもにぎやかでした。
 まず、会場校である七尾養護学校の校長より歓迎の挨拶があり、その後、アップルディスアビリティセンターの白石さんよりキネックス(補助具としてのインターフェースやテクニカルエイド)についての紹介がありました。入力環境においてマウスが使えなくてもワンタッチでメニューを選択できることや音声でガイドしてくれることなど親切な機能に驚きました。これを使えば画面から選んで相手に意思を伝達することが容易にできると思いました。また、絵、音声、動作を使用者に合わせてカスタマイズできる点も魅力的でした。
 次に、長田教育システムから、高速光無線LANの実演がありました。これはワイヤレス・イーサーネット接続装置であり、従来のハブ(HUB)渡しではなくモイル(赤外線)を使うことによって煩雑な配線が不要となり、特別教室などの天井にスピーカーのように設置されれば、簡単にLANを行うことができるというものでした。そして、この高速光無線LANを利用して、メディアキッズ・チャレンジキッズ・ピピンアットマークプロジェクトの取り組みについて滋賀大附属養護学校の太田先生から紹介がありました。メディアキッズでは、「ひらがなの部屋」で養護学校や普通学校の児童・生徒がやりとりをしていること、チャレンジキッズでは滋賀大附属養護のサーバーを利用して「チャット」を使って学校間で「しりとり遊び」を楽しんでいることの事例が紹介されました。いずれもGUI環境になっていてとても扱いやすいと感じました。
 次に、七尾養護学校の前先生からの「チャレンジキッズ」に参加している学校の様子がわかるように作られたソフトの紹介がありました。交流する際に相手の所在地や学校の写真を提示することにより様子が少しでもイメージできればということで作られたソフトはアイデアに富んでいて感心させられました。
 次に、富山大の穴山先生からMIDIを使ったデモがありました。Quick Time movie playerをインストールしてスタックに保存することにより、スタック作り等をしながら自由に演奏を聴くことができるというものでした。そして、光明養護学校の伊藤先生から100校プロジェクトの追加公認のお知らせがあった後、成田先生からAdobi「SiteMill」(Webのサイトの内容や構成を管理)の紹介がありました。ページの背景に質感を与えるツールがあったり、ページリンクがドラッグ&ドロップで可能であったりとなかなかの優れものでした。
 次に、プレゼントの抽選がありました。Macのバック1個とTシャツ3枚、白石さんからはビデオ5本の他、みなさんにバッチを提供下さいました。抽選は、あみだくじで行われ、会場は大いに盛り上がりました。
 次に、「MES CD_ROM96-97」の紹介がありましたが、時間の関係で見ることができず残念でした。特に今回の自作教材のCD_ROMはHybrid版で焼き、発売されるということですのでどしどし「自作ソフト」を応募して下さいとのことでした。分刻みのスケジュールで慌ただしい会でした。
 その後、会場を和倉温泉「六翠苑」に移し、懇親会が開かれました。温泉につかり、会食した後、2次会では、鰤(ブリ)の刺身の差し入れがありました。また、前七尾養護学校長の南進先生からはカニの差し入れがありました。参加された人たちは、日本海の新鮮な幸に舌鼓を打ちながら情報交換にも花が咲き、有意義な一時となりました。懇談は深夜遅くまで続きました。
「MES in 北陸」第2弾の開催にあたり遠方よりおこし下さったMES関西の方々、富山、福井でご活躍中の皆さん、そして準備等にご協力して下さった長田教育教材さん、白石さん、会場校の皆さん本当にご苦労さまでした。心より御礼を申し上げたいと思います。

パソコンバンク設立の提案

 山平喜一郎 k-yamahr@psn.or.jp
1.名称:「パソコンバンク」(もっと良い名称があれば、提案下さい)
2.目的:
 (1) 障害児を養育しているか又は障害者のいる家庭で、経済的に困窮している家庭に、障害児教育用のハードウェア(パソコン、周辺機器等)とソフトウェアを期間の限定無しに無償で貸し出すことにより、社会福祉と障害児教育に寄与する。
 (2) 使用報告書の配布と回収を行うことにより、障害児教育をさらに発展させるためのデータを収集する。
3.内容:
 (1) 基金の設立(口座の開設)と寄付金募集
郵便局と主要都市銀行(さくら、住友等)に口座開設
 (2) ハードウェア、ソフトウェア(新品、中古)無償提供情報の収集
情報のみ提供を受けて、機種・OS・メモリ容量等をデータベース化しておく。依頼者のニーズと合った時に、現物を発送してもらう。
 (3) 無償(または特別割引)プロバイダの募集
要望があった場合、コミュニケーションの手段としてインターネットに接続する
 (4) 貸し出し依頼書(障害の程度や経済状態等)の受付依頼書
 様式を作成
 (5) ハードウェア、ソフトウェアの選定
障害等に対応した選定規準を作成
理事会で最終決定
 (6) 貸し出しの決定と通知
 (7) ハードウェア、ソフトウェアの購入又は送付依頼
 (8) セットアップボランティアの募集と依頼
 依頼者宅に出向いてセットアップ
 依頼者からの質問に対しても回答(運用後も)
 (9) 提供情報、貸し出し依頼情報、ボランティア情報のデータベース化
 (10) 使用報告書の回収とデータベース化 
 ハード、ソフトの選定規準にフィードバック
 コンピュータ利用をより効果的にするための基礎データとする
 (11) 不要なハードウェア、ソフトウェアの回収
   依頼者から回収の要望があった場合
 (12)活動内容の報告と宣伝
 当面MES会報に掲載
将来は独自の報告書とホームページ作成
4.運営:
(1) 代表者:成田 滋
(2) 理事:MESおよびその他の有志数名
(4) 所在地:〒673-14 兵庫県加東郡社町山国2007
           兵庫教育大学学校教育研究センター内
(5) 連絡先:fax  078-927-3693
            email k-yamahr@psn.or.jp 
    注:この計画が軌道に乗るか否かは寄付金がどれだけ集められるかとボランティアが確保できるかによっています。特に企業からの寄付金が当面はキーポイントです。その場合損金扱いができる指定寄付の認定を受けることが重要です。損金扱いにならない場合は接待費や交際費と同じ扱いなり、利益として課税されますので、企業は寄付金が出しにくくなります。国立大学の資産となる寄付を受けるという建て前が必要です。ちなみにアイバンクは「神戸大学医学部付属病院眼科内」となっています。昼間は対応できませんので、連絡先に電話番号は出しません。情報のやりとりは郵便、fax, emailとします。
山平 喜一郎
〒673 明石市藤江767 tel,fax;078-927-3693

自閉症児 を連れてアメリカへ

 佐藤 裕 ysato@execpc.com
**テピの成長(身体)
●すぐにつんつるてん
 今日でテピは12歳になった。アメリカに来てからの子供達の身体の成長は目を見はるばかりだ。去年の11月に成田空港を出発する時に撮った、写真の中のふたりがかわいらしく感じること。日本から持ってきた衣類はどんどん小さくなり何着新しい服を買っただろうか。テピの上半身に身につける衣類は、テピがかじってボロボロにしてしまうので、ヨピに下がる前に廃棄処分になるものが多い。しかし、かろうじて生き延びた衣類は現在ヨピが着ている。この調子だと、私の身長を追い越すのに後半年もかからないかもしれない。すぐにつんつるてんになってしまうテピのズボンを見ながら先生達も随分背がのびたねーと感嘆していたくらいだ。
●主食はカリフォルニア米
 アメリカで身体が大きくなったと言えば、安くて豊富な肉や乳製品をたくさん食べたせいだと思う人も多いかも知れないが、テピに関して言えば「カリフォルニア米」が最大の栄養源となっている。テピの米好きはアメリカに来てからエスカレートし、まあ食べる食べる。テピの「ご・は・ん・た・べ・た・い!」発言は、場所によっては私達をヒヤリとさせることもあった。日本のように何処へ行ってもご飯が食べられる訳ではない環境の中で(長粒種のピラフでも妥協はできるのだが)、テピのご飯への欲望が一気に膨れ上がり、それが爆発しそうになることも何度かあった。
●給食の反動か?
 学校の給食はいつも何でもきれいに食べるので、先生も「食欲旺盛でこんなにきれいに食べるのはテピだけです!素晴らしい!」言っていた。学校の給食の量がテピには少な過ぎるのは事実だが、私が見た限りではお世辞にも美味しそうとは思えない給食を毎日きれいに平らげているんだから、学校の外でもアメリカ的な食事に適応してくれてもいいのにと思うのは無理な話か。
 もし、毎日和式お弁当を持って出勤している裕が、大学のカフェテリアのランチを食べなければならなくなったらどうだろう。テピに近い感覚に襲われるだろうか。実際裕はカフェテリアのランチに最初の3日で根をあげた歴史がある。3時過ぎ、学校から帰ってきたテピは「ご・は・ん・た・べ・た・い!」と言って何度私を台所へ追いやったことか。(これを機会にご飯の炊き方をテピに覚えてもらいましょうか)。
●旅行とご飯
 長期の旅行には電気釜と米に加え、炊き込みご飯の素、のり、ふりかけ、塩昆布、梅干し等ご飯の友になりそうなものとインスタント味噌汁(電気釜はお湯を沸かすのにも便利、麺類も茹でられる)、ビタミン剤等を持って出かけている私達家族だ。時間とお金の節約に加え、テピがある程度精神的の満足してゆとりができた上で、一日一度はちゃんとしたレストランでゆっくり美味しいものを食べる。それが我が家の旅行術の一つとなっている。
●第二次性徴
 テピは身長が伸びただけではない。明らかに第二次性徴が表れてきている。テピのつるつるだった肌は次第にきめが粗くじっとりとし、毎日お風呂でしっかり洗わないと不潔に感じるようになってきた。それと、もうひとつ象徴的な出来事があった。夏休み中、デイキャンプへ行くためにテピの身支度を手伝っていたバスルームで、私は朝日の中に浮かび上がったかすかなものが目に入った。テピのおちんちんの根本にひょろんと細長い毛が2・3本。ハッと息を呑んだのだったが、動揺をテピに悟られないように、いつも通りにキャンプの場にテピを送り届けて家に帰り着いた私だった。でもその後、重い気持ちで考え込んでしまった。
●揺れる心
 11歳だからそんなこと当たり前のことで、よく分かっていたはずでしょう、何を動揺してるの、変な人ね、と自分に問いかける。その動揺する心の中にテピが大人になっていくことを否定したい、いつまでも自分の手中に入れておきたい、と思っている自分がいるのに気がついた。また、大人になるまで自立させたいと思っていたにもかかわらず、未だに身に付いていないテピの生活習慣たちが私の肩に「やり残し」というレッテルを貼って覆い被さってくる。そういった気分に襲われる。  おかあさん仲間との会話の中では、きっとテピが段々大人になってきたことを笑いながら喜んでみせることだろう。でもその後、つい深い溜息が出てしまうかな。普通の子供同様に、成長という素晴らしい出来事を喜んであげるべきだという気持ちはあるが、正直いってどのように暮らすのか見えてこない将来への不安と重なって、単純には割り切れないものがある。いずれにせよテピを私の心から突き放す練習はする必要がありそうだ。これからのテピの変化と共にそれを学んでいくのだろう。
●兄の助言
 E メールで日本にいる兄にこのことを書いて知らせると、詳しい成長期のおちんちんの構造を説明してくれた上「.........またそのうち精通が起きるかと思いますが、驚かないように。」との淡々とした、医者が患者に病状を説明するような返事が返ってきた。実際彼は医者である。あまりにもあっけらかんとしたメールを読んで、わざわざ心配事を自ら抱え込もうとしているような自分がばかばかしく思えてきた。
●微妙な表現
 たとえばテピの性的な問題を誰かに相談するとして、これが英語でしなければならないとなったら表現に困るだろうなと思った。本題の悩み以前に英語で悩まなければならない。例えば排泄の大便と小便を先生に伝える時どう表現するのが適当か、という問を英語の家庭教師に来ているケイトに尋ねたことがある。その答えは小が「ナンバー1」、大が「ナンバー2」なのだそうだ。辞書にも教科書にも載っていない初耳の表現だったが、TVのコメディー番組で同じ表現をしているのを聞いて、これが一般的な表現であることを確認したのだった。

■ホームシック?(初秋)
●「ほっかいどういくの!」
 長い長い夏休みの終わり頃からテピは妙に日本を懐かしむようになった。渡米してから作ったアルバムの一番最初のページは成田空港で撮ったものだ。そこを開けては「ほっかいどう。いくの。」を繰り返し、親に肯定的な返事を要求し続ける。  何がきっかけになるのか分からないが、日本に置いてきた赤ちゃんのころから読み聞かせていた数冊の絵本のことを突然思い出して、それを出して欲しいと言うように、私の手をとって本の名前を言い続ける。本は北海道の家にあることをよく言って聞かせるとそれ以上は言ってこなくなったからホッとしたのだが。
 もう一つ、テピが特に気に入っている私の実家で撮った家族の集合写真がある。その写真は日本にいる時から好きで、何度も広げては乱暴に扱いながら見るので、写真をダメにされては大変と、カラーコピーしてクリアケースに入れてテピに与えていたのだった。ここ数日その写真を肌身離さず持って歩いては、人差し指でそれを撫で回し、指さしては「いくの!」「いくの!」と訴える。
●「ネギおかいもの」
 加えて、テピの好きな札幌の家からの散歩コースを思い出す。このコースの終点はタマネギの貯蔵庫で、ここにある巨大な冷蔵庫を覗くのが大好きなテピだった。テピはここを自分で「ネギおかいもの」と名付けて、しばしば「ネギおかいもの、いくの。」と言ってはこのコースの散歩をねだったものだった。
 9月に入ってからのマディソンは驚くほど急に風が冷たくなり、豊かな緑に溢れていた木々も、渋い色合いの絵の具を混ぜたように趣を変え、急に目に付き始めた落ち葉が私を寂しく沈んだ気分にさせる。この空気、この風景は札幌の秋の始まりとよく似ている。私は特にドラマチックに色合いを変えていく札幌の秋が好きで、秋になるとテピとの散歩の頻度も増えていたようだった。私と同じようにテピが二つの秋をだぶらせて考えたかどうかは分からない。何か他のものがテピに「ネギ、おかいもの」連想させたのかもしれないがそれもわからない。いずれにせよ現在「ネギ、おかいものいくの。」という要求まで出てきて私達を困らせる反面、テピ独特の不思議な言動は、私達家族の想像力を掻き立て楽しませもする。
●日本を懐かしむ心
 テピは確かに日本を懐かしんでいる。でもそれはホームシックというほどきついものではない。彼の落ち着きぶり、聞き分けの良さから、現在をある程度満足して暮らしていることは感じられる。でも楽しかった過去の思い出(こだわりの部分も含めて)がテピの心を日本へと向かわせる。新学期が始まってからのテピは、ひとりで2階の子供部屋のソファに座っていることが多くなった。ゴリ君(ゴリラのぬいぐるみ)を必ずお供にし、窓から外を眺めながら自分に世界に入っている。ぶつぶつ独り言を言いながら過去の記憶をたどり続けるテピ。
 過去のよい記憶はテピのひとりの時間を充実させる材料になるのだろう。たとえばこのままマディソンに住み続けたとしたら、テピの日本を懐かしむ心はずっと変わらないままかもしれないが、過去の状況に戻ることはそれほど重要な問題ではなくなっているのではないか。それは思い出としての財産とて消化され、ずっと彼の中に生かされ続けるのではないか。そういう気もする。

市販教材の紹介

●キッドピックス
新しい機能をつけて3.0Jが出ました。次ぎのような機能が楽しめます。
1. おもしろテレビ--これはただ見るだけでなく、テレビ画面にエフェクトをかけて沢山のバンドルされたムービを見れます。
2. ぬってみよう--これはメニュから例画をだして塗り絵を楽しめます。
3. かいてみよう--お絵かきのテーマが音で提案してくれます。
4. タイプライター--キーボードから漢字の入力もできます。
5. カラーパレットの色が112色に増えました。
販売元 インタープログ 03-3288-1363  5800円

合衆国研修に参加して

●自分を出そうよ。
 曽根秀樹 兵庫教育大学 sone@mailshare.ceser.hyogo-u.ac.jp
 無事に研修旅行が終わりホッとしているところです。それにしても今回の研修旅行は刺激的な旅行でした。話にはリソースルームやインクルージョン(一体化教育)を聞いていましたが,実際見学するのは初めてでした。また,IEPの資料を手に入れることができ収穫のあった旅行でした。実際に見ると聞くでは大違いでした。通常学級の授業も見学でき,いろいろな問題が含んでいることもわかりました。何もアメリカだけが素晴らしい教育をしている限らず,日本とアメリカの良い点と悪い点が理解できた研修旅行でした。日本に帰ってから大学院の授業を受けていますがこのままで日本の教育はいいのかなと考えさせられます。日本の授業には活気がないように感じました。もう少し,自分を出せよ,日本人といった感じです。アメリカ人にはもう少し基礎学力をつけようよと思いました。できる人はどんどんやるし,やらない人はほとんど何もしないといった感じを受けました。それでアメリカにはリソースルームのような制度が必要なのかなと感じました。
 私の反省点としては、ニュースレターにも書いてありましたが対話能力がないことです。言葉が不自由だとあれほどフラストレーションがたまるのかなと感じました。自分の要求が通じないといやな気分です。また,アメリカの教育制度をもっと勉強してから研修に臨めば良かった思います。せっかくミネソタ州の本が手元にあるのに失敗しました。そうすればもう少し深く掘り下げることができたと思いました。
 アメリカはプレゼンテーションが素晴らしい国です。自分が調べたことをテキストだけでなく,グラフ,写真,動画,地図,ジェスチャー,絵等あらゆる手段を使って紹介します。それが実に要領が良く,小さいときから鍛えられているようです。先生があれだけ口をすっぱくして言うのがわかりました。また,先生が車にお金を掛けないのもアメリカの風土を見てわかったような気がします。
 今回の研修旅行で課題が1つ見つかりました。対話能力の必要性,それが人間同士だけでなく,コンピュータともです。お互いのやりたいことが通じ合えばこんな素晴らしいことはありません。何事も目標を持って頑張ることが大切であると感じました。

コミュニケーションツールを使って,自分の意見を伝えています。
アップル本社でのブライトマン博士の講演です。
中学校の先生が20年かけて池を作り自然観察園にしています。

●異なった文化を持つ国
 竹本 務 兵庫教育大学 tutomu_t@mxa.meshnet.or.jp
 私にとっての今回の研修は、たいへん収穫の多い物でした。以下の3点が大まかな収穫であるように、現時点では認識しています。(1) 情報先進国でのコンピュータ利用状況、(2) インターネットの利用状況、(3) アメリカでの教育状況
 研修のnewsletterにもあったように、今回の研修だけで、アメリカのすべてを知ったとは感じていませんが、多くのまだ見えないことを予測するには十分な経験をさせていただいたと思います。また、私の専門が障害児教育ではなく教育工学ですので、多くのみなさんとは違った観点で今回の研修に参加させていただいたと自覚しています。
○情報先進国でのコンピュータ利用状況について
 以前からいろいろと文献では見ていたのですが、やはり、個別学習での利用と言う面を感じました。また、Palo Altoと中心としてMacの利用が大変多く、やはりアメリカの教育界でのMacの底力を見たように思いました。ただ、インターネットが絡んできた昨今ではPCも十分力を付けているようにも感じました。しかし、結局はMacであろうとPCであろうと、その利用目的がはっきりしていれば、別に機種を考える必要は無いような感じも受けました。
○インターネットの利用状況について
 インターネットは予想通り「情報検索」の一手段としての位置づけを見たように感じました。特に高校レベルでは、図書館や資料室との連動があったように思います。また、e-mailなどの1対1のコミュニケーション手段は、まだ未完成で今後、まだまだ理想的な展開が期待できそうに感じました。
○ アメリカでの教育状況について
 これには「ドラッグ」と「異文化理解」という大きな柱があったように感じます。多民族国家の故に、けっして抜かしてはいけない物であることを、小中高のすべての学校で肌で感じたように思います。他民族ではない日本と同じような展開をしていくことは考えられませんが、一つの別世界をまざまざと目の当たりにしたように思います。
○その他
 語学力:残念ながら、早急に身に付く物ではなく、残念ではありましたが、自分なりには「対話」、「会話」ができたように感じます。自分の聞きたいことをすべて把握できたようには思いませんが、思っていた以上に、コミュニケーションは取れたように感じました。それでも、より一層の語学力の必要性は痛感しました。
 日本の教育:これは、少々残念な言葉をよく耳にしました。今の日本の教育はそんなひどいものではないと自信を持っています。もしかすると、アメリカよりも数段上をいっていることもあるように感じます。このようなことから、自分の国の教育を悪く言われるのは非常に心外でした。お互いの良いところを見つけ、不足しているところをその国の立場で補いあってこそ、理想の教育につながるように思っています。
 最後に、短いような長いような1週間でした。今回の研修では、大きな意味でアメリカを必要以上に意識することはありませんでした。「アメリカへきたんだ!」、「でっかい国なんだ!」と言う感じを受けなかったのが正直な気持ちです。ただし、日本とは確実に異なった文化を持つ国であることは感じることができたように思います。また、こんな機会を与えていただけるのでしたら、是非参加したいと思います。ただ、語学力の力は、まだまだ不十分でしょうけれども・・・

リソースルームでの一場面。
コンピュータ授業の一場面。

皆さんからのお便り

●栃木より
 本間友章 栃木県総合教育センター hommat@kinugawa.co.jp
 お久しぶりでございます。と言っても、先生は覚えていらっしゃらないでしょうが、平成元年教育相談員講習会で10日間特総研で過ごした折り、先生の研究室に行ってお酒を飲ませていただいた者です。勤務先は当時と同じ栃木県総合教育センター(特殊教育・相談部、肢体不自由、重度重複障害担当)です。この度、先生の講座に申し込みさせていただきました。前から興味を持って読ませていただいていたのですが、自信がなく人前に自分をさらすことが好きでないということと機器(自作DOS/V機)の調子が今一つということもあり受講する決心が付きかねていました。今日なぜか調子よくインターネットにつながりましたので、一念発起勉強をさせていただくことにしました。「栃木県の障害児教育は遅れている」と、他県から来た方によく言われます。実際、相談をしていてももどかしいことがたくさんあります。これからの障害児教育についてよく考えたいと思いますのでよろしくご指導ください。

●kenxを買ってしまいました
 大阪府立岸和田養護学校 加藤圭子 JCD01100
 年賀状のコーナーを読み、皆さんそれぞれの立場で頑張っておられるのだなあと今更ながらですが、感じ入りました。Macworld97も参加したかったのですが、休めないのと資金不足で出席出来ません。お手伝いできなくて申し訳在りません。とうとうpowerbookとkenxを買ってしまいました! ビデオスキャンコンバータ も買ったので、教室に持ち込んで生徒と使うつもりです。

●ラジオ七尾にて・・・
 小塚雄一郎 石川県立七尾養護学校 koduka@po.incl.or.jp
 石川県立七尾養護学校です。クローズドの環境での学校間交流のメディアキッズ・チャレンジキッズ(滋賀附養)に参加しています。1月29日、午後8時から10時までの2時間ローカルのラジオFM放送 ラジオ七尾の「あなたの出番」という番組で、本校のネットワーク教育利用について出演依頼がありました。小塚と前がスタジオで、メディアキッズ・チャレンジキッズと本校の取り組みをおしゃべりしてきました。
 チャレンジキッズのメールボックスにSimpleTextで子どもたちの声でリクエストを入れて本番中にメールを開き、オンエアーしようと考えました。ところが、滋賀大附様のサーバーがちょうど本番中の2時間ストップというハプニング・・・。(ネットではつきものの、さっきまでばっちりだったのに・・・トホホです)幸い、パワーブックに音声リソースを入れてあったので、それで対応することにしました。  チャレンジキッズに参加している学校の先生に音声ファイルでリクエストをいただこうと計画していたのですが、これは不慮の事故のため出来ませんでした。まあ、よくあることですよね。肝心なときに限って・・・・。で、本校に待機していた島田が、急遽機転を利かしてメディアキッズ上からスタジオのパワーブックにチャットの申し込みをしました。
 先生がStudent023を使ってTeacher023へチャットを・・・・というのは、本当はいけないんですよね。でも、今回だけはごめんなさい!必死だったもので・・・。本校は、能登地方唯一の養護学校で半数の生徒が寄宿舎にいます。リクエストを頼んだワープロ・パソコン部の生徒を中心に寄宿舎では、ラジオに身を乗りだして、自分の声でリクエストされるとそれはもう、興奮状態だったそうです。  次の日、学校で子どもたちの楽しそうに話す顔を見ると「よかったな」と思いました。また、小塚先生の声がラジオから流れると中学部の生徒が懐中電灯でラジオのスピーカーを照らしてのぞき込んだそうです。日常、ラジオやカセットで歌番組を聞いているのに身近な人の声がラジオから流れると、やっぱり不思議なんですね。子どもたちの反応がとても新鮮でした。私達も、生徒たちもとても貴重な体験を致しました。ある田舎の学校からのホットな情報でした。

宿泊先でホッと一息の小塚先生。

●親子の参加
 小塚雄一郎 石川県立七尾養護学校 koduka@po.incl.or.j
 今年のMES北陸は、本校の親御さんが子どもと一緒に参加してくれたこと、ボランティアグループの方が来てくれたこと、地域に開かれた養護学校としてスタートが切れたかな・・という部分が嬉しいです。ぜひ、これからはそういう近くの方にとって必要とされる研究会、また、本校での実践の充実をしっかりとしていきたいと思います。前さんをはじめ、島田さんや若い先生がよく頑張ってくれました。いたらない点、たくさんあったと思いますが、これからも御指導下さい。幕張は、太田さん、前さんといっしょに行きます。メディアキッズのカンファレンスに参加しますのでスケジュールが決まり次第お手伝いいたします。

1997年度自作教材集CD_ROMの製作と教材募集のお知らせ

「障害者とコンピュータ利用教育研究会-Mac Education Society--MES」が結成されて7年が経ちますが、その間学習上に困難を示す子どもや大人がMacintoshを使って学習したり、余暇を楽しんだり、仕事に役立てたりすることを支援してまいりました。その活動の一環として教育教材の開発と普及に力を入れ、ワークショップやカンファレンスを開催し、これまで滋賀大学教育学部附属養護学校と協力して2種類の「MES自作教材集CD_ROM」制作してきました。
 幸いこのCD_ROMは好評で、いろいろな雑誌や新聞で取り上げられ、学校や家庭で使っていただいております。このたび97年版を製作することになりました。このたびのはハイブリッド版とし、MacintoshとWindowsのパソコンの両方で使えるものとします。今回の97年版は96年版と同様に教育目的のために非売品となりますが、送料などの実費はユーザーからいただき、これを基金とし増版や次作の教材制作に使いたいと考えております。教材を共有することに賛同される方は、どうか周りの方々にお声をかけてくださり、このCD_ROMに教材作品を収録さるれるようお勧めください。

●教材募集期間: 1996年9月1日-1997年4月28日
●刊行予定: 1997年7月
●開発環境: HyperCard2.0以上、Oracle Media Object、Expand Book、
Action、Macromedia Directorその他
●教材の著作権: 教材開発者に帰属します。
●貯蔵媒体:128-230MO、リムーバルハードディスク、Zipなど
●媒体の送り先:
520 滋賀県大津市際川3丁目9-1
滋賀大学教育学部附属養護学校
 大杉成喜
 Email: osugi@sue.shiga-u.ac.jp
 NiftySERVE: HGA01651
●問い合わせ先:
673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
兵庫教育大学学校教育研究センター
 成田 滋
 直通 0795-40-2205
 Email: naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp NiftySERVE: MGH00175
 障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ:
 http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/mes/mes.html






では来月の会報をお楽しみに。

●制作:成田 滋

●編集:曽根秀樹