1996年3月の会報です。

障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ


1996年2月の会報
1996年1月の会報
1995年12月の会報
1995年11月の会報


目次

第66回3月関東例会のお知らせ オソクナリマシタ例会報告です 「MES in 北陸」(関西・北陸合同例会)報告 アップルディスアビリテイセンターから MacWorld Expoに参加して APIC NETのGEO TOUCHプロジェクトに参加して 皆さんからのお便り 長期研修生のコーナー 市販ツールの紹介 第1回「愛媛の障害者とコンピュータ利用教育研究会」報告 事務局からのお願い

第66回3月関東例会のご案内

●日時: 1996年3月9日(土) 2:00-5:00PM
●会場: 富士和興 (株)ビル4階
    〒232 横浜市南区通町2ー26 045-741-5614(当日出社して下さる方 丸山氏)
●交通:横浜市営地下鉄弘明寺駅下車徒歩6分
 市営地下鉄弘明寺駅から鎌倉街道に出て関内方面に5分歩きます。右手にあさひ銀行が見えます。その向い角に金港飯店という中華料理店があります。その道を入ってすぐ右に富士和興ビルがあります。外側についてる階段下に裏口がありますからそこから入り、4階まで上って下さい。
 お世話役  幹事 林 正直氏、永田和子
●プログラム: CD-ROM Vol.2 の紹介ほか
  なお、4月の例会は、4月13日に東京都失明者更生館で予定しています。

第68回関西例会とACEの例会のご案内

2研究会合同で研究会を開きます。万障繰り合わせの上ご出席ください。
◎日時:1996年3月23日(土) -24日(日)
◎会場: 滋賀大学附属養護学校 幹事 大杉成喜氏、中島康明氏
  JR湖西線唐崎駅下車
◎プログラム
 ○MES自作教材CD-ROM96の紹介
 ○Pippinで遊ぼう
◎ゲスト: バンダイ社よりゲストが来られます。
 ○その他
◎費用 貸し布団代など実費(\1200)でいただきます。
◎お申し込み並びにお問い合わせ
 (布団申し込みの関係上、3/18までに申し込み願います)
 〒520 滋賀県大津市際川 3-9-1 0775-22-6569
 滋賀大学附属養護学校内 大杉成喜
 NiftyServe:HGA01651 Email:osugi@sue.shiga-u.ac.jp

オソクナリマシタ例会報告です


 もう、2月。1年に一度の幕張のお祭り、MacWorldExpoも先日終わりましたが、遅ればせながら、昨年の暮れ、12月 9日に開かれました第65回関東MES例会の報告をいたします(^^;)。会場は、このところ連チャンでお世話になっています新宿の失明者更正館の調理室をお借りしました。師走の多忙な日でしたが、11人のメンバーが揃い、のんびりとスタートしました(^^)。
 今回は、JHUGの江尻聡氏の作品のオンパレードで、まず、「続 名刺屋えぢ日本版 v2.1」という簡易名刺作成スタックを見せていただきました。簡易入力モードというのがありまして、登録名入力 部署名、役職名、会社名などをタイプすれば自動的にレイアウトしてプリントしてくれるものです。しかも、住所の項では、すでに、全国の都道府県名や市町村名が入力されていて、プルダウンメニューで選ぶだけでタイプする手間が省けます。さらに、フォントの設定や縁取り、イラストの有り無し(自分でもペイント可)などの設定が可能で自分だけの名刺が作れて楽しそうでした。これは、シェアウエアでユーザ登録サービスが受けられるそうです。  続いて関連のスタックを次々と見せていただきましたが、パワーキーの使い方や、今度のMESのCD-ROMにも応募してくださるというお絵かきスタック「まっくぴょん!」でHyperCard流絵の描き方を披露してくれました。その他、一筆描き太郎や、momodera Device2.0を使ってキャラクターの移動や音声の多重再生の機能をデモしていただきました。
 最後に、安永より、前回予告しましたアドベントカレンダースタックをデモして、そして、参加者へのささやかなクリスマスプレゼントとさせていただきました。これも、CD-ROM'96 に入れていただく予定です。もちろん、今年の12月にもご利用いただけます(^^)。2次会は、会場近くの中華料理屋さんで95年の歳の暮れを振り返りつついろんな話に花が咲きました。(レポータ:安永啓司 東京学芸大学附属養護学校 QFF00455)

「MES in 北陸」(関西・北陸合同例会)報告


 「ぜひ、例会を冬の北陸で・・・」という声にお応えして、石川県立七尾養護学校及び和倉温泉(六翠苑)で関西・北陸合同例会が開かれました。
 北陸地方は、あいにくの寒波到来で朝晩の冷え込みはかなりのものでした。参加者は関係者を含めて、県内30名、県外12名と盛況でした。そして和倉温泉・六翠苑で宿泊された方も20名を越え、熱心な情報交換が行われました。参加者は県内外の特殊教育に関わる教員のほか、県内の小・中学校からの参加もあり、教育現場におけるMacintoshに対する関心の高さを表していました。
 例会のトップは、長田教材システムの長田氏より「WVHSビデオを使ったマルチビジョン教育システム」の紹介がありました。ナナオのディスプレィ画面にハイビジョンやビデオ・テレビの映像がスイッチの切り替え一つで表示されるという優れものでした。パソコン学習と視聴覚教育が共有でき、かなり便利・・・という感想です。それにしても画面がすごくきれいでした。
 次に、富山大学教育学部教授穴山彊氏よりHyperCardの操作方法を実演を含めてわかりやすく解説していただきました。また、教材づくりに役立つHyperTalk実例集の紹介もありました。
 休憩の時間を利用して、MES例会への参加が初めてという方も多かったので自己紹介をしました。教育現場でMacを使って実践している人、やり始めようとしている人などいろいろですが、目的は一つでみんな共通していると感じました。  次に、富山県立高志養護学校こまどり分教室の福満弘信氏からQTアルバムを利用した実践と作品紹介がありました。学習発表会での劇「お江戸でござる」のステージ発表に至るまでの練習風景やキャスト紹介など実に見事にまとめられたプレゼンスタックでした。発表当日、生徒の保護者はもちろん、小さな子どもたちまで群がり、マウス操作をしながら楽しく見ていたそうです。
 次に、マルチメディアチャレンジ'95グランプリ受賞でお馴染みの富山県藤ノ木小学校の戸塚滝登氏より、「いのちの誕生」という作品の製作から完成に至るまでの経過をおさめたVTRを見ながら実践報告がありました。メダカの成長のまとめや物語づくりにおけるストーリー、音楽などすべて子どもたちの手によって作成され、いきいきと活動する姿が紹介されました。「障害を持った子どもたちは感性が鋭いから、もっと素晴らしいものを作り上げる可能性を持っている」とおっしゃった戸塚氏の言葉が印象的でした。
 この後、石川県立七尾養護学校の前正人氏から「カレーライスをつくろう」という自作ソフトの紹介の予定だったのですが時間の関係で六翠苑の第2部へまわし、最後に滋賀大附属養護学校の大杉成喜氏よりMES自作教材集CD-ROM'96に入る予定の作品紹介がありました。時間が限られていて多くの作品を見ることができず残念でしたが、3作品ほどデモをしていただきました。一つ目は、型はめ(形の弁別)ソフトで、選択クリックに対するresponseの音声がとても楽しいものでした。二つ目は、太鼓をたたくアニメーションで、たたく動作とマウスクリックがリンクしていました。単純ですが、面白い発想のソフトでした。最後は電車の乗り方の学習ソフトで、作成するまでの映像、写真などのリソース集めが大変だったということでした。
 3時間余りという短い時間でしたが、とても充実した内容の濃い例会でした。また、長田教材システムさんより、ナナオの静電気防止キーホルダー、大阪教育大附属養護の中島氏より作業学習で作ったカレンダーのプレゼント、MES_CD-ROM'96の抽選で盛り上がりました
 例会終了後、場所を和倉温泉・六翠苑へ移し懇親会が行われました。入浴後、夕食をとり、午後8時過ぎより大広間で情報交換を行いました。その際、七尾養護学校校長南進氏からヤリイカの刺身とカニの差し入れ、前正人氏よりとれたてのがんど:出世魚鰤(ブリ)の舟盛りの差し入れがあり、冬の北陸を満喫していただきました。そして、それらを味わいながら、兵庫教育大教授の成田滋氏よりインターネットホームページ作成ソフト「Adobe PageMill」の紹介がありました。今までのホームページ作成にはHTML言語の理解が不可欠で、wwwブラウザを通して見ないと最終の仕上がりを確認できなかったのですが、HTMLが分からなくても、仕上がり画面を確認しながらホームページを作成できるということで大変便利だと言うことでした。
 夜のミーティングは延々続き、PowerBookやディスクトップの前でいろんな話に花が咲きました。福井から高速をとばしてきてくれた滝川氏、富山からのみなさん、それに成田先生をはじめ、関西から来てくださいましたみなさん、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
(報告:久保俊博 七尾養護学校 NIFTY-ID:HQH01377)

アップルディスアビリテイセンターから


●入力装置「Ke:nx」(キネックス)が日本語版になります。
 ◎インストールは、ダブルクリックだけ。
   まず英語版のソフトをインストールします。次に日本語セットアップのフロッピを入れてインストーラをダブルクリックするだけです。
 ◎より感覚的な操作環境を実現
 メニューやダイアログが日本語になり、より感覚的に操作できるようになりました。
 ◎Ke:nxクリエイトのスクリプトも感覚的に設定が可能
 ボタンに動作を設定するとき、どうしても英語のスクリプトを書いているようで、わずらわしいと感じていた方もいらっしゃるでしょう。そこでスクリプトをカタカナで書いた選択肢を選ぶだけになりました。
 ◎日本語マニュアルが添付
 使い方は日本語でOKとなりました。
出荷は3月始めとなります。ご注文は下記まで。英語から日本語へのアップグレードも同時に開始します。
●イージープロローグハンドルセット
 キーボードパレットが画面に表示され、画面上で文字入力を行います。
●Apple DisAbility Center Newsが発行されています。希望者は以下にお申し込みを。
●「日常生活用具」購入の助成金の相談と申請に
 厚生省が決めた「日常生活用具」の助成制度で、コンピュータがある障害を持つ人に認められることが多くあります。助成金は障害の程度によって項目が違います。そのため、すべての障害者が助成を受けれるというわけでもありません。助成を希望される方はどうぞ下記にご相談ください。
 アップルディスアビリテイセンター
 550 大阪市西区新町 1-8-3 四ツ橋天翔ビル 6号館801
 06-536-5594(大阪)
 173 東京都板橋区大和町 23-3
 03-3964-9649(東京)

MacWorld Expoに参加して


MacWorldExpoで教材集CDROM96の宣伝をしっかり???やってきました。先ほど、信州の自宅に帰ったきたところです。MESブースは金森さんを中心に準備ができています。関西の会員の元気さも目立ちます。関西の2先生が早々にしっかりセットアップして下さって、金森先生はほとんどブースに張り付き状態でMESデモンストレータ一角役を引き受けていました。ポスターもなかなかいいできです。
 ブースはアップルブース受け付けの隣というメインストリートにあり、人通りも多いのですが、その分荷物を置くとアップルのスタッフに注意されたり場所が狭く、ゆっくりと談笑できるような場所ではない様に思いました。週末は特に混雑しそうなので、お手伝いの方は身軽になって出かけた方がよろしいかと。
 関心を持って下さる方も結構あり、予約もぼちぼちと入っています。手伝いになったか、どうだか、ですが、自分としては収穫の多かった一日でした。ありがとうございました。
 長野県立安曇養護学校 伊藤可主也 HGC02705

●ボランティアご苦労さまでした。皆様の参加で今年もブースから活動を紹介することができました。これでExpo開闢以来、続けての参加となりました。お陰で所期の目的である96年度CD-ROMのPRができ、たくさんの予約をとることができました。また昨年度のCD-ROMも普及することができました。今回は特に金森さんが事務局を担当し、かれの携帯用電話も相まっていろいろ活躍してくれました。全期間の奉仕本当にご苦労さんでした。それからPR用のカラーポスターを制作してくれた滋賀大附属養護の大杉、前さん、チラシを作ってくれた多田さんらにはお世話になりました。また、チラシの複写や会場での配布をしてくれた会員各位もご苦労さんでした。その他、陰に陽に活躍してくださった方々にお礼申し上げます。
 今年はこれまでのようなユーザグループのどんちゃん騒ぎが無く、静かなうちに盛り上がりを見せていたというのが印象です。ただ、場所は良かったのですが、私たちの場合は主として障害者や子どもを相手するブースであっただけに机の高さが不便でした。来年はもっと親子が気軽に立ち寄れるコーナーにしたいものです。
 来年も是非参加をと考えています。鬼には笑っていただきましょう。なお、96年度CD-ROMは4月に発送予定で大杉さんが準備してくれています。また、カラーポスターを別途入手したい人は大杉さんまで連絡を。 兵庫教育大学 成田 滋 MGH00175


APIC NETのGEO TOUCHプロジェクトに参加して


 兵庫県加古郡稲美中学校 斎藤浩一
 咋年の9月から12月にかけて国際推進協力会が主催するAPIC NETのGEO TOUCHプロジェクトに参加しました。 内容は外国の学校といくつかのグル-プになり環境問題に関してそれぞれの地域での問題について調べたり、またNET上で意見交換するといったものでした。
 私は勤務先の中学校(兵庫県加古郡稲美中学)からの参加で担当学級や担当部の美術部の生徒の年齢に合わせて、アメリカからの参加校はミシシッピ-州のWoolmarket Schoolの6年生の生徒とアイオワ州のNorth Ceder Middle Schoolとのグル-プに参加して「水」をテ-マにした環境問題について取り組みました。そしてその準備として8月から以前から行っていたクイックタイムム-ビ-作りとは違うシリ-ズでム-ビ-作りをする計画をたてました。ム-ビ-は以前からアドビ.プレミアやフォトショップなどを使って自分の絵画作品作りなどに利用していましたが、今回のプロジェクトのような形ではつくっていなかったのですが、幾つかのテ-マを設けて作っていきました。
  1. 学校紹介-中学校の生徒の活動紹介
 担当部の美術部の生徒のMacでの作品作りの風景や校外での写生会や校内での作品作りやスケッチ会などを写真やクィックテイクで撮影し、また生徒作品を写真撮影やスキャナ-入力で取り込み、ム-ビ-化していきました。
  2. 町の紹介
   私たちの住んでいる町についての紹介用にクィックテイクで撮影したものを用いて編集していきました。また近隣の町である明石や神戸なども歩きまわり、作っていきました。またこうしたム-ビ-だけでなく、海外文通用の文章などを利用しTeachText, Excelなどで兵庫県の紹介用の英語文や県内の人口や産物などの紹介用デ-タを作り、こちらから発信するのでなく東京のホスト局に送って、アクセスできるようにしてもらいました。
3. 環境問題として近くの明石海峡をテ-マに取り上げて、とくに建設中の明石海峡大橋周辺、また海峡の両側である明石と淡路島の岩屋間を連絡船でわたりビデオやクィックテイクなどで撮影してム-ビ-化していきました。また海峡の自然環境を分かりやすく解説できるように舞子にある海峡大橋の建設公団や見学用の展示館などで資料を集め、ム-ビ-をつくるとともにTextファイルで英文を幾つか作っていきました。 以上のような方法で作り、準備していきました。
 そして9月からは学校の生徒と話をしたり、こちらもパソコン通信がどのようなものか説明して、学校紹介用の文をかいてもらい、集めたものを通信でホスト局に送っていきました。ただ、中学2年ということやパソコン通信そのものを自分でやったことがない生徒がほとんどのため(学校でのパソコン実習はFM-TOWNSにより一太郎を使用) コミュニケイトしているという実感が少ない点もあったようです。また英語で自由に自分の気持ちを表現できない点などもありました。また環境問題についてどう考えるかという点については10月に行なわれる文化祭に「未来都市」を主題にした地理模型を作ることになったので、そのことと絡めて未来の自然環境はどうなったらいいだろか、どういう環境が理想の環境なのだろうか、といった問題点を取り上げて、全員で文章をかいて、その抜粋は通信で送りました。
 ただ、英語でかけなかったのが残念です。そして次の作業として、パソコン実習室にあるFM-TOWNS、20台を使ってシムシティで自分たちがレイアウトした町をつくってみて、うまくつくれたグル-プの町をプリンタ-で出力して、その地図をもとにしながら木や紙、バルサ材、ペンキ、接着剤をもちいて約2-3週間かけてつくっていき、その間の制作状況は逐次、写真やクィックテイクで撮影して、ム-ビ-化するとともに幾つかはグル-プになったアメリカの学校に日本紹介用のビデオや英字新聞-Japan Timesなどとともに写真を郵送しました。
 ただ今回のこのプロジェクト参加では、自分たちの地域の環境などについて調査するので精一杯で、他の参加校とのコミュニケイトがあまりできずじまいで、ミシシッピ-の学校とはなんとか何度かのやりとりができたもののアイオワの学校とはできずしまいでした。また私自身も今回がはじめてのパソコン通信体験であったため、準備やトラブルで手間取りなかなかうまくいかなかったという反省点もありました。また自分の専門分野がこうした科学方面でないこともやりづらい点の1つでした。(専門教科-美術)
 ただ、県内にある幾つかの専門機関-先にあげた海峡大橋公団や兵庫県の環境局の自然観察員制度(ナチュラリスト制度)、明石の文化博物館で撮影許可をいただいて明石像や明石原人の陳列品などを撮影できたことや三宅島在住の著名な海洋学者J.モイヤ-の須磨海浜水族園での講演会や氏の主催するオ-シャン.ファミリ-の活動、兵庫県の教育委員会が行っている環境保護対策などを知って、自分たちの町を改めて違う視点からみることができました。ただ、最終的にはホスト局の東京の事務局に手伝っていただき、なんとかおわったということです。また今回の参加では私もインタ-ネットなども使いこなせていなかったこともあり、ホスト局に情報を送るので精一杯で、全体の動きやホスト局のWWW上でおこなわれたお絵書きコンテストなどにこちらからも作品はおくったのですが自分ではどんな状況だったのかわからず、色々と反省点もあった参加でした
。  また、プロジェクト終了後もミシシッピ-からは返礼のビデオが届いたり、生徒からのE-mailが送られてきたりしており、次回の参加にむけて継続してコミュニケイトしていけたらと思っています。

皆さんからのお便り

●MES七尾例会に参加して
 富山市立藤ノ木小学校 戸塚滝登  MHA02414 totsuka@bnn-net.or
 1月27日の七尾の研修会ではお世話いただきありがとうございました。なにぶんにもMESは初めてでもあり、気楽な感じで参加したのですが、聞いて見てビックリ!あまりにコンピュータ化が進んでいるので驚き入りました。もうぼくらは負けそうな感じです。こんなにすごい先生方がいらっしゃるんですね。感動しました。
 今朝は富山も大雪だったのですが、朝、生徒達と除雪しながら、偶然隣にいた養護の先生に(男の方ですが)土曜日のことを話したのです。すると、「ああ七尾養護でしょう。ええ、あすこは有名ですよ。コンピュータですごいんですから。」と、なあんだお前そんなことさえ知らなかったのかというふうに言われてしまい、二度びっくりしたことでした。自分の不勉強を大いに恥じ入ったことでした!27日は一日中真冬日だったため――日中でも気温が0度以下になる日のことですが――私はこのままでは日没後の氷見への山越えは凍結が進むため危なくなると判断し、急遽予定を変更して会を中座させていただきました。氷見の山奥の冬の厳しさは分校時代によく経験して知っておりましたのでこうするしかなかったのです。とにもかくにも今回のMESは衝撃的でした。MESの活動をもっと富山の先生方にも知らせたいと切実に思い始めました。会員の方々といつかまた再会できるのを楽しみにしております。

●マディソンから
 佐藤 裕  マディソン在住 ysato@execpc.com
 先日はマディソンにお越しの際にお電話をいただきありがとうございました。予想したよりも日本人の少ないマディソンに住んでいると、日本語で電話ができるだけも嬉しいのに、成田先生からのお電話ということで家内ともども感激いたしました。
 私どものホームページ(HP)もご覧いただいたようで、恥ずかしいやら嬉しいやらです。こちらに来るまでは、まさか自分がHPを作ることになるとは思ってもみなかったのですが、FEDHAN8番会議室で「日本でも自閉症関係のHPができないかなあ」という話題が出て、「とりあえず自閉症児の親である我々が、個人のHPを作ってしまおうか」という展開になりました。それで、書店で英語のhtml解説書を買ってきてHP作りが始まりました。私のテーマは「マディソンの障害児(主に自閉症児)教育事情」ということで、こちらで入手した情報や印象深い体験は逐一ここで報告することにしています。
 仲間のひとりである「クニさん」は自分のHPの他、日本自閉症協会京都支部のHP作りにも参加し、ついさきごろ公開されました。また、タコさんも自閉症をはじめとする障害児教育関連のテキストをメールで自動送信できるシステムを作り、現在までに100名を越える方がこのシステムを利用しました。全て、私のHPにリンクしてありますので、機会がございましたらご来訪下さい。
佐藤 裕 Feb.18, 1996 マディソンより。

●山口から
 山口大学附属養護学校 枡谷 晃
厳冬の候いかがお過ごしでしょうか。いつもMESの会報を送付いただきましてありがとうございます
。  さて、私は山口大学附属養護学校におります。実は本校で2月6日に特殊教育研究協議会を開催致しますが、そのうちの一つの分科会で「パソコンの教育的利用」という分科会を予定しています。そこでは、平成6年度よりパソコンで教材を作り授業実践を進めてまいりました研究の成果を発表したいと考えております。その研究では、MESの先生方のソフトの制作事例や自作教材CD-ROMを参考にさせてもらい、教材ソフト作りを行いました。つきましては、本校の研究協議会でMESを紹介させていただこうと思いますが、ご了承お願いいたします。
 それから本年4月1日より情報教育用のパソコンが8台導入され、そのうち7台がMacとなります。視聴覚室にイーサネットをはり接続します。さらに山口大学の学内LANに接続し、インターネットにつながる予定です。

●森戸賞を受賞
 福岡聾学校 小宮幸三 k-komiya@aqu.bekkoame.or.jp
 良い知らせがあります。以前に私がまとめましたレポートをお送りしたことと思いますが、松下視聴覚教育研究財団が主催します松下視聴覚教育研究賞で森戸賞(賞金がなんと200万円、最優秀賞は文部大臣賞:300万円)を受賞することができました。例年、応募者が少ないので宝くじより当たるかなと思って出したのですが、ラッキーの一言です。当初、障害児教育に関する特別賞(坂元彦太郎賞:100万円)があったのでそれでも当たればいいかなと思っていたのですが、まさか2位の森戸賞を受賞するなんて、ほんと驚いています。
 今回、受賞レポートは全部で9件ですが、障害児教育に関するものとしては大阪府立盲学校の金森先生「盲学校における情報処理教育について ー情報障害の克服と新職域の開拓を目指してー」、山口県立下関養護学校の亀田先生「重度・重複障害児のための効果的なパソコン教具・ビデオ教材」があります。障害児教育の分野こそ、コンピュータ等の教育機器の進歩の恩恵を顕著に受けることのできる証かなと思っています。
 授賞式はずっと先の5月ですが、賞金のうちのいくらかは子どもたちに還元し、それから病気を患いながらも私の活動に理解を示してくれた妻にもお礼をしなければなりません。そして、少しは新しい機器を購入しようかなと思っています。私の誕生日が2月3日で、受賞の報告を受け取ったのが4日、いいバースデープレゼントをもらいました。


長期研修生のコーナー

●やっとMac来る 高知県立日高養護学校 山本 豊
 待っていたのはわたしだけかも知れませんが、待望のMacがやっと納品されました。日高養護学校では昨年度パソコンを4台購入しましたが、その中にMacはありませんし、今後も購入の予定はありません。しかたがないので主任手当拠出金で購入しました。北海道では億単位の現金を返納するような運動をしているようですが、高知県の場合は各学校によって取り扱いがまちまちです。我校は全教員が拠出しています。年間拠出額の約80%を 使わせていただいてperforma6210スペシャルセットを購入しました。とりあえず自分の教室に置いてありますが、なかなかの人気です。しかし、ゲーム中心の利用に止まっており、どのように利用していくかが課題となっています。どなたかよいアドバイスをお願いします。

市販ツールの紹介


●「雄弁家」
 「雄弁家」は、入力された漢字、かな、英文、数字混じりの文書を読み上げるソフトです。さまざまな文書を優れた声質、自然なアクセント、流ちょうな日本語で性格に読み上げます。声の種類は、男性、女性、ロボット、英文の読み上げは数種類があります。数字は棒読み、桁読み、また記号読み、改行読み、大文字と小文字の区別、アクセントの強弱、読みの速度、声の高低を設定できます。
開発元 (株)リコー 045-477-1639 9,800円

●「文字ビジョンU for Macintosh」
 これは文字放送から経済、株価、ニュースなどの情報をMacに取り込むツールです。データはテキストファイルやリソースファイルに変換して保存が可能です。ビジネス情報のほか、天気予報、レジャーニュース、囲碁、釣りなどのことも見れます。さらに文字放送の音楽データを標準MIDIファイルへ変換もできるという便利なものです。開発元 (株)システック 052-601-4911 64,800円


第1回「愛媛の障害者とコンピュータ利用教育研究会」報告


◎まずは幹事から
 今治養護学校 越智敬子 VZD06026
 小春日和の2月24日に、松山市総合福祉センターで第1回目の研究会が開かれました。兵庫や高知からゲストを迎え、20名を越える参加者がありました。
 自己紹介の後、成田先生のデモから始まりました。1番目は、千葉県立市川養護佐原先生の「太鼓をたたけ」というソフトです。画面をクリックすると太鼓が鳴るというソフトで、5歳の光馬君が上手にたたいてくれました。次は横浜市立鴨居小学校荻野先生の「かんじえほん」。絵を見て答えをいいながらクリックする光馬くんの様子は大人顔負けです。その隣では、弟の将光君が荻野先生の「ことばあそびうた」に夢中になっていました。「も、も、もぐら...」と、ときどき聞こえてくるリズミカルな歌に、後ろで見ていた人達は両方の画面を交互に見ながら、作品のすばらしい出来に感心していました。東京学芸大学附属養護学校、安永先生の「おしゃべりこくばん」にも挑戦した光馬くん。連発する「すみません。そのことばはありません」という大阪弁にみんな大笑い。このころには、緊張もほぐれ、光馬くんの正解に拍手が起こりました。
 高知からきていただいた横井先生はには、スウェーデンのソフトを使ってビッグマックなどのスイッチのデモがありました。そして、香川大学の青野さんから「スピーキング ダイナミカリ」というソフトのデモがありました。
 デモの後、参加者が実際に操作してみることになりました。自作ソフトに加え、「らすたあちゃんとあそぼ」「マジックシアター」などの市販ソフトも体験して、「こんなことができるの。」「おもしろい」という声がいろいろな所で聞こえました。子ども以上に熱中し、目を輝かせていた人もいたようです。
 最後にAppleグッズが全員にもらって、大満足顔で会は終了しました。今回は第1回目ということもあり、Macだけでなく、パソコンは初めてという人が多かったのですが、Macの楽しさや可能性を十分に味わってもらえたのではないかと思います。愛媛にもMacの輪が広がることを願っています。

◎青野光浩さんのデモ内容と感想(香川大学教育学部 中邑研究室 4回生)
 今回MESの第1回愛媛例会に参加させていただいて研究室から、スピーキング・ダイナミカリーというアメリカのソフトを紹介させていただきました。このソフトは、言葉をしゃべれない人でも言葉によるコミュニケーションをとれることを目的としたソフトです。
 ソフトの使い方として、コンピューター上に、コミュニケーションボードを作ることができ、そのボードをマウスやキーボードのほかにスイッチやタッチスクリーンで動かすことができるようになっています。何枚もボードを組み合わせることもできます。また、紙で作ったコミュニケーションボードと違い指したものに対応する言葉を音声で表出することができます。
 キネックスとの違いは、キネックスと比べて、Nac本体を操作できる部分は少ないのですが、スイッチインターフェイス(キネックスのハードがあれば必要ありません。スピーキング・ダイナミカリーを使用中は、キネックスは、使えません)は必要です。
 ソフトだけで使うことができ、文字を打つ場合もワープロソフトは必要ありません。コミュニケーションボードとしては、キネックスより表示方法は多く、テキストとして打ちだす。選んだそのボタンをそのまま表示することができます。
 ボタンを押す前に、ボタンに合わせるとどんな内容のボタンかがわかるように表示できます。使ってみた感じでは作りやすいと思います。キネックスでできる、オンスクリーン、スキャニング(ステップスキャンもできます)といったことができます。
 例会の時の説明は、「はい」「いいえ」の二つのシンボルを表示して、質問をしていただいたことに対して、そのボードを使って、自分が答えるといった方法ですすめました。
 会では、自分の説明不足のため聞いていただいた方に、このソフトは、どんなものかをわかっていただいたかどうか不安です。また、Powerbook(しかも、スクリーンの見えづらいもの)しか持っていってなかったので見えにくかったと思います。  例会が終わった後の食事の時には、横井先生のアメリカに行かれたときのお話しなど、いろいろおもしろくまた、参考になる会話を聞かせていただきました。夜は、成田先生から、インターネットのホームページの作り方をとてもていねいに教えていただき、自分のインターネットの IDを大学で取ることができたので、自分のホームページもこうすれば作れるんだと思い、大変参考になりました。また、朝6時過ぎに起きて、道後温泉に入りに行き、じっくり成田先生と横井先生といっしょに温泉につかることができました。本当にいい湯でした。

◎林 光馬、将光君のお母さんの感想
 エレベータから降りた子どもたちが見つけたMacのモニター。親を振り返ることなくモニターの前に座り、手はマウスへ。たくさんの大人たちの中で動じることなく遊ぶ子どもたちを見て、「すごい」と感じました。
 5歳の光馬より、脳性麻痺による半身麻痺のある将光(3歳)の方がMac大好きです。テーブルの上での形合わせはすぐいやになってしまうのですが、Macでの形合わせは何度でもトライしていました。次への進み方も自分でいろいろやっているうちにわかったようでした。
 会で見せてもらった「ことばあそびうた」や「らすたあちゃんとあそぼ」など、我が家でもやっていきたいなと思っています。ちなみに光馬は今、ひらがな、かたかなに興味があり、読んだり字を書くのが好きです。少しづつ難しいものに挑戦していきたいようです。
 遠方から来られている方がいるのには、びっくりしました。また、このような会がありましたら参加させていただき、新しいゲームや知人と出会えたらうれしいです。どうもありがとうございました。
*光馬は「『らすたあちゃん』のゲームが最後までやりたい!」と言っていました。

◎飯尾寛治さん(小児科医)の感想
 愛媛MES-1は大変参考になりました。みなさんが熱心に説明していただきました。 ○はめ絵のソフトは小児科外来でも使用できそう。
○登校拒否の子どもに自宅でさせたら興味を持ちそう。学校の保健室において  みるのもいいのでは。
○ことばの練習のためのソフトには感心しました。これからどんどんこのような教育ソフトが開発されることを期待しています。
○私が今関心があるのは、はしかや水ぼうそうなどの説明ソフトで、患者の親に見せたいと思っています。
○私は暇があれば、パソコン相手に将棋のソフトで遊んでいます。もう初段くらいかもしれません。囲碁はまだソフトが弱くて、つまりません。

◎中田忠幸さん(ソフト開発者)の感想
 私は、以前から持っていた一つの疑問があります。それは、いろいろな所で折にふれて思うのですが、「なぜ笑顔が絶えないのか?」ということです。そして、今回その答えに近づけたように思います。それは「こころ」の雑誌の中にありました。人の痛みを理解しようとか分かろうとしているのではなく、自分のものとして、自分のものと感じようとしているのだと。
 では、私に何ができるのだろう、今のOA機器を扱っている立場を提供して、協力するべきだ。私の過去の経験から、コンピュータと人のつながりを円滑にし、さらに今までの人間関係をいかして子どもたちの指導ができるようにしたい。今後は自信を持って飛び込んでいけそうだ。私は、歳を積み重ねるに連れて、大切なものを見失ってきたように思う。それが疑問という形で私の中に巣くっていたのだろう。  「笑顔」、「傾ける耳」、さらには「差し延べる手」とデータベースを結び付けてくれたのが今回の会でした。ほんとうに参加できて、うれしく思っています。今後、もっと多くの人にもこの活動を理解してもらい、さらなる活動のお手伝いができればと思っています。

◎石田幸政さんの感想
 私は現在ワープロを使っていますが、集めた情報を整理し、管理していくためには不便です。もっと幅広くいろいろやっていきたいと考えているときに、パソコンの存在を知ったのです。でも、自分で操作する機会もなかったので、今回愛媛MESの発足を知り、期待を持って参加しました。
 初めてマウスを持ち、クリックしたとき、目前に新しい画面が現われたのです。それはまるで未知なる世界への第1歩のように感じられました。
   今までは、「もう少し待っていれば、もっと良いものがでるだろう...」と思っていましたが、こんなことを言っていたら、いつまでたってもパソコンは使えないと考え始めました。今後とも宜しくお願いします。

◎松山へ行って 兵庫教育大学 成田 滋 MGH00175
 「HAIKU」がいろいろな英語の書籍で紹介され、オックスフォード辞典にも「HAIKU」の項があるということは、今回松山へ行くまで知りませんでした。俳句は、中国でも盛んなようで「漢俳」と呼ばれているそうです。しかも、「春の日や 人なにもせぬ小村かな」という句が外国の俳句愛好家によって好まれているそうではありませんか。「柿食えば 鐘が鳴る鳴り法隆寺」は正岡子規の作品であることは知っておりましたが、現代俳句が国際性を帯びた文学であることを今回はじめて体験することになりました。
 今から100年前の明治中期、子規がほとんど独自で俳句革新に乗り出したとき、西洋化偏重の当時の風潮から、俳句は全く見捨てられていた文学であったとされます。この革新とはなんでしょうか。それまでの俳句の記述に疑問を投げかけた子規は、ものの姿を写生文で表現するという「新体詩」なるものを試みたのです。子規はこの「写生」を重んじ、ありのままの事象を自分の言葉で表現してよいといったことにすごさが感じられます。つまり俳句を作るには、言葉の過剰さは必要ありませんということのようです。奇をてらわず、自由に表現することを広めることに尽力しました。この子規の俳句革新は、やがて芭蕉、蕪村という古典の真の発見、その継承、あるいはそれとの格闘を通して達成されていきます。
 松山はどこへ行っても子規に関する集まりが開かれています。「子規を楽しむ親子俳句ing」という韻を踏んだバスツアーもあります。「俳句の国際化と松山」の記念行事も計画されています。インターネット上で「HAIKU」の紹介ページもあります。
 なにやともあれ、この度は女性幹事の元気さと松山に魅せられて楽しい旅をしました。そこで一句。「湯舟にて 慣れない五七五をぶつぶつと」

●幹事のしめくくり
「1年に1回くらい」松山市身体障害者センター 矢野純子 VYB03657
 このたびの研究会は思った以上に参加者が多かったのは、とてもうれしいことでした。はじめてMacをさわる人が多かったけれど(から?)、ずいぶん盛り上がっていたように思います。私自身は、ほとんど、参加してくれた人達と話をしていました。お知らせを見て連絡してくれたソフト開発の人は、こどもたちがこともなげにMacと遊んでいるのを見て、ずいぶんびっくりされたそうです。また、センタービル管理の人は、仕事の合間を縫って見に来てくれたのですが、今回いろいろなソフトを見ることができ、とてもよかったと言ってくれました。
 たくさんのApple Goodsも場を華やいだものにしてくれましたね。今回の会でMac仲間も増えそうです。
「漱石亭」での語らいも、朝の道後温泉、子規博物館も、とても楽しかったですね! 夜の研究会や翌日のインターネット講習会はとてもためになりました。私の今年の目標の1つも達成できましたし、インターネットの世界へはもしかしたら入り浸たりになるかもしれません。
 わが家でNiftyのサインアップにJ-Termで再挑戦しましたところ、今治養護学校の越智さんは見事に成功!晴れてNiftyに入ることができました。みなさんのところにもメールが届くと思います。しばらくお待ちください。こちらの研究会の集いが「1年に1回くらい」で実現することを祈っています。 (幹事・編集: 矢野純子)


事務局からのお願い


 1. 皆さんからの投稿、お便りなどの原稿はいつでも大歓迎です。
 2. 原稿はできるだけネットワークかディスクでお送りください。
 3. 半角のカタカナひらかなは使わないでください。
 4. 数字は半角を使ってください。特に2桁以上の場合です。
 5. ローマ字も半角を使ってください。
 6. お便りは許可を戴いて掲載させていただいています。私信やさしさわりのある場合はその旨お書きください。
        会報は以上です。来月号をお楽しみに。