障害者とコンピュータ利用教育研究会

1998年7月会報 NO. 96  Mac Education Society(MES)

編集 西谷淳 猶原秀明 丹羽登、 村川佳子、渡部親司、岩井宏氏

PDF版の会報(150K)はこちらです。お読みになるにはAcrobatReader日本語版が必要です。


MES
ホームページ
1998年
6月号
1998年
5月号
1998年
4月号
1998年
3月号
1998年
2月号
成田研究室

 

〒673-14 兵庫県加東郡社町山国2007
  兵庫教育大学 学校教育研究センター
  naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
  Fax 0795-40-2203

■ 目次 ■

   

第96回関西例会のお知らせ

第96回関東例会のお知らせ

第5回高知例会の報告

第95回関西例会の報告

POEM98inASOのご案内

日本小児神経学会に出席して

パソコンバンク便り

兵庫県のインターネット利用のガイドライン その三

THE MAGICAL TOY BOXのご案内

市販教材の紹介

皆さんからのお便り

■第96回関西例会のご案内

○日時: 1998年7月4日(土) 午後2時より4時半まで
○会場: 兵庫県立阪神養護学校
    阪急逆瀬川駅または阪急阪急甲東園駅より阪急バス東蔵人下車徒歩1分
  ○内容:   1. 「あそんでいるうちに力がついちゃった」
  ことば共育研究所 所長 鈴木静氏
 2. 「認知処理を生かす長所活用型指導」
  K-ABC(Japanese Kaufman Assessment Battery for Children)の紹介
 3. 市販エデュティメントソフト(国内・海外)の紹介。
 4. 「MES自作教材集CD-ROM'98」に寄せられた教材の紹介。
 5. その他

 
◎交通:車の方が便利です。駐車場は十分あります。中国縦貫で、宝塚インターで降ります。それから、宝塚市役所の前を
        とおり(武庫川の橋をこえるとあります)そして、次の、信号を左折してまっすぐ行くと、左側にチバガイギーと
        いう会社があったり、阪神自立の家という施設があったりします。そのつぎにあるのが阪神養護です。なお、当日
        の連絡は携帯電話(080-574-8860 成田@兵教大)にお願いします。

■第96回関東例会のお知らせ

○日時: 1998年7月11日(土)2:00-5:00PM

○会場:横浜国立大学附属養護学校
   232 横浜市南区大岡 2-31 045-742-2291 
     お世話役 根立 博氏 nedachi@yougo.ynu.ac.jp
林 正直氏  PFA01176@niftyserve.or.jp
○交通
 横浜市営地下鉄「弘明寺(ぐみょうじ)」駅下車 徒歩3分。
 横浜市営地下鉄弘明寺駅を出ると真ん前に横浜国大附属中学校があります。その正門に向かって右側(南警察署の脇)の外塀を2〜3分歩くと附属養護学校の門が左手に見えてきます。駅からすぐです。

   ○内容
  自作・市販の教材ソフトの紹介
 横浜国立大学附属養護学校の活動の紹介-コンピュータ利用から
 Q&Aコーナー
 その他
■第5回 高知例会の報告



 第5回高知の障害者とコンピュータ利用教育研究会は、6月6日(土) 午後2時より高知県立山田養護学校で開催されました。インターネットの利用の仕方、ソフトの紹介が行われ、障害児教育へのコンピュータとネットワークの利用と普及が語られました。高知医大分校の横井先生、山田養護学校の小松先生他、教師、保護者など約15名が参加しました。兵庫教育大学からは、成田教授、院生の渡辺、丹羽、西谷、猶原の5名が参加です。

 横井先生の挨拶の後、簡単な自己紹介を終え、新しいソフトの紹介が行われました。MESのCD−ROMでは、「アンパンマン」「これなーに」「どれかな」「シンちゃん(ギフト)」を紹介。「シンちゃん(ギフト)」は、キッドパズルで作成されたソフトで、クレヨンシンちゃんを完成させます。分からない時は破線で場所を示してくれます。
 「言葉図鑑」は、言葉をアニメーションと音樂で楽しく学べるもの。なかでも、アニメーションの動作から適切な動詞を4択で選ぶ “なにしてるクイズ”は、楽しく動詞を学ぶことができ、同時に同義語と反対語が提示されます。

 サンリオメディアCD−ROM「楽しい生活科」は、サンリオの人気キャラクター キティちゃん が登場。キティちゃんが街を歩きながら、身の周りの生活に関係あるお店や建物に立ち寄り、買い物をしたりするなかで生活に必要なもの、建物の役割などを学ぶことができます。

 「マルチメディアチャレンジ94」は、大人も楽しめるソフト。“音感衰弱” は、絵や数字の代わりに動物の鳴き声や楽器の音を使った神経衰弱だ。頭が柔軟でないと難しいかもしれません。実際に、保護者の方や先生方に操作してもらいましたが、始めこわごわ触っておられた方もすぐに慣れた様子でした。

 ここでは、保護者の方々から次のような質問が出されました。

・「1日中テレビゲームをしている。パソコンの画面には興味がありそうだ。パソコンを使って意欲を持って勉強できるいいソフトはないか。」

・「重度の子供だが、入力装置を工夫することでコミュニケーションを促進させたいが。」

 次に西谷さんより、電子メールやパソコンを通しての2年間の実践が報告されました。チャレンジキッズを通した電子メールのやりとりでは、いろんな学校の子供と先生が学校生活の話題を文字や絵を通して、楽しくやり取りしている様子がよく分かりました。メールのやりとりはログとして残っており分析に使われます。普段会えない子供達が、ネットワークを通して仲良くなっていきます。メールを作成していくことで、文章を書く力もついてきたとのことです。

 最後に、渡部さんより PHSの説明と、PHSを使ったインターネットの接続、修士論文の説明が行われた。携帯電話との比較をしながら、通信範囲、転送速度、利用料金、今後の技術の展開と将来性、長所と短所がやさしく丁寧に説明されました。PHSにぞっこんの渡部さん。今にも、パンフレットと加入申込書を配りそうな勢いに、会場はおおうけでした。そして、ネットワークを使った、進行性筋ジストロフィー症児の自己効力感に関する修士論文の報告。先に、PHSとインターネットの具体的な説明があったので、大変わかりやすく、身近に感じられました。特に、保護者の方には良かったのではないでしょうか。充実したなか5時に閉会しました。

 6時半より、おいしい高知の料理を囲んで友好を暖めた。さすがに、かつをのたたきはおいしかったなぁ。お酒も、、、久し振りに、鯨を食べました。 翌日、6時半より朝市に行き、桂浜、坂本竜馬記念館を見物。帰る前に寄った若草養護学校ではちょっとしたトラブル。我々が、突然、非公式に訪れたことによるトラブルではありましたが、おかげで、コンピュータ利用の実情を目の当たりにし、学校でのコンピュータ使用管理と普及について考えさせられました。くれぐれも「宝の持ち腐れ」にならぬよう。一行は、瀬戸大橋、帰りは明石大橋。美しい二つの巨大な橋を見て、しみじみと人間の偉大さを改めて感じいった次第でした。

(リポータ:猶原秀明 大阪府立豊中養護学校(兵庫教育大学大学院)   shumay@dc.mbn.or.jp) 


■第95回関西例会の報告

5月30日(土)に兵庫教育大学学校教育研究センターを会場として関西例会が行わ れました。兵庫県内や、三重、京都、大阪などから十数名の先生方がいらっしゃいま した。また、子どもさんを連れたお父さんやお母さんの二組のご家族が参加されました。
 学校教育研究センターの一階の部屋では、「親と子のパソコン利用相談」が開かれました。こちらのコーナーは成田先生と大杉が担当しました。参加してくれた子どもたちは「トレインシュミレーター・ラピート」や「五味太郎 言葉図鑑 うごきのことば」「PajamaSam」といった新作をはじめ、成田研究室が所有するエデュティメントで楽しく遊びました。また、保護者の方とは「子どもと親とパソコンの関係」や 「いかに安くてよいパソコンを購入するか」といった話題で盛り上がりました。
 好評の「MES自作教材集CD-ROM」ですが、Macintoshの新しいシステム等では 不具合のある教材もあることがわかりました。11月の「MES100回記念例会」で の発表に向けて鋭意制作中のCD'98ですが、過去の名作を現在のシステムでも動く ようにして再録する必要も考えられます。(誰かしてくださいませんか?)また、自閉症児の小学校での学習・生活にについても話がすすみました。統合教育も進み、障害児をとりまく環境もよくなってきています。今後、IEPなど、より「個に応じた教育」が必要となってくると考えられます。この件は、例会後の反省会でも話題にのぼりました。
 二階の会場では、「校内LANづくりを目指したサーバーの立ち上げ方やsecurity設 定の留意点」を主題として、次のような発表がありました。
○総合コンメンテータ/助言 上谷氏(兵庫県立教育研修所指導主事)
1) Macを用いたLANづくりの基礎・・・石橋氏(兵教大院生)
2) Windows95/NTを用いたLANづくり・・・長瀬氏(学教センター)
3) UNIX(TurboLynax)のインストールとその紹介・・・丹羽氏(兵教大院生)
4) UNIX(Red Hat Linux)サーバーの実際の運営のようす・・・筱氏(県立奈良工業 高校)
5) Visual BasicのActiveXプログラミングの紹介・・・西谷氏(兵教大院生)
 とまあ、どれ一つ取りあげても、全部説明しようと思ったら一日以上かかるのではないかという内容でしたが、発表者の方々の協力によって、効率よく発表が行われました。参加されたみなさんからも積極的な質問が相次ぎ、非常にホットな発表会となりました。
 その後二階の会場から、学校教育センターの隣にある兵庫県立教育研修所に会場を移し、研修所の最新ネットワークシステムについて上谷氏によって説明していただきました。本研修所を中心として県内の各学校と広域ネットワークを構築している様子や研修所内の演習室で行われる研修内容の説明を、みなさん熱心に聞いておられました。各演習室では、最新のマルチメディア機器による教材作成ができたり実験的にLANを組むための演習ができたりと、時代のニーズに即した演習室が整備されていました。(リポータ: 渡部親司/大杉成喜 兵庫教育大学院学校教育研究科障害児教育 m97332h@students.hyogo-u.ac.jp / osugi@net135.or.jp)

■POEM 98 in ASOのご案内

 〜思い出してみませんか伝える楽しさを〜
 マルチメディアのパーティー「POEM '98 in ASO」をご案内いたします。本年8月6日(木)及び7日(金)の2日間で以下の通りPOEM '98 in ASOを開催します。詳細内容は,以下のURLで随時更新中です。また,申し込みも受け付けております。
http://www.ace.or.jp
http://www.ace.or.jp/shibu/kyushu/poem98/

開催日時:平成10年8月6日(木)12:30〜17:00(受付開始12:00)
                NET Day in POEM
         8月7日(金)10:00〜16:35(受付開始9:30)
                POEM '98 in ASO
会 場:グリーンピア南阿蘇(〒869-1412熊本県阿蘇郡久木野村久石4411-9)
POEMのアイコン      http://www.coda.or.jp/~greenpia
     tel:09676-7-2131(代) fax:09676-7-2130
主 催:教育とコンピュータ利用研究会(ACE) http://www.ace.or.jp
共 催:(社)日本教育工学振興会(JAPET)  http://www.japet.or.jp
     KARRN(九州地域研究ネットワーク)協会 http://www.karrn.ad.jp/ 後 援:文部省,熊本県,熊本県教育委員会      熊本県市町村教育委員会連絡協議会,熊本大学教育学部
協賛予定:アップルコンピュータ株式会社,内田洋行株式会社,
     キヤノン販売株式会社,島津理化器械株式会社,
     マイクロソフト株式会社,ヤノ電器株式会社,他
対象者 :学校関係者および教育とコンピュータ利用に関心を持つ人
申込方法:http://www.ace.or.jpからの直接申込
     下記FAX参加申込書による申込の他,
     電子メール,郵便でも受け付けています。
申込先 :教育とコンピュータ利用研究会九州支部事務局
     〒860 熊本県熊本市上熊本2丁目2-24-206 有限会社キャン内
     FAX:096-311-1114 E-mail:ACE@can.co.jp

【1日目】平成10年8月6日(木) NET Day in POEM
12:00 受付開始(ロビー前)
12:30 作業ミーティング
12:40 ネットワーク敷設,機材セッティング,リハーサル
16:00 幹事会
17:00 作業終了
18:00 情報交換会
20:00 終了(1日目)

【2日目】平成10年8月7日(金) POEM 98 in ASO
09:30 受付開始(ロビー前)
     企業展示
     こどものじんち
10:00 開催挨拶 教育とコンピュータ利用研究会
10:20 基調講演 もう始まっています,未来の教室
    「マルチメディアで学校革命」 鈴木敏恵氏
  未来の学校デザインを提言し,10年を迎える。「授業はプレゼン」をキーワードに,テレビ出演や,コンピュータネットワーク関係の講演
会で全国を飛び回 る,新進気鋭の建築家。未来型学び舎「相洋インテリジェントセンター21」を はじめ,これからのマルチメディア対応の学
校を,数多く設計する。
  詳しい紹介は,氏のホームページを参照されたし。
     http://ux01.so-net.or.jp/~s-toshie/index.html
     (株)横浜建築研究所 教育システム部長
     文部省『理科教育及び産業教育審議会』委員
     文部省初等中等教育局「情報教育」委員
     関東学院大学工学部建築学科講師
     『NTT こねっとプラン推進プロジェクト推進協議会』
      コンテンツメンバー
     著書:「マルチメディアで学校革命」小学館
        「スクールFM」(日刊工業新聞社)他
12:00 昼食(会場内レストラン等)
13:00 質問コーナー・事例発表・模擬授業(3会場同時併行,途中移動も可)
 質問コーナー:困っている人あつまれ
 事例発表 学校でこう使いました

■日本小児精神神経学会に出席して

 西谷 淳 兵庫教育大学大学院(甲西町立三雲小学校)
a-nishi@jungle.or.jp
   6月19日と20日に福井市の国際交流会館で日本小児精神神経学会があり参加してきました。また、21日は同所でLD研修会がありましたので、その様子を報告します。
 参加者は小児科医と精神科医が多く、保健センター、療育関係者、学校教員と、親の会の方も多数参加していました。今回の学会はLDに焦点があてられていましたが、重症心身障害児、虐待、療育支援、保健と医療のネットワークのセッションも興味深いものがありました。
 保健と医療のネットワークについては福井県知的発達障害者育成会の代表の吉岡さんが、地域の障害を持つ方々の定期的な健康診断、教育、指導、健康増進などを進めていくために、イントラネットを用いたサービスを提供できるようにシステムを構築中であるという発表をされました。この発表には質問も多くでていました。障害者障害プラン情報化のシナリオ試案を作成されていますので、送っていただけるようお願いしてきました。
 国立療養所医王病院の本家先生は、筋ジストロフィー児のケアーについて話されている中で、QOLの維持向上が課題となっており在学中に、なにか一つ趣味的な活動を学んだ患者は比較的意欲のある生活ができている点を指摘されました。渡辺さんの修論に関係が深いと思って聞いていました。
 また、東京医科大学小児科の星野恭子先生の「標準脳座軸法を使用した脳血流とWISC-Rの検討」はWISC-Rの下位検査の項目が脳のどの部分・位置に関係しているか を脳血流の実験により、明確に示されていて非常に興味深いものでした。たとえば、PIQの絵画配列は右後部帯状回(P<0.001)と有意に相関しているというものです。
 それから、高機能自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、高機能高汎性発達障害、LDの違いと共通点について、シンポジウムで話し合いがありました。竹田契一先生(大阪教育大学)、森永良子先生(白百合女子大学)、川崎千里先生(長崎大学小児神経科)、三橋美典先生(福井大学教育学部)、中根晃先生(実践女子大学小児神経科)、長畑正道先生(文教大学小児精神神経科)の白熱した議論は、それぞれの立場の違いがはっきりとでていました。竹田先生は、LDについての最新の研究では、認知的な聴覚の問題がかなり重要となっていることを指摘されました。
 3日目の研修会では伊豆逓信病院の二上哲志先生の「LDとはなにか」はすっきりとしていて分かりやすい話でした。「ADHDの子どもとLDの子どもとは多動など現象的ににている部分を持っている場合もあるがLDは認知過程の障害である」と強調されていました。神奈川クリニック加藤の加藤先生はLDの中核的な症状として1.Dyslexia 2.書字障害 3.算数障害をとりあげ、書字障害と算数障害は合併する場合が多いと言う報告をされました。
 最後に、教育現場の話として、滋賀県三雲小の小西善朗先生が実際の教育での指導について、大変具体的で楽しく作文指導などについて話をされました。このような3日間で、医学的な難しい話はほとんど理解できないという面もありましたが、多くの先生と知り合いになることができ、刺激も多く、とても有意義でした。

■パソコンバンク便り

パソコンを寄付

 和田勝 日本イーライリリー(株)情報技術部 WADA_MASARU@lilly.com
 このたび日本イーライリリー(株)は、パソコン・バンクをとおして養護学校などにパソコンを寄付しました。これらのパソコンは、輸送を担当するボランティアの方々を通じて、千葉大学の障害児心理学(梅谷)研究室、東京都立光明養護学校、人間能力研究所(グレン ドーマン主催;神戸市)等に設置されました。これらのパソコンは、障害を持った子供達の療育目的で活用されています。パソコン・バンクの方から障害児のパソコンの使い道を伺いました。「障害児は、特に重度の場合、外部から何かを与えられる受動的な立場での社会参加に限られてしまう場合が少なくなく、音楽や絵を描くことで自分の意志を表出することも成長する上で大きな意味があると考えます。いわば「自分で遊べる力を養う」とでもいうことになりましょうか。その仲介役としてパソコンを使い、言葉のなかった子供が言語を獲得していった例があります。多動で指導のしようがなかったような子供が30分も集中できる授業になった例もあります。夜寝なかった子供がきちんと寝るようになったという話もあります。同じゲームで遊ぶことで障害児を疎外していた兄弟が一緒に遊ぶきっかけにもなりました。加古川養護学校では下校してから遊びに行けないので同級生とメールを交換したり、インターネットへの接続をしている子供もいます。石川県では卒業後にも学校と関われるようにと通信に使うことを検討しています。また、千葉大学では教材の開発と分析、また現役教員への啓蒙活動に使われるそうです。光明養護では学校のサーバとして利用されると聞いています。


■兵庫県のインターネット利用のガイドライン その三

 平成9年度インターネット利用推進協力者会議
 兵庫県立教育研修所
 以下のガイドラインは、兵庫県の「インターネット利用推進協力者会議」が作成したものです。兵庫県の公立学校がインターネットを使った適切な教育をするうえで、児童生徒や教師が守るべきエチケットなどか定められています。4月号から数回にわたってそれを掲載しています。

2 生徒編 電子メールについて

2-1-1 電子メールとは
 電子メール(以下、メールと書きます)は、インターネット上でやり取りするコミュニケーション手段です。手紙よりも速く相手にとど届けることができ、電話と違って、相手がいないときでも伝えることができる便利なものです。
2-1-2 メールでの交流
 メールでは、人と人との交流を大切にしましょう。コンピュータの向こうには人がいることをいつも意識し、心のこもったメールで交流の輪を広げましょう。
2-1-3 内容を正しく伝える
 メールでは互いの顔が見えません。品位のある内容、正確な表現を心がけ、誤解が生じることのないようにしましょう。
2-1-4 人権の尊重
 メールで悪口など人の心を傷つけること、うそやデマなど人を困らせることを書いてはいけません。自分が迷惑と思うことは相手も迷惑と思うはずです。
2-1-5 のぞかれるメール
 メールは手紙よりハガキに似ており、送信する途中でだれかに見られる可能性があります。見られて困るようなメールは送らないようにしましょう。
2-1-6 個人情報の保護
 メールで、友人などの住所や電話番号などの個人情報を勝手に送信してはいけません。そのような場合は本人や保護者の許可を得ましょう。
2-1-7 メールでの売買
 学習活動の一環で、メールを利用して物品の売買や交換などをするときは必ず先生や保護者の許可を得ましょう。金銭に関する行為は、後で多額の請求が来るなどのトラブルを招くことがあります。
2-1-8 使用できない文字
 メールには半角のカタカナを使わないようにしましょう。 文章が相手に正しく伝わらないことがあります。
2-1-9 タイトルは簡潔に
 毎日たくさんのメールを受け取る人にも自分の送ったメールを見てもらえるよう、内容が一目でわかるようなタイトルをつけましょう。また、全角20文字以内で簡潔に書きましょう。
2-1-10 署名を入れる
 本文のはじめは、「○○学校の××です。」と自分の名前から書き出しましょう。また、おわりには、自分のメールアドレス(1)を書きましょう。
2-1-11本文は簡潔に
 本文はわかりやすく、しかも簡潔に書きましょう。1行の文字数は全角で38文字程度にし、文頭を一字下げたり、段落の終わりに空白行を入れるなど、相手が読みやすい文章を心がけましょう。
2-1-12 迷惑メール
 メールにサイズの大きいファイルを添付したり、特定の相手に大量のメールを送りつけたりしてはいけません。相手のメールボックス(2)があふれてしまい、本当に必要とするメールが届かなくなることがあります。
2-1-13 添付ファイル
 コンピュータウイルス(3)を含む恐れのあるファイルは絶対に添付(4)して送ってはいけません。
2-1-14 メールアドレスは正確に
 メールアドレスは書き間違いやすいので十分注意しましょう。誤って大切なメールが他の人に届いたり、行方不明になってしまうことがあります。
2-1-15 確認メール
 メールをくれた相手にすぐに返事が書けない場合は、「メールを受け取りました。」という確認のメールを出しましょう。メールは届かないこともあるのでメールを送った人は届いたかどうか気になるものです。
2-1-16 よく考えて書く
 メールに返事を書くときは、一度インターネットを終了して下書きをするなど、よく考えてから書きましょう。
2-1-17 メールでの勧誘
 メールによるいろいろな勧誘に安易に応じないようにしましょう。犯罪に巻き込まれる可能性もあります。
2-1-18 チェーンメール
 「このメールを出来るだけ多くの人に送って下さい...」というようなメールをチェーンメールといいます。チェーンメールは絶対に送ってはいけません。善意のものでも多くの人に迷惑をかけます。また、金銭に関するものは犯罪になります。自分では気付かずにチェーンメールになっていることがありますので文章表現には十分注意しましょう。
2-1-19 不審なメール
 差出人が不明のメールは不用意に開かないようにしましょう。特に添付ファイルには注意しましょう。コンピュータウイルスに感染する危険があります。
2-1-20 間違いメール
 間違えてメールを送ってきた人を責めないようにしましょう。また、すぐに返送してあげましょう。
2-1-21 メーリングリストへの参加
 メーリングリスト(5)に参加する場合は、そのグループの目的をよく調べ、先生の許可を得て参加しましょう。
2-1-22 話題に合わせる
 メーリングリストにメールを送る場合、これまでの発言内容の流れを十分に知った上で、話し合いの流れを進めるようなメールを送りましょう。
2-1-23 送るときのマナー
 個人宛のメールをメーリングリストに送ってはいけません。グループ全員に送ることが必要なメールだけを送りましょう。
2-1-24 新着メールのチェック
 自分宛に新着メールが届いていないか定期的にチェックしましょう。急ぎのメールが来ているかも知れません。また、放っておくとメールボックスがあふれて新しいメールが受け取れなくなるかもしれません。
2-1-25 メールは個人のもの
 他人に来たメールを勝手に読んだり、他人のメールアドレスを使ってメールを送ったりしてはいけません。メールアドレスは一人一人のものです。
2-1-26 パスワードは大切に
 パスワードはメールのやりとりをする時に必要な自分だけの合い言葉です。他人に絶対教えてはいけません。
2-1-27 パスワードの管理
 パスワードは他人にわかりにくいものにしましょう。また、見破られないよう、定期的に変更しましょう。

■THE MAGICAL TOY BOXのご案内 第4回イベント

 今回のテーマは 「スイッチ1つで拡げよう重症児の世界」「障害が重くてもコミュニケーションをしているはず。なんとかそれを豊かにできないだろうか?」この思いを実現するために、見る聞く段階の遊びの工夫から始めて、障害に合わせたスイッチを使用したテクノロジーの利用をご一緒に試みてみませんか。
主催:THE MAGICAL TOY BOX
 吉澤千恵・三室秀雄・小松敬典・金森克浩・禿 嘉人
アドバイザー:中邑賢龍(香川大学教育学部助教授)
       松本 廣(国立特殊教育総合研究所室長)
       畠山卓朗(横浜総合リハビリテーションセンター)
後援:東京都肢体不自由養護学校PTA連合会(予定)
   リハビリテーション工学カンファレンス、特殊教育SIG(予定)
協力:アップル・日立・キヤノン
   富士通・IBM(予定)・マイクロソフト(予定)
   パシフィックサプライ・昭和貿易(予定)・WISTA
   NTTPCコミュニケーションズ(予定)
   おもちゃ図書館(予定)・ONE・STEP企画(予定)
   埼玉の障碍児教育とコンピュータ利用を考える会(予定)
   障害者とコンピュータ利用教育研究会
   かしのき工房(予定)・TEC・杉並ここと(予定)
○期日:1998年8月1日(土)13:00〜16:00(一般展示)
     16:30〜19:00(イブニングセッション)
19:00〜20:00(ナイトセッション)
     2日(日)10:00〜13:00(AACセミナー)
       13:30〜17:00(公開講座)
       14:00〜16:30(製作講座)
○会場:東京都立光明養護学校
   東京都世田谷区松原6-38-27 Tel 03-3323-8421
 (交通= 新宿より小田急線で約15分。梅ヶ丘駅から徒歩3分。)
○参加費:無料。
 ・ただし、1日目のナイトセッションの食事代。
  2日目のセミナーと公開講座については資料代は別途かかります。
 ・ナイトセッション、セミナーと、公開講座については、事前の申込が必要です。
  所定の用紙を事務局までFAXまたは郵送して下さい。
  また、申し込まれた方のキャンセルはききません。
 ・それ以外の一般展示、イブニングセッション、制作講座に参加される方は直接会場までいらして下さい。
●お問い合わせ
吉澤千恵 東京都狛江市東和泉2-20-5 Tel 03-5497-2140 Fax 03-5497-6766
金森克浩  NAH00531@niftyserve.or.jp
ホームページ http://member.nifty.ne.jp/kinta/

■市販教材の紹介
「SIM Park」

「SIM Park」はプレーヤーが自然公園のレンジャーとして、みんなに愛される公園を作るゲームです。動物や植物をその生態系を考えて、用意された費用の中で購入し、公園を運営していきます。対象は小学校高学年から大人まで十分に対応できると思います。
 ○チュートリアル
   初めてこのゲームをするレンジャー向けです。ゲームの難易度も選ぶことができます。カエルのリッゾが基本的な操作を教えてくれます。リッゾは公園建設の最良の方法を教えてくれます。リッゾが公園内の動植物にインタビューしてくれるので、公園内の状態をすぐに把握することができます。
    ・名前当てクイズ、鳴声当てクイズ
 ・画面上での電子メール、予算、エイリアンのいたずら
  など
 ○アクティビティ・ガイド
 この活動の目的は野外で必要な知識、準備についての説明です。
 動植物の種類や数、気候、災害などに注意して、公園の管理をすることが大切です。自然と人間が共存するためのあらゆる手だてを公園作りでは考えていかなくてはなりません。「SIM Park」終了後に単なるゲーム以上の価値を見いだす人も多いでしょう。
<発売>
マクシス株式会社 ユーザーサポート
〒150 東京都渋谷区恵比寿南3-9-7 斎勘ビル2階

「ランドセル-小学5年」

 このCD-ROMはハイブリッド版でWindows95/NT版とMachintosh版の両方で使えます。対象は、小学校5年生です。
 「ランドセル-小学5年-」は、平成4年度から施行されている文部省の「小学校学習指導要領」になるべく準じるように構成されています。構成は、算数・国語・理科・社会・音楽・家庭科・昼休みの7つからなっています。各教科ごとに、問題とヒントが用意されており、レベルに応じて学習できるようになっています。操作はマウスのみで行うことができます。
 昼休みには、「手話をおぼえよう」「キーボードになれよう」の2つが入っています。手話のほうは、50音順に手話と数字が並んでいます。
 カラフルで、動きのよい画面と一枚のCD-ROMに全教科が収録されていること、さらに昼休みのような楽しいゲームが入ることによって、気楽に多教科を学習できるソフトになっています。ランドセルは小学1年からのシリーズものです。
<発売>教育&マルチメディア がくげい
〒530 大阪市北区野崎町6-8
ノース梅田ビル9階 TEL(06)365-5315 Fax.(06)365-5316

「ちびっこくらぶ」

「CHIBIKKO」をダブルクリックしてスタートします。動物を絵合わせすると、楽しい学習が始ります。主に就学前のお子さんや小学校低学年を対象としています。
 ○ちびっこでぱーと
   お買物学習です。デパートの中をいろいろ回って、おやつを買ったり、ゲームを楽しんだりすることができます。
   ○ちびっこひらがな
   文字学習です。読み方、書方を学習します。書方はマウスを動かして行います。書始めは正しい位置にマウスを置くと、その部分が黒く変化します。
 ○ちびっこ123 きんぎょ
   たくさんあるゲームの一つです。マウス操作が少し難しいと思われますが、それも練習と思ってやると上達するでしょう。きんぎょすくいのアミはマウスで動きます。
 他にも、交通ルールの学習もあります。画面上にはヒントが必ずつきますが、操作方法、問題の意味をわかりやすく教えてくれます。
お問い合わせ
<発売>教育&マルチメディア がくげい
〒530 大阪市北区野崎町3−2
    平成AYビル3階 Tel.(06)365-5315 Fax.(06)365-5316

  
■皆さんからのお便り

近況です。

 高木浩三 府立寝屋川養護学校 takakiko@zb3.so-net.ne.jp
 ご無沙汰しております。先日骨董的価値のNEC98ーRXを学校に持っていき教室にお いて子どもたちに自由に使わせてみました。一般中学からきた子どもの中にはコンピ ュータに触った経験をもつ子どもも結構いました。5インチのドライブが動かなくな ったので3.5インチドライブで稼働しています。フロッピーを差し込んだまま直接電 源を切っても壊れずに動いています。ゲームしか用意していませんがコンピュータの 周りに数人が取り囲ん楽しんでいます。ゲームを協力して楽しむまでにはいきません が、スイッチの入れ方等知っている者が知らない子どもに教えているなど自然な状態 で社会性をはぐくむ一つになっています。寝屋川の近況です。

本ができあがりました。

 佐藤恵利子 札幌市 yutaka@cryo.affrc.go.jp
 やっと本ができあがりましたのでお送りします。渡米前からいろいろな方々にご親切にお世話いただきました。本当にありがとうございました。今こうやって自分の本を手にとってみますと、マジソンへの想いが一気にふくらんできます。私の周りの人々は、遠い外国の話には関心は薄く、私もあまりマジソンのことを話さなくなっていました。この本が売れなくとも、私たちの思いを込めた本が残ったということがとても感動的です。それで満足しています。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

先日の勉強会は大変勉強になりました

 酒井瑞雄 高知県立山田養護学校 msmizuo@ps.inforyoma.or.jp
 先日は、研究会の例会で大変勉強になりました。自分も学習ソフトウェアーを作成しているのですが、今一つコンピュータを使う意味が、と言うか使う価値がどこにあるのか分からりません。とりあえず、楽しく勉強ができるように、ゲーム的な要素を取り入れたドリル中心になっています。もっとコンピュータの特徴を生かした物を作りたいのですが分かりません。例えばインターネットを使った学習は、コンピュータのだからこそできる、コンピュータの特徴のひとつが生きていますよね。精神発達地帯児の学習は、コンピュータの擬似的な体験よりも,実際に物に触れ,実際にやってみる方が、学習効果があがるのは言うまでも無く・・・・。これが、本校の先生方の「パソコンを使うのが積極的でない」,一つの理由になっているのでは,と思ったりします。 ぜひまた,高知での勉強会を開いてください。

障害児コンピュータフェスタのご案内

 前田卿子 静岡医療福祉センター sifc@fuji-mt.or.jp
 97年から、当センターで障害児コンピュータに取り組んできましたが、98年夏休みに、入院の中・高校生も一緒に参加して、障害児コンピュータフェスタを企画しました。当センターの職員にも、もっとコンピュータを使えるようになって欲しいことと、地域の学校の先生や病院の作業療法士さんから、コンピュータに対する問い合わせがあるので、交流と研修を兼ねて、こども達も楽しめて、パソボラ、地域のネットの人達との交流を深める機会にしたいと、思っています。
○障害児コンピュータフェスタ
7月25日(土)10時から15時
 一部A 障害児用ソフトの紹介 (10時から12時)
        スピーキングダイナミカリ
                    ボードメーカー
                        ハイパーカードによる自作ソフト
                 スーパーユキ
 一部B こども達の製作 Tシャツ 絵はがき イラスト
 二部  自由閲覧  (12時から1時)
     キッドピクス、ポンキッキシリーズ、算数ワンダーランド
     おばあちゃんとぼくと、修学旅行へ行こう、さわってみよう、
     MESソフト、ゲームソフト
 三部  障害児用入力装置の紹介 (1時から2時)
     キネックスオンボード
     テクノツール小型キーボード
     ヤノインテリキー
     トラックボール(ターボマウス)
 マウスムーバー
     ジョイスティク
 四部 インターネットの紹介  (2時から3時)
   さて、以上の内容にしたいと思っていますが、今年の予算でコンピュータ入力装置を色々購入しましたが、ヤノインテリキー、テクノツール小型キーボードがまだ使いこなせていません。また夏にMESで、ハイパーカード講習会なり、入力装置の講習会があったら教えて下さい。参加出来たらと思います。
 当センターでは,コンピュータ訓練とは別に,入院の中・高校生のパソコンクラブ を開始しました。地元の私学進学校のパソコンクラブのメンバーが,合流することになりました。パソコン講習では,コンピュータの基本操作が出来ること,文章作成・保存が出来ること,インターネット,メールが使えるようになること,自分達のホームページが作れるようになることを目標にしたいと思っています。地域の中・高校生とのいい出会いになればと思っています。静岡の近況がてら、メールしました。

大コンの報告

 丹羽 登 大阪府立茨木養護学校(兵庫教育大学大学院)
  nobchan.niwa@nifty.ne.jp
 丹羽です。今日、久しぶりに大阪養護教育コンピュータ研究会(通称:大コン)に行きました。クラリスワークスを使って修学旅行の事前指導を行った例や、その他の指導など先生方の「こんなことしたら楽しんでくれるかな」という思いに満ちた使い方を見せてもらいました。何気なく使っているワークスでも、使い方一つで楽しい教材になりますね。
 それから、大阪情報教育研究協議会(通称:大情研)の話が出ました。大情研は主に大阪府内・大阪市内の高等学校の各教科や教務研究会などが研究会として参加し、さらに衛星都市の教育センターなども参加している団体です。ここに参加している研究会やセンター、協賛団体と共に、今年度は専門委員会を作り主にインターネットの普及活動を行うことになりました。「e-mailの活用」「ホームページ(情報協&各研究 会)」「有害、危険情報への対処・モラル」「児童生徒のイベント(作品展?)」といっ たところです。
 今回、私は大コンから「ホームページ」関係の方に出してもらうことにしました。高校の教員とどの様に話を進めていこうか今から悩んでいます。
 さらに、7月末(夏休み)の話題が二つありました。一つはNHK特集で「教員向けのインターネット入門(正式名は忘れました。NHKのHPにはまだ出ていません)」がシリーズであるので、校内の教員に紹介しましょうということです。もう一つは、NTTの無料体験教室が7/27に全国のNTT関係の支所等で行われるので、テレビ会議システム等が体験できるのでは(フェニックスを使うのかな?)ということでした。まだ、まだ募集の方は行けそうですので、7/27に予定があいている人は、参加してみてはどうでしょうかということでした。「初心者の先生のためのマルチメディア活用研修会」という会合でそのURLはhttp://www.wnn.or.jp/wnn-s/です。
 そうそう、大阪府立盲学校では、使う先生方から1月に1000円を集めて専用線を引いたそうです。教頭先生が音頭をとるとうまいこといくものですね。

大コンの例会から

 中島康明 大阪府立盲学校 情報処理科 y-nakashima-sjt@osf.sumiyoshi.osaka.jp
 MES例会はいかがでしたか。PC-UNIXはおもしろそうですね。ホームページも気になりますので夏までには一度お邪魔したいと思っております。大阪養護教育コンピュータ研究会のほうはここ2-3年停滞気味でしたがその理由が何となく分かってきました。ようするに「ネットワーク」に(人が)対応していないのです。コンピュータを使った「コミュニケーション」を考えないといけないとおもいます。しかし教材づくりも大切な部分ですしうまく両方をすすめる方法を考えないといけません。
 ということで今年も第3土曜日に例会をしていく事になりました。MESは第4土曜ですか。ま第1金曜日には必ず幹事会を持つつもりです。メールもしっかり使わないとコンピュータ研究会の看板が泣きますから。ACEもなんとかしていのですが・・  Win98のデベロッパー向け配付が始まりさっそく盲学校でも試用開始です。今回から障害対応が簡単になるとのふれこみですがどうでしょうね。国会の補正予算でのネットワーク実験校もいよいよ本決まりのようですしimacやらJAVAやら情報を追い掛けているだけでわくわくします。でも子供達はLCとキッドピクスで絵を描いてよろこんでくれています。このへんの落差がなんとも言えません。

ベットサイド学習とネットワーク

 渡部親司 島根県立出雲養護学校(兵庫教育大学大学院)
  m97332h@students.hyogo-u.ac.jp
 島根の緑が丘のIくんのコンピュータ指導ですが、インターネットを使うと端末からファックス送信ができることを保護者の方に説明したところ、I君の自宅にファックス機能のついた電話機の購入を検討してみるとの返事がI君のお母さんからありました最近、ファックス付きの電話機が安くなっていることも、説明しました。まるで電話機のセールスマンのようで、すこし、教育の本分からはずれるのですが・・・  お母さんの話では、I君は人工呼吸器をつける以前は、自宅のほうにもよく電話をかけてきたそうですが、人工呼吸器をつけてからはそれもできなくなったとのことです。現在はお母さんが週に2〜3回病院に面会にきて、そのときだけ保護者同伴で学校に登校するというかたちをとっています。そのため、お母さんの面会日以外はI君のほうから伝えたいことがあっても、人工呼吸器をつけているため喋ることがしんどいI君は、電話等でおうちの人に自分から連絡を取ることができません。保護者の方の理解もあり、なんとかそれがまたできるようになるかもしれません。今まで、できなかった、あきらめていたことがまたできるようになるということは、I君にとってもおうちの人にとっても、家族とのコミュニケーションを深める意味で大切なことだと思います。このようなかたちで、I君にとって身近な大切な人から徐々にコミュニケーションをひろげていければと思います。
 話のなかでお母さんから、「は〜、(インターネットで)そんなことができるんですか」とか「(コンピュータを使うと)漢字も書けるんですか」という返事がありました。技術の進歩やサービスの進歩を紹介することで、その人たちの生活がより快適に過ごせたり、より豊かになったりすることにつながれば、それはそれですばらしい教育ではないかと感じました。コンピュータでできること、インターネットを使ってできることというのは、まだまだ世間ひろく一般に伝わっているわけではないのだと思います。私は単にその技術を紹介するに過ぎませんが、それでも、このような事例を積み重ね、全国でベットサイド学習を続けている子どもや保護者さん、教師に紹介することは、本当に必要なやりがいのある仕事だと感じています。

千葉の情報教育

 渡辺正夫 w.nabe@ma4.justnet.ne.jp
   千葉県の情報教育の件ですが,県の特セに聞いたところ,盲・聾・養護学校の情報教育部会と特殊教育部会と特殊教育連盟の視聴覚研究部会があって,それぞれ委員が学校より出ているそうです。そこで,情報教育(コンピュータの活用方法及び実態調査)の分科会をおこなっているようです。平成11年2月16日にその分科会が開催されるそうです。 また,ホームページは仁戸名養護学校と高等部のみの知的障害の養護学校である流山高等学園がやっているとのことでした。 まだまだ,遅れているのが現状です。

日米の特殊教育における支援テクノロジーの活用テレビ会議

 棟方哲弥 国立特殊教育総合研究所 munekatt@nise.go.jp
 この夏に国立特殊教育総合研究所で教育工学会が開かれかす。執筆依頼や原稿用紙が6月8日に発送され、原稿締め切りは7月3日となります。それから7月16日に「日米の特殊教育における支援テクノロジーの活用」に関するテレビ会議が開かれる予定です。新しい動きのある分野は期待が持てます。

会報は以上です。では8月号をお楽しみに。なお、住所が変更になった方はお知らせください。