障害者とコンピュータ利用教育研究会 MES

673-14 兵庫県加東郡社町山国2006-48-613
0795-40-2205

naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
URL http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/mes/july97/july97.html

MES自作教材集CD-ROM'97の発行はもうすぐです。ご期待を。 ******************************************************
1997年7月の会報(No 84)

7月会報のトピックス

■MES第83回関西例会のお知らせ

■第83回関東例会のお知らせ

■第84回MES例会とネットワーク利用の障害児教育ワークショップ

■静岡医療福祉センターでの講演会に参加して

■第82回関東例会報告

■第82回関西例会報告

■自閉症児を連れてアメリカへ

■パソコンバンクへ情報をお寄せ下さい

■POEM'97に向けて

■埼玉の障害児教育とコンピュータ利用を考える会

■第4回MES高知例会の報告

■市販教材の紹介

■皆さんからのお便り

MES第83回関西例会のお知らせ
日時:7月26日(土) 2:00-4:30pm
会場:兵庫教育大学学校教育研究センター 電話 0795-40-2205
  幹事 岩井宏氏、渡部親司、曽根秀樹氏
交通:地下鉄やJRはありません。ハイウエイがあります。
社パーキングで下車、080-57-48860か40-2205をかけると車が迎えにいきます。
初心者や親子連れの参加を歓迎しています。
内容
・タイポグラフィとQuarkEpressを使ったDTPの奥義--講師: 荒木博申助教授
・ネットワークの体験
・ビデオカンファレンスの体験
・CD_ROM97の全容紹介
・Unix上でのサーバーの管理のしかた
●その他、いろいろ学べます。お越し下さい。               もどる


第83回関東例会のお知らせ
初参加の方も大歓迎です。どうぞお気軽にいらして下さい。
日時: 1997年7月12日(土) 2:00--5:00PM
会場: 東京都立綾瀬ろう学校   実習棟2階工芸製図室
     〒124 東京都葛飾区西亀有2-58-1
電話 03-3606-0121 代表
FAX 03-5697-0275
お世話役: 横枕(よこまくら)雄一郎氏
交通
千代田線 綾瀬駅下車 (西日暮里から3つめです。15分くらい)。先頭(松戸方向)の方の階段から下りていき、東口改札口を出て、左側の柱に地図があります。それをご覧下さい。徒歩7分です。(車での来校はご遠慮下さい。)
内容
自作スタック・ソフト紹介 市販ソフトの紹介
Q & Aコーナー
その他

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■第84回MES例会とネットワーク利用の障害児教育ワークショップ
 恒例になったネットワークのいろいろな活用方法を学ぶ研修会を開きます。インターネットの接続はもちろん無料!ネットワーク活用の方略やスキルを学びます。どうかお申し込み下さい。なお、このワークショップは第84回MES例会を兼ねます。
日時 8月3日(日)-5日(火)
会場 兵庫教育大学学校教育研究センター
内容 イントラネット、インターネット接続方
    100倍楽しくなるインターネットの利用
    ビデオ会議をやろう
    障害児教育利用のインターネットのあれこれ
    インターネットと情報公開、著作権などの課題

宿泊  3日 兵庫県立嬉野台生涯教育センター
     4日 兵庫教育大学ゲストハウス, Hotel Narita

申し込み

  naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp, NIftyServe: MGH00175
   0795-40-2205

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■静岡医療福祉センターでの講演会に参加して
 去る5月24日に静岡市内にある静岡医療福祉センターで、同建物の中にある静岡県立南部養護学校の主として肢体に不自由な子どもと親、教師、医師、看護婦が約60名くらい集まり、いろいろな入力装置を使って教材を楽しむ会が開かれました。この会はセンターの前田卿子小児科医師が中心になって、コンピュータを使った学習や余暇の充実を推進している活動の一環です。

 当日は、親子や教師らが10台あまりのコンピュータにつながったさまざまなスイッチなどを使い、一緒に楽しむ姿が見られました。伊豆医療福祉センターの板垣指導員<itamac@shizuokanet.or.jp>や静岡大学教育学部養護教員養成課程の辻田さん<gouki@fuji-mt.or.jp>らも参加し、ボランティアとして前田医師らの働きを支援したいとおっしゃっていたのが印象的でした。また参加した親からいろいろな入力装置や市販、自作教材をどのように入手できるか、などの質問がでました。MES CD_ROM97の制作も強く期待されていることを感じました。

 前田医師は、研究会の会員でもありますが、ToyBoxなどの例会にも参加され、精力的に障害児のコンピュータ利用を支援されています。現在はご自身でネットワークを使いメールやWebのページを開くとともに、県内はもちろん県外の医療福祉関係者との連携を深め、互いの活動を刺激し合いたいという強い希望を持っておられます。近い内に肢体不自由施設の小児科医師の会でネットワークの活用と普及を呼びかけると張り切っておられます。

 ◎連絡先 静岡医療福祉センター 前田卿子氏 sifc@fuji-mt.or.jp 054-285-0753

●講演会に参加して…
 辻田剛己 静岡大学教育学部3年 gouki@fuji-mt.or.jp
 今日は本当にありがとうございました。とても有意義で楽しい一日を過ごすことができました。僕はまだパソコンをいじり始めて1年ちょっとですが、もうすっかりのめり込んでいます。今使っている機種はMacintosh PowerBookDUO2300cで、1ヵ月程前に購入しました。SCSIマイクロドックが手に入らなくて困っています。今日の講演を聴いて、自分も自作教材造りに挑戦してみようと思いました。

 僕は特に自閉症に関心を持っていて、現在自閉症児者療育サマーキャンプの実行委員長をしています。このキャンプは対象児40人、兄弟20人、親60人、学生ボランティア60人その他先生などをを含めて200人近い人数で、親と子どもは各々別行動をとります。今年は三ヶ日青年の家で、8月14日〜16日の3日間行います。このキャンプでもパソコンをうまく活用していきたいと思っています。自閉症に対する社会的認識はまだ非常に低いので、今後ホームページなどを開いて自閉症を紹介し、少しでも正しい認識が広まれば良いなと考えています。また、重度の脳性マヒの子どもたちとも家族ぐるみのおつきあいをしているので、一緒にパソコンを使って楽しみを共有したいと思っています。

 今日知り合ったお母さんに頼まれて、さっそく来週月曜からパソコンを教えに行くことになりました。また話は大きくなりますが、今後養護学校と普通学校、家庭や大学、医療機関、行政機関などを全てコンピューターネットワークでつなぎ、お互いに情報を交換しあう必要があると思います。僕の勝手な理想ですがいつの日か実現させたいです。

 話は変わりますが僕もマラソン等のスポーツは大好きです。子どもの頃から10年以上ウインドサーフィンというスポーツに情熱を注いできました。勉強とボランティアとウインドサーフィン、それにアルバイトなど、やることがたくさんありすぎて1日が24時間では足りないくらいです。大学生活に悔いが残らないように、これから全てのことに100%力を注いでいこうと思います。

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■第82回関東例会報告
 宮下恵子 QZQ05767
 梅雨とはいえ、よく晴れた6月第2土曜日、神奈川県立保土ヶ谷養護学校をお借りして、第82回関東例会が行われました。森先生や佐々木先生をはじめ、保土ヶ谷養護学校の先生方には大変お世話になりました。保土ヶ谷養護学校は、箱根駅伝で有名な権太坂のすぐ近く、住宅地の中なのですが、裏山には豊かな自然が残る良い環境にあり、昨年からMACが導入されました。

 恒例の自己紹介から始まりましたが、栃木県や静岡県からの参加者の他に、保土ヶ谷養護学校の保護者も参加してくださり、総勢16名と盛会でした。近況報告に含まれたエピソードの中で、「シムジュース」をやりながらフロッピーの取り出し口に手を当ててジュースを待っていたお子さんや、画面いっぱいに描いた絵を消すためティッシュを持ってきたお子さんの話がとても印象に残りました。

 はじめは、本日のヒーロー、T君の登場です。お母さんを始め大勢の参観者の中で、森先生と一緒に、普段の学習風景を披露してくださいました。「カタカナ」の学習です。なぞり幅の許容範囲を生徒に合わせて変更できるため、T君のなぞった跡はかなりジグザグになりましたけれど、正解として認知され、T君も満足そうでした。この教材は前々回紹介されましたが、若干の改良を加えて夏のCD-ROMに集録されるそうですので、楽しみです。T君は、小指などが画面に触れて2点を感知してしまうことを防ぐ為に、指ではなく、棒でパネルにタッチしていました。他にも、乗り物のムービーを使ったマッチング教材を紹介していただき、拍手の中、T君は自分の活動に戻りました。森先生は、MACを媒介にして、「人やかものに関わるとおもしろい反応が返ってくる」ということを知らせ、コミュニケーション能力を広げていきたいと考えて実践されていらっしゃるそうです。

 栃木県立今市養護学校の宮田先生からは「朝の会」を紹介していただきました。黒板代わりに作られたとのことですが、軽快なテーマ曲のオープニングに始まる大作です。オープニングの曲で生徒が集まってくるそうです。そして、出席確認、係の確認、カレンダー、天気、今日の流れと進んでいきます。係の生徒が進行させていきますが、約25分かかるそうです。集団で学習する目的なのでプレゼン的要素が多くなり、特定の個への配慮は薄くなっているとのことです。

とはいえ、出席確認の時にはランダムに名前が呼ばれるようにしてあったり、画面の名前を押すとその生徒の写真がでてくる、マッチング学習の生徒の為にカードの文字を大きくして提示するボタンをつけるなど、たくさんの工夫が盛り込まれていました。特に、曜日の確認では、カレンダーを週ごとに切り離して曜日欄と隣接させるアイデアに、なるほどと思いました。会場から、授業風景の写真の併用について質問がありましたが、必要のないレベルと判断されたそうです。ちなみに、この教材は「AuthorwareStar」で作成されています。「AuthorwareStar」はフローチャート式にアイコンを並べていけばよいので、スクリプトをかかずにすむという利点があります。(しかし近頃では手に入りにくい!)

 千葉県立野田養護学校の熊谷先生からは3点紹介していただきました。1点目の「とんでマット」は、インテリキーのボディ版?でした。体をを動かせるので、なかなかユニークな使用法が考えられそうなのですが、肢体不自由者用に改造するためには中が公開されていないので困難とのことです。2点目の「「日本地理チャレンジャーズ」は、とてつもない大作で、沖縄から出発し正解数が基準に達するまで他の県には行けません。北海道に到達するには気が遠くなる思いです。途中でやめる時にパスワードを記録しておくのは、まるで一昔前のRPGのようです。海流や川の名前には難しいものもありましたが(単に知識不足?)、用語を記入するテスト問題や白地図もあるので、かなりの実力がつくと思います。

 3点目は「KidsBox」でした。「スイッチを押したらアクションが起きる」学習の生徒には、キネックスのスイッチイントロよりも反応が良かったそうです。食事時にははばかられるようなアクションがあるかと思うと、輪唱やオルゴールのようなもの、ウゴウゴルーガ風のものなど、多種多様です。おもしろいアクションには、画面に近づいてのぞき込むお子さんをみていて、正直な感想を聞いた思いがしました。

 続いて再び森先生から「校外学習事前学習ソフト」や、「修学旅行に行こう」を紹介していただきました。遊園地の案内図にタッチすると、遊具の写真やムービーがでてきたり、新幹線がだんだんと大きくなって近づいてくるようにみえたりします。やはり、ムービーなど動く画像は生徒の興味をひきつけやすいとのことです。適切な素材をいかに集めるかが勝負かなと思いました。ちなみに、使用された画像は、ビデオから取り込まれていました。これらの教材は、OMOで作られていました。製作者の佐々木先生によると、0M0は、ヘルプ機能は充実しているけれど、絵がリソース化されていない、音声を取り込む機能がない、ウインドウがひとつしか開けない、アプリケーション化できないなどの不満点があるそうです。

 さらに、佐々木先生からは、ハイパーカードでムービーを表示するスタックを紹介していただきました。ハイパーカードに標準で付いているボタンのスクリプトを短く改良したスタックです。そして、SONYのデジタルカメラCyber-Shot DSC-F1を用いて記念撮影をし、終了となりました。

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■第82回関西例会報告
 太田容次  hiroota@sue.shiga-u.ac.jp
 曇り空の5月24日(土)。大阪教育大学教育学部附属養護学校を会場に,関西例会が開かれました。12名の参加で少し寂しい感じでしたが,アットホームな雰囲気のもと,内容の濃い例会となりました。

 まず最初に,ことば共育センターの鈴木先生から,日頃使っておられるエデュテイメントソフトを紹介していただきました。「ことばとあそぼ〜もぐどんのぼうけん」、学研「あいうえお」、ZooCorporation「わいわいキャッスル」という3本のソフトを紹介してもらいました。自閉的傾向のある子どもが非常に喜ぶソフトだそうです。画面を見ながら自由に話しているという場面が日々見られるとか。時には,鈴木先生に先生自身が知らないことを教えることもあるそうです。それがまた自信につながっていったりするそうです。「遊んでいたら話せるようになっていた」という鈴木先生のコンセプト通りのソフトウェアです。

 次に,97年度の自作教材集CD-ROMの作品紹介をしました。まず,「おかねのべんきょう」という教材で,100円や10円など硬貨を使って,指定された金額の硬貨を出すためのソフトです。タッチパネルを使って,硬貨を押すと学習しやすい様です。「なんびきいるかな」は,1〜10までの何匹かひよこやいるかなどが出てきて,それを数字で答えるという教材です。DonJohnston社のスイッチインターフェースを使うと,非常に使いやすいようです。「ジグザグゲームだよ」もDonJohnston社のスイッチインターフェースを使うとやりやすいようです。これは,2点スイッチを使っている子どもが,4点スイッチを使うときに,スイッチで縦・横を自由にコントロールできるようになるそうです。

 次は,計算をする時に,いろんな計算式をスイッチで可能にするためのソフトです。これらのソフトは,神戸市立垂水養護学校大前先生の教材です。また,提供された各種特殊教育情報をHTMLで,すなわちインターネットのホームページ上で見られるように,そして,それをCD-ROMに載せてみようということで,その準備も進んでいるとか・・・

 「なぞり」というひらがなを画面上(タッチパネル)でなぞって覚える教材も紹介されました。久々のHyperCardの作品で,楽しい教材です。是非,OMOで作っていただけたら・・・移植したい方は?という声があがっていました。そうすれば,スピードも,プラットフォームの問題も解決できるのにという声があがっていました。

 なお,関東例会でも紹介された「金魚すくい」を関西のみんなで楽しみました。なかなかの力作ぞろいで,完成が楽しみです。おなじみ大杉さんからは,輸入物エデュテイメントソフトの紹介がありました。"The Art Lesson"というソフトは,スペイン語,英語モード両方で楽しめます。絵を描いたり,福笑いみたいなコーナーなど14のコーナーがあるほか,お話を絵本で楽しむこともできます。日本語版はないものの日本でも楽しめそうな一品です。この後,自己紹介をし大阪名物お好み焼きを食べて例会は終了しました。

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■自閉症児を連れてアメリカへ
IEP指導経過報告
佐藤 裕/恵利子 札幌市 SC6Y-STU@asahi-net.or.jp
 帰国前、テピの担任の先生は、この1年間の学校での指導経過報告とIEPの評価、さらに詳しいアカデミックな学習内容の一覧を私に託した。特に経過報告の方は、今まで私が書いてきたテピの学校についてさらなるに理解の助けになると思ったので、そのままここに掲載する。 なおこの報告内容は学校で行われてきた指導の一部分であることをご了承頂きたい。  テピは日本の役所では、書類処理上必要なので、やむなく知能指数20程度の値を頂いている。太田のステージでいうとI-3からIIの始めぐらいの値だと思っている。著しい精神遅滞と自閉症を合わせ持つ子供だ。(12歳現在)

この報告書を書いたのは20代後半の若い男性教師である。
マディソン教育区特殊教育サービス経過報告書

  生  徒: 佐藤テピ
  年  齢: 12歳
  学  校: ショウウッドヒルズ小学校
  学  年: 5年、6年
  作成者: マット・トンプソン(特殊教育教員)
  作成日: 1996年11月6日

【プログラムの説明】
テピはショウウッドヒルズ小学校に転入後、認知障害を持っている子供たちとのwide range classroom で学習してきた。テピのプログラムは自閉傾向を治療するための特別な活動(specificactivity)と結びつけられた学習スキル(acadimicskill)で構成されている。彼は自分が属する教室だけでなく、統合的な場面でも活動した。

 彼は朝のホームルーム、美術、音楽、体育、その他の行事の度に普通学級に参加する機会を与えられた。彼はまたレストランやスーパーなどで地域活動に視点をおいた指導も受けた。そこでコミュニケーションシステムやトーキング・コミュニケーターを使用して、注文する方法を学んできた。また、市バスに乗り、月2回プールに通い、バスの乗り方を学んだ。

【カリキュラム】
テピの指導は次に挙げる領域を基本とした。
1.感覚統合
2.模倣スキル
3.目と手の協応スキル
4.視覚、聴覚の知覚スキル
5.認知スキル
 上に挙げたプログラム領域はすべて自閉症に関する研究と多様な幼児期早期への介入法から取り入れられた。エリコ(テピの母親)には毎日テピとおこなった特別な活動(specific activity )の概略を説明した。

1.感覚統合
 テピはここショウウッドヒルズ小学校で様々な感覚刺激を受けた。彼は感覚的なアプローチにとても良く応じたと思う。転入当初、テピは10分単位の学習しかできなかった。10分セッションが続けられている間、一日を通して彼の取り組みには、むらがかなり多かった。多くの感覚刺激を受けたあと、テピは課題に集中するようになったように思われる。彼が課題に向かっている間のattentionspanは平均3〜5秒から、9〜12秒へと長くなった。感覚刺激は一日に20分おこなわれた。彼は朝来ると、すぐに外へ出て、学校の周囲を一周、走った。それからもう一周は、運動能力へ関する課題として、スキップ、跳ねる、飛ぶ、すり足、あるいは直線の上を歩くなどの課題をおこなった。

私たちの一日はこうして始まったが、これは心拍の増加とattentionspanには直接相関があるという研究に基づいている。テピの一日もそうして始まり、20分間活動した。5分から10分の休憩の間、手足を外科用の手洗いブラシで擦った。手足それぞれ2分ずつおこなわれた。その他休憩の間には、テピはトランポリンで飛び跳ねるか、据え付けの自転車に乗らなければならなかった。彼は一日中、長時間座ることは許されなかった。なぜならテピは長く座っているほど、不活発になり、反応性が落ちるように思われたからである。彼は、他に粘土、プレイ・ドウ、セラピー・ンド(therapy bands)、よく弾む大きなセラピー・ボール(therapyball)で遊機会も与えられた。上記のアイテムは、テピが周囲の状況との関係を維持するために、一日を通して有効的に使われた。テピは、ほったらかしにされたり、感覚的な働きかけ(sensory activity)で彼のエネルギーを集中させていないと、自己刺激的な行動に没頭してしまう。これは激しく手をひらひらさせたり、顔を叩いたり、自分の目でぶようなこととして現れる。


2.模倣スキル
 テピの模倣スキルはかなり限られたものである。この能力はもっと伸ばしていかなければならない。模倣スキルは学習の基本である。子供たちは模倣ができないと、学習することができない。自閉症児は健常児のようにこれらの能力を身につけていくことがないので指導していく必要がある。こういう基本的な模倣スキルは、手拍子や色々な言語訓練のような、単純で直接的に行動を繰り返して真似ることである。模倣行動は動機付け、記憶、連結した筋肉の動き、筋肉と手の協応といった多くの要素の発達をももたらすものである。


3.目と手の協応
 自閉症者にとってスキルを統合していくことはとても難しい。テピにとってもこのタイプの課題はかなり困難だった。テピは微細運動スキルはよいものを持っているが、目と手の協応スキルはかなり低いものである。この領域を強くするために微細運動、目と手の協応、色々な知覚的課題がテピにおこなわれた。テピはクレヨンを握り、自由に殴り書きはできるので、私たちは彼に枠の中に色を塗らせてみた。また、彼の先生やアシスタントが書いた簡単な形を真似させてみた。紙と鉛筆の課題はテピにとってかなり難しいものであった。


4.視覚認知と聴覚認知
 テピは環境からの感覚的な情報を統合して、状況を正確にとらえることが難しい。
テピのプログラムでは、聴覚と視覚面に重点をおいた。それはそれらが認知機能に密接な関係があるからである。テピは、何を視覚的な手がかりとしていくか学習する経験がもっと必要である。また聴覚的な情報で行動する経験もたくさん必要である私たちとテピの間で行き着いた問題は言語の壁に関することであった。彼は英語での指示を学習しなければならなかった。ここでの学習は言語の壁がなければ、もっとうまくいったと思う。これらの治療的な関わりは日本語でおこなうとうまくいくかもしれない。


5.認知能力
 テピはこの領域では以下のことをおこなった。
(1)コミュニケーションにおける symbolic units の理解
(2)分類、マッチング、および配列課題
 コミュニケーションの壁を作らないように、言葉を基本としない働きかけを精一杯おこなった。認知課題は物のマッチングや組合せ、絵や物の機能別分類、日常的な活動の順序立てへの試み、学校や家でよく使うものの分類などに集中した。

 他にテピに対して、コミュニケーション・システムを発達させることに関して精一杯働きかけた。メイヤー・ジョンソンが書いた線画を使い、学習上の指示、量の概念、前置詞、日々のスケジュール、感情表現やものごとを選択することなどを教えようとした。このようなコミュニケーションにおいては重要なことに関して、まったくうまくいかなかった。彼が自発的に使用できるコミュニケーションシステムがあると有益であろうと思う。しかし、また言語の壁は高かったようである。テピは身体的なコミュニケーションとは違った方法を使って自己表現することを学ぶ必要がある。これは日本語でなら可能かも知れない。コミュニケーションというのは大変難しいものだった。

【まとめ】
 テピは12歳で、1995年11月にショウウッドヒルズ小学校へ入学してきた。
非公式なアセスメントと観察によると、彼の認知発達は全体的に4歳レベルくらいである。彼の自己刺激的行動は新しい情報を得たり、日常的に行動することの妨げとなっている。テピの自己刺激的な行動の量と強さが、評価担当者の関心を引いた。昨年の2月から5月の間に、これらの行動が減少したことを報告した。その際に、彼に手でこすったり、握れるようなものを持たせることで、より方向付けしやすくなった。

しかし、長い夏休みが明けて新年度を迎えると、自己刺激的行動の量や強さを制限することはほとんどうまくいかなくなっていた。これは私たちにはどうにもならないこと、すなわちスタッフの交代、教室の移動、日本への帰国が差し迫ってきたことなど、環境の影響によるものだと思われる。この影響のため、彼はまだ安定したレベルまで回復していないと思う。また、私たちの指導は、言語の壁との戦いをする必要がなければ、もっとうまくいっていたと思う。私たちのおこなったことを母国語でやったら、テピはどのように対応するか見てみたい。自閉症であり、英語が第二外国語であるということは、乗り越えることが大変難しい壁であった。

署名 マット・トンプソン
認知障害専門の教員
ショウウッドヒルズ小学校
マディソン教育地区
(この原稿は佐藤裕氏の許可を得て転載しています。事務局。)

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■パソコンバンクへ情報をお寄せ下さい
 関西の毎日新聞、神戸新聞で大きく取り上げられたパソコンバンクは、MESとの共催で着々準備しています。多くの人からの沢山の反応が来ています。そこで障害の克服に役立つと思われる以下のような情報をお持ちの方は、その情報をお知らせ下さい。
1.障害児が興味を持って取り組んでいるソフトウェア
2.障害の程度とその克服に役立ったソフトウェア
3.障害の克服に役立つと思われるソフトウェア
4.障害の克服に役立つと思われる周辺機器
このような情報をデータベース化して,いつでも見ていただけるようにしたいと考えています。

神戸の井上さん、その他の方々より、パソコンを寄贈していただきました。

●ボランティアや基金への寄付金を募集しています
以下の点で支援をいただける方はパソコンバンクまでご連絡下さい。
1.ハードウェアやOS(MacOS,Windows)に関する知識があり、セットアップやトラブルシューティングに対応できる方(電話によるQ&A含む )
2.ハードウェア(パソコン本体、周辺機器)やソフトウェア(教育関係)を寄付または廉価で提供できる個人または法人
3.無償または廉価で接続サービスを提供可能なプロバイダ
4.基金に寄付できる個人または法人
(連絡先)
「明石地区手をつなぐ育成会」
山平喜一郎 Email:k-yamahr@psn.or.jp
naritas-pcbank1@ceser.hyogo-u.ac.jp

FAX:078(927)3693

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■POEM'97に向けて
MESニュース97   6月12日号
今年のPOEMは関西やっ!
 テーマ Try Your Availavility!! 〜見タイ、聞きタイ、遊びタイ!〜
 開催日 1997年8月2日(土)〜3日(日)
 場所  ATC(アジアトレーディングセンター)/大阪市住之江区南港北
 内容  教材作成、プレゼンテーションコンテスト、企業展示、海外交流等
POEMホームページ6月オープン!
●概要
POEMは一つの交流会です。普段接することのできない人達とのコミュニケーションを図っていただき、お互いが刺激を受け合い、また自分の世界へもち帰っていただく、そんな場にすることを念頭にしています。既に知っている人達同士でも違った一面を発見できたり、教育という枠にとらわれずにもっと色んな体験ができる機会がつくれたらという思いから今回のイベントを企画しました。
●Come to "POEM TOWN" !!
『POEM TOWN』は学校の先生や子ども達による教材作りが盛んな架空の町。ここには沢山の工房があり、ユニークなソフトが作りだされています。夏には町をあげてのプレゼンテーションコンテスト(作品コンテスト)が開かれるため、それぞれの工房では自分達の教材を売り込むための宣伝合戦を繰り広げます。どんなに自分達のつくった教材がすばらしいか、どんなに優れているかを町行く人々にPRしています。町の広場では、壁いっぱいにポスターが貼られたり、デモを繰り広げたりとコンテストを勝ち取るためにいろんな知恵を絞ります。コンテストは投票形式で行なわれ、町の住民、観光客、ビジネスマン、この町を訪れた人みんなに2つの作品に投票する権利が与えられます。一票は自分たちの作品に、そしてもう一票は自分が欲しいと思う作品に。どんな作品がどんな風に披露されるのかは、8/3のお楽しみです。
 また、広場に設けられたステージではさまざまなアトラクションが繰り広げられます。その中でも注目のステージはタイとの交流イベント『見タイ、聞きタイ、遊びタイ!』。ここではタイの子どもたちが取材した素材を元に日本の子どもたちがタイ事情について報告し、新聞制作を行います。
●スケジュール
6月初旬 工房主(親方)と企画の募集(ホームページ、会報、MLなどにて)
6月下旬 工房主(親方)を決定しホームページ上で工房設立→8/2までに作品を仕上げる
7月初旬 pre-POEM(工房主(親方)と協力企業を招いてのスピーチコンテスト)・イベント当日必要な機材、環境等を各親方が町役場(スタッフ)に要請する

8月2日
13:00  町開き(?)
13:30  親方による作品発表(3分間)
14:30  工房開設(機材のセッティング→作業の開始)
17:30  宣伝用ポスターの貼り付け開始
18:00  前夜祭
21:00  前夜祭終了/作業が続行する工房も...
8月3日
9:00   朝の会
9:30   作業開始
10:00  ポスターセッション、各自のデモ開始
13:00  プレゼンテーションコンテスト(作品コンテスト)
15:00  タイとのコラボレーション
16:30  コンテスト結果発表
17:00  各作品のオークション
18:00  町閉め(?)

●各工房でのお仕事
・教材の作成
・プレゼンテーション方法の検討
・各自の企画のポスター作成
・企画に対しての概要案内・報告書の作成

・機材のセッティング、片付け

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■埼玉の障害児教育とコンピュータ利用を考える会 会報 NO.37(1996.6.16)
代表:斎藤 明朗 事務局:和光養護学校 和光市広沢4-3 048-465-9770 櫻井宏明
 とうとううっとうしい梅雨がやってきましたね。とはいっても、梅雨入りしたとたんしばらく暑い日が続き、かと思えば朝は寒かったりと、体調を崩しやすい今日この頃です。みなさんお体をお気をつけくださいね。

 さて、最近のパソコンのモデルチェンジは全く私たちを馬鹿にしているというか、急激なパワーアップを続け、パワーPCの200MHzだのペンティアムの240MHzだの、ちょっと前には考えられないようなマシンが次々と登場しています。CD_ROMも16倍速!技術の進歩を追っていたらきりがありませんね。私はもうギブアップ。今までの愛機を十分使いこなしてかわいがってあげようと思っています。

 ハイテクに目を向けていると、どうしてもその機能に目が向けられがちで、その機能を使って子どもたちになにかできないかと考えてしまうのですが、このところやっと私も原点に戻れるようになってきました。

 そもそも機器を利用する目的はなにか、ちょっとそんなことも考えてみたりしています。別に機器じゃなくたっていいんじゃないか? たまたま機器を利用することでよりよい子どもたちとの関係、大人たちとの関係が築けるから、使っているんだなぁ、うん。(と、一人で納得。)

 実はこのところパソコンは全く子どもたちに使わせることがなく、どちらかというとゴム紐を天井からぶら下げて、寝ている生徒の手につなげてあげて、引っ張りスイッチでラジカセを鳴らしてもらったり、ボイスメモで先生や友達に呼びかけてもらったりして遊んでもらっています。大人がボイスメモの呼びかけでその子に応じたり、ラジカセにあわせて踊りを踊っていたりすると、周囲の子どもたちも、その子との関わり方が変わってくるようになりました。引っ張りスイッチに紙風船を付けて、周りにも紙風船をぶら下げて、一緒にボクシングごっこをやったり、その子の呼びかけで周りの子どもたちが吉本ギャグをやってあげたりと、何となく新しい子どもたちの関係が誕生しつつある気配を感じています。

 道具立ては超ローテクなものですが、こうしていろいろな子どもたちの様子を見ていると、こう言う時の教員の仕事って、道具立てを使って大人や子どもとの関係を結びつけるコディネーターという役割が大きいのではないかと、改めて感じるのでした。

●事務局からの連絡
「活動の記録 第2、3巻」の普及にご協力下さい
 会員でない方に1冊500円(郵便小為替)でお分けいたします。第2巻もまだあります。郵送での受け取りを希望される方は角形3号封筒に送り先と「書籍小包」と記入の上、340円切手を貼って事務局まで送って下さい。是非普及にご協力下さい。

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■第4回MES高知例会の報告
「はちきん」と「いごっそ」の街,高知。
 曽根秀樹 仙台第一中学校 sohideki@edu.hyogo-u.ac.jp
 6月14日(土),高知県立若草養護学校土佐希望の家分室を会場に第4回MES高知例会が行われました。希望の家の利用者の皆さん,指導員さん,愛媛県内の養護学校の先生,県内の養護学校の先生,成田先生,兵庫教育大学の院生等が参加しました。幹事は若草養護学校土佐希望の家分室の柚村正江先生,山田養護学校の横井啓介先生でした。

 兵教大の院生からシングルスイッチのソフト,悪者から逃れ自分たちの町を作っていく「ズンビーニ」というソフト,MESの97版CD-ROMのデモが行われました。希望の家ではKe:nxが導入されており,夜勤あけの指導員さんらが熱心にその使い方を研修されておりました。しかし,希望の家の利用者の皆さんの方が扱い方を熟達しているようでした。希望の家の中を案内していただき,Ke:nxの使い方を話しあっていると新しい使い方を発見しました。 Ke:nxのセットアップをキッドピックスにしておくとファインダーの画面でマウスを動かしたり,クリックできる操作がシングルスイッチで可能なことがわかりました。それで「おばあちゃんとぼく」というソフトをシングルスイッチで見ることができました。

 夜は高知市内の居酒屋で懇親会が行われました。かつおのたたき,くじらの刺身,
さえずり(くじらの舌),あざみの天ぷらを肴に盛り上がった懇親会でした。次の日は高知城,日曜市の見学,インターネットカフェを体験しました。しかし,高知の思い出は何と言っても「はちきん」です。これは高知の女性の気風を表した言葉です。この意味を知りたい人は,次回MES高知例会に参加して下さい。ちなみに男性の気風は「いごっそ」だそうです。

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■市販教材の紹介
●IBMカルロシリーズ10「カルロといこうせかいのくにぐに」
カルロはとっても元気な5歳の男の子です。冒険好きで、世界中を旅をして回っているのでとても物知りです。カルロがあなたを世界中の国々を一緒に探検してまわってくれます。シャベル・ド・シャベールはカルロの友だちで、とってもおしゃべりな男の子です。カルロとはよくけんかをしますが、本当は大の仲良しなのです。最後はピンクドラゴンのピピネラです。カルロたちのお姉さんみたいな女の子です。体はとっても大きくすこしこわそうに見えますが、とってもやさしいのです。
「カルロとせかいりょこう」では、地球儀から地域を選んでクリックすると、カルロが地域名教えてくれます。また、その画面の右上の開設ボタンをクリックすると国名、首都名を教えてくれます。さらに、カメラのアイコンが表示され、それをクリックすると は、国旗のトランプでの神経衰弱ゲームです。間違ってもやさしく教えてくれるから誰でもできますよ。

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■皆さんからのお便り
●時間が過ぎると、、、  佐藤恵利子 札幌市 SC6Y-STU@asahi-net.or.jp

 MESの会報で私の文章を見つける度に、気恥ずかしくなっていますが、それももう終わりですね。ホームページ上のアメリカの報告は一応終了させていただきました。ちょっと寂しい気もしますが、帰国後半年余りとなり、アメリカでの経験はこれからの身近な現実へ向けて昇華させなければならないだろうと思っています。長男の不確定な将来のことを思う度に、アメリカでの大人の障害者達の暮らしなど、たくさん見てくれば良かったなあと後悔も残ります。時間が過ぎると楽しかった思い出の方が、私の中で大きくなっていきます。

●住所変更のお知らせ
 三好城興 名古屋市総合リハビリテーションセンター CXC00143@niftyserve.or.jp
 関西例会では、お世話になりました 三好です。この度、4月より大阪を離れ、名古屋の地へ帰ってきました。現在は、名古屋市総合リハビリテーションセンターで働いております。こどもたちの療育の場からは離れ、いまは大人の身体障害の方達と切磋琢磨の最中です。
 MESの名古屋での活動は、どうなってるのかわかりませんが、ぼちぼちながら地域のボランティアにのっかって、こども達の療育の手伝いもできなたらなあと思っています。
三好城興 名古屋市総合リハビリテーションセンター
作業療法科 phone:052-835-3811 fax:052-835-3745
●ひさしぶりにniftyにつなぎました。
 島崎 勇 大和市林間小学校 isamu@imasy.or.jp
 97年度のCD-ROMも学校として購入したく、今から考えていいます。その節は、よろしく御願いします。 たぶん、今年は、大阪のPOEMに参加出来ると思います。海外との交流に関してその後を報告したく思っています。 また本年は、国際教室とマルチメディアというテーマでも取り組んでいます。海外から来ている子ども達に日本語を 教えるのが直接の仕事ですが、95年/96年のCD-ROMが彼らに日本語を教える時にとても役だっています。お礼申 し上げます。今後ともよろしま御願いします。

●パソコンバンクよりパソコンをいただいて
 (前田俊幸 PXE00631@niftyserve.or.jp)
 東灘の岡本さんから手紙が届きました。掲載の許可をもらったのでのせておきます。
”先日はさっそくにソフトをお送り下さいましてありがとうございました。お忙しい中ご丁寧に解説も添えていただきまして感謝しております。小三の娘が気に入ってやっているのを後ろでじっと見ておりましたが、昨日は好きな場面になると声を出して笑っておりました。まだストーリーの意味は全く分かっておりませんが、絵本を読み聞かせるような感じで私と一緒にやることの面白さが分かってくれたらと思います。今まで家で遊ばせていましたソフトはゲームや色塗り、パズルのようなもので一人身勝手に遊ぶのが好きで横から私が口をはさむとうっとうしい顔をされてしまいます。何事においても自分のペースで一人で遊ぶのが好きなのでお送りいただいたソフトは「一人ではなく誰かと一緒にする方がもっと楽しいんだよ」ということを分からせるのにもってこいのソフトと思います。また経過をご報告させていただきます。現在子供は小一、重度判定をもらっております。言葉はオウム返しがでてきましたが、最近食べたいものは自発的に要求できるようになってきたぐらいの程度です。なおご参考までに子供が気に入っておりますCD-ROMをかいておきます。”
1 らすたあちゃんとあそぼ
2 ことばとあそぼ!モグドンのぼうけん
3 ポンキッキーズ 1〜4
4 ちびっこくらぶ
5 カルロと一緒に

●プレゼンテーションについて
 根立 博 横浜国大附属養護学校 yougo3@yougo.ynu.ac.jp
 お久しぶりです。お元気ですか!横浜はもうすぐ梅雨に入ります。今、ふようは、宿泊学習のピークです。今日も小学部の3,4年生7名が校内宿泊を行っています。小学生が一人で作った味噌汁をいまいただき、お腹いっぱいになっているところです。
 ところで、6月25日(水)に本校で公開セミナーを開きます。その際に、パーワーブック1400CSを使って、プレゼンテーションを考えています。PBからの外部出力用のアダプターの様なものの規格がわかりましたらお知らせ願います。また、ほかに有効な方法がありましたら教えていただけたら幸いです。モニターへの出力ではなく、ビデオや大型TVへの出力を行いたいのですが。どなたか入手方法等もわかりましたらお願いいたします。

●伊豆医療福祉センターから
 板垣 伊豆医療福祉センター児童指導員 itamac@shizuokanet.or.jp
 私は静岡県の伊豆、韮山にあります肢体不自由児施設『伊豆医療福祉センター』で児童指導員をしています。児童指導員の仕事をする前は、富士通株式会社沼津工場でスーパーコンピュータのコンパイラを設計するエンジニアをしていたため、多少はコンピュータに明るいところがあります。
 現在、伊豆医療福祉センターでは、コンピュータを活用した障害者のコミュニケーションエイドを進めています。入所児や外来患者のみなさんに、インターネットに接続できる端末を開放しだれでもインターネットが利用できるようにする一方、作業療法など訓練場面にも、その操作や目的を考えた訓練が実施されています。
また重度障害児、者においては自己意思のコミュニケーションツールということでクネックスを用いた訓練が実施される見通しになりました。
 また在宅支援を目的とした「しずおかパソコンボランティアねっと」を開設し、現在静岡全地域と東京、海外はアメリカ、スウェーデンを結んで40名以上の組織に成長しています。このねっとの参加者に視力障害者や脊損障害者の方も参加していただき、ピアサポートの体制も整いつつあります。
 静岡県もこの「しずおかパソコンボランティアねっと」のフォロー体制と活動に関心をもっていただき、県が考えている「障害者のマルチメディア支援」の一貫として障害福祉課の方と検討を進めることになっています。検討会には私も参加する予定ですが、私としては県にただの障害者のパソコン展示室を作ることのないよう、総合的な障害者情報センターの建設を訴えていく予定です。詳細についてはまたメールします。

●パソコンバンクでお手伝いを
 竹丸康夫 神戸市 carerra@mars.dtinet.or.jp
 5月26日付の神戸新聞を読み、このホ−ムペ−ジの存在を知りました。残念ながら現在は遊んでいるパソコンはありませんが、もし知人や周りの人の中で買い換えなどで不要なパソコンができた時はこのバンクの趣旨を理解してもらい寄付できるようにしていきたいと思っています。
 私はパソコン暦は、MS_DOSの時代から約8年ほどの経験があり、現在はデスクトップ機ではWindowsNT、ノ−ト機でWindows95を使用しています。「パソコンで成果を上げる前提条件」の3項で少しは役に立てるかもしれないと思いメ−ルを送らせていただきました。大震災以前は手話のサ−クルに一年半ほど通っていましたが、現在はまったくやっていません。パソコン通信では、ニフティサ−ブの「ハンディキャップフォ−ラム」をROMしていましたが、これまた最近は覗いていません。ニフティの会議室で障害を持っている仲間と付き合っている時に、障害を持っている人にとってこそパソコンの機能が有意義に使えるのではないかと思っていましたが、このバンク設立の記事を読んで自分のできることからやっていけたらと思っています。

今月はここまでです。次回をお楽しみに。

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