1997年8月の会報です。

障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ




目次

1997年度自作教材集CD_ROM97の完成と配布開始!
MES第84回関西例会のお知らせ
第83回関東例会報告
障害児教育とテクノロジ学会のお知らせ
天狼&ディル in Madison 〜自閉症児を連れてアメリカへ〜
新刊書の紹介
市販教材の紹介
パソコンバンクのコーナー
皆さんからのお便り
'97ATACカンファレンス
障害のある児童・生徒のための個別指導計画Q&A

673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター
0795-40-2205 phone
Email:成田 滋
Web上の会報URL:MES会報

1997年度自作教材集CD_ROM97の完成と配布開始!

お待たせしました。MES自作教材集CD_ROM97が8月1日より配布する運びになりました
。今度のCD_ROMはハイブリッド版で、MacintoshとWindowsの両方で使えます。96年版
と同様に教育目的のために非売品となりますが、送料などの実費はユーザーからいた
だき、これを基金とし増版や次作の教材制作に使いたいと考えております。どうか周
りの方々に声をかけてくださり、このCD_ROMを活用されるようお勧めください。なお
、96年版も残っています。枚数や住所を明記してお申し込みください。
申し込み先:
〒673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
兵庫教育大学学校教育研究センター
成田研究室内MES事務局
 osugi@net135.or.jp または naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp
 NiftySERVE: HGA01651 または MGH00175

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MES第84回関西例会のお知らせ

8月の例会はPOEMに合流します。
【出し物】
 ・全員参加のグループ作業「工房売り込み合戦/仮称」
 ・子どものための空間「こどものじんち」
 ・タイとの交流事業「見タイ、聞きタイ、遊びタイ」
 ・企業展示および企業プレゼンテーション
  ・その他各種発表
【趣旨】
全員参加型のパーティにするためにPOEM'97のメインイベントとして、グループで制 作する作品(教材ソフト等)の企画・発表内容を競う、プレゼンテーションコンテス ト『工房売り込み合戦/仮称』を企画しております。工房に見立てたグループでの作業 を通して、ソフト作りの過程やソフトの活用方法を体験し、各自の人的なネットワークを作っていただきます。
【日程】8月2日(土)13:00〜18:00 (懇親会 18:00〜20:00)
   8月3日(日)10:00〜18:00
開催場所】
 ATC(アジア太平洋トレードセンター)
 ITM棟6F「スカイアトリウム」
 〒559 大阪市住之江区南港北2-1-10

第83回関東例会報告

宮下恵子 県立千葉聾学校 QZQ05767
日本列島の多くが大雨による被害を受けた7月12日、都立綾瀬ろう学校をお借りして第83回関東例会が開かれました。関東地方は連日の酷暑が一段落して2日続きの雨でした。雨のせいか、時期のせいか、出席者は7名と少なかったのですが、とてもフレンドリーな雰囲気の中で、会は進みました。これもひとえに綾瀬ろう学校の横枕先生のおかげです。ありがとうございました。


はじめに横枕先生が工業高校に匹敵するような機械の実習設備やMAC使用状況を紹介してくださいました。いろいろな教室にいろいろなパソコンがあったのですが、なかでも、パソコン教室が圧巻でした。コントロールパネルと呼ぶ教師用のMACと生徒用LC4755台が、ネットワークで結ばれています。
 聴覚障害をもつ生徒に対して様々な配慮がされていました。まず、どのMACにも、beep音と同時に画面全体がFlashする機能拡張書類「zzFlash Beep」(MES'96 CD-ROMに収録)が、インストールされています。そして、パソコンに向かうと教師の口元を見ることができなくなるので、生徒用のモニタの一隅には教師の口元を映した画面を表示することができます。この画面を通して教師は口話や指文字、手話などを用いて指示を伝えていくことができます。さらに、教師のタブレットから生徒用モニタに指示を書き込めるOHPのようなソフトもありました。また、ISIS NOTESという1対1でノートを送受信できるソフトもありました。これは特定の生徒にだけ指示をしたり、生徒が質問するときに便利です。


生徒は、この部屋でTrue BasicやCAD、3Dを学習したり、パソコン通信を体験したりしているそうです。教師用をサーバーにして行う疑似パソコン通信では、生徒の人間関係が観察できるようです。その折には、教師は指導者として巡回するよりも、参加者として入っているほうが、どの生徒にも話題をふるなどの配慮ができて良いそうです。


「Virtus VR」、「Ashlar Sketch」やン十万円もする「Max Surf」などたくさんの3Dソフトを使いこなされている様子に、一同声も出ませんでした。Virtus VRのCDには綾瀬ろう学校での使用例が紹介されているそうです。生徒の作品として、2時間で作ったというスタック「文化祭デジタルガイド」や、障害を合わせ持つ生徒がKidPixで作った味わい深い作品などを紹介していただきました。その他に、マウスが上手に使えない生徒が矢印キーだけで行う迷路「Baby labyrinth」や、クリックすればいろいろな大きさや色の図形が出てくる「Colors & Objects」、幼児向きの題材が盛りだくさんの「ALEX1.17」などたくさんのソフトも紹介していただきました。特に、OMOで製作された「動詞と名詞の学習用ソフト」は聴覚障害の生徒だけでなく幼児から幅広く使えるものに感じました。


次に、隔月に登場される名プログラマー中野さんから、Whisper(詳しくは6月号会報を参照)を紹介していただきました。今回は、起動時に「グッドモーニング」と挨拶をする上、ひらがなを読み上げることができるようになりました。ことえりでローマ字入力の時に確定前のひらがなを読み上げます。数字も「いち・に・・・・」と読み上げます。まだイントネーションが難点ですが、「この次は漢字も」と言う中野さんの強いお言葉に、一同感動しました。MacOS8が公開されると飛躍的に進歩するようです。ユニバーサルデザインとしても取り組んでおられ、時刻やクリップボードの内容を読み上げる機能もありました。斬新なアイデアとして2組の数字の和を読み上げる機能もありました。そのあとひとしきり「金魚すくい」の実践報告がありました。現場での使用報告は、プログラマーの方に参考になることが多いそうです。  3番目に、千葉県立市川養護学校の佐原さんから、Go any cardを用いたスタック「あっちむいてほい」を紹介していただきました。このスタックは乱数発生器のようにも使えそうで、使用法の幅が広い気がしました。また「名前つけてね」スタックは短期記憶の練習に使えそうでした。


今回も内容の濃い研究会となり、市販CD-ROM紹介は3ヶ月続きで延期となってしまいました。次回は兵教大での研究会となります。余談ですが、会が始まるまで、富士通の「Inter Top」のミニ品評会が開かれていました。参加者の垂涎の的でしたが、裏返したり撫で回したりしていた○○さんが、この次の例会の時にはユーザーになっているだろうというのが大方の予想です。

障害児教育とテクノロジ学会のお知らせ


 以下のような国際学会「Closing the Gap 15th Annual Conference」が今秋にあります。この学会は世界中で最も大きく権威のある学会です。たくさんの発表や機器などのデモもあり即売もしています。

 期間中、ミネアポリス市学校区のテクノロジ関連の障害児教育やIEP、新しい学校選択制度などの視察も予定しています。詳しいことは成田までお知らせください。

●「Closing the Gap 15th Annual Conference」
日時:
1997年10月23-25日
場所:ミネソタ州ミネアポリス市
内容:
 150の発表、ポスターセッション
 250の企業の展示即売:周辺機器、障害保障、代替装置、コミュニケーションエイ ド、教材ソフトウエア、IEP
 参加費:205ドル 23,000円位
●出発:1997年10月19日 帰国-10月26日
 宿泊:Raddison South Hotel
  一人部屋の場合 109ドル 12,000円位
  二人部屋の場合 119ドル 14,000円位
 航空券:10万円前後です。
◎引率 成田 滋

天狼&ディル in Madison 〜自閉症児を連れてアメリカへ〜

YMCAのプールで
 佐藤 裕 札幌市 ysato@execpc.com

○水深3メートル
 テピはプールが大好きだ。ショウウッドヒルズ小学校では週に2回も水泳学習があるのにまだ満足できないらしく、週末になると行きたがる。それで、マディソンのYMCAに入会することにした。YMCAにはテピとヨピが札幌でもお世話になっていたが、ここでは家族みんなで会員になった。土日の午後は家族用に解放されている。
 私は大学の温水プールで毎昼1,000メートルを泳いで満足していたので、YMCAではテピとヨピのサポートに徹することにした。日本水泳連盟公認の指導員だった私の経験を生かして、テピとヨピに本格的に水泳指導しようと思いもしたが、のんびり遊ばせるのもいいかもしれないと思い直す。
 米国のプールは真ん中から片側が急に深くなっていることが多く、YMCAのプールも例にもれず一番深い所で水深3メートルもある。テピは、はじめは深い方に絶対に行こうとしなかったが、なだめすかしながらそちらへ誘うことを何度か続けるうちに、ほんの一瞬だけ深い方へ泳ぎ進むようになった。足の立たない方へ1メートルだけ進んで、くるっと向きを変えて引き返してくるのだ。しかし、プールに通う度にその距離が2メートル、3メートルと徐々に伸びて、1カ月後には向こうの壁に達するようになった。足がつかないという恐怖が快感に変わっていく様子がテピの表情から見て取れた。

○友達
 YMCAのプールに通っているうちに、二人の若いアメリカ人と友達になった。はっきり聞いたわけではないが、その挙動からどちらも明らかに自閉症だと思われた。1人は会話が可能なので、会えば 「やあ、マーク、元気かい?」と声をかける。するとマークは、「元気だ。僕は元気だと言った。僕は元気だと言った。」と答えてくれる。ときには前夜に見たらしいテレビ番組のことを聞いてくることもある。 「ユタカ、○○○という番組を見たか?」「マーク、残念だけど見てないよ。ところで○○○って何なの?」「僕も知らない。」
 彼らにサポートはついていない。ロッカールームで自分で着替え、シャワーを浴び、プールに入る。決して障害の程度が軽いとは言えないもうひとりの自閉症の青年ニックも時間はかかるものの自力で一連の準備ができる(ちなみにマークは28歳、ニックは22歳だとマークが教えてくれた)。テピも将来自力でプールに通うことができたらいいなあと、彼らを見ていて思わずにいられない。
 プールの中では、マークもニックも滅多に泳がない。水に浸かって常同的な動きを繰り返していることが多い。しかし、私が 「マーク、君の泳ぎを私に見せてくれないかい?」と頼むと、彼は得意げに独特の泳法を披露してくれる。それが結構速い。ニックも同様だ。

○ビデオカメラ
 マディソンを去る日が近づいた10月のある日曜日のこと。私達はYMCAのプールで泳ぐテピとヨピをビデオに撮ることにした。いつもは私達がプールにいる間に近くのショッピングセンターで買い物をしている恵利子が、この日はプールサイドに立ってビデオカメラで撮影を始める。しばらくすると、マークがプールにやって来た。彼は恵利子を見つけると、プールサイドを歩いて、彼女に近づいて来る。恵利子が話かけた。 「マーク、こんにちは。」いつもなら挨拶を返してくれるマークが、ビデオカメラに目が釘付けになったまま黙っている。「これはソニーだ。」「そう、これはソニーのビデオカメラよ。」と恵利子が答えると、マークはとても嬉しそうな表情になった。「これはソニーだ。」
 結局、この日が私達にとって最後のマディソンのYMCAプールとなった。マークやニックの姿がビデオテープに偶然写っているのを帰宅してから見たが、もう二度と彼らに会えないのかと思うと寂しさがこみ上げて来た。

新刊書の紹介

●火星の人類学者 早川書房 2500円

 著者オリヴァー・サックスはロンドン生まれの脳神経科医で医師としても著名のようですが,これまで『レナードの朝』『妻を帽子とまちがえた男』『手話の世界ヘ』などの医学エッセイでも有名です。著者はこの本の中で7人の脳に障害をもつ患者の「生き方」を紹介しています。下にあります自閉症と診断されている動物学者のテンプル・グランディンの紹介もあります。
 サックスとりあげた事例はみな,障害を有しながらものびのびと生き,堂々と人びとと対面し,臆することなく自己を実現をしていることに驚かされます。
○「火星の人類学者」の表紙

●Thinking in Pictures Random House, Inc.  12ドル

 著者のテンプル・グランディンは、自閉症と診断されつつ動物行動学で博士号をとり、現在は、コロラド州立大学で助教授として教鞭をとっています。大学で教えるかたわら酪農施設の設計を手がけ事業も経営しています。この本の冒頭の文で、「自分は考えるとき、イメージで考える」と言っています。言語を絵とか動画に置き換えるのだそうです。日常生活の中では、折にふれて自閉症の言動をみせますが,同時に自閉症であるがために、すぐれた発想を示します。彼女には動物の肉体的,生理的苦痛や恐怖がよくわかるようです。しかし人間の心や物の見方や複雑な言動が包含する意味はわからないことが多いと述懐します。彼女が人問の行動を理解するすべは,データを積み重ね,それから類推するというやりかたです。また、自分は人間の複雑な感情やふれ合いやは理解することが困難であることが記されています。自分なりのぽう大な「経験のライブラリー」を何年もかけてつくり,それに基づいてある状況では人がどのように行動するかを予測できるようになったとも書いています。
○「Thinking in Pictures」の表紙

市販教材の紹介

●「グレン・ドーマンのビッツの世界」
 説明書から。「人間能力開発研究所は、世界中の子供のために、国際的に活動をしている非営利の組織です。国際本部は、米国のフイラテルフィア市におかれています。同研究所は、世界的に知られるグレン・ドーマン博士によって設立され、およそ半世紀にわたって脳障害児のために尽くし、世界各地から訪れてくる家族達を指導し続けておられます。この研究所が広く知られているのは、脳障害児に関する先駆的な業績に併せて、健常児のための能力開発の業績のゆえでもあります。グレン・ドーマン博士はこの50年間に1万5千を超える家族と密に接し、さらに多くの著書や、親が家庭で自分の子供に教える方法を説いた「穏やかな革命シリーズ」と名付けられた画期的な一連の著作およぴ教材によって、何百万という家族に大きな影響を与えています。」
定価 5600円
開発元 (株)テラソフト 06-375-5012
○「グレン・ドーマンのビッツの世界」の画面

●サンリオ博士シリーズ1「ハローキティのきおくはかせ」
 このソフトは、楽しみながら記憶のコツを身につけることができるソフトです。「注意して見る」「集中して覚える」といった記憶のコツが自然に身に付きます。対象は3才からということで、今後の教科学習に向けてのレディネスを高めるために利用したり、子どもと会話しながらいっしょに楽しくゲームをすすめることができるでしょう。「え1」「え2」「いち」「おはなし」「おと」「テスト」「おまけトランプゲーム」等のボタンを選ぶことができ、それぞれに応じた問題が出題されます。ちょっとむずかしい課題を選ぶと、大人でもかなり集中しないと難しいかも・・・。さてあなたは全問正解できるかな?
○「ハローキティのきおくはかせ」の画面

パソコンバンクのコーナー

第一回 「ハードやソフトの入手方法」

 山平喜一郎 パソコンバンク k-yamahr@psn.or.jp
 滋賀県の岡本さんと神戸の岡本さんから,『「手をつなぐ」を読んだ』ということで,FAXがきました。それに対して,以下のような回答を送付しました。
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 「機械をいじるのはとても好きです。姉のワープロを扱って怒られてます」とあり ます。このことは非常に重要です。お子さんは機械に興味を持っておられます。機械 を触ることに喜びを感じて、それを通じて自らの能力を高めていくことができるから です。是非ともいくら触っても怒られない専用パソコンを用意して、好きなだけ 触らせてあげて下さい。マウスはすぐに使いこなせるようになります。
 その際、発育の程度に合わせたソフトを準備して、自由に使用できるような環境を 整えることが大切です。文字はすぐに識別できるようになります。発声ができるので あれば、読めるようになります。数も1,2,3が分かるのですから、さらに数の概念を明確にし、もっと大きな数が理解できる手助けとなるソフトが沢山あります。
 興味を持って取り組むためのソフトとしては、キッドピクススタジオ(株式会社イ ンタープログ)やシンキン・シングス(Edmark社,株式会社システムソフト)、タイ ニーパーク(株式会社サンリオ)があります。これらのソフトには文字や数を理解す るための要素が含まれています。パソコンに興味を持つことが確認できて,さらに文 字や数を重点的に勉強するならば、カルロシリーズやポンキッキシリーズがあります 。興味なくすようなことにならないように,その子の興味と理解力に合ったソフトが いつでも使えるような環境を整えてあげるのが良いでしょう。

 つぎに,ハードやソフトの入手方法等について説明します。
1. パソコン(ハード)には大きく分類しますと,ウインドウズ用とマッキントッシ ュ用の2種類があります。
   2. ソフトには,ウィンドウズ用とマッキントッシュ用と両方に使用できるものと3 種類あります。
3. キッドピクススタジオはウインドウズ用とマッキントッシュ用の2種類がありま す。
4. タイニーパークは両方に使用できます。(新しいソフトはこのタイプ-ハイ ブリッド-が多い)
5. 最近のパソコンはすでに多くのソフトがインストールされた(入っている)状態 で販売されています。

 従いまして,キッドピクススタジオとタイニーパークを購入する場合,次のことを念頭に入れてください。
1. パソコンの種類(ウインドウズ用かマッキントッシュ用か)を決める必要があります。 
  (参考)パソコンの台数はウィンドウズ用がマッキントッシュ用より圧倒的に多い。
・企業ではウィンドウズ用が一般的。
・教育用に限定すれば,マッキントッシュが以前からよく使われてきた。
・以前はマッキントッシュの方が操作性が良かった。
・現在は操作性にほとんど差はない。
・ウィンドウズ用はマウスのボタンが2つ、マッキントッシュ用は1つなので,
・障害児にとってはマッキントッシュの方が使いやすいかもしれない。
・電器店やスーパーマーケット等で売っているのはウィンドウズ用がほとんど。

2. 次にそのパソコンに付いているソフトを確認します。キッドピクススタジオはか なりポピュラーなので,付いているかもしれません。(はじめから付いているものを 捜してもよい)
3. パソコンは価格に性能によって差があります。教育用であれば,メモリが16MB ,ハードディスクが1GBあれば十分です。
4. 技術革新の激しい電化製品ですから,少し型が古くなると,うんと安くなります。多少古いものでも3.の条件をほぼ満たしていれば問題はありません。
5. 購入するハードを決めて,ソフトにキッドピクススタジオが付いていなければ,別途ソフト(キッドピクススタジオ)を購入します。(mac用かwin用か確かめて)

 購入する場所は,ハードは(安い順に,2と3はほぼ同じ)
1.パソコン専門店
2.大型電器店(ジョーシン電器等)
3.大型スーパー(ダイエー等)
で,ソフトも同じですが,置いていない店もあります。
 その他パソコン雑誌をみれば,通信販売で安く売っています。ハードは10〜20 万円。キッドピクススタジオは1万円前後,タイニーパークは3千円前後です。
 兵庫県であれば,安い店を紹介できるのですが,長崎県はどこが安いかわかりませ ん。あわてずに,いろいろと捜してみるのが良いでしょう。
 マッキントッシュのperformaシリーズならば,キッドピクススタジオは付いている と思います。
 プリンタ(2万円程度)はいっしょに買っておくとよろしいでしょう。予算に余裕 があれば,スキャナー(図形の読み取り装置,4万円程度)かデジタルカメラも買っ ておかれたら楽しいでしょう。(後から買っても構いません)

 また,「購入は困難だが,なんとか子供に使わせたい」という場合はパソコンバン クから中古パソコンを送付することもできます。ただし,送料は着払です。他府県への送付実績はありませんが,兵庫県内で1セット5000円程度かかります。ソフトはそちらで購入していただくか、またはソフト購入代金を負担していただくことになります。

●パソコンバンクからボランティア登録のお願い

 パソコンバンクは障害児のいる家庭や学校にパソコンと障害を克服するためのソフ トや周辺機器を送って、使ってもらう運動を行っています。パソコンは善意で提供し ていただいた中古パソコンを整備し、必要に応じて機能を追加したものを送っていま す。ソフトは障害の種類や程度に応じて選定しています。肢体不自由や重度障害の場 合は特殊な入力装置も追加します。その他、すでにパソコンを使っておられる家庭や 学校には、障害の克服により一層活用が図れるような情報を提供しております。

 この運動に関する記事が、神戸新聞と朝日新聞に掲載されたのをはじめ、全日本手 をつなぐ育成会の機関誌「手をつなぐ」や全特連「発達の遅れと教育」でも取り上げ られ、全国から問い合わせや支援の依頼が来ております。

 全国規模での支援依頼に応えていくために、日本全国のボランティアの皆さんに協 力をお願いして、対応できる体制を整えていきます。そのためには、この運動に賛同 して、力を合わせて推進して行こうというお考えの皆さんをボランティアとして登録 させていただき、地理的条件や支援内容等を考慮して、最適の方に支援をしていただ く仕組が必要となります。

 主な活動内容は、以下のとおりです。
1. 支援依頼・支援申し出の受付、内容確認、データベース化
2. 中古パソコン等の収集と整備、配送
3. 障害の克服に有効なソフトに関する情報の収集と整理
4. 障害に対応したソフトの選定と購入
5. ソフトのインストール
6. 支援依頼者宅でのセットアップ
7. パソコン操作方法、インターネットやソフトの使用方法の説明
8. トラブルシューティング、Q/A等のアフターフォロー
9. パソコン、ソフト、基金等へ善意を寄せてくれた方々への礼状作成
10. マスコミ、ミニコミ、機関誌、雑誌等への広報活動

この運動に賛同し、ボランティアとして活動することを希望される方は、下記の内 容を郵送、FAX、E-mail等のいずれかでお知らせください。届き次第、ボランティア として登録させていただきます。
 1. 氏名(ふりがな):
 2. 住所      :
 3. 電話番号    :
 4. FAX番号    :
 5. E-mailアドレス  :
 6. 自宅,勤務先の別:自宅/勤務先
 7. 対応可能なOS  :Win3.1/Win95/WinNT/Mac/DOS/Unix/その他
 8. 対応できる内容 :電話・FAX等でのヒアリングと結果の報告/
   ハード・ソフトの輸送/
   ハードの増設・入れ替え(ドライバの設定を含む)/
   ハード・ソフトの購入/
   ソフトのインストール/
   セットアップ/
   インターネットへの接続(設定)/
   使用方法の説明(OS、インターネット、アプリケーション)/
   トラブルシューティング/
   Q%A対応(電話、FAX、E-mail)/
   基金への寄付/
   パソコンの提供/
   ソフトの提供/
   ゲートウェイの提供(ネットワークプロバイダ)/
   障害の程度と有効なソフトの関係についての情報提供/
   礼状等の作成・郵送/
   広報活動/
   その他(      )
 9. 障害について知っている分野;知的障害/身体障害/盲/聾/その他(  ) /無し
 10. 分類;教師・教育関係者/障害児・者の親/福祉関係者/情報処理・通信関係者/その他(      )
 11.対応可能な地域 :例,XX県XX市周辺
 12.コメント    :

(連絡先)
  住所 v〒673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学
             学校教育研究センター 成田研究室気付 パソコンバンク

  FAX :078-927-3693
  E-mail ;naritas-pcbank2@ceser.hyogo-u.ac.jp
(ホームページ)
  http://www.ceser.hyogo-u.ac.jp/narita/pcbank97/pcbank.html

皆さんからのお便り

●雑誌「手をつなぐ7月号」を読んで
 内田 西宮市 uchida@ya2.so-net.or.jp

 初めてメール差し上げます。私、西宮市東山台在住の内田と申します。雑誌「手をつなぐ7月号」のパソコンバンクを主宰される山平喜一郎さんの書かれたバンク設立の記事を読まさせて頂きました。我が家には、中度知的障害を持った6歳になる娘がおります。どのようなソフトウェアがあり、それをどのように用いればよいのか、またソフトウェアはどこで販売しているか等の情報を頂ければ幸いです。また、私、業務がシステムエンジニアであり、若干のパソコン知識を持っております、何かしらお役に立てることがあれば宜しいのですが。以上、宜しくお願いいたします。

'97ATACカンファレンス

Assistive Technologyand Augmentative Com munication Conference 1997 「障害を持つ人々の心の自立を求めて」
主催:
ATACカンファレンス実行委員会
共催:こころリソースプック編集会

コミュニケーション、書字、通信、移動、環境制御、学習活動、おもちや遊び等、様々な領域てテクノロジーが利用され、障害を持つ人達の生活を変えつつあります。しかし、テクノロジーを利用すれば便利だと思いながらも、どんな機器やソフトウェアがあるのか分からない、使い方が分からないといった声を聞きます。ATACは、これらのテクノロジーを、実際に見て、聞いて、手にとって、理解するといった形式のカンファレンスです。

障害が重いために、まだ、これらのテクノロジーを利用できない人もおられるでしよう.我々は、日常生活の自立が困難であっても、自己決定し、他者にその意思を伝えることが出来ればこころの自立が可能だと考えています。着替えや食事について考えてみると、食べる動作よりも何を食べるかの方が、服の袖に手を通したりボタンを止めたりする動作よりもどんな服を着ているかの方がもっと大切であることに気付くはずてす.そこで、ATACは、障害をもつ人々が自立する上で重要なコミユニケーションの技術(AAC)と工学的支援(Asslstlve Technology)、そこにテクノロジーを利用する思想・哲学といった背景についても同時に学べる場になりたいと考えています。

海外研究者の招待講演の他、工学・教育・医療現場で活躍しておられる人々を講師に、ローテクから最新のハイテクまで知的障害、視覚障害、聴覚言語障害、自閉症、肢体不自由、重複障害等、様々な障筈を持つ人達の生活やコミュニケーションについて約25の講座(講義、デモ、実践報告)を開講します.また、企業の協力により展示会を同時に開催いたします。

誰にでもわかりやすい楽しいセミナーにてきればと考えていますので、みなさんお気軽にご参加ください。このセミナーが重い障害を持つ人々の潜在能力を引き出す一助になればと思います。

○ATACカンフアレンス実行委員会
 松本 廣(国立特殊教育総合研究所)
 畠山卓朗(横浜市総合リハピリテーションセンター)
 小島哲也(信州大学教育学部)
 中邑賢龍(香川大学教育学部)
 伊藤英一(神奈川県総合リハピリテーションセンター)
 中野泰志(慶応義塾大学経済学部)
○期日:平成9年11月28日(金)〜11月3Q日(日)
○会場:香川県社会福祉総合センター
   〒760 香川県高松市番町1丁目10−35(JR高松駅より徒歩約20分)
   *託児(有料)を予定しております。希望の方はご連絡下さい。
○参加費:平成9年9月末までの申し込み・・<全日参加>10,000円
                    <資料代>2,000円
    10月以降の申し込み・・・・く全日参加>12,000円
             <資料代>2,000円
○参加定員:300名
○問い合わせ先:ATACカンフアレンス事務局
       〒760 香川県高松市幸町1-1 香川大学教育学部 中邑研究室内
       TEL&FAX 0878-36-1772

障害のある児童・生徒のための個別指導計画Q&A

平成8年度 心身障害教育開発指導資料 東京都教育委員会
「はじめ」により抜粋

 平成8年7月に第15期中央教育審議会は、「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」と題した第一次答申を発表しました。その中で、「障害のある子供たちに、可能な限り社会的な自立や参加をし得る{生きる力}を培うことは極めて重要なことである。」と述べています。また、一人一人の個性を生かすための教育の改善の項においては、「子供たちの発達段階に即し、ティーム・ティーチング、グループ学習、個別学習など指導方法の一層の改善を図りつつ、個に応じた指導の充実を図る。」とも述べています。
 これまでも、盲・ろう・養護学校や小・中学校の心身障害学級においては、一人一人の児童・生徒の障害の種類や程度、発達段階等に応じた指導内容・方法の開発に努め、社会参加・自立を目指してきました。これまで以上に個に応じた指導を充実するためには、個人別に用意された指導計画を作成し、それに基づいた指導を行うことにより、児童・生徒の指導目標、指導内容・方法、評価の個別化を図る二とが大切であると考えます。
 東京都教育委員会では、心身障害教育教育開発委員会において、平成6年度より3年間の計画で「幼児・児童・生徒の一人一人に自ら学ぶ意欲をもたせ、個性を生かす教育内容・方法の開発」を共通主題として、個別指導計画について研究を進めてきました。
 第1年次に当たる平成6年度は、「自ら学ぶ意欲をもたせ、個性を生かす教育内容・方法の開発一障害種別による個別指導計画の在り方一」を研究主題とし、障害種別による個別指導計画の在り方を追求し、個別指導計画の作成の方法、児童・生徒の実態把握、障害種別による実践事例等を具体的にまとめ、指導資料としました。  第2年次に当たる平成7年度は、「個別指導計画の作成とその活用」を研究主題とし、個別指導計画作成の意義、作成の手順と配慮事項、教育課程との関連、保護者との連携の在り方、障害種別による事例等についてまとめました。特に、障害種別による作成の手順を分かりやすく示すとともに、各項目の記入の仕方についても解説いたしました。また、各学校で活用しやすいように、個別指導計画表の書式や実践事例を示しました。
 3年計画の最終年度に当たる今年度は、個別指導計画に基づく指導のためのマニュアルを作成する二とを目的に研究を積み上げ、この度「障害のある児童・生徒のための『個別指導計画Q&A』一生きる力を育む個人別学習支援の方途」としてまとめました。
 各学校においては、個別指導計画の作成、指導目標、指導内容・方法の設定、評価の際に、本資料集を十分に活用し、授業の一層の充実に努められるようにお願いします。
 終わりに、本指導資料集の作成に当たってご尽力いただいた各部会の委員長並びに委貝の方々に深く感謝の意を表します。

            平成9年2月   東京都教育庁指導部長
                           蛭 田 政 弘

問い合わせ先:東京都教育庁指導部心身障害教育指導課
       東京都新宿区西新宿2-8-1
       〒163-01 TEl03-5320-6847
○「障害のある児童・生徒のための個別指導計画Q&Avの表紙



○「大阪養護教育コンピュータ研究会の様子」

では来月の会報をお楽しみに。

●制作:成田 滋

●編集:曽根秀樹