■目次■第73回関東例会のお知らせ 第73回関西例会のお知らせ ACE Centre(Aids to Communication in Education)を訪ねて 1995年度アメリカ合衆国の小中高等学校における先端通信技術利用の現状について MES九州例会in福岡を終えて 第72回関東例会の報告 天狼 & ディル in Madison THE MAGICAL TOY BOX 皆さんからのお便り 文化としての遊びと科学技術 兵庫教育大学インターネット上での大学公開講座
673-14 兵庫県加東郡社町山国2007 兵庫教育大学 学校教育研究センター 0795-40-2205 phone Email:成田 滋
Web上の会報URL:MES会報
MacCity in Fukuoka 7/19-21/1996より ・家族連れが多かった ・ブースの賑わい ・説明に汗だく ・幹事の小宮幸三さん ・親の会の大森裕一さんら ・長崎大附属養護上田文啓さん家族
8月22,23,24日(2泊3日) 8月22日(木) 午後1:00〜4:00 8月23日(金) 午前9:30〜12:00 午後1:00〜4:00 8月24日(土) 午前9:30〜12:00◎目的
Ms. Gillian Nelms
ACE Centre
ace-cent@dircon.co.uk
1. 50%の公立学校はインターネットへのアクセスができる。前年の1994年は35%であった。
2. 低所得の家庭の子弟が通う公立学校の31%がインターネットにアクセスできる。
高所得の子弟の通う公立学校の62%がインターネットにアクセスできる。
3. 生徒数が300人以下の学校の39%はインターネットにアクセスできる。一方、生徒数が1,000人以上の学校の69%がインターネットにアクセスできる。
4. 中学校の65%がインターネットにアクセスできる。小学校の46%がインターネットにアクセスできる。
5. 現在インターネットにアクセスできない学校の74%がネットワークにアクセスする準備をしている。
6. ネットワークに繋がっていない学校が抱える問題は、予算が不足していることとアクセスポイントが整備されていないことである。55%の学校がネットワークの整備のための予算が不足しており、54%の学校がアクセスポイントが不足していると報告している。
7. インターネットにアクセスできる学校の9%が教室や実験室、図書室などのメディアセンターに端末機が設置されている。1994年の調査では、3%であった。
8. 学校当たりのコンピュータの平均台数は72台である。一方、それらのうちの14%(12台)がインターネットにつなげることができる。
9. 85%の学校が、なんらかのネットワークにつながっている。そのうち77%の学校は、構内情報網(LAN)を利用し、61%の学校が広域情報網(WAN)を利用している。
10. インターネットにアクセスしていない学校のうち、11%はなんらかの広域情報網を使い、同じく23%の学校が構内情報網を使っている。
11. 76%の学校のコンピュータにはモデムが接続され、同じくケーブルテレビもみることができる。
12. インターネットに接続する7%の学校は、コンピュータ教室、図書室とかメディアセンター、教室からインターネットを使えない状態である。47%の学校は、接続できる。24%の学校は、2-3の教室から接続できる。4%の学校は4つの教室から接続できる。19%の学校は5つ以上の教室から接続できる。
13. 1994年の秋の時点では、広域情報網を使う97%の学校は、モデムを介した接続である。3-4%の学校はT1とか56Kbなどの高速専用回線を使っている。一方、1995年の秋では、インターネットに接続する学校のほとんどは、モデムを使わなくなった。広域情報網を使う61%の学校のうち、81%はモデムを使い、23%がSLIPとかPPP接続であり、10%が56Kbを使い、7%がT1で、3%がISDN回線を使っている。
14. インターネットに接続する学校では、93%が電子メールを、83%が情報検索や収集を、80%がWWWへのアクセスを、73%がニュースグループを利用している。このように電子メールの利用が盛んであるが、多くのインターネットへ接続する学校では、生徒にいろいろなサービスを利用させているのも目立つ。例えば70%の生徒はWWWを、62%の生徒は情報検索や収集を、51%の生徒はニュースグループを利用している。ただし、41%の学校が生徒に電子メールを使わせているという現状もある。
15. インターネットへ接続する学校のうち28%の学校では、教師が広域情報網を頻回に利用し、また生徒については21%が、学校管理者については18%が使っている。
16. 高校生が広域情報網を最も利用している。そのうち30%の者がかなりの程度で利用している。一方、17%の小学生もかなり使っている。
17. 学校は、ネットワークをさまざまな方法で運営している。すなわち、45%の学校はパートタイムの管理者が運営し、24%の学校は学校区の管理者が、20%の学校は特定の管理者はいないと報告している。12%の学校が専従の管理者がいるということである。
◎サマープログラムの選択
ここの小学校の夏休みは6月8日から8月25日までと,こんな北の地方でも御多分に洩れず長い.子供達には長い夏休みになるが,忙しく仕事をしている夫はせいぜい一週間ぐらいしか休めないようだ.あこがれのアメリカスンタイルのバケーション(車でキャンプしながら全米を旅する,海辺のロッジで一ヶ月のんびり過ごす,など)は我が家には無縁の話だ.
夏休み期間に行われる子供達のための様々な活動(キャンプやレクリエーション,習い事など)の受け付けは早い物は3月中旬から始まる.公的なものだけでも大まかに分けて19種類になり,その中のひとつのキャンプをとってみても,目的や期間,場所などによって多岐に分かれしている.これに更に多様な私的な機関のプログラムを選択範囲に入れると,パンフレットに目を通すだけでも大仕事だ.人気のあるもの(安くて子供達に好まれるもの)から早く埋まっていくようで,それを心得ている親達は受け付け開始を待つように行動を起こす.私の場合は始めての経験なので,子供達にとって何が一番いいのか選択に悩むことになった.
普通の子供ならよりどりみどりの選択肢の中から,子供の興味のある分野を伸ばしてあげることもできるのだろう.普通の子供でありながら住む場所のせいで言葉にハンデイを持つことになった内気な性格のヨピが,どれを選んだらより楽しく夏を過ごせるかと思うと簡単には決められなかった.重い自閉症のテピには自閉症児専門のプログラムがあることを望んでいたが,それは期待どうりにいかなかった.だが,テピに関しては後に面白い展開になったのだった.
◎ヨピはプレスクールのデイキャンプへ
あるデイキャンプのパンフレットの片隅に「ESL(English as a Second Language)に通級しているお子さんはESLの先生にご相を.」と書いてあり,英語が理解出来ないと普通のキャンプはハードなのかなあと考えてしまった.ESLの子供達のためのプログラムは何年か前まではあったようだが今はない.日本人の少ないマディソンでは日本人向けの補習プログラムもない.数少ない情報網を手繰り寄せてみると,知り合いのまた知り合いの日本人から私に良い情報が届いた.彼女の小1の娘さんは去年の春アメリカにきたばかりの時,なかなかこの環境に馴染めずとても元気をなくしていたのだそうだ.ところが,夏休みにあるプレスクールのキャンプに参加してから,とても元気になったのだそうだ.この私営のキャンプはとても費用がかかるけど...と付け加えていた.
私は早速そのプレスクールに行き,デイキャンプのパンフレットをもらった.その時対応してくれたマネージャーらしき人が,実際建物内を案内しながらの説明を申し出てくれたので,お願いすることにした.各教室にはロフト(梯子で上がる小さな2階)があり,動物や昆虫などかってあるガラスケースが2,3個置かれてあることが先ず目に入った.そして彼女の説明から,少人数のグループでアート,音楽,スポーツ,自然と触れあうことに力を入れていることがわかった.もちろん英語が話せなくてもOKだそうだ.この話を聞きながら私の気持ちはほぼ固まっていった.ヨピの夏休み始めの一ヶ月間はここで過ごすことに4月上旬には決定したのだった.
◎自閉症児専門の療育キャンプを捜して
私はマディソンの充実した障害児教育内容からして,当然自閉症児向けの療育キャンプはあるものと期待していた.ところが私が集めたパンプレットの中には見つからない.各種のプログラムの中には,障害児のために援助するスタッフをつけられるものは幾つもあるが,それはあくまで一般の子供達のためにプログラムされたものに加わることになる.私はテピ専用のアシスタントをつけてもらったとしても,果たして一般の子供達の流れと騒音の中にテピがうまく適応できるだろうかという不安は拭い去れなかった.
◎担任のマットからの情報
3月中旬,学校に行く機会があったので私は担任のマットに,テピにいいサマーデイキャンプの情報はないかと尋ねた.マットは心当たりがないようで,調べておくと言ってくれた.その後すぐにマットからひとつの情報が届いた.アシスタントのリンダからの情報で,イーグルハイツ(ユニバーシィティーハウスに隣接している既婚学生のための大宿舎群.リンダはここに住んでいる)をロケーションとしたデイキャンプがあるという.それからしばらくして,リンダが直接連絡帳に「私はこのデイキャンプでスペシャルニードの子供のためにアシスタントとして働く予定です.テピの参加は大歓迎です.もし,このキャンプに興味があるのならMSCR(Madison School Community Recreation)に申し出る必要があります.」というようなことが書いてあった.
私はこの時既にMSCRには電話で事情を話し,障害児のための無料の援助システムの説明書と申し込み用紙を送ってもらっていて,記入して出すだけになっていた.テピのことをよく知っているリンダがいてくれるということに,希望の光が差し始めたが,私はまだ自閉症児専門の療育プログラムにこだわっていた.
◎ソーシャルワーカーとの面談
我が家から歩いていける範囲の大学病院に隣接してワイスマンセンターという建物がある.ここは毎日500人もの科学者や教師,医療関係者,その他のサポートスタッフが集まり,障害のある人達やその家族のためにそれぞれの専門性を出し合いサービスに勤めるために働いているという.こういった類の施設は世界でも14カ所しかないそうだ.
自閉症協会マディソン支部の会合はいつもここで行われる.今年はウィスコンシン州で全米自閉症協会の大会が行われるために,関係者は忙しいようで春から夏にかけての会合はもうけられていない.小学校に来ているPT,OT,STはワイスマンセンターに所属している.ここで何か情報を入手できるかもしれないと思い,パンフだけもらうつもりで足を運んだ.
受け付けで「自閉症児向けのサマープログラムの情報はないでしょうか.」と聞いてみると,「ちょっと待って下さい,聞いてみます.」と言う.すぐにソーシャルワーカーが応対に出てきて,個室へと案内された.ソーシャルワーカーはとても丁寧に現在の私達家族の状況や何か他に困っていることはないかなど聞いてくる.肝心の夏休みのことについては,私が既に入手しているもの以外特にないようだった.何かいい情報があったら家に電話をくれるという約束をしてくれた彼女に,私はお礼を言ってその場を離れた.
◎Autism Resource Specialistジョエルからの情報
そのすぐその後,私がある店で買い物をしている時,偶然Nさん(IEPミーティングの時通訳をしてくれた人)に出会った.一緒に品定めしながら,キャンプ捜しにまつわる話しをすると,「ジョエル(Autism Specialist)なら何か知ってるんじゃないかしら,ジョエルに電話して聞いてあげましょうか.」と言ってくれたので,お願いすることにした.
約一週間後にNさんから電話があった.「ジョエルって本当に忙しい人なのね.何度電話してもいなくて,いる時間を聞き出して,やっと捕まえたわよ.ただ夏休みのことは,彼女の仕事の範疇に入っていないみたいで,あなたの求めるような情報はないみたいなの.長期の休みが家庭生活の崩壊につながるような場合なら方法はあるらしいけど・・.」ということだった.
◎ニューヨーク自閉症協会主催の療育キャンプ
5月に入ってから,ニューヨークタイムズ新聞にニューヨーク自閉症協会主催の療育キャンプにまだ空きがあるという記事が載っていた.問い合わせ先の電話番号にダイアルして,説明書等をすぐ送ってもらった.この時,私はイーグルハイツのデイキャンプにテピを参加させる結論を出していて,ニューヨークまでいく可能性はほとんどないと思ったが興味だけはあった.
届いた案内の内容は充実したものだった.泊まりのキャンプは2週間と4週間のものがあり,発達レベルに応じて多様なサービスが受けられる.その他レスパイトプログラム,レクリエーションプログラムに空きがあった.これらに参加する場合,保険や各種の診断書の他,最新のIEPの提出が求められる.こういう所でもIEPは,子供の指導の助けになる便利なシステムだ.
ニューヨークのような大都市は自閉症協会の組織力が大きいため,これだけのことができるのだろう.対象も全米の自閉症児に向けていることが,小さな町に住む人の助けにもなっているように思う.近隣の大都市,ミルウオーキーやシカゴあたりを捜せば似たようなものがあったのかもしれないが,そこまではする気になれなかった.結局この案内は目を通しただけで終わった.
◎Playgrounds at the Eagle Heights(デイキャンプ)に決定
場所 イーグルハイツパーク
期間 6月18日〜8月1日
実施日 月曜〜木曜
時間 9時AM〜3時PM
参加者の年齢 5歳以上
費用 無料(昼食付き)
私がサマープログラムのことについてあれこれ迷っていたことを知ったテピの担任のマットは,「アシスタントのリンダは僕がテピにしていることをよく見て理解しているから,心配することはないと思うよ.」と言ってくれた.それでとても気が楽になったような気がする.リンダが,スペシャルニードの子供のためにアシスタントとして働くということと,そこが家から歩いて5分のすぐ近くの場所であるということが決め手となって,私はイーグルハイツのデイキャンプにテピを参加させることに決め,テピを援助するアシスタントを付けてもらうための,申し込み用紙をMSCRに送った.4月下旬のことである.
アシスタントの申請用紙にはテピの状態やどの程度の援助が必要かということを詳しく書かなければならない.特にスタッフの指名がある場合の書き込み欄があったので,私はリンダの名前を書き込み,個別に対応する場面の必要性と集団の中で安定して過ごせるようにと希望を書き綴り送った.5月中旬,MSCRからイーグルハイツのプレイグランドに於いて,テピを補助するスタッフとしてリンダを配置したとの由の書簡が届いた.その中には,プログラム開始前に担当のアシスタントと直接連絡を取り合って具体的な援助の方法を話し合うようにということも書かれていた.
◎リンダとのミーティング
夏休み前,テピの感覚統合療法を見に学校に行く機会があった.その機会を利用して,担任のマットを含めてリンダとデイキャンプについての話し合いを持つことができた.マットは夏休みのデイキャンプの中で,テピに必要と思われる活動内容を既にリンダに話してあり,それをひとつひとつ私から確認をとる.
・ディープタッチセラピーとブラッシングを午前と午後に一回づつ行う.
・体力をつけさせるために歩いたり,走ったり,自転車に乗ったりする.
・全身の筋肉を均等に使うための運動,ジャンプしたり,ボールをけったり,横歩きをしたりと学校の個別体育指導で行っていることを継続する.
・模倣の力を伸ばすため身体表現ゲームを利用する.
・集団で行うゲームや様々な活動の中に一緒に加わり,一般の子供の流れの中で落ち着いて活動できるようにする.
・この集団の中に入っての活動を,休み明けの新学期から予定している親学級へ加わっての活動のために役に立てたい.
リンダが,このキャンプはイーグルハイツやユニーバーシティハウスの子供達が対象になっているから,地域の子供達との結びつきが密接になってとてもいいはず.キャンプの前に詳しい活動内容予定の報告と相談をするため一度我が家に訪れると言う.ふくよかで無造作な巻き毛の淡い金髪がよく似合うリンダは,落ち着いた暖かさを感じさせてくれる女性だ.非常勤のアシスタントなので学校に行っても会う機会は希だが,ばったり出会うと必ず愛想良く話しかけてくれる.
マットも時々テピの様子を見にプレイグランドに訪れたいと言う.こうしてテピの夏休みプログラムは学校の息のかかったものとなった.「リンダがいてくれてラッキーだったよ!」マットが言った.私もリンダも深くうなずいた.テピの特殊学級にいる他の子供達はどのように夏休みを過ごすのだろうと思った私は後でリンダにそのことを聞いてみた.「さあ?家にいるんじゃないかしら.」となんともそっけない答え.全てが初めてで何も分からない私と違って、皆それぞれ家族なりの生活の仕方を確立しているのかもしれない.それにしても何か働きかけがあれば動くが,何もなければ動かないというのがアメリカ式というものなのだろうか.
◎小学校卒業?
日本だったら,年度の終わりは終業式や卒業式があって,子供の成長をしみじみと感じ入るきっかけになったりするけれど,ここにはそういった行事はない.ヨピは最終日は朝にクラス内でちょっとしたおやつを皆で食べ,お別れ会らしきものをしたようだが,しっかり体育の授業もしてきたらしい.5年生だったテピは本来なら小学校は卒業で,6年生から中学校に移らなければならない.しかし8月26日の新学期から2カ月半で帰国する予定なので,そんな短期間のために環境を変えたくないと,転入前の会議の時小学校に残ることを要求し受け入れられていたので,新学期からもここに通ってくることになる.日本なら卒業式が行われるはずの最終登校日は2時限で下校になるためスクールバスは手配できないらしく,スクールバスで登校している特殊学級の子供達は学校を休むことになった.こうやってテピは5年生を終了した.
(本文は佐藤氏の許可を得て掲載させていただいております。佐藤氏は現在ウイスコンシン大学で研究中です。この手記は、研究のかたわらインターネットやNiftyServe上の障害児教育フォーラムに掲載しているものです。)
○期日:1996年8月3日(土) PM 1:30〜PM6:00 (セミナーのみ)
4日(日) AM10:30〜PM5:00 (イベントのみ)
○会場: 調布市文化会館「たづくり」
東京都調布市小島町2-33-1 電話 0424(41)6111
3日は 8階「映像シアター」でセミナー
4日は11階「みんなの広場」「学習室」他でイベント
●京王線調布駅 南口から徒歩3分 ●駐車場あり
○資料代: セミナー+イベント = 3000円
イベントのみ =1000円
・参加を希望される方は、直接会場までお越し下さい。
後援:東京都肢体不自由養護学校PTA連合会
福岡起風会(福岡で同じような内容の活動をしている会です。)
アドバイザー:
中邑賢龍(香川大学教育学部助教授)
松本 廣(国立特殊教育総合研究所室長)
特別セミナー(3日) 1:30〜6:00PM
会場 8階「映像シアター」
○概論講座「ノーマライゼーションとテクノロジーの課題」
講師 松本 廣(国立特殊教育総合研究所室長)
○実践講座「こんな工夫で楽しく遊べる、生活できる−実践例−」
講師 福島 勇(福岡市立南福岡養護学校教諭)
小松敬典(東京都立府中養護学校 教諭)
※先着100名定員です。参加予約もできます。
<選ぶこと><子ども縁日>などなど(4日) 10:30〜5:00PM
会場 11階「学習室」「みんなの広場」など
○「選ぶこと」を支える機器の情報がいっぱい・・MAGICAL INFORMATION BOX
□スイッチコーナー
障害に応じたスイッチが各種あります。
□資料・情報コーナー
□相談コーナー
□コミニュケーションコーナー
○「子ども縁日」いっぱい遊んじゃおう・・MAGICAL PLAY BOX
□おもちゃコーナー
市販のおもちゃをちょっと工夫しました。
□ラジコンゲームコーナー
□記念撮影コーナー
□生活コーナー
リモコンを自由自在に利用したら。
□スイッチゲームコーナー
おみやげの景品もあります。
○パソコンで何が出来るかな・・MAGICAL ABILITY BOX
□パソコンコーナー
各メーカーによるパソコンの障害者仕様を紹介
□教育ソフトコーナー
遊べて学べるソフトを紹介します。
このほか「休憩室」「セミナー室」があります。
「セミナー室」では11:00,1:00,3:00より機器の使い方や作り方などを
紹介します。
●自宅はINS 64に
塚田久貴 PGA00651
こんにちは、Niftyではいつも大変お世話になっておりますラッキーログです。この度(といっても2ヶ月ほど前ですが^^)めでたくINS64を導入いたしました。デジタル環境は当初心配していたトラブルもなく、大変快適にネットサーフィンなどを楽しんでおります。ということで、もうアナログ回線は休止しても心配はないということになりまして、7月いっぱいをもちまして休止することにいたしました。
●近況報告です
福澄節夫 JCH00214@niftyserve.or.jp
皆さん、こんにちは。いつも貴重な情報ありがとうございます。新年度も始まって3ヵ月が過ぎ、少しづつ軌道に乗ってきたかなという今日この頃。パソコン活動も、昨年マックを購入した5人の使用者が頑張っています。5人のうち2人は、ひらがな、漢字の勉強、残りの3人はパソコン通信、小説の執筆、インターネット、キネックスオンボードの改良をやっています。また、その3人も読解力、文章力に難があるので、読み上げソフトや電子辞書の利用を教えたりもしました。
パソコン相談もディスアビリティーセンターの花岡さんに毎月1回来て頂いていて、新たに1人がマックを購入することになりました。(ワープロの給付を受け)購入する人は、メンバーの中では最年長で、電動車椅子の買い換えなどもあったので今までじっくり様子を見てきたようなのですが、学習能力はさすが年の功で優れたものがあり、前述の3人のメンバー(パソコン通信などしている人たち)と力を合わせればいいものが作れるだろうと考えています。例えば、インターネットのwwwページとか、、、
周囲(一般の人?)から見れば、どうしてそんなに能力がない人たちに、パソコンをやらせるのだろうと不思議がられると思うのですが、障害者にとっての「学習道具」「コミュニケーション道具」として、「パソコン」に期待をかけている状態です。それにしても、学習経験不足からくる文章力のなさ、学習力のなさには参っています。
一番文章力がある人がパソコンを持っていないし、、、でも、どんな人でも可能性を追いかける権利は持っているはずだし、施設の職員がその芽を摘むようなことはしてはならないと頑張っています。利用者も日々闘っているわけですから、職員も闘魂です!!それにしても、非常に困難なことにチャレンジしているものです。
●久里浜にて
宮崎純夫 GGB03443@niftyserve.or.jp
さっそく会報ありがとうございました。いつも職場あてに送っていただいています。こちらでもさっそく回覧いたしました。研修もあと10日間ほどになってきました。どうも教育工学コースは、自力で研修という風潮なので(昔からなのでしょうか?)苦しい方もいらっしゃるようです。私は、普段できないことをさせてもらえる時間をいただいたと思って楽しんでいます。
自宅でもインターネットにつなげるようになりました。兵教大のwwwにもアクセスしたいと思います。長野の例会も年間1回以上はしたいと思っています。ご案内が届きましたら、よろしくお願いいたします。
●愛媛の「のびのび」学級から
愛媛県喜多郡河辺小学校障害児学級 尾花清志 coperu@sco.bekkoame.or.jp
会報ありがとうございました。今日は障害児学級新任者研修会で松山に出かけます。県立第三養護学校に行き授業参観した後、「新担任者にのぞむもの」という県教委の障害児教育課教育指導係長さんの講話を聞いたり、「教育課程の編成」という講義を聴いたりします。会報帰ってからじっくり見させていただきます。ありがとうございました。
教材CDについては、ハイパーカードを使った事がなかったので、フォントを削除していたりして、それのインストールからはじめました。マックの初心者ですから、見るのに苦労しています。ある教材ソフトを開こうとして、ハイパーカードのメモリーを増やそうとするとか、いろいろいじっていたら文字化けのトラブルを起こしたりして。昨日解決しました。これからは慎重に開いてみます。宝物がいっぱいつまっていることでしょう。
数日前に新しい会報が届いていました。ありがとうございます。教材CDですが、重宝しています。受け持ちの子が喜んでくれるのは、「なすびくん」「りんごちゃん」「すいかくん」シリーズです。ての動きと数が一致するようになりました。「おしゃべり黒板」を使ったときも反応がよくて、この2つが今のところ定番メニューになっています。それから、50音表の「あ」を指さして、「ア」と発音するようになりました。5月に「お」を指さして「オ」と発音できるようになったので、これで2つの文字の発音ができるようになったことになります。このことがこの子にとってどういう意味をもつのかはよくわかりませんが、「あ」の文字を指して「ア」と読んだということが分かったときはとてもうれしく思いました。
●Good News !
松山市立身体障害者センター 矢野純子 VYB03657
とってもうれしいニュースがあります。身障センターインターネット上のホームページ作成の起案が通ったんです!! あまりにも遅いので、今日思いきってきいてみたら、なんと事務の人が私に伝えるのを忘れていたんです。あまりのうれしさにそんなことは吹っ飛んでしまいました。私の喜びよう、わかっていただけるでしょうか?これで晴れてPRできます!実はもう何人かから「見たよ」というメールをもらっています。なかなか長い道のりでしたが、一安心です。
●こちらは宇和より
愛媛県立宇和養護学校野村学園分校 越智公政 oti@shikoku.or.jp
お元気でしょうか?国総研では大変お世話になりました。1990年に聴覚言語の長期内留でお世話になりました。あれから(3年前)、松山聾学校を追い出され、今、愛媛県立宇和養護学校野村学園分校に勤めております。小さな分校ですので、来年は全員卒業し、休校になるかもしれません。その場合は、またまたどこかに追い払われる身です。
ところで先生方のホームページ(HP)の他、松山市の身体障害者センター(矢野純子さん)も拝見させていただきました。いたるところで、皆さんがたのページを拝見し、敬服している次第です。こちらも先生の足元にも及びませんが、駄作のHPを作っておりますので、御高配頂ければ幸いです。
野村学園分校のホームページ
●「牛久心身障害学習会」から
牛久市 山下 隆
先日は「MES自作教材集」を送っていただき有り難うございました。私は教員や療育関係者ではなく高一の自閉症の娘の父親です。職業は会社員で地元の「牛久心身障害学習会」という知的障害児・者の親の会にぞくしており、この教材を会のメンバーにも紹介したいと思っています。皆さんの活動は障害児の親として大変ありがたい事です。今後も情報がありましたらご案内いただけると幸いです。
●茨城より
茨城大学教育学部 篠田晴男 shinoda@mito.ipc.ibaraki.ac.jp
会報のお知らせありがとうございます。WWWまでできているのですね。こちらでは、養護学校で情報機器や通信をどの程度利用しているのかまだわかりませんが、少し寂しいような気がします。会報の中にあった小学校の様子を呼んで、3月にいったジョージア大と周辺の小学校の様子を思い出しました。特にスクールサイコロジストの活動に関心があったのですが、学校の一員として専門家がいることに違和感がないのに驚きました。このようなトレーニングを受けた若手が帰国し、日本の教育現場を前に分け入るのは、帰国子女と同じようなハンディを背負うことになるのでしょうか。大変考えさせられました。
●オーストラリアから
内田絵里 eri@infomil.com.au
私達は、オーストラリア住在ですが、7月29日まで主人は東京に出張しております。東京滞在中にMES CD-ROMを受け取ることができましたら、より簡単かと思います。私達の会社は、オーストラリアで、ソフトの開発/ローカライゼーション、マルチメディア、インターネットなど、英語と日本語を中心に他国言語も手がけております。APPLEデベロッパーとしての登録もしております。海外(特に英語圏の国々)でもMES自作教材集を役立たせる可能性はありませんでしょうか。私達自身の6歳になる娘が網膜色素変成で視野が大変狭く、英語の点字を習っております。私の母は、日本では英語を10数年、オーストラリアでは日本語を20数年教えて参りました。教材も数多く開発しております。このような関係から、MES自作教材集に大変興味を持っております。
●はじめに
普通、子ども達は、住む地域の自然の中で、自由に遊び、自由に学び、また、友達から様々なことを教えてもらい、時には教えあって成長するのではないでしょうか。私自身の体験をふまえると、豊かな自然の中での様々な遊びが、現在の糧になっていることも少なくありません。(時には残酷な遊びもしたものです。)
しかし、病弱・虚弱養護学校の一つ滋賀県立守山養護学校(以下、守山養護と記す zenkei.jpg参照 道路の左手が滋賀県立小児保健医療センター、右手が、滋賀県立守山養護学校)で学ぶ子ども達の多くは、幼少の頃から入退院を繰り返していたり、突然、病気になり、生涯その病気と闘っていかねばならなくなった者もいます。(病類別.jpg参照 各年度とも5月1日現在)
●先日ある子どもから、
「守山養護に転入学するまで遠足も運動会もしたことがなかった。校外での社会見学も、ぼくだけ教室でビデオかスライドを見せてもらった。とてもつらかった・・・」という話を聞きました。
学校でも、家庭でも、その病気や障害から特別扱いで接してこられた子どもは、自分から交友関係を結ぶのが不得手で、自分を表現すること、自分から積極的に行動すること等々、これから社会にでていくのに、特に必要だと思われることが苦手なことが多いようです。
また、突然、難病にかかり、入院治療を余儀なくされた子どもは、それまでの性格が変わってしまうことがあります。1週間程度の入院ならいい骨休めになるのかもしれません。それに確実に治ると言われている病気なら、退院後の見通しを立てて、その準備を入院中にできるかもしれません。しかし、将来の夢をもち、知的好奇心旺盛な、人生の中で1番心身とも元気な時期に、生涯その病気とつきあわなければならなくなったとしたら、どういった心理的なショックになるか、想像を絶するものがあります。
このような病気療養児と言われている子ども達が、その体を傷つけることなく(感染等の恐れがなく)、また、病状・体調に合わせて自由な時間に自由に自分を表現しながら、主体的にみんなと遊ぶことはできないかと考えてみました。これまでいろいろな方法で、このような子どもの遊びや学びを保障してきたのですが、どれも、前に述べたことができません。それを可能にする方法は、各教室、病室、学校外(前籍校・・・入院転入前に在籍していた学校)をパソコン通信ネットワークで結び、いろんな遊びをみんなで共有することではないかと考えました。
●遊びの場を整える
これまでに述べてきたようなことから、パソコン通信のサーバーを設置し、子ども達が使いやすい環境を整えてきました。(MYNet図.jpg参照)興味をもった子ども達の学ぶ教室に各1台のコンピュータを設置しました。各教室からサーバーへは、簡単に設置できるLocalTalkによりLAN接続し、パソコン通信に参加できるようにしました。また、病状から個室からでられない、友達と話すこともできない子どもの病室には、病院等を結ぶ内線電話回線を利用して、パソコン通信に参加できる環境を整えました。
通信ソフトは、子どもも、大人も、予備知識が最小限ですむようなソフトを探していたところ、"FirstClass"(SoftArc Inc. & Creates corp.)というソフトを知り、それを試してみました。実際試したところ、MacintoshやWindowsのGUIを操作できるものなら通信していることを意識せずに通信できる実にすばらしいソフトで、小学生の低学年でも、その操作は可能でした。また、上肢に障害があっても、適当なインターフェースを用意することで、普通に通信できることもわかりました。本校のサーバーは、このソフトを使って構築していくことになりました。そして、子ども達と話している中で、ネットの名前は、守山養護のMとYとでMY-Netという名前になりました。
●離れていても一緒に遊ぼう。
教室と病室に、"キッドピクス"(BNN)の入ったパーソナルコンピュータを設置してしばらくすると、休み時間には、マウス取りが繰り広げられました。理由は、絵を描きたいからです。
そんな子どもの中に、Y子とU子がいました。この2人は、1年近く入院しており、ほとんど外出も外泊もできず、かなりストレスがたまっているようでした。Y子は、前籍校からの話では、不登校傾向があり、欠席がちな子どもでした。また、U子は、病室に感染予防のため隔離されていて、大変な治療を繰り返しその副作用に苦しむ毎日でした。共通していたのは、イラストを描くのが好きだということで、U子がたまに教室に登校してきても、特に必要なこと以外は話すことはなかったのです。そして、教室でY子が、病室でU子がパーソナルコンピュータに向かって好きなイラストを描いていました。そして、それを気心の知れた者に見せて、ほめられて得意になっていましたが、その程度でした。
ひょんなことから、たまたまその教室に遊びに来ていたとなりのクラスのN男が、「MY-Netにアップロードしてよ。」と頼んだことから、いろんな作品が、子ども達の手で、MY-Netの小さな美術館に登録され始めました。その時の様子を少し引用したいと思います。
Y子の絵の紹介文より一部引用(妖精1.jpg〜妖精3.jpg 参照)
とりあえず、見てください。感想、ご意見を待っています。
春休みをはさんで、やっと出来たので、とりあえず、見てちょ!久々の妖精です。
ようせいも結構なところまできて、自分でも上達したなあと思ったなあ。
U子の絵の紹介文より一部引用(U子.mov 参照)
ど〜ぶつさんたちの人気者,うさぴょんがついに.. す〜ぱ〜まん になりました. もちろんの事,絵が開きやすいので見てくれよ! うさぴょん,す〜ぱ〜まんに続き, うさぴょん,ぱ〜て〜するをかきました. 幸せそうなうさぴょんを見てくれ!このように、Y子とU子は、自由な時間に、楽しみながら絵を描き、普通ならその絵はうまくいって印刷される程度でしょうが、MY-Net上に発表され、Y子とU子が普段話さない子ども達とも交流が広がり、他の学校の子どもから、目標にされるようになりました。
●いろんな場所で一緒にやろう!
こういう状況で、子ども達の遊びの中で、パソコン通信を通していろんな人との交流を楽しむようになって、他の子ども達にもいろいろと欲求がでてきました。そこで、子ども達の中から「みんなで何か一つのことをして楽しもう!」という話がでてきました。そこで、クラスの5人で仕事分担をして、したきりすずめの紙芝居を作ろうということになったようです。
以下のような手順で作業を進めてきました。
1 場面を考える。
したきりすずめの話は、みんな知っているはずなのに、みんなの記憶にあるしたきりすずめは、微妙に違い、いろいろ討議の末、あらすじを決め、場面を設定していきました。それでも、なかなか決まらず、結局何日もその話が続きました。その間も、U子とT男に、「こんな場面になったけど、どうおもう。」などの電子メイルがやりとりされていたようです。その経過も、楽しんでいたようでした。場面を決めた後、どの場面は誰がやるか決めました。そして、最終結論を、電子メイルで、病室の2人に送って、作業が開始になったようです。ここで、高速LANとCUSeeMeとか、QuickTimeConferenceなどのデジタル会議システムがあれば、と思いました。
2 絵を描く。
下絵はA4の紙に鉛筆で書き、イメージスキャナーでデジタル化して、キッドピクスで着色しました。
病室にいるU子とT男の分担の分は、下絵を病室から持ち出し、それを同様にデジタル化して、そのデータを電子メイルで送りました。できあがったら、教室のY子へ電子メイルで送るということになっていました。しかし、実際には、やり直しなどがあったので、何度か、やりとりが行われていました。特に、遊びで、これだけ真剣にみんなでやれるのは、すごいと思いました。しかも、クラスの全員が参加しているのですから、なおさらのことです。これも、パソコン通信があったからこそです。
3 シナリオを考え、配役を決める。
描いた絵を場面順に並べて、全員でシナリオを考えていきました。しかし、これは、前に書いたような電子会議システムなどがあればよいのですが、残念ながら、教室のメンバーだけでやりました。そのため、病室組2人は、残念がっていました。残った3人は、一生懸命に、おもしろくなるように、考えていたようです。このがんばりを云々というのは、野暮というものでしょう。
そうして決まったシナリオは、電子メイルで病棟の2人に送られ、意見交換の後、最終稿になりました。配役を決めるのも、病棟にいる2人が不利になっては、かわいそうと、今回は特に気を使って、病棟の2人から希望を聞いていたようです。(電子メイルで先に希望を聞いていたようです。)
4 録音する。
教室では、各自自分のせりふを録音し、病室にいるU子とT男は、分担の役のせりふを病室で録音して、電子メイルで教室に送りました。特に、教室では、声優志望のY子が監督のような役割を自分から行い、いろいろ演技指導するなどして、熱気あふれる録音になりました。そうして集まった音のデータを、SoundEdit(システムソフト)というソフトで、1つにまとめました。
5 BGMを録音する。
当初の予定では、BGMは考えていなかったようなのですが、試しに、紙芝居にしてみると、何か寂しい感じがするとの声があがり、BGMをつけることになりました。しかし、いざするとなると、なかなかいい音楽が浮かんでこないので、MIDIを使い、BandInABoxというソフトの自動伴奏機能を使って、いろんなメロディーを演奏させてみました。したきりすずめのBGMとして、耳障りじゃない、しかも、雰囲気を盛り上げるメロディーを探すんだと、みんな一生懸命でした。この日は、5人全員が教室に集まっていましたので、5人で意見を交換しあっていました。途中、「これでええやん。」と、妥協の声があがったときは、他の4人がそれを制するという5つの頭脳が1つになっていると、感じました。
6 アルバムにする。(したきり.mov 参照)
製作期間3カ月という時間をかけて、QTアルバム(コーシングラフィック)を使って、アルバムにしました。タイトルはどのフォントがいいの、誰々のせりふは味があるのと、非常に盛り上がりを見せて、作業は終了しました。
この作業の中で、これが子ども達の中からでてきた遊びなのかと思われるほど、真剣な姿が見られました。特に、Y子は、教室の子ども達と、病棟の2人の仕事の作業の進行状況に気を使いながら、電子メイルで連絡を取り合いながら、調整したり、体調が悪い子どもの作品を手直ししたりと、これまでのY子からは、想像できない活躍ぶりでした。
また、他の子ども達も、それまで、Y子に対して、あまり積極的に関わりをもとうとしなかったのが、一緒に作業をしていく中で、彼女を無視することはできなくなり、また、その中で、彼女のリーダーシップにふれ、彼女の人間性を認めていったのだと思われます。
この取り組みを通して、以下のような点がすばらしいのではないかと思われます。
・クラスが1つになった。
・パソコン通信を使ったことで、全員が主人公になれて、主体的に対人関係を持ちながら遊ぶことができた。
・思いやりの気持ちが育った。
・いままで認められることの少なかった子どもに目を向けて、その活動を援助することで、その活動がその子どもの自信につながっていった。
●ネットがあるから一緒に遊べる。
健康な私たちと、病気加療のため入院して生活することを余儀なくされている子ども達と、人間個人の人格の重みに違いはありません。私たちが小・中学生の時、また、現在でも、自由に遊びたい、好きな人と自由に話したい。友達のことをもっと知りたい。いろんなことをもっと知りたいしやってみたい。いろんな欲求が、いろんな人間からでてくるのは、当然のことです。
そんな欲求は、1人の人間として、当然のことでしょう。そんな人間としての当然の欲求を可能にする技術。その1つが、パーソナルコンピュータであり、それを結んだネットワークだと思います。
これまで、2つの遊びの例を紹介させてもらいました。MY-Netは、今も動いています。そして、それをとりまく子ども達は、今日も、いろんなことを始めています。
大人は、子ども達に、教育的なことを要求し、それを楽しいと思える子どもだけならいいにしても、楽しいと思えない子どもにもそれを要求します。それを楽しいと思えないのは、指導者の教育技術が未熟だからだとか云々と突然教育評論家になってしまうことが多々あります。確かにそういったことは否定できません。しかし、すべての子どもが、すべて同じことを楽しいと思えるはずがありません。そして、いろんな個性がぶつかりあいながら、いろんな要求に応えてくれるもの。それを可能にするのが先端技術の利用ではないでしょうか。
今回紹介させてもらいましたU子もY子も、学業の成績は決して良い方ではありません。しかし、このような遊びの中で、いろんなことを学んだと思います。例えば、私の幼なじみに、勉強はできないけれど、走るのは早い友達がいました。その子は、それを誇りにし、中学生になって陸上部で活躍し、自信に満ちあふれていました。そして、現在、家業を継いで、しっかりと生活しています。
生まれつき病気がちなY子も、もともと勉強が嫌いだったU子も、そういったものをもっていませんでした。しかし、私たちと知り合い、パーソナルコンピュータと出会い、それにふれ、その向こうに友達がいるということに気がついたとき、そこには子ども達の社会・文化が形成され、得意な方法で自己表現をしているうちに、普段話すことのない友達から認められ、それが自信につながってきたのです。
Y子の場合、集団活動に参加することを拒んでいたのが、みんなから一定認められてからというもの、集団での活動に自信を持って参加できるようになりました。このことが将来、直接職業につながらなくても、生きていく上での自信の一つになっていくに違いありません。
また、U子の場合は、重篤な病気と闘うことを突然余儀なくされ、その中で、孤独との闘いも加わり、全く限られた人間としか関係がもてない状況にありました。その人は、医者や看護婦、そして我々教師、家族です。感染予防の関係から、友達が面会に来てくれても自由に会うこともできない。それに、副作用に苦しむ姿を見られたくないという気持ちもあったことでしょう。そういった状況で、人との関係がもて、しかも、自由に情報が発信でき、それが友達や周囲の人たちに感動を与えているということを知った時、Y子にとってネットワークは離せないものになったのです。その結果、つらい治療が終わって、少しでも元気になれば、絵を描き、ネットにアップロードするという状況が生まれたんだと思います。そして、孤独と病気との闘いを隔離病室で、友達との関わりを支えに、無事見事に乗り越えていきました。医学的に証明されたわけではありませんが、わずかな例でくらべてみますと、その差は歴然です。
今回紹介させてもらったような例は、世間にはまだまだあると思われます。そして、今後ますます高齢化社会を迎えていく日本において、決して他人事ではありません。
今後、遊びの中で異文化にふれたり、離れた地域や他国との文化比較や共有、また、共同作業などもおもしろいと思いますし、デジタル会議システムなどの利用が可能なら、病棟の中と学校、そして、世界中の子どもと、遊びや学びを共有できるのではないでしょうか。
こういった科学技術の恩恵は、儲けさせてくれるお客さんではなく、このような社会的弱者といわれる人たちが受けるべきものだと思います。そして、生きる力を与えてくれるのは、機械ではなく社会の中で生活している人間であり、そこに所属し、一緒に文化を形成しているという気持ちだと思うのですが、その人間との関わりが直接もてない場合、その仲立ちをしてくれるのは、機械、そして、それを支える技術ではないでしょうか。今後、こういう暖かい技術がますます発展することを祈ります。そして、数多くの笑顔が見られますよう願っています
以上8月の会報でした。次号をお楽しみに。