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福岡県が学習障害サポートを小中校に通知

 福岡県教委は県内の全小中学校に対し、学習障害(LD)の児童生徒のための校内組織を設けて指導体制を整備するよう通知した。九州地方で初めて。いじめや不登校などと並ぶ重要な教育課題として、本格的に対策に乗り出す。
 県教委障害児教育室によると、校内組織は中心となる担当者のほかに校長、教務主任、養護教諭らで作る。知的水準や運動能力には問題ないが、特定の学習に障害がある LD 児について教職員の理解を深め、LD 児がいる学級担任の指導支援などもする。不得意分野をカバーする指導方法もあるが、学校現場にはまだ浸透していない。周囲の無理解から二次的に不登校になるケースもある。
 佐賀県の小学 5 年男児の母親は学習障害と診断される前、担任から「保育園に預けたのがいけない。お菓子やジュースばかり与えているからだなどと何度も言われた」という。福岡県内のある小学校教員は「クラスに 2、3 人は学習障害が疑わしい子がいるが、どう対応するか、保護者に何と声をかけたらいいか分からない」と悩みを打ち明ける。
 福岡県教委は「担任だけで問題を抱え込むのでなく、学校を挙げて取り組む体制づくりが大切。保護者とも協力して 1 人 1 人の子に合わせた生活・学習指導に取り組みたい」と話している。文部科学省特殊教育課によると、仙台市教委が今年 3 月、市内の全小学校に「学習障害児の支援委員会」設置を求める通知を出している。

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