1996年4月の会報です。

障害者とコンピュータ利用教育研究会のホームページ


1996年3月の会報
1996年2月の会報
1996年1月の会報
1995年12月の会報
1995年11月の会報


目次

第69回関西例会のお知らせ 第69回関東例会のお知らせ 「MES自作教材集CD-ROM'96」ができました 自閉症児を連れてアメリカへ 「The Magical Toy Box」 「学校と家でインターネットを楽しむための研修会」のご案内 ソフトウエアコンテストから 自作教材の紹介 「The Magical Toy Box」集いのお知らせ 障害者情報ネットワーク名称募集 皆さんからのお便り 事務局よりお知らせ

第69回関西例会のお知らせ

○日時:4月27日(土) 2:00-4:30pm
○会場:大阪教育大学附属養護学校 平野区喜連 4-8-71 電話 06-708-2580
○交通:地下鉄谷町線「喜連瓜破」で下車。左に折れ徒歩2分のところに学校があります。
  初心者や親子連れの参加を歓迎しています。
○プログラム
 自作教材CD-ROM'96の合評会
 いろいろな市販ツールの紹介
   Oracle Media Object-j
  Pagemill-j
 いろいろな市販教材の紹介
 動画を用いた動作語の習得手法 説明 上田絹代教諭(兵教大院生)

第69回関東例会のお知らせ

◎日時:1996年4月13日土曜日午後2時-5時
◎会場:東京都失明者更生館 (新宿区河田町10-10 03-3353-1277)
 お世話役 失明者更生館主任指導専門 深沢茂氏  幹事 永田和子氏 林正直氏
◎交通:新宿西口小田急ハルク前から都営バス抜弁天経由「東京女子医科大学行き」に乗り「河田町」でおります。進行方向へ70m歩くと左手に青春出版があります。その向かい側に無人の交番があり、その隣に都失明者があります。バスで15分、徒歩1分です。どなたでも参加を歓迎しています。お気軽にお出かけください。
◎プログラム:
 新しい自作教材の紹介 「自作教材CD-ROM96」の紹介
 新しい市販教材開発ツールの紹介
◎ゲスト:(交渉中です。)

「MES自作教材集CD-ROM'96」ができました

 おかげさまで「MES自作教材集CD-ROM'95」は好評で、いろいろな方々に使っていただいております。「No.2を出してほしい」という声が多かったので、このたび「MES自作教材集CD-ROM'96」を製作しました。
 幸い、心配されていた赤字もなく、今回も制作費を捻出することができました。前回と同じく今度のCDは教育目的・非売品となり、MESの研究紀要的性格を持ったものになります。これまでと同様、送料などの実費はユーザーからいただき、これを基金とし増版や次作の予算にさせていただきます。
 お申し込みは、ハガキか封書、あるいは電子メールでお願いします。折り返しCD-ROMと郵便振り替え用紙を同封いたします。なお'95版版も若干残部がありますので、必要な方はその旨お書きください。
●送料実費 2,000円 (95年・96年版とも1枚につき)
●申し込み・問い合わせ先
 520 滋賀県大津市際川3丁目9-1
 滋賀大学附属養護学校 大杉成喜
  Email: osugi@sue.shiga-u.ac.jp Nifty: HGA01651または、
 673-14 兵庫県加東郡社町山国 2007
 兵庫教育大学学校教育研究センター 成田 滋
  Email: naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp Nifty: MGH00175

自閉症児を連れてアメリカへ


「彼は自閉症児なんです。」の一言で事態が好転する国アメリカ
 ウイスコンシン州マディソン市 佐藤 裕 ysato@execpc.com
私たちは、重度自閉症児テピ(11歳)と普通児ヨピ(8歳)の父と母です。1995年11月15日に札幌から米国ウィスコンシン州マディソンにやって来ました。滞在は1年間の予定です。 私たちは、NIFTY-Serveの「障害児教育フォーラム(FEDHAN)」に参加しています。「天狼」と「ディル」はそこでのハンドル(ニック・ネーム)です。 FEDHANの8番会議室では自閉症児の療育に関する情報交換や議論が活発に行われています。
1. 入国審査で
 デトロイトまで12時間、デトロイトで2時間待ちの後、マディソンまで1時間、合計15時間の長旅でした。成田を発ってから始めの12時間は、テピはごきげんでした。歌を歌ったり、独り言を楽しそうにしゃべったりで、とてもハイでした。しかし、この上機嫌はデトロイトまででした。入国審査で長蛇の列ができ随分待たされた時から、急速にテピの機嫌は悪くなり、奇声を上げるようになってしまったのです。
 入国審査は短期の旅行者には帰りの切符を持ってさえいればフリーパスに近いのですが、ビザを必要とするような長期滞在者にはかなり厳しく行われているようで、何人かが火祭りに上げられていました。私達の番がきたとき、審査官の目つきは厳しく、オフィシャルのパスポートを持ち、書類も完備している私にも厳しい質問をしかけてきました。そのときです。テピが私たちから離れてフラフラと入国審査ゲートを出ようとして、審査官の厳しい視線がそちらに向きました。すかさず私は言いました。「彼は自閉症なんです。」するとどうでしょう。審査官の表情が突然和らぎ、「きっと長く座り続けて疲れているのでしょう。」と言って、尋問は取りやめになったばかりでなく、ヨピにも素敵な笑顔を見せて「バイ!」入国審査はそれで終わりました。しかし、テピの不機嫌はパニックの一歩手前であることに変わりはなく、薄氷を踏む思いで、天狼一家はデトロイト空港の長い連絡通路を歩き続けるのでした。
2. 待合い室で
 マディソン行きの搭乗ゲートまでなんとかたどり着きましたが、ここでまた2時間近く待たなければなりません。しーんと静まりかえった待合い室にテピのいらいらした奇声が響きわたります。たまらず私は、背中合わせに座っている米国人らしき青年にいいました。「うるさくしてごめんなさい。彼は自閉症なんです。」「えっ、僕は全然気にしてないよ。」このやりとりは待合い室中に聞こえたはずです。私はこれで気が楽になりました。テピをなだめながら様子を見て、ウォ−クマンで大好きなテープを聞かせてみると、これが効果できめん。テピは自分の世界に入り込み、静かになりました。飛行機に乗り込んでもテピは静かで、10分もするとうとうととし始めました。後ろに座ったディルは、隣の席の老婦人に話しかけられて、「英会話」が始まりました。フロリダから来たという彼女とディルの会話を聞きながら、「けっこう通じてるじゃん」と感心する天狼でした。
 マディソン空港では、ウィスコンシン大学教授Dr.Davy(仮名)が出迎えてくれていました。彼とはモントリオールでの学会で会っているし、テピが重度の自閉症児であることはEmailで知らせてあるので、ここでは余計な心配をする必要はありません。彼はテピの様子を見て言いました。「ホテルに直行する方がいいみたいだね。」
3. レストランで
 大学の近くのホテルに着くと、私たちは急に猛烈な空腹を感じました。現地時間で丁度夕食の時間です。「このままでは眠れないから、何か食べに行こう!」テピが少し落ちつくのを見計らって、ホテル内のレストランに行くと、料理とワインを注文してちました。テピも料理が来るのを楽しみに待っているようでした。
 さあ、まずスープが運ばれてきました。テピは嬉しそうです。ところがスプーンで一口味わった瞬間、テピの表情がこわばわりました。確かめるように、もうひとくち食べると、テピの顔は歪んでとうとう怒り始めました。塩でも入れすぎてるのかと思って私も味わってみて分かりました。「これがアメリカ料理なんだ。」
 驚くほど鋭敏な味覚を持つテピにはこの味には耐えられません。彼は今まで耐えて来た不満をここで一気に爆発させるようかのように、泣き叫び始めました。驚いて給仕長も出てきました。「どうかいたしましたか?」「彼は自閉症なんです。」
 給仕長は分かりましたというようにうなずくと何事もなかったように、奥へ戻ってしまいました。給仕長が納得してくれても、テピが泣き続ける限り私たちは針のむしろに座っているようなものです。「料理を部屋に運んでもらおう。」私たちはそう決めました。ウエイトレスを呼んで「彼は、自閉症なんです。日本から着いたばかりで、とっても疲れていて、ナーバスになってます(実態はナーバスなんてもんじゃないけど)。これから出てくる料理も含めて全部部屋に運んでいただけますか?」「はい、承知いたしました。他に何かお手伝いできることがあったら、お申し付け下さい。」
4. ショッピングセンターで
 マディソン到着後3目にDavy教授が生活用品を買い揃えるために巨大なショッピングセンターに連れていってくれました。このときテピの不機嫌は相変わらずで、15分もしないうちにとうとう不機嫌がかんしゃくに変わってしまいました。通路にすわり込み泣きわめくのです。私が後ろからそっと抱いて、彼の腕を一定のリズムで軽く叩き続けていると、周囲に人だかりができました。その時、私の背後から教授の大きなよく通る声が響きました。「彼は自閉症児なんだ。」

「The Magical Toy Box」


 都立府中養護学校保護者 吉澤千恵
 このたび「The Magical Toy Box」という会を始めました。この会は、福岡起風会を参考に障害者の生活改善の選択肢のひとつにテクノロジー利用があることを主に障害者自身と保護者に認識してもらうため、イベントを年に数回開くものです。
 障害者に対してのテクノロジーの利用の研究や勉強会は日本でもかなり以前からなされていたことをここ数年、実感しています。わたしが約4年前にアメリカから帰国したときは、しかし、学校内には浸透しているとは言い難く、特定の先生に選ばれた運の良い生徒以外は殆どその恩恵に浴していない状態でした。今もその状態はあまり変わっていないと言っても過言ではないと思います。昨年11月に、多摩養護学校で行われた肢体不自由校の保護者研修会の中邑先生とペギーロックさんの講演で、中邑先生が犬の電動玩具をスイッチで動かしてみせたただそれだけで、会場が驚きの声で騒めいていたことをみてもわかります。
 親は、子どもが少しでも良くなるならばいろいろな方法を探し求め試します。そのための、情報収集の多くは口コミに頼っているのが現状です。そんな環境を踏まえて、この会のイベントは、研究会や勉強会とは異なり、実際に体験してもらうことを主眼としました。テクノロジー体験というより、むしろ遊園地のような感覚で来ていただき、自然に触れたり遊んだりしたものが気が付いたらテクノロジー利用だった--わが子にテクノロジーなんて無理だと思っていたけれど、なんだこういうことだったのか。−−そんな風に本人や保護者が気づいてくれれば生活改善の選択肢はまた一つ増えるでしょう。
 このテクノロジー利用のように殆ど浸透していないものに関しては、「質より量」つまりどの子どもにもどんなものが適しているのかを深く掘り下げて研究することではなく、とにかくこうしたテクノロジー利用の世界があることをより多くの人たちに理解していただくこともとても大切だと思います。教育は「量よりは質」のほうが長い目でみれば良いのはあきらかです。しかし反面、「良質の事例」に選ばれなかった子ども立ちの時間は、もうに二度と帰ってきません
 どの学校にもどのクラスにも、テクノロジー利用に熱心な先生や、今回のように一緒に会を立ちあげてくださった先生方がいてくださるのなら問題はありません。もちろん、学校や先生に全てを求めることは間違いでしょう。しかし、教育を受ける権利は平等に持ち合わせているはずです。どんなに障害の重い子どもたちでも。また、熱心な保護者を持つ子供がより多くの機会を勝ち得るのもおかしな話。どの子にも同じようにプログラムが提示され、本人や親の意志も加味されて協議された上で、例えばテクノロジー利用が適していなければ、諦めもつきます。その場合には、他にその子に合ったプログラムが用意されているか、もしくは家庭でテクノロジー利用の場を設ければよいのですから。家庭で全て対応するのも現実には、不可能な場合が多いのですが。
 私自身、今まで息子にどれだけのことをしてあげられたか、それを考えると彼に対して申し訳ない気持ちで一杯です。「コミュニケーションをとることは、生の音声だけではない。健常者と呼ばれる人たちだって海外では自身の声以外の方法、通訳や辞書やジェスチャーなどを当たり前のように使う。それなのに何故、障害者は彼らたち自身の声で応えることのみを求めるのか。」そんなことを分かってもらおうと必死になっている間に4年間が過ぎてしまいました。私なりにいろいろ努力はしましたが、卒後対策や変形を防ぐための毎日のリハビリ、他の子どもや家族のケアに追われて思うようにはできませんでした。息子は常に素晴らしい人たちに巡り会えて今日まで過ごしてきましたが、母親が不出来なことは最大の不幸かも知れません。しかし、正直なところ日本では、親が行政の肩代わりにすべきことが多く、アメリカの福祉にたっぷり甘やかされて過ごしていた私は、だらしない事に少々疲弊気味です。
 テクノロジー利用は広まっているようでいて、未だ知る人ぞ知るの分野に思えます。「パソコンなんて恐くない、勇気を出してこちら側にいらっしゃい」と崖淵をジャンプさせるパソコンメーカーのコマーシャルがありましたが、それほど大袈裟ではないにしろ、近いものがある気がします。また、私自身がわずか数回の研究会や勉強会に出させていただいただけですが、当事者である本人や保護者がもっと参加すべきだ、そうでなければなかなか普及しないのではとも思いました。それには、先ず、興味のない人たちに面白さを分かってもらうことが大切だし、それを私のようにテクノロジー超初心者の保護者が提案すれば、みなさんきっと安心して参加してくださるだろうとも思います。
 今回のイベントの元となるものは、息子の通う養護学校で先生のご協力の元に立ちあげた障害者へのテクノロジー利用を親子で学び体験する同好会です。昨年の文化祭では、展示コーナーを設けさせていただき、会員が協力しあって来場者に説明し好評を博しました。
 今回も私は掛け声だけ大きくて実際に動いてくださっているのは、先生方とボランティアの方々、会のメンバー、と何とも情けない想いです。永田先生はじめ他の先生方には遠く及びませんが、私自身もテクノロジーに強くなれるよう遅蒔きながら努力し始めたところです。

「学校と家でインターネットを楽しむための研修会」のご案内


昨年の夏に続いて、この春休みも以下のような研修会を開きます。どなたでも歓迎しますが、特に子どもと家族の方々を大歓迎します。PRして下さると有り難いです。日帰りでもよろしいです。おこしになり存分にインターネットの世界を体験してもらおうと企画しています。
◇日時 1996年3月27-29日(2泊3日)
◇会場 兵庫教育大学学校教育研究センター
◇宿泊 
 27日 兵教大ゲストハウス 1,200円
 28日 東条温泉 とどろき荘 4,500円
◇体験すること
 --自分のホームページを作る
  アニメーションを使ったホームページを作る
  日本語版「PageMill」と「こざいくβ4版」を使ってホームページを作る
   --Web上にあるホームページ作りツールの使い方をまなぶ
 --Web上から絵はがきを出す
 --その他のTips
 --CUSeeMeやQuickTime Conference Kitを使った対話
 --サーバーの管理をされる先生方にはなんでも相談のコーナー
  効果的なネットワークの構築
 サーバー保守のTips
  CGI機能その他
 その他、Hot Java, Shockwaveなどなど
◇その他
 ・イーサーボードのあるMacを持参すると便利です。
◇お手伝いをしてくれる方
 上谷良一氏(兵庫県立教育研修所)
 大杉成喜氏(滋賀大学附属養護学校)
 太田容次氏(守山養護学校)
 筱 更治氏(兵教大学大学院)
 Mark Taylor(兵教大学校教育研究センター)
 森広浩一郎(兵教大学校教育研究センター)
◇参加申し込み 成田 滋あて 3/23/96までお願いします。
  naritas@ceser.hyogo-u.ac.jp、niftyserve: MGH00175
  0795-40-2205

ソフトウエアコンテストから


先日開かれた国立特殊教育総合研究所内にある心身障害児教育財団主催の教材ソフトウエアコンテストでは、かっての長期研修生や短期研修生、MES会員の作品がいくつか入賞しています。それらは次ぎの通りです。詳しくは心身障害児教育財団までお問い合わせください。0468-48-4121


**銅賞
 「街に出よう」 貞松弘人  佐賀県立伊万里養護学校
    「平仮名クイズ18」 中村 修 弘前大学教育学部附属養護学校
 「"が"と"を"で文を作ろう」 中村 修 弘前大学教育学部附属養護学校
**佳作
 「Windows上の2スイッチひらかな入力」 加藤圭子 大阪府立岸和田養護学校


自作教材の紹介


「Making of お江戸でござる」
 生徒が、それぞれの役割を与えられ「お江戸でござる」の劇を演じる練習教材として作成されています。劇の中の役割や練習風景がムービーで紹介され、楽しく劇を演ずる様子が伝わってきます。
 開発者 富山県立高志養護学校こまどり分校 福満弘信
「平仮名クイズ18」
 "この教材は,精神遅滞児の国語の学習のために作られたものです。精神遅滞児によく見られる特徴として,文字は読めないが身の回りにある見慣れた単語はその意味が判別できる,自分の名前を書くことができても音韻分解ができない,また音韻分解ができても音と文字との対応ができないということなどがあげられます。それは,文字や単語を記号的に捉え,イメージとの対応のみを学習したことによるものと考えられます。単語を提示されたとき,直感的に意味を判断してしまうことが多く,同じ文字が含まれる他の物を想起してしまったりすることもよく見られます。  この教材では、意図的に同じ平仮名を含む複数の単語を材料にしたマッチングの活動を行うことにし,この教材を開発しました。単語を全体的に捉え,一部の手掛かりでその意味を判断することが困難な状況を作ることで,それまで手掛かりにしていたもの意外に気付かせていくことが大きなねらいです。この活動で,単語の判別のためにより多くの手掛かりをつかんで欲しい。単語の判別のために多くの手掛かりを持つことが,一文字の判別や音と文字の対応に結びついていくものと考えています。"(ReadMeより)
 開発者 中村 修 弘前大学教育学部附属養護学校  0172-36-5011

「The Magical Toy Box」集いのお知らせ


 重度の障害をもつ子どもたちが、簡単なスイッチで玩具やコンピュータを操作して遊び楽しめる集いです。いろいろな質問にこたえる相談のコーナーもあります。どうかご家族でおこし下さい。
◇期日 1996年3月31日(日)12:00-5:00PM
◇会場 調布市文化会館 10階「たづくり」0424-4111-6111
◇交通 京王線 調布駅より徒歩5分
◇参加費 個人1500円 家族2000円
◇お問い合わせ 吉澤千恵さん 03-5497-2140 03-5497-6766(Fax)

障害者情報ネットワーク名称募集


 高度情報化社会の到来により、「誰もが情報通信の高度化の便益を安心して享受できる社会の実現」(高度情報通信社会情報本部)のための障害者の情報対策は、ますます重要性を増しており、とくに障害者の社会参加を促進していくために各種の情報を的確に確保・提供できるようにすることが重要であると考えられます。
 このため、(財)日本リハビリテーション協会は、厚生省の委託を受け、障害者が必要とする幅広い情報についてデータベースを構築し、障害者に各種の情報を提供する「障害者情報ネットワーク(仮称)」を構築することとなり、平成8年3月から運用を開始する予定です。本ネットワークの特徴として、開かれた参加型のシステムをめざしております。そこで、この度、名称を広く一般に募集することとしました。
【障害者情報ネットワークの特徴】
 1)参加型のコンピューター情報ネットワーク
 2)開かれた情報ネットワーク
 3)世界の情報ネットワークへのアクセス
◇募集内容
 障害者の情報ネットワークの名称としてわかりやすく親しみのもてる名称を1点につき1枚の郵便ハガキでお寄せください。氏名、住所、電話番号をお書きください。
◇応募資格 制限なし
◇応募期間 平成8年1月1日から平成8年2月29日(当日消印有効)
◇問い合わせ・応募先
 〒160 東京都新宿区戸山1ー22ー1
 財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
 TEL:03-5273-0601 FAX:03-5273-1523
◇賞品
 採用者にマルティメディアパソコン1台(採用者が複数の場合は抽選で1名に進呈)
◇発表
 平成8年3月中旬、「障害者情報ネットワーク」上で発表するとともに採用者に通知 します。なお、採用された名称の著作権は、(財)日本障害者リハビリテーション協会に 帰属します。

皆さんからのお便り


●サミット小学校などのIEP(個別化指導)に学ぶ
 兵庫教育大学 斉藤一朗 QWL00031
IEPを実際に教室で見学できたのは何よりでした。一見、まちまちに、14-5人の児童がクラスで学んでいるように見えた。しかし、4,5人のグループで不明瞭な発音の子に、bigとpigの識別を繰り返すのに出会い、その意図が見えてきた。聴覚障害の子に対し、先生の発信器のスイッチを入れて、その障害の子と対話するシーンは感動的した。その子もいわゆる普通のクラスで学んでいるのです。たどたどしくはあっても顔を上げての学習です。3、4年、混合のクラスです。
 しばらくして、おやつが配られ、ここが、いわゆるリソースルームで、先生がコンテント・マスタリー・ティチャーと分かりました。その先生に、このクラスにはスロー・ラーナーばかりかと、尋ねた。とその若い女性の先生は、クラスの2人の男の子を紹介し、彼らが5年程度の学習をしているとのことです。リソースとは、そんな意味もあるのです。Bright,Slowの両方のと言うより如何にして子どもの認知と情意を併立さすか、にポイントがあるようです。IEPのそこで現在使われているシートも、子どもの名前を消して、渡され、資料にできました。
 このIEPは、親、子どもと学校関係者は同等の立場に立ち、子どものニーズに添って、いかにして適切かつ効果的に個別指導するか、また、学習到達レベルを知る手だてにもなります。親は子どもへの措置に満足できないと、疑義を尋ねることも可能です。しかし、目標とした学力に到達しなくとも、責任は問われないとも聞きます。もちろん、詳細な指導案面接記録なども、公開されます。もともと障害児の教育保障(1975)が根にあるようです。
 ・怒りだしたとき、どう気持ちをコントロールするか
 ・友達に我を抑えて付き合えるか 
 ・仕事は、ネガティブな言葉かけせずにできるか
 ・指示された動作が受けれるか
 ・リラックスしたい方法が分かるか 
 など、五段階の評価でなされていました。教師によって、A(合格)、P(進歩見えるが継続)、D(測定不能)などとなることもあるようです。隣のクラスには、車椅子の子も静かに学習していました(Summit Elementary School) 。併せて、思われるのは、ニューメキシコ大の研究所で、障害をもつ子で、例えば、触れるだけ残る機能の子、目を動かすだけ残る機能の子が、意志伝達が可能な工夫が見学できました恐らく、最先端を行くテクノロジーの1つと言えましょう(At Sundance Training Cener)。
 ほんの印象ですが、たまたま立ち寄った小学校で、4年生の担任の先生が放課後なのに、ノートの点検に余念のない光景に出会いました(Lew Wallace Community Magnet School in Alburquergue)。
 高校生の洗濯の実習やケーキづくりで、なかに出来立てのケーキの仕分けをしていた少女がいた。言語障害もあり、車椅子ですが、なんでも図書館でボランティアしながら大学で聴講生にもなっているとのことです(At Clifton Career Development School)。たしか、校内のホールには「We believe students. 」とモットーが掲げられ、「You should have a high sense of self-esteem.」とありました(At Clifton Caeer Development School)。
  ●インターネットは地方の時代か?
石川県立七尾養護学校 小塚雄一郎  GHD00316
 がんばってきた甲斐があって、とうとう七養にもインターネットとISDN回線が・・・そしてMac2台が入ることになりました。実はマックエキスポでの収穫なんです。金沢NTTで石川県内の学校に設備をいれるという情報をキャッチしました。NTT金沢の方がMESブースで川井さんとお会いしたらしく彼からその方の連絡先をメモさせてもらってました。帰ってさっそく連絡を取り、メールで連絡を取りました。石川県教委は、精薄養護学校には時機尚早との理由で七尾養護を候補にはあげなかったようです。後日、わかったことですがNTTが強く推してくれて10校プラス1で、七尾養護は企業推薦でチャンスをものにしました。MESで教わった限られたチャンスをしっかりものにすることができたようです。近畿インターネットグループと、あと金大附属、富大附属養護にも計画を伝えましたので、メディアキッズに参加していよいよ念願かなってがんばれそうです。後はランニングコストの問題等が残っていますが・・・。
 それからITT石川インターネット推進委員会の研究会が3月16日に金沢でありまして参加してきました。
インターネットとそれによるバリアフリー(障壁のない)社会への可能性というコンセプトで、金沢市福祉行政担当者、金沢障害者草の根ネットワーク ほほえみの会の方、そしてプロップステーション代表の竹中ナミさんの講演、パネルディスカッションでした。竹中さんの話は障害者の社会参加に関するネット及びコンピュータ利用という意味でとても印象的でした。「The Challengedを納税者にできる日本・・・・」障害者のことをChallenged(神からチャレンジすることを約束された人たち・・・)と説明していました。終わってから、少しお話しすることができました。MESのこともご存じでした。
 「インターネットは地方の時代」と言われていますが、本当にそうでしょうか?石川県では間違いなく金沢中心に動いていますし、ISDN回線では七尾からでも金沢につなぐしかありません。それが輪島や珠洲市では120kmをゆうに越える距離です。うちの学校でもランニングコストの問題が残ります。一般的になっていくのは、まだまだ努力が必要なのですね。
●お疲れさま
 兵庫県竜野市 前田俊幸 PXE00631
 皆さんExpoお疲れさまでした。私も少々疲れました。(年ですかね!!!)反省と言いますか、今年はどうも今一つつっこんだ話を聞きたがる人が少なかった印象を受けました。もっと低い机、広いエリアがあれば良かったのではないかと思いました。ちょっと訴きれなかったかな、と思います。マシンもせめてもう1台ほしかったですね。ディスアビリティを前面に出すのであれば、Mac(aplle)でなくてはできないところを強調したかったです。ポスターはよかったですね。どこだったかプロッタで大きな絵を出しているところがありましたが、協力してもらえればもっと目立つアピールができたかもしれません。出展者同士でそんな話ができたらもっとお祭りらしくなると思います。来年はコテコテの衣装でも着て目立ちましょうか?
●やっと使えました
 今治養護学校 越智敬子 VZD06026
 念願のパソコン通信をやっと始めることができるようになりました。待ちに待った・・・という感じです。何から何まで矢野さんにしてもらってとても助かりました。そして、愛媛での例会も矢野さんのおかげで楽しく終えることができ、とてもたのもしいマック仲間ができたことをうれしく思っています。しばらくマックから遠ざかっていた私ですが、また、マックにはまりそうです。
 学校でも、子どもに使わせることができるようになり、毎日新しい発見と驚きにわくわくしています。今のところ、お絵かきソフトのスケッチブックだけですが、せっかくつけたタッチウインドウよりマウスの方がお気に入りの子どもたちは、消しゴムの「けしけし」の声を軽やかに響かせています。自由にゆっくりと遊びながら取り組んでいきたいと思っています。では、これからもよろしくお願いします。
●復帰します
 滋賀大学附属養護学校 石部和人 HFB02103
 大変永らくご無沙汰しておりました。入院中はいろいろとご心配をおかけしましたが、ようやく元気になり?何とか復帰の見通しはつきました。昨日診断書ももらってきました。23日は泊まりはしませんが、本校にて準備しながらお待ちしております。ゆっくりいろんなことやっていこうと思います。長い目で見ていてください。といっても、学校の方には否応なくマックが入ってきますので、手をかけて育てていきたいと思います。
 自宅の方のプリンタが壊れて困っています。今度はアイロンプリントのできるアルプス電気のMD-2000にしようかA3までいけるキャノンのBJ-455にしようか迷っています。今時のカラープリンタは修理するより買い代えた方饐が安いのです。もったいない話です。

事務局よりお知らせ


 この会報はいつも月末に皆さんのお手元にとどくよう作られています。いろいろな励ましや助言に支えられてここに69号をお届けします。会報の発行にかかる印刷代や郵送費はすべて、皆さんからの入会金でまかなわれています。研究会は、年会費というものがありませんので、皆さんにはあまりご負担をかけていないつもりです。これからも印刷や電子媒体で会報をお届けいたします。入会金をまだの方は、できますれば記念切手80円で5000円分か、銀行からお振り込み下さると助かります。 (^^;)(永田和子)

振込先 横浜銀行野比出張所
普通口座 0754310
名義 障害者とコンピュータ利用教育研究会

●4月より勤務先が変わり、会報の送付先の変更を希望されるかたは住所変更をお知らせください。
    4月の会報は以上です。来月号をお楽しみに。