1998年アメリカ合衆国個別障害者教育法(IDEA)第20回議会報告書


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報告書の要約

第一部 

1997年修正個別障害者教育法の概要

状況と環境

 この章では、障害を持つ子ども及び青年に供給される障害児教育サービスの規定の背景となる情報が含まれている。この章の最初の項目では、個別障害者教育法(IDEA)と1997年の修正個別障害者教育法との変更点が述べられている。第2の項目では、州のアカウンタビリティ・システム(成果の説明責任)の履行について記述している。
 「1997年修正個別障害者教育法」は、先のバージョンを強化したものである。このモジュールでは、教育サービスが障害を持つ子どもたちに計画され提供されている。最近の改訂の枠組みとしては、次の6つの原則を貫いている。すなわち、無償で適切な公教育(FAPE)、適切な評価、個別教育計画(IEP)の開発、最も制約の少ない教育環境(LRE)、親と子どもの決定参加、障害を持つ子どもとその親の権利を守る為の適正手続きである。
 修正個別障害者教育法は、障害を持つ生徒の訓練に関連する特殊な新しい要求を付け加えている。法律は、FAPEが停学や退学させられている子どもの役に立つものでなくてはならないことを具体的に命じている。州と地方の教育機関(SEAs and LEAs)は、たとえ子どもが学校に来なくなっていたとしても、その生徒の目標と目的を伴う個別教育計画がで実行し続けることを保証する責任がある。
 修正個別障害者教育法は、新しい申請による研究費交付の規定を含んでいる。これらの資金交付の大部分は、人員の限定された障害児教育、普通教育の供給の要求を満たす発展のために使われねばならない。また、人員のサービスに関連しなくてはならない。
 さらに、その規定は、専門性の規準に関することについて触れている。修正個別障害者教育法に従い、州は、確かな条件のもとで障害児教育とそれに関係する設備での教師助手とそれを適切に訓練し管理することを認めるものとする。

州のアカウンタビリティ・システムと障害児

 一般教育のアカウンタビリティの伝統的なモデルは、大抵の場合は組織への情報提供を基盤としている。これらの方向付けされた入力の説明責任のシステムは、認可とか、学校改善査察、アカウンタビリティ、プロフィール、地方複合レポートなどさまざまに呼ばれている。連邦政府、または州政府によって予算付けられた特殊な範疇に入る計画への承諾の批評も同様に、そのシステムへの入力に依存している。
 障害児教育での伝統的なアカウンタビリティは、適宜、連邦政府と州の法律によって定められた適切な手続きを地方が遵守しているかどうかに焦点が当てられてきた。
 修正個別障害者教育法は、生徒が新しい学力水準に達しているかどうかなど、アカウンタビリティの方向付けを、情報提供または処理という観点から、教育成果を念頭においたアカンタビリティの取り組みへの転換や、障害児への見込みに関する「規準を強める」ことを強調している。
 州政府は、情報提供、または、指導のプロセスのアカンタビリティから教育システムの成果に関するアカンタビリティへの変化を確立する努力を続けている。
 ほとんどの州のアカンタビリティ・システムにおいて、障害を持つ生徒を包み込むことは、通常教育の分野で広がっている。しかし、IDEAによって通達されている個人保護を保証することから、州が解放されるということでは断じてない。(猶原秀明訳)